米金融危機による余震が収まらない中、日経平均株価も1万1000円台前半で不安定な動きを続けている。ゴールドマンサックス証券は1日付リポートで「アジア株はマクロ経済と利益成長の下振れリスクが完全に織り込んでおらず、慎重な姿勢を維持するが、日本市場は記録的低水準にあるバリュエーションとバランスシート調整の完了から、相対的に優位性がある」との見方を示した。
同社のキャシー松井ストラテジストは「米国の金融対策によって信用ひっ迫の深刻化が食い止められる可能性はある」ものの、アジア株の動向については「株価上昇局面があっても新たな強気相場の始まりではなく、弱気相場の反発局面にとどまる」と読む。
理由として「アジアのPBR(株価純資産倍率)が過去の低水準を大きく上回り、2009年の収益予想にも下振れリスクが残っている」ことを挙げた。
一方、日本株については「バリュエーションがボトムに達し、バランスシート調整の完了により信用危機への耐性が相対的に強い」と評価。米金融危機や世界的な景気減速局が予想される中、アジア株の中で日本株は底堅さをみせるのではないかとの見方を示した。
今後の注目材料としては信用危機への政策対応や中国のマクロ指標、日本の総選挙、コモディティー価格などの動向を挙げた。
またリポートでは、外部環境の先行きの不透明感やリスク回避行動が著しいことなどで、「通常のファンダメンタル投資手法が効きにくくなっている」と指摘する一方、今のような局面は「魅力的な投資機会であり、発掘のチャンスにもつながる」と言及している。
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