2008-06-27

ナカシマベトナム、2つ目の工場着工

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  ナカシマプロペラの 現地法人ナカシマベトナムは24日、北部ハイフォン市のディンブーハイフォン工業団地でスクリュー生産工場を着工した。同社は野村ハイフォン工業団地で小 型船舶用のスクリュー生産工場をすでに稼働しており、ベトナムで2つ目の工場となる。投資額は1800万米ドル(約20億円)。新工場は来年1月に操業を 開始する予定。
(提供:「VIETJO ベトナムニュース」と「ベトナム株式情報」)

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イオンクレジ、ベトナムに現地法人=日系企業初の割賦販売に参入

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は 26日、ベトナム・ホーチミン市に現地法人を合弁で設立し、日系企業として初めて割賦販売事業に参入したと発表した。ホーチミン市内の大手パソコンショッ プと提携し、まずパソコンの割賦販売を開始。今後、提携小売店を拡大し、家電や家具などの耐久消費財に取扱商品を広げる。
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「AV王国」日本なぜ圏外?「エッチな国」4位の中国で論争―国内BBS

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2008年6月25日、世界的な男性向けウェブサイト「AskMen(米FOX系列の男性向け情報サイト)」に先日掲載された「世界で好色な国ベスト 10」が、シンガポールのメディアを通じて国内に紹介されたが、中国が4位にランクインした結果に多くの国民が不満を持ったようだ。北方網の報道。

中国が4位にランクインした理由は「世界で販売されるアダルトグッズの7割を生産していること」「性の解放が加速化し、過去8年で北京市に 5000軒のアダルトショップが開店したこと」が挙げられているが、ネット上では「不条理な理由」と反発の声が大きい。一方で、「世界のAV大国・日本が ランクインしないのは何故?」との声がネット上で高まっている。

中国人が日本人を「好色」と考える原因は、質・量ともに世界最先端をいく日本製アダルトビデオの存在が大きい。中国の男性も多くがその恩恵に授 かっていることから、その固定観念は覆しがたいと思われる。あるネットユーザーはBBS上で「日本のAVを見れば、日本人がどれだけ性に飢えているかを思 い知る。見た目は控えめにとりつくろっていても、頭の中は卑猥なことでいっぱい。男尊女卑の根強い日本には、男性を満足させる“おもちゃ”で溢れている」 と発言。これが大方の中国人の見方だろう。

しかし一方で、日本の社会背景や実情をよく理解するネットユーザーからはこんな意見も。「日本人が“好色”なのはAVの世界の中だけ。一般市民の 多くは実に保守的だし、中国と同じように、一部の若者が性に対して比較的オープンなだけだ」。ほかには「ストレス過多の日本社会では、むしろセックスレス が問題になっている。高齢化社会を見てもわかるだろう」としている。また、ストレス社会を背負う日本人男性に同情的な意見も。「働きバチの日本人男性は毎 晩残業に残業を重ね、やっと開放されても上司のとのお酒のつきあいが待っている。ストレスのはけ口を求めてAVや援助交際、いかがわしいアニメやゲームが 流行するのも無理はない」。中国人の日本に対する極めて一方的な見方は、だいぶ変化してきているようだ。(翻訳・編集/愛玉)
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外国人観光客10万人突破

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昨年1年間の外国人宿泊者数が、2006年比で31・2%増の約10万6000人になり、初めて10万人を突破したことがわかった。県が26日の県議会経営企画委員会で報告した。台湾をはじめ、韓国や中国など東アジアからの観光客が増加したことが主な要因。

 県観光課によると、昨年の観光客入り込み総数(実数推計)は1692万1000人。延べ数も2804万8000人と06年より4・6%、123万7000人増加した。

 日帰り客は1485万人と5・6%増加したが、宿泊客は207万人と2・4%減少した。ただ、外国人宿泊者数は約10万6000人と31・2%、約2万5000人増となった。

 増加した観光地は、海王丸パーク、高岡古城公園、山王まつりで、減少したのは、立山黒部アルペンルート、氷見フィッシャーマンズワーフ、砺波チューリップフェアなど。

 同課は、「一部の主要観光地では能登半島地震や新潟県中越沖地震による風評被害のために低調だったが、新たなイベントの開催などで観光客の掘り起こしが出来た」としている。


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外国人向けに電話通訳を実験

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しまね国際センター(松江市)は30日から、広島市の市民団体と東京のPHS会社と3者で、電話通訳の実験を始める。通訳が少ない地域の役所や薬局などの窓口で在日外国人へのサービスを向上させる狙い。地方の市民レベルで取り組むのは全国でも珍しい。

 外国人の生活を支援し通訳ネットワークも持つ市民団体HOPEプロジェクトとPHSのウィルコムと取り組む。9月下旬まで、松江市役所のほか、浜田市などの薬局窓口計6カ所に専用のPHS端末を設置。英語、中国語、韓国語、ポルトガル語で対応する。

 日本語が分からない外国人が訪れた際、PHS端末で国際センターやHOPEの通訳バンクから検索。時間と言語が一致した通訳が即座に選ばれ、PHS端末に接続した窓口のスピーカーを通して会話が通訳される。

 今回の実験では、通訳の携帯電話などに直接つながるため通訳が拘束されない利点があるという。

【写真説明】電話通訳で使う端末を前に今後の計画を語る、しまね国際センター、HOPE、ウィルコムの担当者たち
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観光客が3年連続増

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外国人伸び率は過去最高

 2007年に県内を訪れた観光客数は2938万6093人で、3年連続の増加だったことが、県の集計(速報値)でわかった。宿泊客数、観光消費額とも増えており、外国人観光客数の前年比伸び率は過去最高の17・5%増となった。(津江秀晃)

 県観光振興推進本部の発表によると、観光客数は前年比1・7%増。うち宿泊客数は1152万4031人で、3・6%増えた。

 地区別で、観光客数が最も多かったのは「佐世保・東彼」の827万人で、4・6%増。大規模改装を行っているハウステンボスや西海パールシーリ ゾートの集客が伸びたことなどが要因。韓国からの入国者増が続いている「対馬」は76万人で、6・1%増と伸び率が最も高かった。

 「長崎市・西彼」は582万人で、0・4%減。06年の「長崎さるく博」の反動や長崎くんちの開催期間が天候に恵まれなかった一方、ランタンフェスティバルが過去最多の人出だったことなどから、「最小限の目減りに食い止めた」と評価した。

 外国人観光客は91万9998人で、前年を13万人上回った。アジアからの客が80万人を占め、うち51万人が韓国から。積極的な誘致活動に加え、ビザ免除や円安ウォン高傾向で、気軽に訪れる人が増えたという。

 観光消費額は2599億円(58億円、2・3%増)で3年連続増加。1人当たりの平均消費額は、日帰り客6068円(43円増)、宿泊客1万8755円(82円減)で横ばいだった。

 修学旅行宿泊数は1・5%減の38万9676人で、調査・公表を始めた00年の66万9885人から7年連続で減少した。ただ、官民挙げて誘致活 動を行ってきた島原市が25・2%、佐世保市が21・4%と大幅な増加を見せている。同本部は「沖縄人気に陰りが見え、関東、関西の学校が行き先を見直し ていることがプラスに作用した」と分析している。

 同本部の織方國勝本部長は「少子高齢化が進む中、全体的に大変良い結果が出た。しかし、今後は燃油や物価の高騰の影響で、予断を許さない状況。リピーター、外国人客のさらなる誘致や、修学旅行を増加に転じさせることが必要だ」としている。


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2008-06-26

PCI、ベトナム政府高官に資金提供の疑い

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 大手コンサルタント「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI)が、ベトナムの政府開発援助(ODA)事業受注のため、現地の政 府高官に少なくとも2000万円以上の資金提供をした疑いのあることが25日、関係者の話で分かった。東京地検特捜部はベトナムの司法当局に捜査協力を依 頼し、不正競争防止法違反容疑で捜査に乗り出した。  関係者によると、PCIは香港の関係会社に年間約1億円の架空経費を支払い、裏金を捻出(ねんしゅつ)していたとされる。特捜部はPCIが裏金を海外でのODA事業の受注工作資金にあてていたとみて調べる。(25日 17:37)
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オフショア開発第三の地にベトナムが浮上

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2008年06月24日 15時39分 更新

 業務を海外の企業にアウトソーシングするオフショア開発が欧米企業を中心に増えている。代表的な委託先としてインドや中国が挙がる中、第三の地として浮上しているのがベトナムだ。

 ソフトウェアの開発年数は中国では30年に上るが、ベトナムはわずか10年ほど。エンジニアの技術力や数で中国やインドの後塵を拝するベトナムだ が、政治や経済の変化によって投資の回収が困難になるといったカントリーリスクの影響が低いこと、人件費が抑えられることなど、開発拠点として優れた面も 持っている。

 日本ではエンジニアが慢性的に不足しており、優秀な人材の獲得は難しい。特に、製品のテストなど地道な仕事を担当する人材を確保することは、企業にとってハードルが高い。

 そのような背景を基に、自社製品の開発拠点にベトナムのホーチミンを選んだ企業がある。グループウェアの開発を手掛けるサイボウズだ。

 大規模向けグループウェア「ガルーン2」の最新版は、ベトナムにおける開発を通じて完成した。ベトナムでの開発を指揮した佐藤学開発部長は「日本は人材難でエンジニアを獲得できなかった。品質にこだわるエンジニアを有するベトナムを開発拠点に選んだ」と話す。

開発期間は2年、その半分は教育に

 サイボウズはベトナム人のエンジニアの教育に1年を費やした。3カ月の座学では製品の開発に使うPHPなどのWeb技術を教えこみ、残りの期間は製品のサンプルを実際に開発してもらうOJTを採用した。

 「コードはコピーせずに自分で書くこと」「作ったコードを家に持ち帰らない」――教育期間では、開発における基本事項を徹底的に学んでもらった。 日本では前提ともいえるこれらの考えだが、ベトナム人には通用しない。「かつて日本がそうだったように、開発について何も知らない状態」(佐藤氏)だから だ。

 ベトナム人は勤勉で日本人と働きたいという意識が強く、「非常にまじめな国民性」(佐藤氏)だ。だが、開発の現場ではそれが裏目に出ることもあ る。まじめであるがゆえ、間違ったことに耐えられなくなり、「軽く注意をしたくらいでも、ショックを受けて辞めてしまう」という。1年の教育期間を終え、開発が始まった。たっぷりと教育期間を取ってサイボウズの考え方を学んでもらったことが功を奏し、開発は滞りなく進んだ。新 製品の開発に4カ月、テストに5カ月を費やした。試験の期間が製造期間よりも長いのが「サイボウズ独自の開発の特徴」と佐藤氏は胸を張る。

 テストに加え、ガルーン 2に実装する機能の開発も任せた。試験という単調な仕事だけでは飽きがくるからだ。「作っているものが分からなかったり、製品の一部だったりすると、仕事 の全体像が見えなくなり、不満が出る」(佐藤氏)。開発に熱意を向けるエンジニアのモチベーション管理も大きな仕事だ。

 ベトナムで開発に着手してから2年の歳月を経て、ガルーン 2はリリースされた。製品の完成は成功の1つだが、新たな開発拠点ができたことが大きかった。「最初は与えられたものをこなすだけだった現場が、プロジェ クトが進むにつれて、自分たちで何かを開発するという意欲で溢れるようになった」(同氏)

 外注費やテストの費用などを含めて費用は3分の1に下がった。今後は積極的に新製品の開発に取り組み、「ベトナム発の製品も何年後かには出したい」と意気込む。

image ベトナム人による開発で生まれた新機能の「リマインダー」。佐藤氏は「さまざまなアイデアがベトナム人から出てきた。こちらが期待していた以上の仕上がりになった」と満足げ

メンバーの流出防止がオフショア成功の秘訣

 ベトナムでのオフショア開発の成功の秘訣はどこにあったのか。

 佐藤氏は「メンバーが変わっていないこと」を強調する。長期期間のプロジェクトでは人材の流出が頻繁に起こる。だが、サイボウズは同プロジェクトにおいて、メンバーの変更は1人もなかった。

 「サイボウズが面白い製品を作っていると感じたから、彼らは開発を続けたいと言ってくれた」と佐藤氏は振り返る。同社とベトナムのエンジニアのコ ミュニケーションを仲介するブリッジSEは、教育期間の約半分の半年を現地で過ごした。時には現場で、時には飲みの場で、「サイボウズが考える開発」につ いて何度も共有を図ったことが結果となって現れた。

 「中途半端な気持ちじゃ開発者はついてこない。絶対に開発を成功させるという覚悟を持ち、それをエンジニアに伝えないとベトナムでのオフショア開発は成功しない」(佐藤氏)

ベトナムは製品開発の妙手となるか

 「まず中国やインドでのオフショア開発を考えてみてください」

 ベトナム人技術者の派遣サービスを手掛けるアストミルコープの武田雄己彦社長は、オフショア開発の相談にきた企業の多くにこう切り出す。

image 「開発に携わる専門的な人材を積極的に送りこむ企業はオフショア開発に成功している」と武田氏

 武田氏は「1000社を超える開発企業の中で、日本の開発委託先になりうるのは20社程度」と見積もる。国をあげてソフトウェア開発を奨励する制度を打ち出しているベトナムだが、技術力と専門知識を持ち日本語に長けた人材を有する企業は少ない。

 「多くの企業はオフショア開発をすれば生産性が上がると思っているが、文化や言語の違う国の人間をマネジメントするのは思いのほか難しい」(武田氏)

 日本とベトナムの間にあるこれらの溝を埋めるには、サイボウズのようにそれなりの期間とコストを要する。「オフショア開発を行う理由を明確に持た ない企業が少なくない。オフショア開発は新規事業として取り組むくらいの気持ちが必要」。アストミルコープの猪瀬ルアン取締役は安易にベトナムを開発拠点 に選ぼうとする企業に苦言を呈する。

「ベトナム人は日本市場にブランドを感じており、優れた製品を作ってきた日本人から学ぼうとする姿勢が強い」と猪瀬氏

 コストを減らせるという理由だけでベトナムを開発拠点に据えるのも危険だ。「日本と同じレベルの技術が得られるなら人件費はより高くなる」(猪瀬氏)からだ。安価な人件費の裏には、専門的な技術力は即座に得られないという実態がある。

 オフショア開発の委託を単なる外注と考えると成功はさらに遠のく。開発の課題を抽出し、日本での開発手法との間にあるギャップを埋めるために、技術文書の翻訳や作成ができる専門的な人材を自社で育て、積極的に現地に送り出す必要があるという。

 「失敗することを前提と考えておくことが必要だが、まずは先行投資。長い目で見てパートナー企業を育てるつもりで考えるとよい」と武田氏は言う。



 ベトナム人の開発への意欲は高い。ベトナムではエンジニアという職種は花形であるという。「給料は一般の人の3~4倍。若くしてチームリーダーになれるし、ステータスも得られる」(猪瀬氏)

 こうした背景からも分かるとおり、ベトナムを拠点としたオフショア開発はまだ初期段階だ。ベトナムで開発をしようとする企業は、「開発を丸投げする」という意識を捨て、パートナー企業としてともに開発を進める姿勢が必要となってくる。

 オフショア開発の成功には地道な努力を積み重ねることが要求される。近道はなさそうだ。


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最大のソフトウエアパーク案件が認可

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 ホーチミン市人民委員 会は16日、サイゴン通信技術株式会社(サイゴンテル)とシンガポールのTAアソシエーツインターナショナルとの合弁会社に対し、「トゥーティエム・ソフ トウエアパーク」建設案件の投資認可書を交付した。TAアソシエーツは台湾の東元電機(TECO)などが出資して設立した企業。ソフトウエアパーク建設案 件は、サイゴンテルが20%、TAアソシエーツが80%を出資して実施する。

  この案件は、同市2区に建設されるトゥーティエム新都市 区内の面積15.9ヘクタールの敷地に、国内最大規模のソフトウエアパークを建設するもの。総投資額は12億米ドル(約1290億円)。同パークには、賃 貸オフィス・商業ビルや専門家用の賃貸住宅などが整備され、ソフトウエアの国内開発・オフショア開発、集積回路・チップの設計、人材育成などが行われる。 将来は専門家約7万人の雇用創出と年間売上高65億米ドル(約7000億円)を見込んでいる。
(提供:「VIETJO ベトナムニュース」と「ベトナム株式情報」)

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第6回中国国際ソフトウエア・情報サービス取引会、大連で開幕

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第6回中国国際ソフトウエア・情報サービス取引会が19日、大連で開幕した。これまでに5回連続で開催しているこの取引会は、中国最大規模のIT業 界の取引会となっている。今回の会場面積は3万平方メートルに達し、インテル、IBM、日立など国内外の大手企業100社が参加しているほか、中国の30 省・自治区・直轄市が団体を派遣しており、規模は過去最大となった。また、上海市、青島市、寧波市などが今回初めての参加となるほか、大地震を受けた四川 省と成都市も団体を派遣している。

大連市の夏徳仁市長は、「今回の取引会では世界ソフトウエア・情報サービス高層フォーラムなどのテーマイベントを行うほか、国内初の『中国IT競争 力調査研究報告』と『中国ソフトウエア業界企業投資価値報告』を発表し、国内初の『ソフトウエア産業信用評価システム建設フォーラム』を開催する」と紹介 した。中国商務省の統計によると、昨年の中国ソフトウエア輸出合意額は前年同期比64.8%増加の約130億6400万元(19億ドル)近くに達し、ソフ トウエア輸出契約登録企業は1179社に達した。また、取引会主催都市の大連市のソフトウエア産業販売収入は215億元に達しており、輸出額は約49億 4400万元(7億2000万ドル)、ソフトウエア企業は700社以上、
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日本語教材「標準日本語」、中国人読者に愛される秘訣

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 中国で20年もの間発行されている一般社会人に向けの日本語教材が発行部数700万部を超えた。これは日本語を独学する80%以上の中国人が選ぶといわれる「中日交流標準日本語」という教材である。

  1988年の初版から、今年でちょうど20周年を迎えるこの教材は、中国で学校教育を専門とする出版社「人民教育出版社」と日本の光村図書出版株式会社が共同で編さんしたもので、多くの言語学者や日本語教師が3年の時間をかけて作り上げたものだという。

  25日、20周年記念式典が北京人民出版社で行われ、中国教育部や外交部、新聞出版総署、日中友好協会および光村図書出版株式会社の代表らが記念式典に出席し、駐中国日本大使館の道上尚史公使が挨拶を行った。

  なぜ、この日本語教材が中国の日本語学習者に愛読されているのかという理由について、人民教育出版社日本語編集室の唐磊教授は、「この教材は中国人に向けて研究開発されたもので、中国人学習者の希望や要望にこたえている教材だからではないか」と述べた。


※この記事は、中国で唯一対外放送を行う国家放送局の「中国国際放送局(CRI)」による提供です。現在、38の外国語、中国国内の4つの方言と43の言語で、世界200以上の国と地域に向けて放送しています。URL : http://jp1.chinabroadcast.cn/

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物価が高すぎると感じる中国人の比率、過去最高水準から低下

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[北京 25日 ロイター] 中国人民銀行(中央銀行)が発表した四半期調査で、現在の物価が容認しがたいほど高水準にあると考えている国民が、3カ月前より減少したことが分かった。

 前回の調査では、現在の物価水準は容認できないと答えた回答者の割合が過去最高の49.2%だったのに対し、今回の調査では45%だった。

 今後数カ月に物価が一段と上昇するとの見方を示したのは50.3%で、上昇しないとの回答は48.9%だった。

 インフレ率が過去12年で最高水準に達した昨年10─12月期には、今後数カ月の物価上昇を予想した回答は64.8%に達していた。

 5月の消費者物価は、4月の8.5%から7.7%に低下した。


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世界銀行、中国へ総額5億5000万ドルの融資を承認

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 世界銀行中国事務所は25日、世界銀行総裁は中国へ総額5億5000万ドルの融資を承認したと発表、これにより今年の世界銀行からの融資総額は15億1300万ドルとなった。中国国際放送局が伝えた。

   今回の融資内容には4項目のプロジェクトが含まれ、農村での新しい協力医療と医療救助のテストケース実施に5000万ドル、中国の人的資源主管部門と社 会保障省の協力による農民労働者に対する技術訓練に5000万ドル、西安市の道路と景勝地までの交通手段の改善に3億ドル、石家庄から鄭州までの355キ ロの高速鉄道幹線の敷設に1億5000万ドルがそれぞれ融資されることになっている。


※この記事は、中国で唯一対外放送を行う国家放送局の「中国国際放送局(CRI)」による提供です。現在、38の外国語、中国国内の4つの方言と43の言語で、世界200以上の国と地域に向けて放送しています。

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グッドウィル:来月廃業 日雇い派遣の許可取り消し、グループ再建に痛手

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人材派遣大手のグッドウィル・グループ(GWG)は25日、100%子会社で日雇い派遣最大手のグッドウィル(GW)を7月末に廃業すると正式発表 した。二重派遣問題で、厚生労働省が同社の派遣事業の許可を取り消す見通しとなったことなどから、事業継続が困難と判断した。GWGの経営再建に大きな痛 手になりそうだ。GWGは今後、GWが派遣する約7000人の労働者について、顧客企業での雇用継続や同業他社の受け入れを呼びかける一方、内勤従業員約 4100人については退職を申し入れ、事実上、解雇する。GWの中元一彰社長ら全役員は退任する。

 記者会見したGWGの堀井慎一社長は「事業廃止は苦渋の決断。多くの方に迷惑をかけたことをおわびしたい」と謝罪した。

 違法派遣問題などが相次いで発覚したGWは、厚労省から1月に最高4カ月の事業停止命令を受けたことで、登録派遣者が約3万4000人から約 7000人まで激減。「日雇い派遣がワーキングプアの温床になっている」との批判もあり、GWGは売却方針を固め、日米の投資ファンドや人材派遣会社など 数社と交渉。だが、違法派遣で社員が逮捕されたことなどで、交渉は難航した。

