2008-10-10

北京で日本語教師になった 大学は一つのコミュニティー

:::引用:::
9月から北京の大学で日本語を教え始めた。60歳を過ぎて新たな職業にチャレンジだ。授 業開始に備え、大学構内の宿舎に引っ越した。まず感じたことは、中国の大学は一つのコミュニティーであることだ。構内には学生寮や教職員住宅のほか、学生 食堂、数多くのレストラン、スーパーマーケット、美容院、クリーニング屋など生活に必要な施設はほとんどそろっている。

 北京五輪が終わった8月末、北京の東部郊外、といっても各国大使館や外国企業などが多い朝陽区内にあるのだが、周辺は下町風情という大学に引越し、日本 語教師としての生活が始まった。ここは、主に放送関係の人材を育てる単科大学だったのが、その後、理学部や文学部なども増設して総合大学となったもので、 外国語学部では、英語以外に30近い言語があり、その中では日本語の学生が1学年約40人と最も多い。

 大学内の宿舎に住んでまず感じたことは、中国の大学とは「ひとつのコミュニティー」だということ。それは学内に学生寮や教職員の住宅があるほか、学生食 堂の他にも数多くのレストランがあり、スーパーマーケット、美容院、クリーニング屋など生活に必要なものは、ほとんど校内でまかなえるような施設がそろっ ている。

 ただし教職員の住宅にも時代の変化が現れており、改革開放政策が進むと共に、住宅を払い下げて個人所有にしたため、必ずしも教職員が全て住んでいる訳で はないという。新しくこの大学の教職員になった人たちは、学外にマンションを借りて住む人も多く、学内にある小学校や幼稚園では毎朝、子供を送ってきた車 で狭い道路が混雑する風景が見られる。

 9月1日から上級生たちの授業がスタートしたが、新入生の入学事情は日本と大きく違う。日本の大学の入学式といえば、上級生が新入生にクラブ活動への勧 誘を行うのが恒例だが、中国では新入生に対する軍事訓練があるので、それは授業が始まる10月の国慶節大型連休の後になるという。新入生の入学手続きが行 われた9月3日と4日には、教職員が横断幕の下に机を並べ、入学の手続きをしているだけであった。

 軍事訓練は、9月10日から20日間。学内で動員大会があった直後に軍服姿の女子学生がいたので、写真を撮らせてもらった。学生に対する軍事訓練は、 1989年の天安門事件以降に始まったと思っていたが、実際にはその前からも行われており、以前は大学に軍の指導者を呼んでやっていたのが、その後は場所 を郊外にある軍の施設の中でやるようになり、内容も強化されたようだ。

 果たしてどんな訓練をしているのか一度見てみたいものだが、新米教師としては授業の準備が忙しく、見学に行く時間がない。訓練が終わった後にその成果を 披露する場があるようだが、見に行く先生が多く、抽選になる場合もあると聞くので、外国人教師まで行けるかどうかも定かではない。上級生の話によれば、訓 練の最後には軍事訓練とは関係のない学生による「出し物」もあって、それが人気だというから、娯楽的な要素も一部、取り入れられているということなのか。

 60才を過ぎてからの大学教師という新たな職業へのチャレンジだけに、授業の準備に忙殺されており、果たして記事を更新する暇があるかどうかを心配しているが、おりをみて、中国での教師生活や中国人学生気質などを紹介するよう努めたい。
●●コメント●●

0 件のコメント: