2008-10-09

ドキュメンタリー映画「中華学校の子どもたち」来月公開

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横浜市中区の横浜山手中華学校で学ぶ児童の日常を記録したドキュメンタリー映画「中華学校の子どもたち」が完成した。日本で生まれ育ち、中国の伝統 文化を身につけていく子どもたちを通して、日本と中国の関係を浮き彫りにしようと試みた作品。11月22日から同区伊勢佐木町の「横浜ニューテアトル」を 手始めに全国の映画館で順次公開される。

 監督は文化庁映画賞などを受賞した映画「ヨコハマメリー」(2005年制作)のプロデューサーで、鎌倉市在住の片岡希(のぞみ)さん(31)。初めての監督作品になる。

 大学時代に中国の歴史について研究した片岡さんは1999年から約2年間、北京電影学院に留学した。小さな村に攻め入った日本軍を中国共産党八路 軍が撃退する内容の映画に同級生の中国人らが熱狂するのを見て、「国の違い、教育の違いが人の考え方、感じ方にどう影響するのだろう」と思い、日本で暮ら す華僑・華人に着目したという。

 「中華学校――」は、中国語がおぼつかない小学1年生の授業風景から始まる。教室では日本語と中国語が飛び交い、目を輝かせながら伝統の獅子舞などを学ぶ。日本生まれながら、中国の文化教育を受け、成長する3年間の姿を記録する。

 一方、中国の田舎から移り住み、一代で横浜中華街の店を築き上げた在日1世らの苦労や1949年の中華人民共和国の誕生で対立した大陸系と台湾系の歴史などを卒業生らが証言している。

 片岡さんは「カメラを子どもたちの目線に合わせて撮影し、自然な表情や声を大切にした」。そのため、子どもたちとうち解けようと約半年間、カメラを持たずに一緒に授業を受けたという。

 片岡さんは「いまの中華学校の言葉を記録することは日本の歴史、華僑・華人の歴史を記録することでもある。中華学校の子どもたちがどんな生活をしているのかを多くの人に見て知ってもらいたい」と話していた。

 上映時間は86分。問い合わせは、制作配給会社のブロードメディア・スタジオ(03・5413・5487)へ。

2008年10月9日 読売新聞)

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