 GWGは、介護事業からの撤退や派遣業の事業停止などで業績が悪化。米大手ファンドのサーベラスと米証券大手モルガン・スタンレーの2社連合の支 援で財務基盤を強化し、技術者派遣などに経営資源を集中する計画だった。ただ、100億円規模での売却を見込んでいたGWが廃業に追い込まれ、200億円 超で売却予定だった老人ホームも交渉が進んでいない。

 経営の柱と位置付ける技術者派遣も優良メーカーは法令順守を厳格化し、「GWGとの契約を敬遠するケースが目立つ」(業界関係者)という。堀井社 長は「六本木ヒルズからの本社移転、社名変更でイメージを一新したい」と述べたが、再建計画は大幅な見直しが迫られる可能性もある。

 GW廃業の報道を受け、25日の東京株式市場でGWG株は、制限値幅いっぱいのストップ安となる前日終値比1000円安の6610円で取引を終えた。【田畑悦郎、小倉祥徳】


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派遣労働者の雇用確保が課題

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人材派遣会社大手の「グッドウィル」が、違法な派遣を繰り返して人材派遣の免許を取り消される見通しになったのを受けて、25日、廃業することが決まりま した。グッドウィルでは1日平均で7000人の派遣労働者が働いていたことから、新たな雇用先の確保が課題となっています。
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[コラム:研究員のココロ]労働力不足と賃金上昇が続く中国~見直しが求められる日本企業の中国戦略

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1 生産年齢人口のピークは2011年頃

 中国の人口は、2006年末時点で13億1,448万人と世界一の規模を誇っている。しかし、人口増加率は一人っ子政策の影響で低下傾向にあり、毎年の 人口増加数も年々減少している。2006年には前年比で692万人の増加となったが、ピーク時に比べると約3分の1の規模にとどまっている。
 また、労働力の規模を表す生産年齢人口(15~64歳)についてみると、高齢化の進展と新規流入労働力の減少に伴い、生産年齢人口が数年後には減少に転じることが懸念され始めている。
 中国社会科学院人口・労働経済研究所の張車偉副主任による、2000年センサスをもとにした試算によれば、中国の生産年齢人口は2014年の9億 9,700万人がピークとなり、2015年からは減少が始まるとしている。労働市場においては60~64歳の年齢層に対する需要は極めて少ないことから、 15~59歳の年齢層でみるならば、ピークの到来と生産年齢人口の減少はさらに早まり、2011年の9億2,700万人がピークとなり、2012年から減 少に転ずる可能性が高いと予想している。
 また、国連の”World Population Prospects”によれば、5年毎のスパンで見ると、生産年齢人口は2006~2010年までは増加するものの、2011~2015年の期間中には減 少に転じ、この期間で年平均84万人の減少に転じるとしている。その後、年平均の生産年齢人口の減少幅は次第に拡大し、2031~2035年の5年間で は、年平均の生産年齢人口の減少が768万人と最も拡大する。さらに、その後は年平均の減少の幅は小さくなるものの、2050年まで減少傾向には歯止めが かからないと予想されている。
 このように、中国の労働力は今後数年の間にピークに達し、その後は減少に転じるものとみられる。

2 深刻化する単純労働者不足と賃金上昇

 このような労働力の減少が始まる前に、中国では既に人手不足の兆候がみえ始めている。
 2002年後半からは、広東省において「民工荒」と呼ばれる労働者の不足現象がみられ始めた。当初は、例えば旋盤工といった技術水準が相対的に高い労働 者の不足であったが、2003年入り後からは、運搬作業員、家政婦といった単純労働者の不足も顕著となっている。さらに、2004年以降、広東省のみなら ず、中国の主要工業地帯である沿海部の様々な地域において、労働者の不足が常態化しつつあり、熟練工のみならず、一般労働者の募集も困難な情勢となりつつ ある。とりわけ、これまで中国の沿海部の都市部において、低コスト労働力の中心となっていた内陸部の農村部からの出稼ぎ労働者の不足が顕著となっている。 中国政府が、広東省など沿海部12省の都市部を対象にした人手不足に関する調査によると、調査した企業のうち35%の企業が、労働力が不足していると回答 している。とくに、18~25歳の年齢層の未婚の女子労働者の不足が全体の60~70%を占めているが、若年労働力を中心に人手不足が深刻化しつつある。
 沿海部を中心とする都市部において、現在人手不足がとくに問題となっている職種はいわゆる単純労働者(低付加価値労働者)である。今後、人口構成上の問題から若年労働力の減少が予想されるなかで、いわゆる低付加価値労働力の確保は年々難しくなることは間違いない。
 このような量的な確保の困難に加え、中国では賃金の上昇が急速に進んでおり、最低賃金が毎年のように高率で引き上げられている。このため、「低廉で豊富 な労働力を利用した低コストでのものづくり」という中国のビジネスモデルは早急に見直されるべき段階に来ているといえる。さらに、労働契約法の導入によ り、今後は従業員を長期に雇用せざるを得ないケースが増えることが予想され、これまでのように受注生産や短期の生産計画に基づく生産の変動を派遣社員で調 整するような生産体制をとることが徐々に難しくなる可能性が高い。

3 日本企業の中国戦略の見直し~低コスト基地から脱却し人材の育成を急げ~

 以上を踏まえると、日本企業の中国における事業戦略は、現在大きな曲がり角に差し掛かかりつつあるといえ、今後を見据えた以下のような長期的な戦略の確立が必要になっている。
 第1は、中国を低コストの生産基地とみなしている場合には、その抜本的な見直しが必要なことである。
 既に述べたように、中国ではいわゆるワーカークラスの人手不足が顕著となりつつある。このため、大量に労働者を雇用して労働集約型の生産を行う業態で は、労働者の量的な確保が難しくなっている。また、賃金の上昇も急で、賃金を少々上げたくらいでは労働者を必要な数だけ確保することが難しい場合も増えて いる。このような状況の下、いわゆる労働集約型からの転換が必要となっており、より付加価値の高い生産品目へのシフトや、効率化を進め、より少ない労働力 での生産を可能にすること、あるいは機械化を進めることなどが課題となりつつある。
 一方で、どうしても労働集約型の生産が必要であるならば、中国でも比較的低コストの労働力が確保しやすい内陸部へ生産拠点のシフトを図ることや、あるいは、ベトナムやインドネシアなど、より労働コストの安い「中国プラス1」の国へのシフトを検討することが必要である。
 第2は、人手不足が顕著となるなかで、人材育成の重要性が高まっていることである。
 労働者の量的な確保が難しくなるなかで、優秀な人材を外部から獲得することが一層困難となりつつある。このため、即戦力の人材を雇用するよりも、雇用した人材を社内で育成していくことの重要性が高まっている。
 日本企業はもともと人材育成には熱心であるが、中国においても、長期的な視野に立って、計画的に人材を育成していくシステムを確立する時期にきているといえる。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。

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今井 宏
(株)日本総合研究所
主任研究員 海外事業・戦略クラスター 食・農・基本戦略クラスター
専門分野:国際ビジネス戦略、アジア投資環境・投資戦略(中国、東南アジア、インドなど)
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看護師・介護士に外国人の“助っ人”到来

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 日本とインドネシアのEPA(経済連携協定)に基づき、8月にも、インドネシアから看護師・介護士の候補生が来日し、日本での就労をスタートする。

 この分野における政府間協定で「外国人労働者」が国内で就労するのは初めて。人手不足で悲鳴を上げている国内の医療・介護施設からは、強力な“助っ人”として期待されている……。

 と思ったら、実態はそう単純ではなさそうだ。

 協定によると、日本は2008年度から2年間、最大で看護師400人、介護士600人の計1000人を受け入れる。候補生たちはまず半年間の日本語教育を受け、それから“配属先”の病院や介護施設(原則として1施設2人)で就労しながら、実務を学ぶ。

 ここまではいい。問題は、その先だ。

 というのは、候補生たちは日本人と同じ条件で、日本の国家試験を受け、パスしなければ就労できなくなるからだ。その期間は看護師が3年、介護士が4年。

 その間、仕事をしながら日本語を学び、しかも筆記試験のある国家試験に受からなければ帰国しなければならない。

 候補生にとって、これが非常に高いハードルであることは目に見えており、「表面は労働開国を装いながら、これでは事実上の労働鎖国と変わらず、国家的詐欺に等しい」(坂中英徳・外国人政策研究所長)という厳しい批判もある。

お役人の「開国意識」と現場感覚の落差

 なぜそこまで厳しいハードルを設けなければならないかというと、そもそも日本側窓口の厚生労働省は「政府間協定でインドネシア側が望んだ希望に沿っただけであり、人手不足のために来てもらうのではない」としており、「労働開国」の意識はまったくない。

 日本人並みの条件で仕事をしてもらい、それがむずかしいなら帰国もやむなし、という基本的立場なのだ。

 近年、看護・介護現場の厳しさは知られており、勤務時間や賃金などの待遇を改善すれば、日本人の希望者も大きく増える可能性はありそうだ。

 しかし、今度は健康保険や介護保険の負担増、財政の負担増といった問題に発展する。厚労省の頑ななまでのスタンスは日本の「低負担・高福祉」という実情に対する疑問を投げ掛けるもの、と考えることも不可能ではない。

 しかし、実際の看護・介護現場の話を聞くと、そうした制度上の問題はともかく、利用者の希望に沿うには、とにかく人手を増やすしかない。

 日本人でも外国人でもいい。そんな切羽詰った声が大勢を占める。

 むずかしい手術や医師の補助業務などには、高度スキルの看護師が必要であろう。しかし、看護助手と呼ばれる人々の業務分野まで広げて考えれば、資格試験が必要とは思われない。

 同様に、お年寄りの介護現場で、流暢な日本語が不要なことは実証済みだ。「日本語による引き継ぎができないと困る」といった理由まで持ち出すのは本末転倒ではないだろうか。

 そんなことを議論しているうちに、いよいよ、インドネシアから候補生が来日する。せっかくの制度だ。候補生が失望して帰国することのないよう、政府は資格レベルの引き下げなど、就労環境の改善を図るべきだ。

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決算に見るITサービス会社の浮沈,インド企業との提携が突破口になるか

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 ITサービス会社の2007年度決算が出そろった。特筆すべき点は、「売上高3000億円」を超える上位グループの中で、徐々に差が広がっていることだ。

 売上高1兆円を超すNTTデータを除くと、大塚商会(2007年12月期の連結売上高4694億円)と野村総合研究所(NRI、2008年3月期の連結 売上高3422億円)の2社が一歩、飛び出した格好だ。これらを追うのが日本ユニシス(同3377億円)、TISとインテックホールディングが合併して4 月に誕生したITホールディングス(IT HD、同3224億円)、そして伊藤忠テクノソリューションズ(CTC、同3192億円)の3社である。

 売上高だけ見ると、5社の差は小さいように思える。売上高の伸び率では大塚商会が8.3%増で、NRIは6.1%増だった。これに対して日本ユニシスは9.9%増、CTCが8.5%増で、むしろ大塚商会やNRIを上回る。

 だが日本ユニシスやIT HD、CTCの数値は、いずれもM&A(企業の合併・買収)を推進した結果である。M&Aを実施しなければ、2007年度決算は3社ともマイナスかマイナスに近い結果だった。

 大塚商会とNRIの2社は、M&Aに頼らずに業績を着実に伸ばし、利益率も改善している。2社ともアウトソーシングやサービス商品など収益性の高いビジネスに経営資源を注力し、事業を拡大させてきたことが奏効している。

 例えば大塚商会は、オフィス通販事業である「たのめーる」を始めとするASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)事業が業績拡大に貢献した。 NRIでは証券会社向けなどに開発した共同利用型サービスやアウトソーシングが、売り上げを大きく引っ張る原動力の一つとなった。

 販売力にも差が出てきた。とりわけ大塚商会は、営業を支えるバックヤードの仕組みを充実させるだけでなく、大手ITベンダーに対する強い交渉力も持つようになった。NRIは固定顧客をしっかりつかみ、ストックビジネスを広げている。

 一方、日本ユニシスやIT HD、CTCの3社は、M&Aに多くの時間が割かれているためか、サービス商品の開発では後手に回っているように見える。最近になって新しいサー ビス商品を相次いで発表しているが、業績に大きく貢献するのは1年先だろう。M&Aのシナジー効果を発揮するには、もう少し時間がかかりそうだ。

 むしろ3社は、海外展開を積極的に進めることで、活路を見出そうとしている。

 日本ユニシスとCTCの場合は、インドのITサービス会社との提携を推進している。日本ユニシスは08年2月にインフォシス・テクノロジーズと、CTC は08年4月にウィプロ・テクノロジーズと手を結んだ。オフショア展開やサービス商品の開発に弾みをつけるためだ。ただし「現在はまだ調整を進めている段 階で、体制固めなどを協議中」(CTC)と、詳細な内容はまだ決まっていない。

 このほかIT HDも海外展開を視野に、今後の中期経営計画を策定するという。

 ただし課題もある。日本ユニシスとCTCはパートナーとしてインド企業を選択したが、インド企業は日本企業の下請けに甘んじる考えは毛頭ない。単に日本人の技術者不足を補うための提携では、インド企業の魅力をうまく引き出せないし、成果を生まない可能性すらある。

 インドのITサービス会社を活用するには、どうすべきか。米IBMや米マイクロソフト、独SAPなど欧米のITベンダーがインド企業と提携した理由は、 研究・開発の強化にあった。インド人技術者の数ではなく、技術力の高さを買っているのだ。日本企業もオフショア展開より、インド企業とのサービス商品の共 同開発に注力すべきだろう。

 日本のITサービス会社の営業利益率は、わずか数%にとどまるが、インド企業は30%を超える。インド企業の優れている点をもっと学び、海外に通用するほどのサービス商品を思い切って作り出さないと、上位グループの一角を守るのも難しくなる日が訪れるかもしれない。


●●コメント●●

2008-06-25

厚生労働省発表:「研修・技能実習制度研究会報告」のとりまとめについて

:::引用:::

「研修・技能実習制度研究会報告」のとりまとめについて

外国人研修・技能実習制度については、一部の受入れ機関において、研修生が実質的に低賃金労働者として扱われていたり、技能移転のための適正な実習 指導が行われていない等の問題が生じており、「規制改革推進のための3か年計画(平成19年6月22日閣議決定、平成20年3月25日改定)」において、 「実務研修中の研修生の法的保護の在り方」等について「遅くとも平成21年通常国会までに関係法案提出」等必要な措置を講ずることとされている。

厚生労働省は平成18年10月に「研修・技能実習制度研究会(座長:今野浩一郎 学習院大学経済学部教授)」を設置し、制度の適正化や在り方に関す る事項について検討を行ってきたところである。この間、平成19年5月には、制度見直しの方向性について中間報告をとりまとめ、実務研修中の研修生の法的 保護のあり方等について提言を行うとともに、ブローカー対策や技能移転の実効性確保等の課題を取り上げ議論を継続してきたところである。

こうした検討の結果、今般、最終的なとりまとめを行った。(別添)本報告は、中間報告で指摘した事項に加え、制度目的である実習の実効性を一層確保する観点から更に検討すべき事項について、その検討の方向性を打ち出すものである。

なお、詳細な報告書については、追って公表することとする。


研修・技能実習制度研究会報告(概要)

別添

【中間報告(平成19年5月)のポイント】

1.実務研修中の研修生の法的保護のあり方

研修生の法的保護を図る観点から、「研修(1年)」+「技能実習(2年)」については、最初から雇用関係の下での3年間の実習とし、労働関係法令の適用を図る。

2.技能実習の実効性の確保

実習指導員の配置、技能実習終了時の評価等を義務づけ。また、対象職種については、実習生の幅広い技能の修得が可能となるよう見直す。

3.受入れ団体の責任強化、ブローカー対策等

受入れ団体は、技能実習中の受入れ企業に対する監理責任を負うこととする。また、営利目的の団体の設立を防止するため、本来の事業協同組合等としての活動実績を受入れ要件とする。

併せて、不正行為を行った場合の規制の厳格化、送出し機関の適正化等の措置を実施。

4.より高度なレベルの技能実習

再技能実習については、概ね技能移転と適正化が図られ、失踪率も低い「企業単独型」に限り、2年間に限定し認める。

5.チェック機能の強化

JITCOにおいて巡回指導等を強化するとともに、その役割・体制を抜本的に見直す。

今回の報告は、制度の適正な運営と実効性を確保するため、悪質な企業・団体を排除する一方、優良な企業・団 体を育成する観点から、上記のポイントに加え、実習生あっせんシステムの適正化、達成目標である技能検定3級レベル以上の取得に向けた実習の実効性確保、 法令遵守・実習状況に係るチェックの強化等について、検討の方向性を打ち出すもの。

1.ブローカー対策等、実習生の需給調整のあり方

実習生あっせんシステムを適正化する観点から、受入れ団体に対する許可制の導入等を検討。

2.実習の実効性確保

技能検定3級レベル以上の技能修得に向けて、受入れ団体が企業の実習を指導、支援する役割を担うとともに、3級レベル以上の受験の義務づけ及び合格率が高い企業に対する優遇措置等を導入。

また、受入れ人数について、受入れ企業単位で、ストック面の制限を設定。

3.法令遵守・実習状況に係るチェックの強化

企業・団体の法令遵守、実習実施状況のチェック強化、指導・勧告等の実施について検討。

4.制度運営に係る役割分担

企業に対する専門的・技術的支援は受入れ団体の役割とし、法令遵守・実習の監理的チェックは一定の公的機関が担うこと等役割分担の明確化を検討。

5.その他の課題

トータルな技能移転の推進 等。


1.ブローカー対策等、実習生の需給調整のあり方

○ 現行制度において、受入れ団体の一部が高額な管理費を徴収したり、不正行為の温床となっているケースや、送り出し機関が高額な保証金等を徴収するケースがあり、当面、以下のような措置を実施することが必要。

・ 不正行為を行った受入れ企業・団体に対するペナルティーの強化

・ 受入れ団体に対する職業紹介事業の許可、それに伴う紹介手数料の透明化

・ 受入れ団体が徴収する管理費等の金額・使途の透明化

・ 送出し国政府に対し、送出し機関の適正化を要請

○ しかしながら、研修生・実習生のあっせんは国内外に渡っており、その募集から始まり、日本の企業に 受け入れられるまでに、様々な手続、経路を経る形となっており、実態としては、受入れ団体・送出し機関の他、国内外のあっせん機関(ブローカー)等が介在 するケースが少なくない。

○  こうした要因もあり、高額な管理費や保証金等の問題、募集時の条件と入国後の実態の乖離をめぐるトラブル、人権侵害等が発生しており、あっせんに関わる諸 問題の抜本的解決のためには、以下の点をポイントとして、国内外を通じた実習生あっせんシステム全体を適正にコントロールする仕組みをつくっていくことが 必要。

(あっせんに係る仕組みのポイント)

[1] 国内の受入れ団体について、実習に係る適正なマッチングの実施や受入れ企業に対する実習支援の実施を担保する観点から、許可制の導入を図る。

[2] 国内外に渡る諸々のあっせん機関についても、届出制、受入れ団体を通じたコントロール、送出し国政府との連携による適正化等の方法を検討。

[3] 送出し機関については、引き続き、送出し国政府に対し保証金等の適正化を要請。



2.実習の実効性確保

○ 実習については、国際技能移転という制度趣旨が形骸化しないよう、[1]実習指導員の配置、[2]1年経過時の技能検定基礎2級レベルの受験、[3]実習終了時の評価等により、その実効性を上げていくことが必要。

○ 今後は、さらに、3年間で着実に3級レベル以上を取得して帰国できるよう、3級取得に向けたイン

センティブの付与や、企業の実施する実習を支援するための取組を強化していくことが必要。

制度設計のポイント


(制度設計のポイント)







[1] 基礎2級レベル試験については、実習生活に必要な日本語や安全衛生の水準を担保するためにも重要であることから、引き続き維持する。

[2] 実習終了時までに3級レベル以上の受験を義務づけることとし、合格率の高い企業に対する受入れ枠の拡大等優遇措置を講じる。(各企業・団体の合格率は入国管理局等に報告させ、公表する。)

[3] 受入れ団体は、実習期間を通じて、定期的に企業を巡回し、実習内容・方法等について企業を指導、支援する役割を担うこととする。
 この場合、受入れ団体において個々の実習生の技能レベルを評価シート等によりチェックしたり、専門家を企業に派遣してアドバイスする等の取組の促進を図る。

[4] 本人の技能修得意欲を向上させるため、能力に応じた賃金ガイドラインの導入を奨励するとともに、帰国後に3級取得が評価されるよう送出し国に対する技術協力を進める。

[5] このほか、実習生の生活面や仕事上の悩み、トラブル相談に専門的に対応する体制整備も進めていく。


○ また、実習指導体制(指導する側の日本人従業員の体制)を確保する観点から、新規受入れ人数(フロー)の制限に加え、ストック面の制限(実習生と日本人従業員についての一定の比率)を設定することが必要。


3.法令遵守、実習状況に係るチェック機能の強化

○ 現在、技能実習の適正化を図るため、JITCOにおける巡回指導等の強化、労働基準監督機関や出入国管理機関等による監督指導、実態調査を積極的に実施しているが、依然として、飛ばし、パスポート取上げ等の不正行為や、労働関係法令違反が頻発。
 このため、JITCOにおいて、巡回指導等の強化を図っているところ。

○ しかしながら、現状において、立入権限も伴わない指導・助言等のチェック機能にとどまっているため、不正行為等の摘発に対して必ずしも十分な実効力を伴っていない。

○ このため、受入れ企業・受入れ団体における法令遵守や、実習実施についての適正化を徹底するため、以下の点をポイントとして、チェック機能を強化することを検討する。

制度設計のポイント


(制度設計のポイント)

