日米株式相場が未曾有の暴落を続けている。10日午前の東京市場では日経平均株価の下げ幅が一時1000円を超え、瞬く間に8000円割れが視界に 入った。朝日ライフアセットマネジメントの高尾義一常務執行役員に、パニック感が広がる市場について聞いた。(聞き手はマネー&マーケット編集長 田中彰 一)
――20年間相場をみてきたが、このような下げは初めてです。
私も約40年ほど相場とつきあってきたが、記憶にない。ただもっと長い歴史で鳥瞰すると伝統的なクラッシュ(株価暴落)に近い下げ方ではないか。
――市場で今、何が起きているんですか?
よくわからない。ヘッジファンドの売りなのは間違いない。彼らを売りに駆り立てているのは「逃げ遅れるな」という焦りだ。まずヘッジファンドに解約が殺到 している。ところが解約のための資金を手当てしようにも、融資が受けられない。インターバンク市場が事実上、機能マヒに陥り、銀行自体が疑心暗鬼になって 資金をとれない状況になっている。
――ヘッジファンドはもう処分売りするしかないですね。
資金繰りが厳しいし、そうこうしていくうちに相場がみるみる下がっていく。逃げ遅れるな、という行動が整理売りに走らせる。特に流動性の高いものは真っ先に売られる。
――日本株はまだ売れるから下がるんでしょうね。
数週間で2000ファンドが破綻するという報道すら流れている。世界的なパニックに巻き込まれないうちに、撤退しようという動きが広がっている。
――日経平均は1990年以降の最安値(7607円)が近づいていますが、株価はなくなるわけではないからどこかで下げ止まるでしょう?
全体ではそうだが、破綻が相次げば、個別株でゼロになるケースがあるだろう。
――不安と焦燥感の増幅ですね。金融恐慌の懸念が出ているといっていいのでしょうか?
懸念というようなのんきな状況ではない。すでにパニック的な逃避行動が起こり、金融恐慌に入っている。
――どうすればこの動きを食い止められますか?
まず米国株の下げが止まらないとどうしようもないが、欧州や新興国にも飛び火してしまっている。世界各国が合同で新たな枠組みを作らなければならない。
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