[1] 適正な実習や雇用管理・労働条件等に係る「ガイドライン」を策定し、ガイドラインに基づき、一定の公的機関が受入れ企業に立入調査等を行い、助言・指導を実施。悪質なケースに対しては勧告等の措置。

[2] 法令違反や指導等に応じない企業については、入国管理局と連携し、受入れ停止等の措置を科す。

[3] 受入れ団体の監理・指導が不十分と認められる場合は団体に対しても改善を指導し、悪質なケースは許可を取消す。



4.制度運営に係る役割分担

○ 現行制度では、受入れ団体が研修生・実習生受け入れのほか、非実務研修の実施や研修中の企業に対す る監理責任(研修の適正実施に係る指導、監査等)を負う一方で、JITCOが受入れ企業に対する巡回指導を実施し、入管法令・労働関係法令の遵守状況のほ か、実習計画の進捗状況等もチェックしている。

○ また、JITCOでは、上記巡回指導のほか、制度を円滑に推進するためのサービス機関として、送出し国政府との定期的な協議、受入れに関する企業向けの相談会・セミナーの開催、入国・在留手続の援助等を行っている。

○ 今後、企業の実習実施に係る監理面でのチェック機能、実習内容面での専門的技術的援助、実習生本人に対する相談援助等を強化していくためには、関係機関の役割分担を明確にすることが必要。

○ 具体的には、制度運営に当たっては、現在受入れ団体やJITCOが担っている各種の役割の中 で、[1]実習生と企業のマッチングや実習実施に係る専門的・技術的支援の役割と、[2]法令遵守や実習に係る監理的チェックの役割については明確に切り 分けた上で、前者については受入れ団体に、後者については一定の公的機関に担わせることが適当。
  このほか、送出し国政府との協議、入国手続の援助等については、中央レベルでの取組みが不可欠。
 JITCOについては、こうした役割分担の検討の中で、そのあり方を抜本的に見直すことが必要。

(役割分担のイメージ)

○ 受入れ企業    → 実習の適正実施、3級レベル以上の受験

○ 受入れ団体    → 実習生と受入れ企業のマッチング、実習内容・方法についての専門的・技術的支援等

○ 一定の公的機関 → 法令遵守、実習に係る監理的チェック

○ その他中央レベルでの送出し国政府との協議、入国手続の援助等の取組が必要


5.その他の課題

○ 「研修」のみで1年以内に帰国する場合の取扱い

技能実習には移行せず、「研修」のみで1年以内に帰国する場合についても、「実務研修中の研修生の法的保護を図る」べき必要性に変わりはないことから、実務研修部分については労働関係法令を適用することとし、在留資格「研修」の取扱い等を整理することが適当。 

○ トータルな技能移転の推進

途上国に技能移転を図るためには、技能実習だけでなく、トータルな技能移転を推進する中で、適切に関連づけていく必要がある。

このため、送出し国における技能労働者の育成への協力、適正な評価制度の移転と処遇改善等を並行して進め、トータルな「人づくり」支援の中で、実習生が技能修得意欲を高め、帰国後にその能力を発揮できる環境整備を進めていくことが必要。

○ 産業構造等の問題

実習生を受入れる動機・背景として、一部の産業・企業において、産業構造上の問題や労働環境等の状 況から日本人従業員を十分に確保できない実態が存在する。こうした動機等を背景とする受入れにおいて、専ら低賃金労働力としての活用が横行することのない よう、制度の見直しを行う。

他方、本報告書のテーマそのものではないが、労働力問題については、背景となっている 産業構造の問題や、ものづくり分野における人材育成・確保等のあり方についての抜本的な議論が必要であり、政府全体として、中長期的な産業・経済政策、教 育政策等も含めた総合的な観点から議論していくことが必要。


研修・技能実習制度研究会委員名簿
 
今野浩一郎 (学習院大学経済学部教授)

上林千恵子 (法政大学社会学部教授)

北浦 正行 ((財)社会経済生産性本部事務局次長)

丹野 清人 (首都大学東京都市教養学部准教授)

樋口 美雄 (慶應義塾大学商学部教授)

森永 卓郎 (獨協大学経済学部教授)

山川 隆一 (慶応義塾大学大学院法務研究科教授)

渡邊 博顕 ((独)労働政策研究・研修機構主任研究員)

(注)◎は座長 (敬称略、五十音順)


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介護業者倒産、最悪ペース 人材確保ますます困難

:::引用:::
■報酬単価、国の方針次第

 「給与面などで人が集まらない」「制度と介護の実態が合わない」…。25日、明らかになった民間信用調査会社の調査では、介護事業者の倒産が最悪ペース となっているだけでなく、人手不足や事業者報酬の引き下げが経営に打撃を与えている実態が浮き彫りになった。近畿では既存業者の廃業と同時に、新規業者の 参入などもあり増減に大きな変化はなかったが、重労働に見合う給与を支払えないことや、他業種に人材を奪われていることもあって、介護職の確保はますます 難しくなっている。

 奈良県内の介護業者数は、4月現在で2093事業所。前年同期より33事業所増えたが、昨年度は1年間で133事業所が廃止を届け出ていた。3月末現在 で6154事業所ある京都府も特別養護老人ホームなどの「施設系」はわずかに増えたが、訪問介護やデイサービスを行う「居宅系」が減り、居宅系で事業廃止 を届け出たのは、平成18年度が93事業所、19年度は120事業所にのぼったという。

 大阪府内では介護保険制度が始まった12年4月と比べると、今年4月時点でほぼ2・5倍の1万123件に増えたが、「伸びは鈍化しており、ほぼ頭打ち状態」(府事業者指導課)という。

 背景には、介護職の人手不足や事業者報酬の引き下げがある。現行制度では、需要がいくら増えても、報酬単価は国が決めるため、需要増に伴う収入増が見込 めるかどうかは政府の方針に左右される。過去2回の報酬改定では全体の水準はいずれも引き下げられ、利益を上げるのは困難で、人を雇うための人件費アップ もままならない状況に置かれているという。

 大阪市内で訪問介護などを行っている介護事業者は「相次ぐ報酬引き下げで、人員基準を満たそうとすると、人件費がまかない切れなくなる。家賃を払わなくていい自宅事業者ならましだが、そうでなければやっていけない」。

 昨年11月に開業した神戸市垂水区の通所介護事業者「パールディサービスセンター」の藤本真知子代表(54)も「一時期、介護事業者が一斉に増えたが、 国の推進する在宅介護は現場の実態に沿っておらず、小規模の介護事業者が廃業に追い込まれている。うちも赤字続きで相当の危機感を持っている」と厳しい現 状を話した。

 事業者らによると、人員基準の厳格化で、例えば、ヘルパーが点滴などの付き添いで病院を訪れても、待ち時間の介護報酬は基本的に出なくなった。それでも 事業者としてはヘルパーの時給を切るわけにいかず、経営に負担がかかるなど、制度と介護の実態があわない部分が多いという。

 また、訪問介護では、夕飯時などにサービスを求める時間帯が集中するため、夕方から夜にかけての仕事が多くなり、ヘルパーの主力になっている主婦などから敬遠されることも少なくないという。

 大阪市内の業者は「ヘルパーの仕事をお手伝いさんとしか認識しない利用者も多く、仕事として、正当に評価されないことも人材不足につながっている」と指 摘。「ここ最近は、よりいい条件を求めて、大手の事業者や、他業種に流れる人もおり、雇用は流動的。核になる人が抜けて事業が成り立たなくなる事業者もあ る」と話している。
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グッドウィル廃業へ=7月中にも、日雇い派遣から撤退

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人材派遣業大手(GWG) は25日、100%子会社で日雇い派遣事業最大手のグッドウィル(GW、東京)を7月中にも廃業し、同事業から撤退する方針を固めた。違法派遣問題をめぐ り、厚生労働省がGWの人材派遣業の許可を取り消す方針で、同社の事業継続は困難と判断した。同日午後に発表する。
 日雇い派遣業は中小事業者が多く、市場シェアの大半をGWとの大手2社で占めてきた。GWの廃業により、同市場の規模は今後、大幅に縮小しそうだ。
  GWをめぐっては、東京地検が24日、同社課長ら3人と法人としての同社を職業安定法違反ほう助と労働者派遣法違反の罪で略式起訴し、東京簡裁は罰金の略 式命令を出した。これを受けGWは同日、罰金100万円を納付。有罪が確定すれば労働者派遣法上、派遣業の許可の欠格事由に該当するため、厚労省は近く許 可を取り消す方針だ。
 GWは違法派遣を繰り返したとして1月、全事業所を対象に2-4カ月の事業停止命令を受け、業績が悪化していた。
 GWGの2007年6月期の連結売上高は5090億円で、GWはこのうち1384億円。廃業により、親会社GWGの再建にも影響を与えそうだ。
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インド国内でIT技術者向けポータルサイト開設

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インドでの報道によると「世界初」とされるITプロフェッショナル専用のポータルサイト"テクノパックス"が24日に開設された。

同ポータルのラム・モハン取締役は記者団に対し、「このサイトは、ソフトウエアやハードウエアのプロ、ネットワークやシステム管理者、グラフィックやアニ メーションデザイナー、BPO、コールセンター、ITES(Information Technology Enabled Services:ITアウトソーシング)などの従事者、電気通信の専門家、企業とIT部門社員、技術系学生向けの最初のプラットフォームとなるだろう」 と述べた。

このオンラインプラットフォームは、世界中の技術者間で意見やアイデアを交換し、技術的および専門的スキルを改善するのに役立つとしている。

さらに、ブログ、テキスト・音声・ビデオチャット、ビデオの共有、ゲーム、ウェブプロファイルなどの機能を持ち、将来はITプロの求人や技術アドバイスも掲載する予定。

モハン氏は、「このサイトがIT専攻の学生がプロの道に進む際にも役立つ」とし、「掲示された情報は事務局側が厳正に選別する。登録料や使用料金は無料で、収入源は一般広告」と語った。

このサイトは過去2カ月間、試験的に運用されており、専門家からの反応もよく、現在300人の登録者がいるという。
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メイテック:上海に日系企業向け人材紹介会社

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正社員技術者派遣のメイテック(東京都港区、西本甲介社長) <9744> は上海・浦東新区で23日、中国人技術者を中国の日系企業に紹介する人材紹介会社「明達科(上海)人才服務有限公司」を設立、7月1日から営業を開始す る。資本金は30万米ドルで、メイテックが70%、現地人材紹介会社の上海精才人力資源有限公司が30%を出資した。

  新会社では、華東地区に研究・開発拠点などを持つ日系企業に対して、中国国内5カ所の自社研修事業拠点で約半年間、技術や日本語などの研修を行った中国人技術者を紹介する。

  メイテックによれば、中国進出の日系企業では現地の優秀なエンジニアがなかなか採用できず、採用しても定着しないことが慢性的な問題になっており、人材紹介の需要が高まっている。

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外国人旅行客受け入れ再開 チベット自治区

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 【北京25日共同】新華社電によると、中国チベット自治区で25日、ラサでの3月の大規模暴動で中止となっていた外国人旅行客の受け入れが始まった。

 暴動後に一時閉鎖されていたチベット仏教のジョカン寺など主な観光名所は既に一般開放され、自治区観光局幹部は「300カ所以上が観光できる」と話している。

 受け入れ再開後の外国人団体旅行客第一陣は25日にラサ入りし、地方都市のシガツェなども訪れるという。


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外国人の就労条件緩和が裏目に

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韓国内に住む外国人のうち、もっとも多いのは中国人だ。中国人といっても漢族ではない。圧倒的に多いのは、中国東北部出身の朝鮮族だ。韓国語(朝鮮 語)を話し、朝鮮民族の慣習や文化にも通じた朝鮮族は、「中国同胞」と呼ばれる。中国籍ではあるが、「韓国系」ということで、韓国人は比較的親近感を覚え ているようだ。

 韓国に渡ってくる朝鮮族は、年々急激な上昇曲線を描いている。特に昨年3月、韓国政府が韓国系外国人を対象に「訪問就労ビザ」(H―2)を新設してからだ。
 「単純労働」を含め、外国人の就労条件を大幅に緩和したといえるH―2ビザ制度は、人手不足に悩む中小企業と、就職に悩む外国人労働者にとって、朗報だったに違いない。
 だが、来韓する朝鮮族の支援団体「中国同胞タウンセンター」の関係者は、ソウル市九老区加里峰洞の事務所で頭を抱えていた。今年1月、高速道路のサービ スエリアに就業を斡旋した朝鮮族3人が「仕事がきつい」と、突然仕事を辞めてしまったからだ。
 「就業活動が自由になったことで、気に入らない仕事はすぐ辞めてしまう人が少なくない」
 外国人の就労条件が緩和されたことで、朝鮮族などがよりよい待遇を求め、3K職種を忌避する現象が起きているのだ。
 法務部の発表によると、今年3月末の時点でH―2ビザを取得した韓国系外国人は28万2411人。1カ月平均1万2000人が韓国にやってくる。
 建設現場や貨物の物流センターなどでは「韓国人半分、外国同胞(韓国系外国人)半分」という認識が広まりつつある。飲食店では、従業員全員が朝鮮族女性 という店も珍しくない。最近ソウル市内ではタクシーを運転する韓国系外国人の姿もみられるようになった。ソウル市タクシー運送事業組合によれば約30人の 朝鮮族が乗務員として登録されている。
 加里峰洞で中華料理店を経営する女性(38)は「朝鮮族が増え、このあたりの建物は空室がない。最近では自動車を所有する人も目立ちはじめた」と、街の 変化に驚きを隠せない様子だ。だが、外国人の雇用緩和政策は、韓国人と外国人が仕事を奪い合う構図を作りつつある。
 韓国の労動市場に韓国系外国人が増えたことで、韓国人の失業が深刻になったと指摘する声は少なくない。主な原因は、景気の悪化と3K職種を敬遠する韓国 人の職業観にあるのは間違いないが、外国人への雇用緩和政策も一因だとの見方も芽生えつつある。
 民間の専門家らは、人材が不足する業種に朝鮮族を就業させ、雇用問題で内国人(韓国人)との衝突が起きないように配慮すべきだと指摘している。
 法務部関係者は「人不足が深刻な業種に就職する韓国系外国人には、家族のよびよせを優遇するなどの奨励策を検討中」と明らかにした。
 韓国の雇用市場に新たな風を吹き込むはずだった外国人雇用緩和政策は、新たな悩みを作り出しているようだ。


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木更津市役所:中国から研修生着任 許さん、市民との交流も /千葉

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木更津市役所に中国人研修生として、北京の中国国際青年交流センター職員、許〓琳さん(25)が着任した。市役所の業務全般を勉強する。

 許さんは福建省出身で、北京外国語大学で日本語を専攻。卒業後、同センター日本事務部で通訳として勤務。愛知万博で初めて日本を訪れて以降、来日回数は計7回になり、日本語は堪能という。

 11月末まで企画課に在籍。総務、商工観光、福祉、市民など市役所の20課で、地方自治や行政実務の研修を受ける。8月に行われる「みなと祭り」や国際交流団体のイベントなどにも参加して市民と交流を深める。

 許さんは「木更津市で観光や福祉、行政サービス、国際交流、環境問題など行政の勉強をして、中国で生かしたい」と話している。【児玉賢二】


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【教育】世界トップ大進学塾 東大よりハーバード 「研究、進路選択にプラス」

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 第1志望は東大よりハーバード-。世界トップ大学への進学を目指す高校生を対象に5月から始まった進学塾 「Route H」(東京都千代田区)。日本から海外の大学・大学院などに留学する学生は年々増え8万人を超すが、ハーバード大に留学する国内の学生は学 部レベルではまだ年間数人だ。経験者は海外トップ大への進学は、研究や進路選択にプラスになると強調している。(小田博士)

 「What classes are you taking next semester?(新学期はどの授業を取りますか)」…。

 週2回、150分ずつ行われる英語の授業。講師がCDを流すと、希望者15人のなかから選抜された高校2年男子(17)と3年女子(18)の2人は、スラスラと復唱しはじめた。通常の1・3倍に速度を上げて、ヒアリング力を鍛える。

 ディスカッションやプレゼンテーションも取り入れているが日本語は禁止だ。

  同塾によると、米国のトップ大学に出願できるのは、(1)高校の成績が平均4・5以上(5段階)(2)大学進学適性試験「SAT」の得点率9割以上(3) 英語能力試験「TOEFL」の得点率9割以上-などをクリアした生徒。さらに、志望動機や自己PRに関するエッセーが課され、課外活動も重視される。

 英語ができることは前提に過ぎないため、同塾ではSAT対策やエッセー、リポート作成なども別途、集中的に指導していく考えだ。

 同塾を運営する通信教育最大手のベネッセコーポレーション(本社・岡山市)によると、東大などの難関大志望者を対象とした模擬試験で、進学希望先 リストにハーバードやスタンフォードなどの海外7大学を加えたところ、5%前後が第1志望に選び、「需要はあると確信した」という。

 男子生徒は「将来は医師か法曹関係の仕事につきたいが、まだ定まっていない。日本のように学部・学科単位の募集ではない海外の大学の方が、進路を考える猶予期間があってよい」。女子生徒は「可能な限りレベルが高い大学を狙いたい」と意欲を燃やす。

  国内の全国高校化学グランプリで優秀賞を受賞。ハーバード大の物理数学科を卒業し、今年9月から同大の博士課程に進む北川拓也氏(23)はハーバード大へ 進学した理由を「サミットでも日本の首相は目立たないように、世界で活躍するリーダーが育たない教育環境に疑問を抱いた。そして東大から海外の大学へ志望 を変更した」と振り返る。

 4年間過ごした経験から海外留学の意義を「ハーバード大の良さは学問の研究が一流であること。また、学生のパワーも違う。学生が5時間勉強するのは当たり前だが、社交パーティーなどの人脈づくりも盛んだ。得るものは大きい」と力説する。

  「東大よりハーバードに行こう!?」の著書があり、同塾の運営に携わる森田正康京都情報大学院大教授(32)は「世界的にボーダーレス社会になっている。 海外の大学が良くて日本が悪いとは思わないが、選択肢が多いほど将来が広がる。『私も海外に行ける』と気軽にチャレンジする生徒が増えればよい」と話す。【メモ】ハーバード大

  マサチューセッツ州ボストン近郊にある米国の私立難関大8校で構成されるアイビーリーグの1校。ノーベル賞受賞者を多数輩出し、英国『タイムズ』誌の「世 界大学ランキング2007」では、生命科学や社会科学分野などが満点で総合でも1位だった。ビジネススクール(経営大学院)も有名。学費は高額だったが今 年度から値下げ。年収18万ドル(約2000万円)までの家庭は最大で年収の1割に抑えた。


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2008-06-24

力士の第二の人生を支援 相撲協会が人材派遣会社と

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日本相撲協会が力士のセカンドキャリア(第二の人生)の支援を目的に各部屋に人材派遣会社を紹介することになり、24日に「プリマ・マネジメント・サービス」の吉野貞夫社長が東京都足立区の境川部屋を訪れた。

 面接や筆記による適性検査で、登録された個人に合った職種や企業などを紹介するもので、5月下旬の師匠会で全親方に資料を配布したところ、問い合わせが相次いだ。

  約1時間の説明を受けた境川親方(元小結両国)は「師匠は弟子が関取になれずに引退した後のフォローを心配しているから、とてもありがたい制度だ」と歓 迎。既に競輪、サッカー選手を仲介している吉野社長は「米国のプロスポーツには年金などの後方支援があるが、日本はどこか使い捨てのような部分がある。各 自の適性を見つけ、何とか成功事例をつくりたい」と話した。


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ヒューマンリソシア、ショップ販売員や営業スタッフの人材サービスを強化

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ショップ販売員・営業スタッフの人材サービスを強化
~販売職・営業職に特化したセールスマーケティング営業部を発足~


  ヒューマンホールディングス株式会社の事業子会社で、主に人材関連事業、介護事業を展開するヒューマンリソシア株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締 役:桑原加鶴子)では、販売職や営業職に特化したセールスマーケティング営業部を立ち上げ、ショップ販売員や営業スタッフの人材派遣、紹介予定派遣、人材 紹介の提供を強化していきます。

 厚生労働省「平成18年度職業紹介事業報告」によると、有料職業紹介事業における販売の就職件数は、前 年比21.7%増となっており、販売の紹介需要が高まっています。ヒューマンリソシアにおいても、販売職・営業職に関する仕事案件数は、派遣や紹介合わせ て2007年度に1万件以上と多く寄せられており、依然、大きな需要がある状況です。しかし、同業種を希望する新規登録者は7千名弱に留まっており、人手 不足感が特に顕著に表れています。ヒューマンリソシアでは、販売職・営業職のミスマッチの解消を目指して、販売職や営業職に特化した専門部隊であるセール スマーケティング営業部を新設することで、人材の育成、及び人材サービスの提供を強化していきます。
 セールスマーケティング営業部では、主に 20代後半から30代のキャリア女性が好む都内にあるブランドのショップスタッフの派遣や紹介を開始します。経験者の人材募集に加えて、幅広い人材ニーズ に対応するために、ショップスタッフの人材育成も積極的に行っていきます。販売や接客に関する知識や技術を習得できるセミナーを開催することで、ヒューマ ンリソシアが得意とする育成型の人材サービスを展開していく予定です。
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厚労相、「介護検討会」設置へ

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 舛添厚生労働相は23日、深刻な人材不足に直面している介護職の確保策や、長期的な介護保険制度のあり方を議論するため、直属の「介護ビジョン検討会」(仮称)を7月にも設置する方針を固めた。

 年内に報告をまとめ、来年度予算に反映させる考えだ
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KONNOPRO、大手退職の熟練者活用し技術継承・人材を育成

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【千葉】KONNOPRO(千葉県習志野市、金野充社長、047・408・1701)は、大手企業をリタイアした人材を活用して技術継承、人材育成を本格 的に始める。再雇用した60歳以上の熟練技術者5人でチームを編成。現在、倉庫として使っている習志野工場(同)を改装して、専用の技術室を10月に設置 する。若手社員の研修や技術の手ほどきのほか、日常業務として機械部品など試作品の受注製作を担当する。将来は他社の新入社員研修なども受け入れる考え。
 社内に旋盤、フライスなど手動の汎用機械を使える人材が減っていることに対応する。新設する技術室は延べ床面積約150平方メートルで、手動の工作機械 を数台設置する。同社は大手メーカーなどで技術を積んで退職したOB人材の採用を進めており、夏ころまでに5人のチームを編成する。
 若手社員への技術継承、技術者育成の場として研修できる体制をつくり、順次、他社向けにも広げていく。CADや自動機械の普及で社内の基礎技術が途絶え るケースが増えており、ニーズは多いと見ている。【千葉】KONNOPRO(千葉県習志野市、金野充社長、047・408・1701)は、大手企業をリタ イアした人材を活用して技術継承、人材育成を本格的に始める。再雇用した60歳以上の熟練技術者5人でチームを編成。現在、倉庫として使っている習志野工 場(同)を改装して、専用の技術室を10月に設置する。若手社員の研修や技術の手ほどきのほか、日常業務として機械部品など試作品の受注製作を担当する。 将来は他社の新入社員研修なども受け入れる考え。
 社内に旋盤、フライスなど手動の汎用機械を使える人材が減っていることに対応する。新設する技術室は延べ床面積約150平方メートルで、手動の工作機械 を数台設置する。同社は大手メーカーなどで技術を積んで退職したOB人材の採用を進めており、夏ころまでに5人のチームを編成する。
 若手社員への技術継承、技術者育成の場として研修できる体制をつくり、順次、他社向けにも広げていく。CADや自動機械の普及で社内の基礎技術が途絶えるケースが増えており、ニーズは多いと見ている。
 同チームは日常業務で部品の試作品など、手動機械を使った製品を受注製作する事業を担当。同事業の初年度売上高は6000万円強を見込んでいる。手作りで質の良い試作品の提供を目指す。
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銭湯でニッポンの移民政策を考えよう

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 自民党が「移民1000万人受け入れ」を提案している。民主党も「外国人3000万人をステイさせる」と提言している。

 ネット上、特に2ちゃんねるなどではこの制度にとても批判的だ。理由は、最も多くなるであろう移民が、「中国」「韓国」「ブラジル」からの人々になると思われる事だ。

 中国と韓国は「愛国教育」などと称して、日本に対して悪意を抱くような教育を実施している国であり、そのためか日本で犯罪を犯す人がとても多い。

 ブラジルは日系人の移民が多いが、現在、すでに静岡などでは文化の差による問題が起きていている。また、その移民してきた本人はもちろんの事、その子どもたちの教育に対して自治体も政府も放置状態である。その結果として、ブラジル人移民による犯罪も増えている。

  ◇

 私は銭湯愛用者だ。1人暮らしを初めてからずっと銭湯を利用している。

 私が愛用する銭湯に来るのは、日本人だけではない。

 オーストラリア人、アメリカ人、フランス人、もちろん中国人、韓国人、ブラジルの人もいる。ネパール人とインド人が一緒に湯船に入る事もあるが、だからと言って国際問題が起きることはない。むしろみんな、仲良くなる。

 問題は、全く別の次元で起こる。

銭湯ルール=日本の秩序

  例えば、体を洗い流す事なく、汚れたまま湯船に浸かる人がいると、口論になる。また、タオルを湯船に入れるのは、銭湯では御法度だ。子どもが湯船に飛び込 みをすれば、注意される。熱いお湯が好きな人が入っている時に、大量の水を湯船に入れてぬるめようとする人がいると、口論になる。脱衣場で体が濡れたまま 上がってきて、床をびしょ濡れにしたまま帰ろうとすると、怒られる。等々……。

 日本人でも上記のような事をすれば注意される。当然だ。

 ところが、注意するといわゆる逆ギレする人もいるし、反撃してきて大喧嘩になる事もある。

 私が通っているその銭湯で、ふと、お風呂仲間と移民政策の話題になった。

 全員一致の結論はこうだ。

 「お風呂が好きで、ルールを守れるような移民なら何人来てもらっても構わないが、ルールが守れないような人は日本人でも来て欲しくない。」

 とても明確、的確な結論だと思う。

銭湯は裸で社会のルールを学べる場所だ(写真はイメージ)
 実際、何度お風呂の使い方を説明してもタオルを湯船につける中国人女性がいて、結局、出入り禁止になってしまった。

  しかし、日本人で迷惑行為をして出入りを禁止されている人は、もっとたくさんいる。子どもがいくら騒いでも良しとする、いわゆる「モンスターペアレント」 とその子どもは、「2度と来るな!」と他の客に罵倒された。その親は店に苦情を言ったが、店側は「ルールが守れないなら来ないで下さい」と冷静に対応し た。

 日本を愛し、日本独自のルールが守れる人ならば、移民には大賛成だ。しかし、日本に敵意を持って来て、ルールを犯すような人は、移民でなくとも入国させるべきではない。

 また、日本に敵意を持つならば、日本人であっても日本から出て行って欲しい。

 「日本」を「銭湯」と置き換えて考えれば、そういう事だ。

 移民を受け入れるには、正しい同化政策と、日本に対する愛国心を持ってもらう必要がある。

 しかし、日本は「同化」「愛国」という言葉自体にアレルギーの様なものがある。でもこれは、銭湯的に言えば、「楽しく入浴しろ。ルールを守って利用して、他の人と仲良くやれ。トラブルは起こすな」というだけの事である。

  ◇

 自民党や民主党の偉いさん方は、連日銭湯に入るような連中ではない。だから、銭湯などから見える庶民レベルの問題は見えてないのだろう。意外と、自民党や民主党の偉いさん方が銭湯でルールを破って偉そうにして、一度で入店拒否されるタイプかもしれない。

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読売新聞 大学の取り組み

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5大学連携 精鋭獲得狙う

日本人教員の指示を受け、授業で回路を作るマレーシアの学生たち。テキストもすべて日本語だ(セランゴール産業大学で)

 質の高い学生を獲得しようと、日本の大学が海外で活動する。

 マレーシアの首都クアラルンプール郊外にあるセランゴール州立セランゴール産業大学の教室。試験管に入れた液体の色の変化を注視していたマレーシア人学生、モハマド・ハニフさん(19)は、ノートの表に「白」と漢字で書き留めた。ほかの欄には「赤褐色」「緑」の漢字もある。教壇から日本語で指示するのは、日本の大学の日本人講師だ。

 「JADプログラム(日本マレーシア高等教育大学連合プログラム)」。寮に住みながら、3年間現地で日本人教員による授業を受けた後、日本の大学の3年に編入し、日本の学位を得る。分野は電気工学と機械工学限定だ。

 「エンジニアになってトヨタで働きたい」というハニフさんは現地で学んで2年目。日本の大学生顔負けの正確な日本語の文章が書ける。午前7時50分から午後5時までぎっしり詰まった授業で、1年目は1日の半分を日本語の授業に充てたお陰だ。授業では、教員がわざと乱れた文字を板書したり、早口でしゃべったりもする。

 化学、数学、物理など、一般教養的な授業を経て、2、3年目になると、「電気回路理論」「流体工学」など、日本の大学のカリキュラムに基づく科目が並ぶようになる。

 学生は応募者約2000人の中から、マレーシアの全国統一試験での成績、日本人の教授による面接などで選抜された約90人。マレーシア滞在2年目になる芝浦工業大学の水野俊夫教授は「学生の意欲が高いので、授業を詰め込んでも集中力がとぎれない」と驚く。

 日本の大学に入るためのマレーシアでの予備教育のプログラムは、1993年に始まっている。ただ、当初は2年間、日本語などを学び、日本の大学1年に入学させるものだった。現地で3年、日本で2年という新方式は05年から。これだと、留学費用が安く済み、日本に来てから日本語で苦労する心配もない。事前に日本の大学の情報も十分に得られる。

 このプログラムを使って、十数年で約600人が日本に留学しているが、今年度、新方式で教育を受けた75人が初めて、日本の15の大学に編入した。6月11日からは、各大学の担当者がマレーシアを訪れ、来年、編入する学生向けに説明会を開いた。

 15校は、06年3月に「日本国際教育大学連合」を設立した早稲田大学、慶応大学など私立12校と、埼玉大学など国立3校。実際には、幹事校の芝浦工業大学と拓殖大学両校だけが、教授3人を含む教員10人をマレーシアに送り込んでいる。

 日本では近年、留学生を巡る事件や不祥事が社会問題化したことや、大学間の国際競争の激化から、各大学が個々に海外事務所を設け、現地で優秀な学生をリクルートし始めている。そうした中、マレーシアでのプログラムは一貫して、日本政府の円借款事業としてマレーシア政府が行ってきた。学生には奨学金が、教員には給与や滞在費が、マレーシア政府から支給されている。

 事業の期限は14年3月まで。もし、その後に同様の仕組みが出来ないと、現地にいる間から授業料を徴収し、大学側も負担をする必要がある。「現在のアジア諸国の経済水準では、高額な授業料は取れない。参加校を増やして会費をもらうのも限界がある」と「大学連合」の事務局機能を分担しているNPO法人アジアシードの浜野正啓さん。

 「大学連合」は、マレーシアでのノウハウを生かし、他の国でも、共同で海外拠点を設け、海外の大学と連携したいと考えている。だが、留学生を増やすために、費用がかかることは間違いない。(石田浩之、写真も)

 円借款 発展途上国のインフラ整備などのため、日本政府が国際協力銀行を通じて、低利で長期に貸し付ける制度。政府開発援助(ODA)の一種で、有償資金協力とも呼ばれる。累計融資額は4兆2703億円のインドネシアが最多で、中国、インドが続く。マレーシアは9171億円で7番目。

現状12万人 首相「30万人」提唱

 「留学生受け入れ10万人計画」が提唱されたのは1983年。提唱者は当時の中曽根首相だ。留学生数は同年の1万428人から、2007年には11万8498人まで増加した。ただ、ここ数年は12万人前後で推移している。

 福田首相は1月の施政方針演説で、「世界の活力を日本の成長のエネルギーとしていく」として「留学生30万人計画」を提唱した。政府の審議会などでは、これまでに具体策として、〈1〉国内30大学を政府が重点支援〈2〉留学生の国内就職率(現状は3割)を5割に引き上げ〈3〉日本留学に関する情報提供や留学生選抜にも活用できる海外拠点の整備――などが提案されている。

 07年5月現在、出身国・地域別留学生数は、中国が7万1277人で全体の約6割を占めている。韓国(1万7274人)、台湾(4686人)、ベトナム(2582人)と続き、マレーシアは2146人で5位だ。6位タイ(2090人)、7位米国(1805人)となっている。

(2)業界の人材 産学で育成

JALのビジネスプランをまとめるため、議論を引っ張る初さん(左)

 大学と企業がタイアップした取り組みが始まっている。

 壁の白い模造紙には「燃料費増」「高級志向」「女性進出」などと小さな紙がたくさん張ってある。埼玉県新座市にある立教大学観光学部で、土曜1限目に行われている「観光ビジネスプロジェクト」。中国、ベトナム、韓国からの留学生計8人と日本人学生9人が、3グループに分かれて議論を続けていた。

 中国人留学生、初延安さん(23)が中心になったグループのテーマは「女性の社会進出が進むと航空業界ではどんな変化が起きるか」。「取り出した情報から何が想定できるか、もっと深掘りして」と経営コンサルタントで兼任教授の那須一貴さん(42)の声が飛ぶ。

 2週間前には、日本航空(JAL)の中堅社員から同社の中期経営計画について説明を受け、同社を巡る環境について意見を出し合った。グループごとに、JALの新たなビジネスプランを、1年間かけてまとめ、社員の前で提示する。

 学生たちの議論は、この日の授業後も夕方まで続いた。

 同学部では昨年度から、シェラトン系ホテルなどの運営会社スターウッド(米国)、JAL、JTBなどと共同で、日本の観光産業で活躍する人材を育成するプログラムをスタートさせた。日本政府がアジアの懸け橋となる人材を育成するために始めた「アジア人財資金構想」の一環だ。

 JALは「エアラインビジネス論」、JTBは「観光情報論」などを提供、社員がそれぞれ1年間、授業を担当している。JALの職場見学なども行われ、現役社員の声を聞く機会もある。

 「ここでしっかり勉強すれば、就職につながる道が見えるので力も入る」と中国人留学生、沈和さん(23)。

 日本ツーリズム産業団体連合会によると、日本人の海外旅行先と、日本に旅行で来る外国人の出身国はともに7割近くをアジア諸国が占める。日本語が話せ、日本の文化を知っているアジアの人材が日本の観光産業の中で活躍する場はたくさんある。

 濱島孝企画部長は「人口減少社会の日本では、海外からの交流人口を増やして活性化させることが重要。このプログラムの卒業生が日本に観光客を呼び込む役割を担ってもらえれば」と期待する。

 ただ、留学生の卒業後の採用となると、参加企業の間に温度差も見える。

 スターウッドの岩田陽子日本・韓国・グアム地区統括人事部長は「即戦力としてすぐに採用できる人材を」と期待する。一方、JALの河合真吾人財開発センター長は「魅力ある人材を育てられると思うが、優先採用は今のところ考えていない」。参加企業を増やすことについても、企業側から同業他社の参入には消極的な声も上がる。

 留学生を日本での就職にどう結びつけるのか。その点に、このプログラムの真価が問われることになる。(石田浩之、写真も)

 アジア人財資金構想 優秀な留学生を日本に招き、産業界と大学が一体となり、留学生の募集・選抜から専門教育・日本語教育、就職活動支援までの人材育成プログラムを一貫して行う事業。2007年から始まった。名古屋工業大とトヨタ自動車などで自動車産業、立命館大と松下電器産業などでIT産業といった20の共同事業が進行中だ。

(3)海外展開 見据えて採用

宇佐美社長(左)を前に、これまでにまとめた分析を説明する陳さん(東京・渋谷のECナビ本社で)

 ベンチャー企業と留学生をつなぐ取り組みがある。

 慶応大学大学院に留学中の中国の陳実さん(24)は、価格比較サイト運営会社「ECナビ」(従業員180人)でインターンシップ(就学体験)生として働く。チームで競合他社の動向を分析するのが仕事だ。9月から正社員になることが決まった。

 「留学生仲間で、日本のベンチャー企業の話題はほとんどなかった」と陳さん。仲を取り持ったのは、経済産業省関東経済産業局が関東地域のベンチャー企業に参加を呼びかけた「Career Gateway to Asia」だ。留学生フェアや経営者の講演を開き、留学生のインターンシップを進めている。

 ECナビも、この事業で2人の留学生をインターンシップで受け入れた。昨年度、同社の採用試験を受けた約2000人のうち留学生はわずか数人。これまで留学生の採用はゼロだった。昨年、海外に留学している日本人学生を採用しようと米サンフランシスコの留学フェアに出展したが、海外からの留学生には目がいっていなかった。

 しかし、中国への本格進出を考えているだけに「試験を受けに来た人から選んで採るという受け身の採用から、中国でどうビジネスを展開するかに合う人を選ぶ攻めの採用をするいいきっかけになった」と宇佐美進典(しんすけ)社長(35)。陳さんの採用をきっかけに留学生を積極的に採用していく。

 「これまで積み上げてきた目に見えないノウハウを、海外で軌道に乗せるには、両方の文化を分かっている人を教育した方が成功の確率も上がる。留学生は待遇に不満があればすぐ辞めるとも言われるが、我々は仕事のやり方を1、2年で教え、すぐ発揮できる場を提供する。留学生からも選ばれる会社になればいい」

 大々的に留学生を募集するインターネット商社「イー・クラシス」では、今年度の新卒採用者60人のうち留学生が35人を占めた。留学生だけの会社説明会も実施、100人規模で学生が集まった。宮下崇俊社長(34)自身が約130人の留学生を面接、負けん気が強く向上心の強い、社風に合う留学生を採用した。

 新入社員は研修で2週間合宿し、早朝マラソンから穴掘りまで体力の限界に挑む。「社会とはいかに理不尽なことが多いか実感してもらうため」というが、合宿によって「留学生も日本人も関係なく、うちの社員として一体感が出た」。

 留学生の採用増は、やはり事業の海外展開を予定しているからだ。3年前から支店を出す上海では現地採用スタッフを使ってきたが、「本社の社風を身につけた上で送り込んでほしい」という声を受けて、日本で留学生を採用して育成する方法に切り替えた。

 「2年ほどで海外支店のそれなりの立場になってもらう。立場が人を育てることもある」と宮下社長。来年度は50人程度採用する方針だ。

 海外進出を目指すベンチャー企業の留学生争奪戦が始まっている。(石田浩之、写真も)

 日本企業の海外進出 製造業の海外現地法人数をアジア全体で見ると、1995年の4543社が2005年には8319社と急増した。特に中国には3585社で10年前の3倍に増えている。また、海外展開する中小企業は過去10年で4割近く増え、06年に7551社。このうち情報通信やサービス業などの非製造業が54%を占めている。

2008年6月19日 読売新聞)

(4)社員寮に入り 企業知る

三井物産平和台寮の食堂で社員と談笑する謝さん(右から3人目)

 企業の社員寮を、留学生に提供する取り組みがある。

 東京都練馬区の東京メトロ平和台駅から徒歩約10分。三井物産平和台寮は閑静な住宅街にある。立教大学大学院で学ぶ中国人留学生、謝善鵬さん(27)は、この寮で社員に交じって生活している。

 会社から帰った社員3人と食堂で夕飯を食べながら「今就職活動中なんですよ」「へえ、どんな状況?」「なかなか難しいですよ」。そんなやりとりが気軽にできる。寮費は社員と同じで1万円足らず。朝夕付く食事も割安だ。

 謝さんがこの寮に入ったのは2006年。それまでは大学近くで一人暮らしをしていたが、家、大学、バイト先の居酒屋を行き来するだけで、日本人との交流は少なかった。「単に『おはよう』と毎朝あいさつするだけでほっとする」と謝さん。寮対抗のスポーツ大会にも参加し、「家族のような感じになれた」という。

 日本で就職を目指す留学生にとって、社員寮は日本の文化を知る上でも重要だ。謝さんは「この寮の人は、平日朝早くから夜遅くまで働いているのに、休日はしっかり遊びを満喫している」と驚く。「大学やバイト先で見た日本人とは全く違い、日本の会社で働くイメージが膨らんだ」

 留学生への社員寮の提供は、経済同友会が参加企業を募る形で1987年から始まっている。当初は、参加企業も提供部屋数も増えたが、バブル経済の崩壊後、社員寮を売却する動きが目立ち、提供部屋数は98年の838室をピークに減少、07年には592室となっていた。

 ただ、好転の兆しもある。社員寮の賃貸業務を全国規模で展開する「共立メンテナンス」によると、ここ2年で社員寮の契約部屋数は6~7%伸びているという。「社員研修の場として考えているところや、身近に相談出来る相手を置いて離職を防ぐ狙いもあるようだ」と同社の担当者。1棟丸ごとの賃貸契約も増えているという。

 03年に若手の寮制度を廃止した三井物産も3年後には復活させている。部署間のコミュニケーション不足を補い、会社としての一体感を醸成するには必要不可欠だという声が社内で強まったからだ。特に共同の風呂やトイレがある施設を優先的に探し、より寮内での連帯感を強めるよう工夫している。

 現在は8棟で18人の留学生を受け入れている。古東(ことう)誠・給与企画室長は「社員と学生の生活パターンが違うこともあり、そんなに接点が作れているわけではないが、海外赴任が前提の社員にもよい刺激になるはずだ」と前向きにとらえている。

 「グローバル展開が当たり前となってきている日本企業にとって、留学生を受け入れる意義は大きい」と社員寮の活用を進める財団法人「留学生支援企業協力推進協会」の太田篤事務局長。

 社員寮の活用に、もっと知恵を絞りたい。(石田浩之、写真も)

 日本での就職率は上昇傾向 文部科学省によると、2006年度の留学生3万2099人のうち9411人(29.3%)が日本国内で就職した。04年度は2万4961人中5705人(22.9%)で、増加傾向にある。政府の教育再生懇談会は5月の1次報告で、「留学生30万人計画」実現のため、国内就職率の目標を5割にすることを提案した。

(5)専門分野の日本語強化

センターを訪れた元研修生から、テキストの内容について、聞き取り調査をする野畑さん(右)

 大学で必要な能力に特化した日本語教育が進化している。

 「いろいろな」は「様々な」。「だんだん」は「次第に」。「リポート作成」のテキストは、話し言葉から書き言葉への変換が練習問題になっていた。「口頭発表」のテキストでは「一般的には」など、発表でよく使う表現が並ぶ。独立行政法人・国際交流基金が、日本で大学生活を送る留学生向けに2006年に開発したオリジナル教材だ。

 「会話」のテキストでは、教授とのやりとりが中心。「今よろしいですか」「お手伝いしましょうか」など、普通の日本語教育なら、上級レベルの敬語も登場する。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)にバングラデシュを加えた11か国から選ばれた18人が毎年、日本の大学院に進学する前に、この教材を使って、同基金の研修施設、関西国際センター(大阪府田尻町)でゼロから日本語を学ぶ。期間は7か月。文法学習は最低限にとどめ、必要な日本語を最短で学ぶことが目標だ。

 研修生は、食堂や図書館を備えた宿泊棟で生活し、茶道体験や地元の家庭へのホームステイ、京都、奈良、広島への研修旅行など、日本理解を深める行事に参加もできる。

 「リポート作成は、理系と文系を分けて指導した方がいいのでは」。11日、同センターを訪ねると、3人の日本語教育専門員が、指導法について協議していた。日本の大学院に進学した元研修生の声を聞きながら、テキストを日々、刷新している。

 それぞれの研究テーマに合わせた個別指導のため、専門的な語彙(ごい)リスト作りや、研究分野に関する論文の読解指導もする。「カリキュラム作りのために、我々も担当する学生の専門分野の勉強もしている」と日本語教育専門員の1人、野畑理佳さん(36)。

 センターを訪れる元研修生から聞き取り調査もする。三重大学大学院に進んだインドネシア人留学生、ナワウィさん(31)は「授業にしっかりついて行けるし、研究の準備が十分にできる」と絶賛した。

 国際交流基金は、事業の柱の一つに外国人に対する日本語教育を掲げており、関西国際センターは、日本に赴任予定の外交官や公務員、若手研究者らに、それぞれの専門に役立つ日本語を教えてきた。このノウハウを応用し、1996年からは、日本に留学予定の学生に対して、現地での日本語教育を手がけてきた。

 最近では、学内での日本語教育に頭を悩ませる大学から問い合わせが増えている。同基金日本語事業部の嘉数(かかず)勝美部長(57)は「多くの留学生を迎えたい大学には利用価値は高い」とアピールする。

 同基金では、海外での日本語教育拠点の設置も進めており、現地の大学と協定を結ぶなどして、31か国40か所まで増やしてきた。こうした拠点でも、このテキストを使い、日本への留学を考える学生を増やしたいという。

 留学生と大学双方の負担を減らすためにも、短期間に必要な日本語を習得する仕組みは欠かせない。(大広悠子、写真も)

 語学教育拠点 英国のブリティッシュ・カウンシル(113か国213か所=2007年5月現在)やドイツのゲーテ・インスティテュート(83か国147か所=08年1月現在)が目立っている。04年から展開する中国の孔子学院も08年3月現在、69か国238か所と急増している。国際交流基金は、海外の日本語教育拠点を2010年までに100か所以上にする計画だ。

2008年6月21日 読売新聞)

(6)早大 8000人受け入れ戦略

4月に新設された田無寮。斉藤さん(右から2人目)のような学生が留学生との交流などに工夫を凝らす

 私学の雄が戦略的に留学生増を図る。

 キャンパスを見渡せば、様々な人種の学生がすぐに目に付き、日本人学生と留学生が英語で会話する光景が見られる――。これは内田勝一副総長がイメージする早稲田大学の5年後の姿だ。

 昨年5月1日現在での留学生数2435人は、日本の大学でトップに立った。同年10月に迎えた創立125周年を機に今後10年以内の指針を定めた「早稲田ネクスト125」を発表。その中で「留学生の受け入れと、日本人学生の海外への派遣を、それぞれ5年以内をめどに、8000人に増やす」という目標を掲げた。

 早大の狙いは明快だ。「留学生を入れることによって、研究、教育水準を高めること」(内田副総長)。高等教育熱の高まる中国などアジア諸国から、優秀な学生を獲得しようというわけだ。

 そこで必然的に英語での授業に力が入る。すでに1998年に開設した大学院アジア太平洋研究科では、英語による授業だけで修士課程修了に必要な単位が得られる。2004年にできた国際教養学部は、すべての授業を英語で行っている。来年度から理工学部も1年生から英語だけの授業を新設する。

 留学生のための日本語集中講座もある。「アジアで仕事をするなら日本語、英語、中国語が今後50年は中心的な言語となる。留学生にプラスアルファで日本語がついてくると思わせるメリットは大きい」と内田副総長。

 早大では、海外での情報提供や学生のリクルートを担当する海外オフィスの整備も進める。今月には上海オフィスを新設、今年中にニューヨーク、ソウル、台北でも開設し、10か所体制にする。すでに、バンコク、米オレゴン州、北京、シンガポール、独ボン、パリに拠点を持つ。

 留学生が入れる学生寮はすでに13棟(546人収容)、交換留学生専用寮が5棟(442人収容)ある。現在東京・中野の警察大学校跡地に900人収容可能な大型寮を建設中だ。日本人学生と留学生を一緒に生活させ、困った時の相談相手となる「レジデント・アシスタント(RA)」を配置するのが特徴だ。

 4月に新設された西東京市の田無寮には160人の学生が入居する。5階建ての建物には各階に共通台所がある。

 昨年1年間英国の学生寮で過ごした国際教養学部4年斉藤隼人さん(21)は、「海外での楽しい寮経験を日本でも実現させたい」とRAを引き受けた。サッカーに寮生を誘ったり、七夕イベントを企画したりしている。

 韓国人留学生の同学部1年キム・ムンジョンさん(18)は「料理を一緒に作ることなどで友達が増えた。同じ学部の人には授業のことも聞けていい」と評判は上々だ。

 ただ、様々な施策を取っても、8000人という数字は大きい。学部と大学院で4000人ずつ増やすのが目標だが、その実現には、より具体的な数値目標も必要だろう。(石田浩之、写真も)

 英語による授業 文部科学省によると、2006年度に、英語で授業を実施している大学は227校ある。このうち、英語による授業だけで卒業出来る大学には、早大国際教養学部のほか、国際教養大、上智大国際教養学部、立命館アジア太平洋大などがある。また、英語による授業だけで修了出来る大学院は、57校101研究科。

2008年6月24日 読売新聞)


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韓国企業 中国から“夜逃げ”続出 青島地区だけで206社

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賃金高騰、トラブルも

 韓国商工会議所が会員企業約350社に対し先月実施した調査で、対中進出済み企業のうち、約3割までが中 国ビジネスからの撤退を検討、または準備していることが明らかになった。このところ韓国企業が中国での賃金上昇など経営環境の急速な悪化で事業撤退に追い つめられるケースが増えており、中には清算手続きを一切無視して経営者らが“夜逃げ”同然で中国から消え去る事件も多発しているという。(坂本一之)

 ≪9割が環境悪化懸念≫

  同会議所の調査結果によると、今後の中国市場に関して「企業環境は悪化する」と中国進出ずみの韓国企業の約86%が指摘した。昨年3月に実施した同様の調 査では、同じ設問で「悪化する」と回答した企業は約33%にとどまっていた。中国での事業環境の悪化に懸念を示す韓国勢が一気に9割近い水準に達した。

  沿岸都市部では賃金上昇が進み、「(農村部などからの)出稼ぎ労働者を確保するのも2000年ごろとは異なり年々難しくなっている」(日系企業関係者)と いうありさま。特に中小の日系企業では管理職の人材確保が経営課題に発展。低賃金を武器に外資の投資を集めてきた中国に変化の波が押し寄せている。

 中国政府は今年1月に労働者の権利強化を図った労働契約法を施行。終身雇用への移行を含めて経営側にとって総人件費の上昇は避けられず、同時に労使関係もこれまでよりも複雑になった。

 ≪ベトナムやラオスに≫

  韓国紙、朝鮮日報などによると、年15%を超える賃金上昇や加工貿易禁止品目の拡大など、中国当局の規制措置で悪化する経営環境に対応できず累積赤字と なった企業が生産設備を放棄。法的な清算手続きを無視して突然、帰国してしまう問題も相次ぎ発生した。賃金や労使関係をめぐって経営者が暴力沙汰(さた) に巻き込まれるケースもある。

 韓国輸出入銀行がまとめた調査では、山東省の青島 地区に00年から07年までに進出した韓国企業8344社のうち、手続きを踏まずに無断で撤退した「夜逃げ企業」が206社にも達した。夜逃げは03年ご ろから目立ち始め、07年は87件にまでその規模が拡大。夜逃げ企業はアクセサリーや縫製、皮革関連の製造業など人件費のコスト上昇を吸収しにくい労働集 約産業が多かったという。

 すでに中国では「夜逃げ韓国企業」周辺でトラブルも起きており、中韓経済関係にも悪影響を及ぼしかねない状況だ。

 企業の生き残りをかけてコスト競争力のある中国本土に進出した韓国企業も経営戦略の見直しを迫られており、中国一極集中回避のための「チャイナ・プラスワン」や中国以外をめざす「ポストチャイナ」の投資地としてベトナムやラオスなどに関心が移っている。


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中国人学生が韓国に集まっている。韓国国内の外国人留学生は昨年初めに3万人を超えた。うち6割以上の2万人が中国人留学生だ。

中国人が好む留学地域でみると、米国(2万5900人)に次ぐ2番目で、日本(1万5915人)よりも多い。


中国人学生が留学先として韓国を好む理由は大きく4つ。


まずは就職。韓中間の貿易額は昨年1300億ドルを超えた。

欧州連合(EU)米国日本香港東南アジア国家連合(ASEAN)に次いで6番目となる。国交樹立20周年を迎える2012年には2000億ドルに達する見込みだ。

毎日平均1万2000人の韓国人が中国を訪れ、交流が活発になり、韓国語と中国語を駆使し両国を理解できる人材が必要になっている。三星(サムスン)電子、北京現代(ヒョンデ)自動車、LG電子など中国国内の韓国企業は中国人大学生の就職人気企業10位に入る。


2つ目は韓流。大衆音楽ドラマ映画分野で韓国の影響力は大きい。特に学生はそうだ。その結果、音楽や美術を専攻する学生の相当数が韓国留学を夢見ている。


北京の留学専門相談業者、世紀留学公司の姜菲韓国部部長は「昨年の場合、約5000人の高校卒業生が中国の大学に進学する

代わりに韓国留学を選んだ」とし 「高校卒業生のほか、大学在学生の韓国留学、特に芸術方面の留学は爆発的に増えるだろう」と予想した。


3つ目は入学しやすいという点だ。ほとんどの韓国大学は中国人留学を招致する際、韓国語駆使能力を厳格に要求しない。その代わり大学に韓国語研修課程を設置し、適応を支援する。言語研修を終えた後に本科課程に入学する手続きを踏む。韓国人の中国留学と似ている。

韓国大学の豊富な奨学金も中国人学生を引き込んでいる要因だ。中国人が韓国で留学する場合、学費だけで年間2万-4万元

(約30万-60万円)が必要になる。



これに年間生活費3万元を合わせると、中国人学生にとって相当な金額となる。しかし韓国大学の奨学制度を効果的に活用すると、学費を半分に減らすことができる。


韓国国内の漢潮(中国語ブーム)のおかげで中国語を教えながら学費を稼ぐ道も開かれている。

姜菲部長は「中国人留学生の場合、韓国で中国語を教えるだけでも生活費と学費を稼ぐことができる」とし「中国人留学生が韓国行きを決めるのもこうしたメリットがあるため」と説明した。


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アジアの人材獲得へ 九大、大連で一般入試 来年度、初の海外実施

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九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻(ビジネス・スクール)は20日、来年度の入学試験を中国・大連でも実施することを明らかにした。少子 化による大学全入時代をにらみ、海外で一般入試を行う大学は私大を中心に増えつつあり、九大も初めて実施する。九大は「アジアの優秀な人材獲得をめぐる大 学間の競争は激しくなっており、こちらから乗り込んでいく」としている。

 九大ビジネス・スクールは主に社会人を対象にし、2年間の課程で 経営学を履修。修了時に経営学修士(MBA)を授与する。大連での入試は書類選考による1次試験合格者を対象に11月6日、教員3人の日本語による面接 (2次試験)を行う。合否は、同月8、9日に福岡市内で開く面接の受験者と同条件で判定する。

 九大ビジネス・スクールは「アジアで活躍で きる人材の育成」を掲げており、中国、タイの12大学と提携し、交換留学などを制度化している。在学生・修了生のうちの外国人率も14%を占めているが、 現状の入試では1次試験合否判定後、面接までの期間が短く、中国の受験希望者から「ビザ取得が間に合わない」など、対応を求める声が寄せられていた。

 入試会場に大連を選んだことについて九大は、中国の他地域に比べ外語大学の日本語教育体制が充実していることや、日本企業が多いことを挙げている。日系企業や提携大学を通じて、学生募集を告知していくという。


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労働力不足と賃金上昇が続く中国~見直しが求められる日本企業の中国戦略

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出展:日本総合研究所ホームページ(http://www.jri.co.jp/)「研究員のココロ (株)日本総合研究所 主任研究員 海外事業・戦略クラスター 食・農・基本戦略クラスター 今井 宏 2008年6月23日付」より

1 生産年齢人口のピークは2011年頃

 中国の人口は、2006年末時点で13億1,448万人と世界一の規模を誇っている。しかし、人口増加率は一人っ子政策の影響で低下傾向にあり、毎年の 人口増加数も年々減少している。2006年には前年比で692万人の増加となったが、ピーク時に比べると約3分の1の規模にとどまっている。
 また、労働力の規模を表す生産年齢人口(15~64歳)についてみると、高齢化の進展と新規流入労働力の減少に伴い、生産年齢人口が数年後には減少に転じることが懸念され始めている。
 中国社会科学院人口・労働経済研究所の張車偉副主任による、2000年センサスをもとにした試算によれば、中国の生産年齢人口は2014年の9億 9,700万人がピークとなり、2015年からは減少が始まるとしている。労働市場においては60~64歳の年齢層に対する需要は極めて少ないことから、 15~59歳の年齢層でみるならば、ピークの到来と生産年齢人口の減少はさらに早まり、2011年の9億2,700万人がピークとなり、2012年から減 少に転ずる可能性が高いと予想している。
 また、国連の”World Population Prospects”によれば、5年毎のスパンで見ると、生産年齢人口は2006~2010年までは増加するものの、2011~2015年の期間中には減 少に転じ、この期間で年平均84万人の減少に転じるとしている。その後、年平均の生産年齢人口の減少幅は次第に拡大し、2031~2035年の5年間で は、年平均の生産年齢人口の減少が768万人と最も拡大する。さらに、その後は年平均の減少の幅は小さくなるものの、2050年まで減少傾向には歯止めが かからないと予想されている。
 このように、中国の労働力は今後数年の間にピークに達し、その後は減少に転じるものとみられる。

2 深刻化する単純労働者不足と賃金上昇

 このような労働力の減少が始まる前に、中国では既に人手不足の兆候がみえ始めている。
 2002年後半からは、広東省において「民工荒」と呼ばれる労働者の不足現象がみられ始めた。当初は、例えば旋盤工といった技術水準が相対的に高い労働 者の不足であったが、2003年入り後からは、運搬作業員、家政婦といった単純労働者の不足も顕著となっている。さらに、2004年以降、広東省のみなら ず、中国の主要工業地帯である沿海部の様々な地域において、労働者の不足が常態化しつつあり、熟練工のみならず、一般労働者の募集も困難な情勢となりつつ ある。とりわけ、これまで中国の沿海部の都市部において、低コスト労働力の中心となっていた内陸部の農村部からの出稼ぎ労働者の不足が顕著となっている。 中国政府が、広東省など沿海部12省の都市部を対象にした人手不足に関する調査によると、調査した企業のうち35%の企業が、労働力が不足していると回答 している。とくに、18~25歳の年齢層の未婚の女子労働者の不足が全体の60~70%を占めているが、若年労働力を中心に人手不足が深刻化しつつある。
 沿海部を中心とする都市部において、現在人手不足がとくに問題となっている職種はいわゆる単純労働者(低付加価値労働者)である。今後、人口構成上の問題から若年労働力の減少が予想されるなかで、いわゆる低付加価値労働力の確保は年々難しくなることは間違いない。
 このような量的な確保の困難に加え、中国では賃金の上昇が急速に進んでおり、最低賃金が毎年のように高率で引き上げられている。このため、「低廉で豊富 な労働力を利用した低コストでのものづくり」という中国のビジネスモデルは早急に見直されるべき段階に来ているといえる。さらに、労働契約法の導入によ り、今後は従業員を長期に雇用せざるを得ないケースが増えることが予想され、これまでのように受注生産や短期の生産計画に基づく生産の変動を派遣社員で調 整するような生産体制をとることが徐々に難しくなる可能性が高い。

3 日本企業の中国戦略の見直し~低コスト基地から脱却し人材の育成を急げ~

 以上を踏まえると、日本企業の中国における事業戦略は、現在大きな曲がり角に差し掛かかりつつあるといえ、今後を見据えた以下のような長期的な戦略の確立が必要になっている。
 第1は、中国を低コストの生産基地とみなしている場合には、その抜本的な見直しが必要なことである。
 既に述べたように、中国ではいわゆるワーカークラスの人手不足が顕著となりつつある。このため、大量に労働者を雇用して労働集約型の生産を行う業態で は、労働者の量的な確保が難しくなっている。また、賃金の上昇も急で、賃金を少々上げたくらいでは労働者を必要な数だけ確保することが難しい場合も増えて いる。このような状況の下、いわゆる労働集約型からの転換が必要となっており、より付加価値の高い生産品目へのシフトや、効率化を進め、より少ない労働力 での生産を可能にすること、あるいは機械化を進めることなどが課題となりつつある。
 一方で、どうしても労働集約型の生産が必要であるならば、中国でも比較的低コストの労働力が確保しやすい内陸部へ生産拠点のシフトを図ることや、あるいは、ベトナムやインドネシアなど、より労働コストの安い「中国プラス1」の国へのシフトを検討することが必要である。
 第2は、人手不足が顕著となるなかで、人材育成の重要性が高まっていることである。
 労働者の量的な確保が難しくなるなかで、優秀な人材を外部から獲得することが一層困難となりつつある。このため、即戦力の人材を雇用するよりも、雇用した人材を社内で育成していくことの重要性が高まっている。
 日本企業はもともと人材育成には熱心であるが、中国においても、長期的な視野に立って、計画的に人材を育成していくシステムを確立する時期にきているといえる。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。

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今井 宏
(株)日本総合研究所
主任研究員 海外事業・戦略クラスター 食・農・基本戦略クラスター
専門分野:国際ビジネス戦略、アジア投資環境・投資戦略(中国、東南アジア、インドなど)

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企業から見た就活学生 「採用に満足」半数以下

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 企業が今年の就活学生をどう見たか。当社が5月に調査した「採用動向調査」によると、今年の学生に対して「質に満足」という評価は44.4%(昨年40.2%)。昨年に比べて上昇したものの半数以上の企業は、相変わらず学生の質には満足していない。

  この「採用満足度の低下に繋がる学生への不満」とはどのような理由によるものだろうか。同調査は、不満要因について「コミュニケーション能力不足」「自己 理解不足」などを指摘しているが、ここ数年、「競争心が薄い」「一般常識がない」という項目がじわじわと増加しているのが気になる。大学が懸命に取り組ん でいるキャリア教育の成果が出ていないといえよう。

 さらに企業から学生への感想を聞いてみると、「何回接触しても本音を見せない」「受け 身の姿勢でおとなしい」「大手中心の就活にこだわる」「第1志望を持たない」などの不満が多い。採用したい学生と採用したくない学生との差が広がり、中間 層がいないというデバイド化(市場の二極分化)現象が08年卒採用の流れを引き継ぐ形で拡大したのである。

■文化放送キャリアパートナーズ 就職情報研究所  人材こそ資本であるという理念に基づき、人材の目利きになるための情報を集積・分析・提供し将来を予測することを目的に2001年に設立。企業、学生を対 象とした新卒採用戦線総括のほか、02年から毎年発表している就職ブランドランキングは数多くのメディアから注目を集めている。


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メイテック、上海で技術者紹介 日系企業などに

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 技術者派遣大手のメイテックは中国で人材紹介・派遣事業に乗り出す。23日、上海市内に新会社を設立し、7月から人材紹介業を始める。中国への研究・開 発部門の移管が相次ぐ日系企業の技術者ニーズに応えるとともに、日本国内で働く中国人技術者が母国で再就職する際の受け皿とする。今後は各地に支店を開設 し、3年後に中国事業で50億円の売上高を見込む。

 新会社「明達科(上海)人才服務公司」(メイテック上海)の資本金は30万米ドル(約3200万円)。メイテックが70%、現地資本が30%を出資し た。7月1日から企業への技術者紹介を開始。日本での知名度を生かして顧客網を広げ、3年後に現地で400人の紹介を目指す
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中国アウトソーシングの今と先行き

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前回の『四川大地震から垣間見えたこと』 に続いて,中国におけるアウトソーシングの最新事情を紹介したいと思います。前回述べたように,「中国は多様な国である」,そして「中国は変化している が,変化と不変化の両方を見抜く」という点を意識しながら読んでみてください。ビルや道路といった都市の外観の変化だけでなく,そこで働く人々への理解が 欠かせません。

 まずはソフトウエア開発に限らず,日系企業の中国進出全般について見てみましょう。これまで日系企業は,地理的距離,心理的距離,事業メリット, 仕事のしやすさなどの面から,中国の沿岸地域を中心にビジネスを進めてきました。主な進出先は,(1)北京,遼寧省などの華北・東北,(2)上海,山東省 などの華東,(3)広東省など華南です。そして,西部地区(内陸部)へ拡大してきました。

 日本とかかわりを持った沿岸地域の人々は,日本の文化や習慣,そして日本人を知っており,それがビジネスをうまく進めることにつながっています。 例えば,効率的な仕事の進め方,時間を守る習慣,ビジネス・ルールに基づいた進め方などです。日系企業とのかかわりがなかった地域では,それを習得するま でに一定の時間と経験が必要となるでしょう。

 ソフトウエア開発のアウトソーシングでも同様の傾向が見られます。現在は華東,華北,東北地方の沿岸地域を中心に拡大しています。2006年に, ソフトウエア全体の販売収入が1300億円を超えた省・直轄市は,華北の北京市,東北の遼寧省(省都は瀋陽),華東の上海市,浙江省(杭州),江蘇省(南 京),山東省(済南),華南の広東省(広州),西部の陜西省(西安)の8地域です。陜西省を除けば,いずれも沿岸地域です。これらで全体の83%を占めて います。

 2007年における中国のソフトウエア関連輸出契約総額は約2000億円と,5年間で数倍に成長しています。中国では国家や市政府の強力な支援の もと,特定の都市を国家ソフトウエア輸出基地と定め,ソフトウエア・アウトソーシング産業の振興を進めています。今後もダイナミックに変化を遂げることで しょう。日本企業としては,初期の発展段階だけでなく,その後の変化もにらんだ展開を進める必要があります。


インフラや人材確保に課題あり

 中国のソフトウエア産業は歴史が短いため,製造業に比べてその基盤はまだ弱い状況にあります。ハイテク区のようなハード面のインフラは進んでいま すが,ソフトウエア人材の整備はこれからの課題です。ソフトウエアは無形でコピーされやすいため,知的所有権・著作権および輸出に関する法律への対応が求 められます。また,従来の工業製品と異なり,設計のような知的労働を行う人材の能力・スキルとそれらの管理が重要になります。

 ソフトウエア産業の就業者は,(1)プロジェクト管理者,(2)設計者,(3)プログラマに大別されます。中国ではソフトウエア人材の平均年齢が 30歳弱と若いです。そしてIT産業がこれから成長する産業と認識されており,かつ高給であることから,理工系学生のトップレベルが就職しています。プロ グラマは比較的短期間に養成できますが,プロジェクト管理者や設計者の育成には時間がかかります。産業発展の速度に,ソフトウエア人材の質と量が追いつい ていくのが目下の課題です。

 このような状況下で,日本にある中国企業で働いている中国の技術者は必ずしも一枚岩となり効率的に対応できる体制になってはいないようです。その 要因として,中国人技術者の上昇志向,高給志向,個人主義,ロイヤルティ不足,国内市場の不安などがあります。また,オフショア・アウトソーシング事業が 短期指向であり,事業に携わる人間の出身地域,個人的背景,言語,習慣が異なっていることも影響していると思います。単一民族,単一言語である日本の物差 しで測ることは難しいと思われます。 人間に関するトラブル事例をお話しします。ある中国のソフトウエア企業は,日本向けオフショア事業拡大のため,日本語のできる現地人材を中途採用 し,雇用契約を結びました。その人材は日本語の教育を受けていたので,社内の技術者の日本語教育,ソフトウエア関連翻訳・通訳といった業務に従事させまし た。しかし,実際に作業させてみると,期待どおりの仕事をせず,成果も出しませんでした。それどころか,就業時間中にパソコン・ゲームで遊んでいることが 分かってきました。

 その事実が判明したので,同企業の責任者は,本人と面談しました。そして,約束違反を指摘して本人も了解したので,自己都合として退社してもらうことにしました。双方納得して話ができたように感じたので,特に退社の覚書や契約書を作成することはしませんでした。

 ところが,その元社員が違法解雇の訴えを起こし裁判となりました。責任者は人民法院から労働局に話をしてもらい,そのアドバイスに従って弁護士を 雇い,訴訟に関して調整してもらい,最終的にその元社員に訴えを取り下げてもらうことができました。IT市場の急拡大に伴い,人材の流動性が増し,労働ト ラブルが増えています。

 日本企業としては,現地の管理は信頼できる責任者に任せ,労働争議に発展しないように対応し,争議が発生してもスムーズに対応できることが必要と なります。現地の人間でさえトラブルに巻き込まれるケースも多く耳にします。現場を知った対応,信頼できる現地人材による管理が重要です。


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松下電器産業、SE増員し業務用システム拡販

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松下電器産業は業務用システムソリューション事業で、システムエンジニア(SE)を3年以内に100人増員し、600人以上の体制とする。システム構築や運用サービスの強化が狙い。人員を増やしてシステムの高付加価値化を進め、拡販に結びつける。

 松下は4月に業務用システム関連企業3社を合併し、新会社パナソニックシステムソリューションズジャパン(PSSJ、東京都港区)を発足。システム提案 から保守・運用までを総合的に提供できる体制を構築した。「SEが同業他社に比べて少ない」(岩佐次夫社長)ため増員する。

 PSSJのSE数は現在500人強。採用や社内での配置転換などでSEを増やす。松下グループの連携を深め、これまで組み込んだことのない端末・装置を採用したシステムの開発も進め、メーカー系システム会社の強みを生かす。

 PSSJは松下製品をベースにしたシステムを構築している。インターネット・プロトコル(IP)カメラを用いた映像監視や放送・通信など、ITか ら映像までソリューションを提供する。08年度の売上高目標は3000億円。国内市場が官公需減退で縮小傾向にある中でも、安定して増収を続けられる体質 を築く。


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日中韓の観光相会合開催が決定 中部自治体、誘致に熱

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日本と中国、韓国の観光担当相が観光交流を論議する「第4回日中韓観光大臣会合」が来年、中部地域で開催されることが正式に決まった。大臣会合の開催地や観光ルートづくりをめぐり“誘致合戦”も熱を帯びそうだ。

 大臣会合の日本開催は2006年の北海道に続き2回目。3日間ほどのイベントに約500人の観光関係者が同行するため、中国と韓国に観光地をPRする好機になる。

 誘致を最初に提案した愛知県は「中部が一つになり、観光の魅力を高めたい」と意気込む。三重県は「ぜひ伊勢志摩に」、静岡県は「外国人に人気の富 士山を組み込んで」と、観光ルートづくりに熱い視線。飛騨高山や金沢といった観光地を抱える岐阜、石川県も「ぜひ県内を巡ってほしい」と希望している。名 古屋市は「メーンの大臣会合を開きたい」としている。

 中部地域には、国際線が就航する中部国際空港や小松空港があり、来年3月に開港する富士山静岡空港も加わる見通し。入国、出国に使われる空港も今後の焦点になりそうだ。

 国土交通省総合政策局は「地元と協議しながら、具体的な開催地や観光ルートを決めたい」としている。


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外国人観光客にPR、高野山異文化交流ネットが28日にシンポ

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 外国人観光客に高野山の良さを発信するため設立したNPO法人高野山異文化交流ネットワーク(松山典子代表)は、28日午後1時から高野山大師教教会で設立記念シンポジウム「世界に伝えよう!高野山の魅力」を開く。

  同ネットワークは、高野山が世界遺産に登録され、外国人の観光客が急増したことを受けて平成17年に結成された高野山通訳ガイドクラブが前身。主に高野山 の説明案内が中心活動だったが、歴史、文化、伝統などの要望も強くなり、外国人の期待に応えるため今年3月に改編し、異文化交流には欠かせない存在となっ ている。

 スタッフは学校や塾、などで外国語を教えている人たちを中心に約30人。英語、ポルトガル語、中国語が対応可能で、世界遺産登録前に比べ約3倍の約3万人に伸びた外国人観光客を支えている。

 シンポでは総本山金剛峯寺の村上保寿・教学部長ら3人の基調講演のあと、松山代表をコーディネーターに行政、金剛峯寺、住民の役割などを探り、外国人に理解される高野山としてのあり方などを話し合う。無料。問い合わせは同ネットワーク
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加賀温泉郷観光の魅力や課題 外国人の視点で ズバッと指摘

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金大留学生『浴場マナーの案内を』

 金沢大学の留学生十五人が二十一、二十二両日、観光モニターとして加賀温泉郷をめぐり、外国人の視点で市内の魅力や温泉観光の課題を挙げた。

 増加が予想される外国人観光客に対応しようと、加賀市と金沢大、市内の国際交流団体「たぶんかネット加賀」が連携して実施。中国やドイツ、韓国などからの主に二十代の留学生が参加した。

 留学生は初日に周遊バスで市内を中心に観光し、旅館に宿泊。二日目は三グループに分かれて山代温泉と大聖寺地区、橋立地区を訪れ、同市大聖寺の蘇梁館で意見を述べた。

 日本の共同浴場になじみのない留学生は「マナーがよく分かる案内がほしい」と指摘。「日本人は温泉が目当てかもしれないが、私たちは歴史や日本ら しい町並みや生活に興味がある」との声も。留学生たちは「外国人向けの案内看板は景観を悪くするので要らない。持ち歩ける地図を充実させて」と要望。ある 観光施設では「期待と実際の内容が大きく違い不満」と厳しい意見も出た。

 モニター結果は観光業関係者や行政などに報告される。
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2008-06-23

中国で人材紹介 日米火花 米大手ロバートハーフ 来年進出

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経済発展が著しく、ホワイトカラーを中心とする高度人材需要が急速に増大する中国で、日米人材サービス会社が事業展開で火花を散らしそうだ。

 米人材紹介会社大手のロバートハーフインターナショナル(カリフォルニア州)が来年中に中国に進出することが22日までに分かった。日系の人材サービス 会社はパソナグループ、テンプスタッフ、インテリジェンス、リクルートなどが中国に進出しており、人材紹介会社としては世界最大手クラスのロバートハーフ 参入によって、経済成長が続く中国の人材ビジネスを巡る競争が激化しそうだ。

 ロバートハーフは世界19カ国に拠点があり、アジア・パシフィック地域は、オーストラリア、ニュージーランド、日本、シンガポール、香港に現地法人があ る。財務・会計・金融・IT向けの高度人材の転職紹介に注力している。同地域を統括するディビッド・ジョーンズ・マネージングディレクターは、「北京五輪 後に中国経済は成長率が鈍化するかもしれないが、伸び続けるのは間違いない」として、中国進出を決めた。

 中国の労働法制は1月から改正されて、原則有期雇用だったのが、有期雇用の契約更新3回目から終身雇用が義務づけられた。このため、雇用契約期間は長期 化の傾向にある。人材サービス会社も新労働法制に合わせて戦略を練り直しているが、「当社は経営層に近い高度人材の紹介なのでもともと労働法制変更の影響 はない」(ジョーンズ氏)という。

 同社のアジア・パシフィック地区の売上高はここ数年は毎年2倍の伸びを示している。5月にオーストラリアのパースに同国内2番目の拠点を開設した。来年 からの中国展開では、まず上海に拠点を設け、北京、深センと3拠点体制にする。 世界各国から企業が中国に進出しており、日系以外の国からも人材サービス 会社が相次いで中国に進出している。現地でも起業家が相次いで人材サービス会社を立ち上げており、競争は厳しい。ロバートハーフは、会計士などの資格を持 つ高度人材を企業のマネジメント層として派遣・紹介することで差別化する。
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最も話されている言語、中国語

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 世界各国で話されてい る言語は大きく分けると、およそ100言語ほどだと言われている。最も多くの国で使用されている言語(公用語、準公用語を含む)は英語であるが、最も多く の人が使用している言語は中国語である。第2言語として使用している人口も含めるとおよそ14億の人口を擁するといわれている中国語に迫る。

  【別言語ほどの差がある方言】

   一口に中国語と言っても、広大な国土を持つ中国では、話されている言葉は地域によって大きな差があり、北京語などを含む北方方言、上海語などを含む呉方 言、福建語などを含む〓方言(〓は門に虫)など7つに大別され、それぞれの言語は漢字を使用しているという共通点以外は、文法や語彙なども異なり、ほぼ別 の言語と言っても過言ではない。

  事実、異なる方言を話す者同士が共通の言語を使用せずに会話を行っても、相互理解は不可能だといわれている。そこで中国全人民の意思疎通を容易にするため、中国共産党は1950年代に北京語などを含む北方方言を基礎に普通話(標準語)を制定している。

  さて、上記の方言を含めた中国語を話す人口は、中国本土と台湾の人口をあわせた13億人に上る。そのほか、シンガポールや東南アジアなど世界各国にいる華僑、華人なども合わせると約14億人が中国語を話すと言われている。

  【世界最古の言語でもある中国語】

  また、中国語は「現存する世界最古の言語」としてギネスブックにも登録されており、漢字の原型とされる甲骨文字は、紀元前15世紀頃には使用されていたとされている。

  日本に漢字が伝えられたのは6世紀ごろと言われており、現代の日本で多く使用されている明朝体は、明の時代に確立された字体である。写真は豚年に当たる2007年、英国紙が漢字を用いて紹介した際のもの。(編集担当:畠山栄)

●●コメント●●

気配り上手は評価される 60歳以上でファーストフード店で働く人

:::引用:::
60歳以上の店員がたくさん働くファーストフード店がある。ここでは70歳の人もいる。店側からすれば、若い人材が集まりにくいという窮余の策で始まったのだが、いまではお客に対する「気配りがすごい」といった積極的な評価になっている。

 60歳以上の店員が5分の1を占めるのは、全国展開するファーストフードのチェーン「モスバーガー」五反田東口店だ。「アットホームな雰囲気がいい」 と、近隣のオフィスから通う常連客も多い。人生経験の豊かな「熟年」は若い店員よりも気配りができて、気持ちの良いサービスを受けられるというのだ。しか し、ファーストフードというスピード感が求められる場で、働けるのだろうかという疑問もある。モスフードサービス広報担当者は、

  「1つ1つ作りたての商品を提供し、おもてなしを重視するモスバーガーのスタイルだからできること。他のファーストフード店のように右から左へと作業をこなさなければならない職場ではこうもいかないかもしれない」

という。

■若いスタッフの模範

 「モスバーガー」では注文を受けてからハンバーガーやポテトなどを作るために、待ち時間が5~10分程度発生する。その時間を退屈させないのが、良いと ころだという。若い店員の場合は注文を受けた後はお客に背を向けて、作業に没頭してしまうが、「今日はお天気でよかったですね」といった会話をしてうまく 間をつなぎながら作業をする。こうした気配りは店が教えたのではなく、自発的にやっているそうだ。同店の30代の店長や若いスタッフらは、「こうした姿勢 を学ばなければいけない」といっているそうだ。

 広報担当者によると、五反田東口店は駅前に立地する大型店で、お客が多く訪れ、スタッフの確保が課題だった。そこで店長がアルバイトの募集年齢を60歳 に引き上げたところ、59歳の女性の応募があった。採用すると、接客が見事なことがわかり、それ以降同店では採用方針を見直し、今では60歳以上が10人 にも増えた。

 当時59歳だった女性店員は、10年間働いていて今では70歳。立ち仕事で体力的に厳しい面もあるが、「お客と接するのが好き」「若い人と働きたい」といい、楽しんで仕事をしている。

 こうした60歳以上の採用はもっと増えてもいいはずだ。
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「失われた10年」からの回復は、どういう課題を残したか?

:::引用:::
6月19日付、日本経済新聞朝刊17面の「大磯小磯」というコラムに、「景気回復の性格と経済政策」と題して、わかりやすい解説が載っていたので、今回は、これをネタに話を始めてみようと思います。ITの話とは大分距離がありますが、たまには、こういうのも良いかなと。

1.「失われた10年」は、どう回復されたか?

 本コラムでは、2002年からの日本経済の緩やかな回復プロセスについて、以下のように解説をしています。

景気の底だった01年度から07年度までの実質国民総生産の平均成長率は、1.9%。うち半分以上は、輸出で稼ぎ出した(寄与度は1.0%)。・・・(中略)・・・二番目に寄与したのは、民間企業の設備投資である(同0.5%)。

これに対し、最大の需要項目である民間最終消費支出の寄与は0.7%台にとどまり、公共事業である公的固定資本形成は成長率押し下げ要因となった。消費の貢献度が成長率の半分にも満たないということは過去には見られなかった。政府の投資がマイナスとうのも初めてだ。

 全く同じ数値が引用されているわけではありませんが、同様の分析は、平成19年度の経済財政白書の第一節でも行われています。輸出の寄与の大きさは、かつての景気上昇局面で比べてみても、明らかなようです(各景気回復局面における需要項目別寄与率)。

今回の景気回復の主役は輸出と企業であり、家計は沈黙してきたことになる。・・・(中略)・・・しばしば指摘されているよ うに賃金がほとんど上がっていないのだから当然であろう。・・・(中略)・・・貿易が活発になれば要素価格均等化法則が働く。高賃金の日本の賃金が抑えら れ、中国など途上国の賃金が上昇していく。

 さらに、本コラムは、これに続いてインフレの予兆を語り、金融政策が引き締めに向かうであろうとコメントしてます。ご紹介した部分は、次のように要約できるでしょうか。

今回の景気回復プロセスは、経済のグローバル化の流れに乗ることに成功した企業の輸出に依存した景気回復である。世界経済 全体の成長によって、グローバル化企業が日本経済を底堅くリードしてくれた一方、グローバル化故に国内の賃金を上げることができず、その結果、国内の消費 も沈滞した。

      *      *      *

 大変良くまとまった概観だと思うのですが、個人的には、更に、この流れで追加しておきたい指摘事項があります。それは、グローバル化主導の景気回 復プロセスの中で、グローバル化企業とドメスティック企業との間の二極化が更に激しく進行しているのではないか、ということです。

 収益力や業績から、経営の質や戦略的なIT利活用まで、グローバル企業とドメスティック企業との差が、どんどん開いている。綺麗に業種別傾向とし て出るわけではないので、統計的な把握が難しいのですが、色々な方からお話を伺えば伺うほど、グローバル市場の中で厳しい顧客リクエストに応えてどんどん 業績や経営を進化させている企業と、国内のシェア争いに終始しながら、従来の業務方法や経営戦略を変えられないでいる企業と、やや御しがたく二極化してい るような気がしています。組織という意味では、行政も、例外ではなく、圧倒的に後者に属しているわけですが。

 産業ベースで見ると、最近、そのポジションを変えたのが電気・電子産業です。従来であれば、自動車、電気・電子、一般機械と機械情報産業全体で輸出をリードしてきましたが、今回の回復プロセスで、電気・電子が、輸出への貢献度合いを05年前後を境に落としてしまいました。これは、同産業がグローバル型から国内型に転換したことを示唆しているととれるのではないでしょうか。

 その結果、今度は、こうした企業ベースの動きを、個人ベースのレベルに降りて見てみると何が起きているのか。企業のグローバル化の流れに乗って、 グローバルに活躍できる可能性を持った人、わかりやすく言い換えれば、いざとなればいつでも海外逃亡できる環境にいる人には、実に様々な選択肢が用意され る社会となる一方、国内や地域に根付こうとする人ほど、その潜在的能力の優劣にかかわらず選択肢が狭まる、割を食う。そういった別の二極化が、個人のレベ ルでも進んでいるような気がします。

 今回の景気回復プロセスでは、こうした二重の二極化、すなわち、第一に、企業の業績が上昇しているにもかかわらず賃金上昇が停滞したことによって 生じた、企業群と個人との間の活力の二極化。第二に、企業や個人それぞれの中におけるグローバル化への適応度合いによる可能性の二極化。こうした二重の矛 盾をはらんだまま、経済全体としては回復基調を維持したとも見えるのではないでしょうか。

2.回復のプロセスで新たに生まれた課題は何か?

  こうした回復プロセスの中で、日本経済は、日本と自分に対する自信を無くし始めているのではないか。加えて、世界経済全体で進んだ環境問題の深 刻化やIT化の進展と絡み合って、実は、この数年来、これまでにない新たな課題が社会的に出てきているのではないか。若干思いつき的で恐縮ですが、順不同 に並べてみます。

 余り整理されていませんが、論文でもない私的なコメントですので、お許しくださいませ。

(1) 経済のグローバル化が招いた脱・日本 (国民国家という虚像の「融解」・「差異化」)

 第一に、総論的な論点ですが、二極化が二重に重なり合ったことによって、いよいよ国民国家という虚像に対するリアリティが希薄化し始めてきたので はないかということです。文化や暮らしといった身近なところで感じれたはずの日本が、経済のグローバル化に伴い急に薄れている。

 実際、企業は上げた利潤を次なるグローバル化へと投資をしていきますから、いくらCSRが重要とは言っても、生活や公共に還元される部分は限られ る。公共セクターはとにかく歳出削減で、地域や文化に思い切った投資をすることはなかなか出来ない。だから、「日本」に投資してくれる人は、どんどんいな くなる。

 大リーグで活躍するイチロー選手や、サッカーのワールドカップ、トヨタが世界市場で売上No.1を争い世界市場の話題をさらうといった部分では、「世界に認められる日本」という形で、日本を意識できる部分もある。自信を取り戻せる部分もある。

 しかし、身近な生活の中をみると、街の風景はどんどん、どこへ行っても同じ駅前と同じコンビニの風景が繰り返されるようになり、地域の特色を無く している。地元や日本を感じさせる特色は、どんどん希釈化され、コミュニティティとともに自分に対する自信まで失い始めているような印象がある。そりゃ、 実際問題、頑張っても生活水準が普通のやり方では上がらないんですから、無理もないかもしれません。

 政治・経済・文化が、一つの領域単位に綺麗に接合するという国民国家自体の嘘は、90年代にバブルがはじけた時以来、潜在的には、みんな分かって いたのかもしれませんが、ここまで何とか再構成して誤魔化してきた。にもかかわらず「日本経済」とか「日本社会」という実在が、何となく、疑わしくなって きた。実感が無くなってきた。

 その象徴が、社会保障制度の将来に対する具体的な不安であり、かつ、その深刻な事態を、もはや他人事としてシニカルに受け止めてしまう若者が多いという現実なのではないか、という気がするのです。 

 では、どうすれば日本は元気になるのか?

(2) 「海外」を受け入れないと「日本」が成り立たないというパラドックス

 第二の課題は、単純に「日本」を強調し、国内で弱者対策を中心に国内雇用や国内産業を鼓舞しているだけでは、何も課題は解決しないという難しさで す。グローバル化と内需建て直しを同時に進めなければいけない。「海外」を受けれないと「日本」が成り立たないというパラドックスをどう解くか。

 1986年に前川レポートが話題になったときも、輸出主導型の成長が日本経済に起こした歪みが問題となりました。その点では、現在と非常に似たよ うな状況にある。ただし、当時は、大幅な経常収支の不均衡自体が問題だった。だから、単純に、内需主導型経済への転換を目指せばよかった。

 ところが、今度は、単純に内需を刺激すればいいというわけにはいかない。そこが、単純な金融政策や財政政策だけでは答えの出せない難しい問題を提起しているのだと思います。中身が問われてしまう。

 例えば、国内の中堅・中小製造企業を見ると、実は、既に外国人エンジニアに依存している優秀企業は多数いる。しかも、そこで実力を発揮し始めた外 国人が、こどもの教育問題を境に母国に帰国してしまうケースが結構で始めている。日本全体から見れば、まだマイナーな現象ですが、少子高齢化が進む中、こ の問題は、製造業の枠を超えて、介護その他のサービス分野を中心に、今後、ますます深刻化する。企業が外国人を使えるかどうかという問題が、先ず第一です が、次に、企業が立地する各地域社会が、その従業員の家族と暮らしを、例えば学校で、例えば病院で、本当に受け入れられますか?ということが重要になる。 日本社会は、優秀な「ガイジン」とその家族を受け入れられる社会になるのか、ならないのか。

 では、雇用吸収力のある産業へと目を向けると、国際競争力を維持しようとすれば、国内で人材や技術に磨きをかけているだけではもはや駄目。生産拠 点も含めて海外展開にこそ先手を打ってこそ、そうした企業でもはじめて生き残りが可能になる。国内の雇用を強調していると、企業ごと吹っ飛んでしまう、と いうことが、現にリアリティを持ちつつある(一部、規制産業は別ですが。)。

 したがって、いずれの面から見ても、ただ単純に、内需の振興や格差是正といって国内需要振興策を展開しても、ドメスティック型産業の延命を図るだ けで、逆効果に終わってしまう。やり方に工夫がいる。国内外でグローバル化を先取る「日本人」や「日本企業」を如何に的確に伸ばすか、そここそが問われて いる。しかし、そうした活動を、今、一体誰が支援できるのか。

 そもそも教育の問題といえば、それは正鵠を射ていることにはなるとは思います。そういう進取の気性と国際性を持った人材の育成こそが重要と。しかし、今の日本経済には、成果が出るまで5年も10年も待っている余裕は、とてもありそうにありません。

 日本であろうとすればこそ、脱・日本を目指す日本企業・日本人を支援しなくてはならない。あちらこちらの現場が、直ちに、そういう哲学の大変換に取り組まねばならない。そういうややこしい事態に陥っているんだと思います。

 

(3) 「非価格情報の経済」/知識経済の急速な浸透と困惑

 第三に、こうしたグローバル化・二極化の影響とは別に、圧倒的なインパクトを持って普及した、インターネットをはじめとするIT化の影響を上げなくはならないと思います。

 すなわち、マスマーケティングと大量消費の時代とは、価値作り・価値付けの方法が大きく変化しようとしている。ネットワークを通じた情報大爆発が、市場における製品やサービスの流れを変えるインパクトを持ちつつある。この流れを、どう日本が使うのか。

 従来の大衆消費社会では、研究所が開発した技術を事業部が事業化する。そこで製品化されたものをマス広告等を通じて消費者に認知せしめ、それを店頭に並べる。いわば、モノが出来た段階で、それに見合う形の広告等を展開し、バリューをつけていたわけです。

 ところが、機能的・品質的に、今すぐ欲しいと思うモノは、テレビにせよ、冷蔵庫にせよ、カメラにせよ、DVDにせよ、ほぼ行き渡ってしまった。と 何が起きるのか。人は、機能的に欲しいかどうかよりも、自分にとって価値があると思えるモノを購入しようとする。いわば消費に価値があるのではなく、買う という行為を通じて何が経験できるか。買うという行為自体だったり、購入後の利用時間に自分だけの付加価値がつけられたりと、価値を感じる経験の内容は色 々だと思いますが、いずれにせよ、消費そのものではなく、それを通じて得られる経験への価値が問われるようになってきてる。

 商品やサービスを事前に設計して、マス広告で認知させようと思っても、今や、みんなが同じ経験をしたいわけでもないし、経験を強制されたいわけで もない。したがって、ブランディングという役割は引き続き残るものの、従来のマス広告の中では、商品のバリュー付けを個々に行っていくのは、本当に難しく なっていく。本当に最低限の生活必需品的なものしか、消費者にはアピールしなくなる。では一体、作り手はどこで、使い手と接合すればいいのか。

 かつての近代的な価格理論では、商品やサービスが実際に流通し、市場が、その需要と供給の均衡に応じて価格を決めるものでした。僕も、学部時代に は、根岸先生らによる価格理論や、レイヤード・ウオルターズというとても古いミクロ経済学の教科書を、せっせと読んでいた記憶があります。これが、議論の 出発点となります。

 しかし、今実際に起きていることは、そうやって商品やサービスが実際に流れる市場とは別に、その商品やサービスの価格や評価に大きな影響力を与える非価格情報が、大きな影響力を持って独立に流通し始めているということなのではないかという気がします。

 乱暴に言えば、従来だって、「特選街」やオーディオ雑誌など、プレ評価媒体が、店頭での価格評価の前に影響力を持っていた場合はありました。女性誌によるトレンドセット現象も、同じようなモノではないかと思います。パターンとしては、これと似ていると思います。

 ですが、今や、化粧品の口コミサイトから各種商品情報サイトまで、主としてインターネットを介して、消費者には実に多様な整理された情報が提供さ れ始めている。今や店頭だけで商品を比較し買う人は、急速に減ってきている。加えて、かつてのオーディオマニアの世界を例にとれば、確かに、店頭で衝動買 いする人は、昔から高額オーディオにはほとんどいなくて、やはりレコ芸を読み、月刊Stereoを最低限眺めて、またぞろ、今は亡き長岡鉄男先生の講釈を 参考にしていた気がするのですが、今は、その裾野の広がり方が凄い。分野の跨ぎ方も様々になっている。

 いわば、大量の情報を蓄積してしまい、ニーズに応じて様々な形で整理してみせられる力を持つことが、情報の持つ価値そのものを変え、市場における 影響力の行使に直結していく時代になろうとしている。まあ、至極単純化していえば、「特選街」や「日経TRENDY」のような世界が、消費者の間に、また プロの間に、ネットのおかげで徹底して広まるようになったということなのではないか。そして大事なことは、消費者自身もまた、積極的にそうした非価格情報 の交換の場に参加するようになってきたのではないか、ということだと思います。

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 このアプローチは、狭義の流通市場機能だけでは伝えきれない様々な情報を消費者に与えることが出来るという意味で、情報の非対称性を解消する一つ の市場原理の進化現象だと思います。店頭だけで伝えきれない情報、築地の市場だけでは裁ききれない良質なお魚などを的確にさばく、重要な手がかかりが育ち つつある。これは素晴らしいことです。

 ただし、同時に、新たな課題も提起しています。

 第一に、この評価情報の束を有しているのが、往々にして、供給者でも需要者でもない第三者であるが故に、それが本当に信頼できる第三者なのかどう か、なかなか判別できないということです。その信頼性や社会的位置づけがきちんと得られない限り、第三者として情報を貯めても、まだまだ実物経済に影響を 与えるには及ばない。

 アマゾンの本のリコメンド機能、各種オークションサイトやお取り寄せネットなど、良質なモノほど、長い時間をかけて、じっくりと情報量の蓄積と評 価の積み上げに時間をかけてきていると思います。そこまで様々なユーザのリクエストに応えてやり遂げるだけの持続性と柔軟性があればいいですが、これは、 従来の商品マーケティングみたいな世界とは大分違う。ねばり強く、ユーザの支持を得ながら、徐々に情報を積み上げていく。言うのは簡単なんですが、地味だ けに、これが、なかなか難しい。例えば、ファイナンスも、すぐ切られる。

 第二に、評価情報の束が力を持つこと自身のネガティブな側面もあります。すなわち、その第三者が一度信頼性を勝ち得てしまえば、そして、誰も太刀 打ちできないくらい先に情報を貯めきってしまえば、そのネットワークを支えるコアな特定少数の人が、非常に大きな社会的影響力を持ってしまう、ということ です。

 正確には言い切れませんが、現在の原油価格のWTI市場で起きている事態も、各種原材料価格の高騰も、関係する情報を相当程度集めきったロンドン の一部のネットワークや、商品先物をリードするゴールドマンサックスをはじめとした一部の人のネットワークが、比較的に自信を持って動かしてしておられる と言えるのではないでしょうか。

 これは、決して悪いことだけではありません。市場が編集できる商品情報や機能には限界がありますし、ましてやパーソナライズが進む中、それぞれの 経験価値にあわせた値付けをマス市場が行うのは不可能に近い。ですから、これは、極めて自然な社会システムの進化現象だと考えるべきだと思います。

 原油価格の高騰だって、商品先物市場が読むべき需給の先読みを可能な限り必要な情報を集めて動かした結果、大きく相場が動いたのだと、言おうと思 えば、必ずしも言えないことはない。今までの市場機能が、必要な情報を処理し切れていなかっただけなのだとも言える。米国政府が、今の原油価格相場は、需 給ベースだと強弁するのも、全く根拠がないわけではない。

 でもやはり、釈然としない。原油価格の急激な高騰は、あきらかに仕掛けられているような側面がある気がする。納得しきれない何かが残る。こうした副作用に、どう対抗していくか。

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 第三に、副作用といえば、もう一つ。先ほども少し触れたように、こうした商品・サービスの流れとは独立した非価格情報の流通は、消費者が、商品や サービスのバリュー付けに積極的に直接参加することも可能にしています。その結果、ネットをふんだんに使って自己実現を図る人、マス的にも、カリスマ主婦 的に勝ち組に収まることが可能な人が出てきました。このパワーは、相当なモノだと思います。

 他方、このネットのパワーを活かして勝ち組に収まる消費者もいれば、逆に、溢れる情報に対してリアルな世界をきちんと接続できない人もいる。例え ば、まだ経済力のない若者の中には、こうした情報洪水の中でますます孤立感を深め、社会と自分に対する不満を鬱積させているケースが着実に増えてきている ような気がします。山のような情報を、自らの消費行動や生活行動に巧く取り入れて勝つようできるだけの余裕と自信がある人は良いですが、そこにリアリティ が持てない人から見ると、ネットという仮想空間の闇に、自分自身を追い込んでいってしまう契機にもなってくる。そう言う意味では、秋葉原の通り魔事件も、 社会問題としてかなり深刻だと思います。若者には、こうしたトラップにはまる危険が増えているような気がする。

 こうした情報大爆発を日本社会がどう調理し、社会の中に取り入れていくのかが、日本経済のパワーを、実は、根底的な部分で、大きく左右しているような気がします。

(4) グローバル市場における経験価値経済と消費価値経済の同居

 第四に、グローバル経済の成長セクターの中でも起きている二極化も見逃せないように思います。

 先進国については、前節で説明したような、消費価値経済から経験価値経済への移行のようなことが起きている。経験価値経済の中における競争力は、 非価格情報の世界で、いかに、実際に商品やサービスを流通させる事前の段階の情報戦で勝ちを収めるか。商品やサービス自身に、それを裏打ちする実態が必要 なのは言うまでもありませんが、その事前の情報戦が鍵を握り始めている。

 他方、BRICsをはじめ急成長を遂げつつある途上国経済で起きていることは何か。それはまさに、先進国がこれまで経験してきたような典型的な大 衆消費社会の到来。中間大衆の形成を目指し、より骨太な国内市場を作り込むことで、マス広告やマス媒体を核としたマス市場作りが、産業全体の活性化と本格 的な「離陸」を呼び込む、そういう時期に来ている。単純に、「買いたい」、「欲しい」と思ってくれる消費者が、市場に大量に控えている。なんだか、W.W.ロストウとかを思い出しそうな世界ですよね。

 ある意味、今のグローバル経済は、経験価値経済と消費価値経済という全く異質な段階にある経済が併存しながら、経済全体としては大きく成長を遂げる、というやや奇妙な構図になりつつあるのだと思います。

 この状況を情報戦で勝負をしている人たちから見れば、この捩れが、実は面白い。資本市場でのマネーゲームを始め、圧倒的な物量経済と、高度な情報 経済の間の神経戦みたいな部分を勝ち抜けると、実需をベースとした膨大な国富を手に出来る。欧米が必至になって考えているのは、まさにこのあたりの情報戦 略ではないかという気がしています。

 ところが、日本は出遅れている。海外で上げた収益の資金環流も含め、こうした捩れを成長のバネにするための社会的な仕組み作りが出来てきない。格 差が大変なのはそのとおりなのですが、だから保障すべきだとか支援すべきだとかいう、国内しか見ないレベルの議論に落ちてしまっている。情報技術戦略はあ るのかもしれないけれども、情報戦略がない。インテリジェンス不足。

(5) 環境をキーワードとしたナショナリズムとグローバリズムの交錯

 第五に、環境問題の深刻化です。地球環境問題そのものの重要性は論を待ちません。自分も、そもそも一番最初のリオの地球サミットの時に結んだ地球温暖化防止条約の条約交渉担当もさせていただきましたし、その重要性は十分に理解しているつもりであります。

 ただし、やはり、ある種の環境問題ファッショみたいな部分があって、それが環境問題自身の重要性とは別の難しさを孕んでいるような気がします。す なわち、環境問題への対応が、実は、虚像を露呈した国民国家において、政治と経済と文化を再結合する一つのきっかけを提供しようとしていて、そこが経済の グローバル化の流れと、まだ巧く整合的にはまっていない。

 具体的には、環境問題については、為政者的視点から見ると、以下のような構成になっている。

  1. 国別目標や、国際会議におけるリーダーシップを通じて、「環境に強い国」という文化的なアイデンティティに働きかけている
  2. 環境技術で競争力強化をという経済成長のシナリオにも結びつけている
  3. 環境問題の解決に向けた政治的リーダーシップという見せ方も出来る

 いわば、国民国家という欺瞞が露呈する中、環境をキーワードに、政治と経済と文化を編集し直すという試みが、一部に行われているような気がするのです。

 それはそれで、それが環境問題解決への推進力となるのであれば、決して悪いことではないのですが、問題は、若干ナショナリズムのためにされている ような部分と、コスモポリタニズム本来の視点から、国家や政治とは関係なく環境問題を心配している部分とが不整合を起こしている。ナショナリズムとコスモ ポリタニズムとの関係がきちんと解釈されないまま混同されている部分がある。

 そこに、この問題の、一抹の気持ち悪さが残されているような気がするのです。 

3.何を考えていくべきか?ITの役割は?

 こうした特徴ある課題を新たに抱え込んだ日本経済が、何を目指して、活動していくべきか。その詳細は、また、別途の機会にと思いますが、主題は、次のようなことではないかと思います。

「より多くの人が、『日本人』として過ごしたい、と思う国になるために」。

 ここで大事なのは、安全や、ゆとり、ではなく、刺激に溢れた生活と、挑戦する精神への応援歌ではないか。具体的には、キーワード的に、次のようなことではないかと思っています。

  1. 刺激に溢れた国を目指す(挑戦する人への支援。優秀な外国人の徹底活用)

  2. 世界の日本化を目指す。世界のブームの仕掛け人になる。

  3. 社会保障制度の充実・確保には徹底してこだわる。

  4. 中堅企業を核に産業構造を組み立て直す。社会制度も大企業依存から脱却する。

  5. 知の構成管理について、国家戦略を築く。

       *     *     *

 実は、1~5のそれぞれについて、何を取り組むにしろ、情報を戦略的に活用することが不可欠になっていると思います。ITは、こうした動きに対し不可欠な道具です。

 ただし、重要なことは、主役は、情報そのものであり、情報を扱う人や業務・社会の仕組みです。情報戦略無き情報技術戦略には、あまり大きな意味は ありません。IT産業自身のために、通信放送融合やあるべき技術開発・規制を考えるのではなく、正真正銘、社会のインフラとして、如何に様々な情報の活用 に対するニーズに柔軟に応えていけるか、また、圧倒的な情報処理量に気圧されないだけのインフラと、それを巧く見せるビューを提供できるかに、日本のIT の生き残る道と、日本のITに携わる人の見識が問われているような気がします。もちろん、自分にしてもです。

 こうした取組は、ITに携わるモノが直接仕掛けるのは、なかなか難しいところがあります。むしろ、ITから見ると、動きの基点はお客さんであると ころのユーザです。変な風にITの側から主張を展開すると、逆に、戦略を間違えてしまう可能性の方が高い。他方、ユーザから見れば、よくよく考えて本気に なってみればみるほど、実は、道具としてのITとは無関係ではいられない。そこの互いの距離感の取り方が何とも難しいところです。全く無関係でもないし、 ITから始まるわけでもない。

       *      *      *

 ITを使って、こうした戦略を実践できるはずの人材も、カネも、実は日本には山ほど眠っていると僕は思っています。大企業には活用されずに眠っている人材が山のようにいますし、個人資産だって、海外に数百兆単位で金融資産が逃げ出せるほど潤沢にある。

 にもかかわらず、グローバル企業の内部資金循環以外、人もカネも、リスクを取って挑戦することへの投資に使われない。ここを、何とかして変えたい。

 今後を見ると、インフレ圧力から利上げ圧力にはまったときに財政が本当に耐えきれるか、とにかく人を批判し壊せばよいと考える向きからグローバリ ズムに真面目に対峙している人を如何に守るかなど、心配な点は山ほどありますが、大切なことは、やれることを、とにかくやれるところから実行していくこ と。

 IT投資の場合もそうですが、時間がないと思うからこそ、とにかく、どんなに小さなことでも良いから、正しいと思う方向性に対して、とにかく具体 的に成果を出せる部分が取り組み、一歩一歩成果を出して、そこを基点に改善の輪を拡げていくこと、その胆力と実行力が中長期に続くかどうかが、今問われて いるように思えてなりません。

 一発で大きな変革を手にしようと思っても、明治維新の時のように、日本の国内だけの動きに時間を止めておくことは出来ない。単に壊しているだけで は、日本は本当に壊れてしまう。マクロはミクロから変わる。そのことにどうコンテキストを与え、ネットワークしていくかが、日本再生の勝負どころなのでは ないでしょうか。

       *      *      *

 というわけで、今回はまた、iPodと何の関係もない、というか、そんなことを言っていたら、そもそもiPhoneの時代が日本にもやってきてしまいましたが、もう少し大きな枠組みから、ざくっと現状を問うようなエントリにしてみました。

 やや違和感があったかもしれませんが、こうした問題と、情報産業の未来とは、ある距離感を持ちながらも、大変密接に議論していかなければならないのではないかと、個人的には思っています。そうした展望を、今後、少しづつ、混ぜていければ良いなと思います。


●●コメント●●

【主張】外国人看護師 高度人材確保のモデルに

:::引用:::
経済連携協定(EPA)に基づくインドネシア人看護師と介護士の受け入れが早ければ7月下旬から始まる。医療や福祉分野での外国人労働者の本格的受け入れは初めてである。

 少子高齢化で労働人口が減る中で、日本は外国人労働力の活用が課題だ。今回の受け入れを人手不足を補う安価な労働力と見なすことなく、長期的視点から海外の高度人材受け入れを考えるモデルケースとしたい。

 この受け入れは、人材の輸出を図りたいインドネシア側の要求で実現の運びとなった。日本側には慎重論もあったが、他のアジア諸国とのEPA交渉を円滑に進める狙いもあって同意した。

 介護士らの人材確保に悩む日本の福祉団体などが「外国人労働力に頼らざるを得ない」と政府に訴えていた経緯もあった。現在、インドネシア側で人選が、日本側で受け入れ介護施設の募集・審査が行われている。

 しかし、今回の受け入れをめぐる双方の溝はまだ埋まっていない。インドネシア人は母国で資格を取得して来日しても、日本の国家資格を取得するまで正規の看護師や介護士とは認められない。

 その間は助手としての身分で、看護師は3年、介護士は4年以内に日本の国家試験に合格しないと帰国しなければならない。このハードルは相当高い。

 日本の受け入れ施設側にも課題が多い。日本人職員と同等の給料と身分保障が条件とされるが、日本も労働環境は厳しい。

 外国人だからといって低賃金労働を強いたら、EPA協定に反すると批判されよう。来日する看護師たちの大半はイスラム教徒とみられるから、礼拝や食事などへの配慮も必要だ。

 日本国内にはすでに約75万人の外国人労働者がいる。その中で、専門性や技術がある高度人材は全体のほぼ2割にとどまる。残る8割は留学生のアルバイトや研修・技能研修生である。

 外国人の単純労働を認めないという建前とは裏腹に、現実には別の制度で受け入れているわけだ。これが不正雇用の温床になっているとも指摘されて久しい。

 政府や自民党はようやく抜本的な制度見直しに動き始めた。EPAは日本の労働市場の本格的な開放につながる可能性が高い。優秀な海外人材確保のためにもきちんとした制度設計が急務だ。


●●コメント●●

フィリピン残留日本人/支援へ議連が勉強会

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【東京】戦前・戦中にフィリピンへ渡った日本人の子で、戦争のため現地に取り残された孤児を支援する「フィリピン残留日本人問題等議員連盟」が十九日、衆院第二議員会館で勉強会を行った。七月の集団一時帰国に向けて、孤児の国籍取得に関する予算措置の必要性が提言された。

 現地で活動するNPO法人フィリピン日系人リーガルサポートセンターは「日本とフィリピン両政府が協議して、中国残留孤児と同様に孤児名簿を作れば、就籍しやすくなる」と要望した。

 しかし厚生労働省は「名簿の作成がすぐ就籍につながるとはいえない」と否定的。フィリピンからの孤児引き上げ事業は終えており、就籍を行う法的根拠が見当たらないとした。


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【日本Ruby会議2008】「Rubyは技術者が集まり世界を変える“梁山泊”に」---まつもと氏

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 「Rubyは技術者が集まり,新しい技術が生まれ,世界を変える“梁山泊”になりつつある」---まつもとゆきひろ氏は2008年6月21日,日本Ruby会議の基調講演でこう語った。

必要なのは求心力,重要なのはコミュニティ

 梁山泊,まつもと氏は技術者が集まり,新しい技術が生まれる核になる場所をこう表現する。例えばLisp。1960年代に,ガーベジ・コレクションや,Rails以降話題になったメタプログラミングといった技術を生み出した。

 「UNIXも梁山泊であり,今日のすべてのOSに影響を与えていると言える。Smalltalkも梁山泊。オブジェクト指向やクラスブラウザを生み出し た。Javaも梁山泊。仮想マシンやガーベジ・コレクション,例外処理を広めた。コンピュータサイエンスの成果をエンタープライズに取り込んだ」(まつも と氏)。

 逆にCOBOLやFORTRANは広く普及はしたが梁山泊ではなかった,とまつもと氏は言う。仕事の道具だったから,仕事をこなすことが重要であり,新しい技術を生み出すことに主眼が置かれなかった。

 「梁山泊であるために必要なのは,技術力よりも求心力」(まつもと氏)。UNIXが世界最高の技術だったわけではない。1~2人でベル研の片隅で 細々と作ったOSであったにもかかわらず,現在はOSのシェアで半分がUNIX系となっている。「コミュニティが重要」(同)。

 Rubyは今,その次の梁山泊になっているように思う,とまつもと氏は言う。Rubyの周りで新しい技術が生まれている,そのひとつがRuby on Railsであり,ポストRailsと呼ばれるMerbやRamazeである。また JRuby,Rubinius,Ruby.NET,IronRuby,MagLevといった様々なRuby実装である。

 Rubyが梁山泊になっているとすれば,その理由はRubyが過去を継承し,感性を重視していることにあると,まつもと氏は考えている。「Ruby梁山泊ができつつある。新しい技術が生まれ,世界が変わる」(まつもと氏)。

Rubyの今後

 Rubyの今後の機能拡張の構想としては,ネームスペースやオープンクラス,関数型プログラミングの強化(遅延評価など),よりよいプロファイ ラ,イメージベースのIDE(統合開発環境),アクターモデル・プログラミングなどをあげた。そしてスケーラビリティ。まつもと氏は楽天技術研究所とフェ ローとして共同研究を行っている。そこで開発が進められているのがRubyによる大規模分散処理のためのフレームワークであるROMAとfailyであ る。

 楽天技術研究所の三條正裕氏がROMOAとfairlyの説明を行った。ROMNAは分散ハッシュに基づくメモリー・データ・ストレージである。 データは冗長化されており,実行中にノードを動的に追加して,サービスを停止することなくスケールすることができる。故障したノードを自動的に切り離すこ とが可能。

 fairlyは分散プログラミング・フレームワークである。簡単にノードを追加して,スケールすることができるようにすることを目指している。三 條氏は使用例として,分散grepの例を示した。楽天で必要とされる分散行列計算など,GoogleのMapReduceにない機能を実現するという。


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松山空港 初の不法入国者逮捕

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松山空港で3~4月、偽造旅券で入国を試みた韓国人3人が相次いで逮捕された。同空港での不法入国者の逮捕は初めてで、「審査が甘い地方空港を狙っ た」などと供述したという。来日外国人の指紋採取を義務づけた改正入管法が昨年11月に施行されるなど水際対策が進む中、7月の北海道洞爺湖サミットや県 内で10月にある育樹祭を控え、県警や入国管理局は警戒を強めている。(福本雅俊)

 「別室で話を聞かせて下さい」。4月25日夕、松山空港の入国審査ブースでパスポートを読み取り機にかけていた高松入管松山出張所職員が、持ち主 の韓国人の女(40)に言った。機械の画面では旅券番号などが赤く反転し、偽造旅券の可能性が高いことを示していた。「もう一つあるんでしょう、それを出 して」。女は観念したようにうつむいて無言で正規の旅券を差し出し、松山西署に逮捕された。

 女は2006年10月に不法残留で強制退去させられており、「別人を装うため生年月日を偽った」と供述。松山空港では3月にも韓国人の女2人が偽 造旅券を使って逮捕された。いずれも強制退去歴があり、「成田や関空は審査が厳しいが、地方空港は甘いと聞いた」と供述したという。

 実は、入管は2件とも、05年導入の事前旅客情報システム(APIS)によって、到着前に「不審な乗客あり」の情報を得ていた。国際便の乗客名簿 を違反歴があるなどの「要注意者リスト」と事前に照合するシステムだ。改正入管法に基づいて採った指紋も「リスト」の人物と一致した。同出張所の熊谷直美 所長は「職員の『目』にAPIS、指紋照合システムを加え、水際対策の精度は格段に上がった」と自信を見せる。

 県警も今月から、機動隊員や私服警官を到着ロビーや入管、税関に置き、警備体制を増強している。

 課題もある。県内6か所の国際港はAPISの対象外。入管は船舶代理店から乗客名簿を入手し、手作業で「リスト」と照合しているが「十分な審査は 困難」(入管関係者)なのが現状だ。こうした穴を補うため、県警は4月以降、県内各港で入管や海上保安部、船舶代理店と会合を開いて連携強化を図ってい る。

 一方、こうした対策強化の動きには「外国人というだけで指紋採取されるのは犯罪者扱いされるようで不愉快」(韓国人女性)、「取得した情報の利用方法や保存期間などの法的規定がなく危険」(日本弁護士連合会)などの声もある。

 テロ防止は当然必要だが、具体的な危険性を十分検証しなければ、個人の権利の過剰な制限につながりかねない。県警や入管にも、これらの対策の必要性や入手した個人情報の扱いについて、より丁寧な説明を期待したい。


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専門分野の日本語強化

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大学で必要な能力に特化した日本語教育が進化している。

 「いろいろな」は「様々な」。「だんだん」は「次第に」。「リポート作成」のテキストは、話し言葉から書き言葉への変換が練習問題になっていた。 「口頭発表」のテキストでは「一般的には」など、発表でよく使う表現が並ぶ。独立行政法人・国際交流基金が、日本で大学生活を送る留学生向けに2006年 に開発したオリジナル教材だ。

 「会話」のテキストでは、教授とのやりとりが中心。「今よろしいですか」「お手伝いしましょうか」など、普通の日本語教育なら、上級レベルの敬語も登場する。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)にバングラデシュを加えた11か国から選ばれた18人が毎年、日本の大学院に進学する前に、この教材を使って、 同基金の研修施設、関西国際センター(大阪府田尻町)でゼロから日本語を学ぶ。期間は7か月。文法学習は最低限にとどめ、必要な日本語を最短で学ぶことが 目標だ。

 研修生は、食堂や図書館を備えた宿泊棟で生活し、茶道体験や地元の家庭へのホームステイ、京都、奈良、広島への研修旅行など、日本理解を深める行事に参加もできる。

 「リポート作成は、理系と文系を分けて指導した方がいいのでは」。11日、同センターを訪ねると、3人の日本語教育専門員が、指導法について協議していた。日本の大学院に進学した元研修生の声を聞きながら、テキストを日々、刷新している。

 それぞれの研究テーマに合わせた個別指導のため、専門的な語彙(ごい)リスト作りや、研究分野に関する論文の読解指導もする。「カリキュラム作りのために、我々も担当する学生の専門分野の勉強もしている」と日本語教育専門員の1人、野畑理佳さん(36)。

 センターを訪れる元研修生から聞き取り調査もする。三重大学大学院に進んだインドネシア人留学生、ナワウィさん(31)は「授業にしっかりついて行けるし、研究の準備が十分にできる」と絶賛した。

 国際交流基金は、事業の柱の一つに外国人に対する日本語教育を掲げており、関西国際センターは、日本に赴任予定の外交官や公務員、若手研究者ら に、それぞれの専門に役立つ日本語を教えてきた。このノウハウを応用し、1996年からは、日本に留学予定の学生に対して、現地での日本語教育を手がけて きた。

 最近では、学内での日本語教育に頭を悩ませる大学から問い合わせが増えている。同基金日本語事業部の嘉数(かかず)勝美部長(57)は「多くの留学生を迎えたい大学には利用価値は高い」とアピールする。

 同基金では、海外での日本語教育拠点の設置も進めており、現地の大学と協定を結ぶなどして、31か国40か所まで増やしてきた。こうした拠点でも、このテキストを使い、日本への留学を考える学生を増やしたいという。

 留学生と大学双方の負担を減らすためにも、短期間に必要な日本語を習得する仕組みは欠かせない。(大広悠子、写真も)

 語学教育拠点 英国のブリティッシュ・カウンシル(113か国213か所=2007年5月現在)やドイツの ゲーテ・インスティテュート(83か国147か所=08年1月現在)が目立っている。04年から展開する中国の孔子学院も08年3月現在、69か国238 か所と急増している。国際交流基金は、海外の日本語教育拠点を2010年までに100か所以上にする計画だ。


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ベトナム経済の変調と金融市場の混乱

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ベトナムは近年、中国やインドと並ぶ高成長国として注目を集めてきた。しかし、2008年に入り、インフレが高進、貿易赤字が過去最高を記録するなど、実体経済に変調が生じている。足元で最も大きな変調が生じているのは金融市場である。

 2007年に史上最高値を記録した株価は、5月上旬から6月中旬にかけて25営業日連続で下落、足元はピーク時の約3割の水準にとどまっている。為替市 場ではドンが対ドルで史上最安値を更新している。中央銀行は輸出競争力を維持するために、年率1%程度のドン安へ誘導してきたが、2007年終盤、インフ レを抑制する目的でドン高誘導へ転換した。

 しかし、2008年3月下旬に成長率鈍化、物価上昇、貿易赤字の 拡大傾向が鮮明になると、ベトナム経済の先行きに対する悲観論が台頭、ドンの先安感が強まり下落に転じた。その後も、インフレが一段と加速したことからド ン安圧力は一段と高まり、6月4日、市場レートは1ドル=1万8000ドン台の過去最安値を更新した。6月10日、ドン安圧力の高まりを受け、中銀はコア レートの2%切り下げに踏み切った。


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反タクシン派『退陣まで抗議』 首相は拒否 タイ政局緊迫

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【バンコク=林浩樹】タイの反タクシン元首相派の市民団体「民主主義のための市民連合(PAD)」が、憲法改 正論議をきっかけにサマック首相の退陣を要求している問題で、同首相は二十二日、テレビ番組で「私は選挙で合法的に選ばれた」と述べ、辞任を拒否した。 PADは退陣まで抗議活動を続ける構えで、政局は緊迫度を増している。

 今回の騒ぎの引き金となった憲法改正問題は、サマック首相率いる最大与党・国民の力党が、党幹部による選挙違反事件で解党の危機に立たされたため 浮上した。改憲の是非を問う国民投票に意欲を見せた首相に対し、PADは「憲法改正はタクシン氏の政界復帰に道を開く」として、五月末から首相府近くで改 憲反対の座り込みを始めた。

 首相は当初、座り込みを強制排除する方針をちらつかせたが、軍や警察はこれを拒否。政権内でも不敬発言で閣僚が辞任に追い込まれ、防戦一方の展開 となった。勢いづいたPADは要求を改憲反対から政権打倒にエスカレートさせ、二十日には二万五千人が首相府を包囲、無期限の座り込みを宣言した。

 サマック首相は二十二日のテレビ出演で、辞任を拒否する一方、野党民主党が提出した首相や主要閣僚の不信任決議案の審議には応じる姿勢を強調した。連立与党が安定多数を占める下院で同案を否決することで、退陣問題を沈静化させたい狙いがある。

 PADは一昨年、タクシン氏の金権体質を批判して大規模デモを先導し、クーデターにつながった。今回の退陣要求も「サマック政権はタクシン氏の操 り人形」(PAD幹部)と、タクシン氏の復権阻止が最大の目的で、仮に不信任案が可決されても運動の手を緩める可能性は低い。一昨年のクーデターを主導し た軍は今のところ静観しているが、再びPADに肩入れして退陣圧力を強めるとの見方もくすぶっている。


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中国の貧困人口はどのくらい?

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昨年12月、世界銀行は購買力平価(PPP)の算定を目的とする「国際比較プログラム(ICP)」のデータを公開。中国のPPPは下方修正され、中国の経済規模が“4割過大評価”されていたことが明らかになった。

データ収集にさまざまな問題があったため、この推計結果は多くの論議を呼んでいる。また、経済規模が6割に縮小するとなると、当然1人当たりGDP も影響を受ける。その場合、「1日当たり1米ドル未満で生活」という国際基準で規定される中国の貧困人口が、以前の推計と比較してどれだけ増えるのか、各 界の関心を呼んでいる。

先ごろ、世界銀行開発研究チームの陳少華氏とマーチン・ラヴァリオン氏が「China is Poorer than we Thought,But No Less Successful in the Fight against Poverty(中国は思っていた以上に貧しいが、貧困との戦いでは成功している)」という研究レポートを発表した。これが疑問を解く一つの回答となるだ ろう。

ICPの中国データは、11の大都市(北京、上海、寧波、青島、広州、厦門、大連、ハルビン、武漢、重慶、西安)から集めたもので、中国内の後進地域は含まれていない。このため、サンプルが実態を代表しているかに疑問の声が上がっている。

昨年、関連データが公表された時、筆者は次の二つの問題点を指摘した。一つ目は、この11都市の統計サンプルのみで中国の物価水準を測った場合、都 市・農村間および地域間の大きな物価格差が覆い隠されてしまうこと。二つ目は、これらの都市のうち7つは東部沿海地域の都市で、中部地域や西部地域が少な く、割合が不適切だということ。特に、北京、上海、広州の物価水準や市民の消費能力は一般都市の水準を表してはおらず、3都市の1つを選ぶだけでも十分す ぎる。

国際学術界でも多くの研究論文が、データ収集や統計整理などに対し疑問を投げかけ、一様に世界銀行のデータに大きな誤差があることを示唆している。

こうした問題点について、開発研究チームの陳少華氏とマーチン・ラヴァリオン氏は、中国国家統計局の責任者に問い合わせた。ICP調査で国際比較す るのに用いた対象商品が、上記11都市には存在するが、他の地区(特に農村部)では見つけるのが難しいため、こうした調査になったとの回答を得た。

また、割合が不適切であることについて、統計局の回答は、異なる加重値を用いて調整しているため、東部、中部、西部三地域のサンプリング結果と全体 とのアンバランスは解決されているという。統計にはこうした客観的難点がつきものであるとはいえ、これと、データに代表性があるかは別の問題だ。

陳少華氏とマーチン・ラヴァリオン氏はデータを再分析して、ICPとは異なる結論に達した。レポートの中で、ICP調査で得られた中国の物価指数は 「決して中国の農村部を反映したものではない」こと、農村部の物価は低いが日常の支出に占める食費の割合が都市部よりも高いため、加重値を調査したとして も「信頼できる結果は得られない」と指摘した。

この二つの結論からも分かるように、ICPの中国データは“都市中国”を表すにすぎず、筆者が数カ月前に持った疑問を裏付けている。

中国の貧困人口の統計問題について、PPPが中国の経済規模を“縮小”させたため、1人当たりGDPの下方修正に伴って貧困人口が大幅に増加するこ とになるという意見もある。たとえば、カーネギー国際平和基金のアルバート・ケイデル氏は「1日当たり1米ドル」の基準で計算すると、中国の貧困人口は3 億人余りで、現在の推計貧困人口7000万〜8000万人の4倍になるとみている。しかし、陳少華氏とマーチン・ラヴァリオン氏は、別の見方をしている。

その理由の一つは、1986年の物価を基準にした「1日当たり1米ドル」が時代に合っておらず、2005年を基準にした「1日当たり1.25米ド ル」を採用すべきだと考えているからだ。もう一つは、中国の統計データには大きな偏りがあり、ICPでの中国のPPPが「中国の生活コストを高く見積もり すぎて」おり、確かに以前の推計よりも貧しくなる可能性はあるが、それと中国の貧困人口の購買力に起きている変化とは無関係であるからだ。

以上のような理由から、この研究では新しいPPPと「1日当たり1.25米ドル」の国際基準を採用して、中国の貧困人口は以前の推計より1億3000万人多い2億400万人と算出した。

この新しい統計方法を用いると、中国の改革開放前期の貧困人口も増えるため、中国の貧困救済の成果も今までより大きくなり、1990年から2004年までの間に貧困から脱け出した中国人の数は従来の2億5000万人から4億700万人へと増える。

しかし、こうした数字の変化も、結局は経済統計の運用ルールが変更された結果にすぎず、実際の生活上の変化とは無関係だ。よしんば貧困人口が以前の推計通り7000万〜8000万だったとしても、ゆうに欧州一国の人口に匹敵する数字である。

中国にとって貧困者救済の道はまだ遠く、さらに大きな努力が求められている。


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ジョブズ氏引退後のアップルを考える

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このブログ記事がいかに無神経で時期尚早かについて苦情メールを送信される前に、そもそもこのようなことを書くべきかどうか悩んだことを、まず言わせてほしい。わたしが相談した業界仲間は、抵抗はあるが、格好の話題だと述べた。

 Steve Jobs氏は今もなおAppleの最高経営責任者(CEO)であり、今もって健在であり、非公式には終身独裁者だ。しかし、あとどのくらいJobs氏がAppleで積極的な役割を果たし続けられるのか考えているのは、わたしだけではないはずだ。わたしが最初に考えたわけでもないだろう。

 よく言われているような、Jobs氏の膵(すい)臓がんが再発したかどうか、ウィップル手術からの回復が長引いていないか、Appleが現状を隠 していないかなどについて、理論立てて述べるつもりはない。それもよりも、Appleが有効な移行戦略を立てているのか、最悪のケースに備えて十分に準備 を整えているのかどうかについて検討しようと思う。Jobs氏のいないAppleはどのように見えるのだろうか。

 カリスマ的な創設者を中心とし、彼らがいなくなった後の有効で長期的な移行、ミッション戦略を形成できない企業は、重大な結果を被ることになる。 実例を挙げよう。1985年から1987年まで、Jobs氏はAppleを追放され、NeXT、Pixarに在籍していた。その後、10年以上指導者を欠 き、忘れ去られる瀬戸際にあったAppleの救世主として復帰した。

 業界には、移行管理の甘さを示す実例がいくつもある。Microsoftは、Bill Gates氏が会社の日常業務に携わるよりも、個人的なプロジェクトにもっと時間を割くことを決定したとき、今後の展望やミッションで大きな問題にぶつ かっているように見えた。Steve Ballmer氏はMicrosoftが設立された日から後継者としての教育を受けてきたといわれているが、「Windows Vista」という事故からはまだ回復していないようだ。Michael Dell氏は、3年間のKevin Rollins氏率いる経営体制の後、市場シェアの低下を受けて、会社建て直しのために復帰せざるをえなかった。また、Donna Dubinsky氏とJeff Hawkins氏が決別した後、完全に回復できないほど衰退したPalm Computingのことも忘れてはならない。Dubinsky氏は今も役員を務めているが、Palmは過去の栄光を取り戻してはいない。創設者が社を離れたときを想定した移行管理の失敗による影響を被っているのは、ハイテク業界だけではない。Harley-Davidsonは、 1969年にAMFに買収され、創業者が会社を去った後、何年もの間、質の悪い製品を出荷し、業績が悪化し続け、1981年に13人の従業員が、会社を救 うため、協力して買い戻すまで、業績は回復しなかった。また、Disneyに関しても、Walt Disney氏が1966年に亡くなった後、Eisner氏が会社を再生させるまで、20年もの間、中核であるアニメーションフィルム事業が極めて厳しい 時期があった。

 もしJobs氏が辞任したら、Appleは再び指導者を欠くことになるのだろうか。あるいは、Jobs氏は伝統、イデオロギーを引き継ぐ後継者集 団を形成しているのだろうか。たくさんのMac版WordファイルやPDFの中に、Appleの本質を形成するイデオロギーをまとめた「Jobsの書」が あるのだろうか。十分な制度化された知識やJobs氏の教えが文書にまとめられ、経営陣の間で維持されているのだろうか。この疑問に確実に答えられるのは Steve Jobs氏しかいない。

 確かに、NeXTという「避難所」を形成し、Sculley氏、Spindler氏、Amelio氏の長い低迷期の後にAppleを再建した多く の「収容者」が今でも残っているが、何人かは社を去っている。特に、Jobs氏の長年のナンバー2で、ソフトウェアエンジニアリングのトップだった Avie Tevanian氏は、2006年にAppleを離れ、Tellme Networksの取締役に就任した。IBMに所属していた経歴を持つTim Cook氏は、2004年にJobs氏ががん治療を受けた際、短期間CEOの役を務めたが、万一Jobs氏がAppleを去らなければならない場合、長期 的に会社を運営する建設的なビジョンがあったかどうかは、Jobs氏に聞かなければわからない。Appleの上級役員として残っているNeXT出身者は、 ソフトウェアエンジニアリング責任者としてAvie Tevanian氏の後を引き継いだBertrand Serlet氏とSina Tamaddon氏の2人だけだ。数十億ドルもの企業のCEO、Jobs氏の路線を引き継ぐ者にふさわしい才能を持つのは2人のうちのどちらなのかは不明 である。

 Jobs氏がAppleを離れた場合、変わらなければならないのは、指導体制だけではない。市場の現実への適応に失敗し、Jobs氏の理念を理想 化した場合、深刻な問題を招く可能性がある。よく知られていることだが、Appleにハードウェアの切り離し、Apple以外の「X86」ハードウェアへ の「OS X」ライセンスの提供を撤回させたのは、Jobs氏に他ならない。Jobs氏や彼の伝統である独占販売権が過去のものになれば、AT&T以外の競 合キャリアに「iPhone」を提供する可能性もある。言いにくいことだが、Jobs氏は、市場ビジョンやセックスアピール、現在の成功をもたらしている 彼独自の巧みな商業主義などをAppleにもたらしてきたが、これらの伝統を捨て去ることが、Appleが真の能力を最大限に発揮する唯一の方法かもしれ ない。

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