外国人就業規制
「外国人の中国における就業管理規定」(1996年5月)に基づき管理。外国籍従業員を雇用する場合、進出地域の労働行政部門より就業証などを取得するなどの関連手続が必要。
1.中国における外国人就業規制
国家公務員および国家機関直属事業単位が外国人を雇用できないことを除けば、法律に外国人の雇用を禁止する業種についての明確な規定はない。「外国人の中 国における就業管理規定」によれば、使用者が外国人を雇用して従事させる職務は、特別な必要性があり、国内では当面適切な人材が不足しており、かつ国の関 連規定に違反しない職務でなければならない。また、使用者は外国人を雇用して営業目的の文芸公演を行わせてはならない(ただし、認可を得た場合を除く)。
司法実務では、原則として特殊技能を要しない単純労働については外国人の就業は認められない。これには社会サービス業のあらゆる企業および事業単位が含まれる。
外商投資企業については比較的容易に外国人雇用の認可を取得することができる。外商投資企業の出資者および管理職は業種の制限を受けず、技術者および財 務・会計担当者は特殊技能者とみなされ、いずれも認可が下りやすい。一般職または事務職は特殊技能者ではないため、外国人雇用の認可を得るのは難しい。も ちろん、一定の語学力がある場合(例えばHSK漢語水平試験10級程度)は特殊技能を有する外国人とみなされ、中国での就職がやや容易となる。
2.雇用比率
中国には外国人の中国における就業の雇用比率について明確な法律規定はない。原則として、外商投資企業の外国投資者は、その派遣する董事および管理職を含 め、雇用比率の制限を受けない。また、技術者および特殊技能を有する労働者も雇用比率の制限を受けない。しかし、中国法の原則は単純労働の外国人雇用を制 限するものであるため、外商投資企業への就職が認可される外国人の比率は当該企業の従業員総数の10%を超えないのが通常である。ただし、ハイテク企業に ついてはこの限りではない。
3.雇用の制限を受けない外国人
外国の政府機構、政府組織または経済組織、国連の各種機構、中国政府の雇用する外国技術者および各業種の専門家、中国国内で海洋石油採掘・特殊技術サービ ス業・文化部の認可した外国文芸公演の出演者、外国企業の中国駐在代表機構の代表などは、外国人雇用の制限を受けない。
4.就業許可書および就業証書の取得
外資企業の外国人雇用は労働行政部門からの就業許可書および就業証取得などの関連手続を必要とする。就業証は、許可証発給機関が定める地域においてのみ有効である。
(詳細はPDFファイル参照)
在留許可
在外中国公館より入国査証の発給が必要である。入国後、常駐期間などに基づき滞在査証を取得。併せて、公安当局より外国人居留証の発給が必要。
1.就労ビザの種類
中国において就労する者は就労ビザを取得しなければならない(「外国人の中国における就業管理規定」第8条)。就労ビザは、中国で働くビジネスマンの場合には労働ビザ(Zビザ)を意味する(「外国人出入国管理法実施細則」第4条)。
2.有効期間
Zビザの有効期間は通常1年である。Zビザは一般に数次ビザであり、何回でも再入国が認められる。
3.申請手続の概要
中国で就労する外国人は、労働部発行の「外国人就業許可証明書」、許認可機関発行の「ビザ発行許可通知書」およびパスポートをもって、中国大使(領事)館 でビザを取得しなければならない。居留証は入国後30日以内に公安機関に申請し、取得する。既に「就業証」を取得している外国人は、入国後30日以内に 「就業証」を公安機関に持参して居留証の手続を行わなければならない。労働ビザ(Zビザ)および居留証の取得手続は「外国人出入国管理法」およびその実施 細則による。
(1)外国人就業許可証明書の取得(所要時間:約5日)
中国で就労するためには、まず外国人就業許可証明書を取得しなければならない。
申請先:外国人就業弁公室
提出資料:申請書、履歴書(中文)、資格証明書(写し)、パスポート(写し)、受入先の招聘状、受入先の設立認可証書(写し)・営業許可証(写し)・組織コード証(写し)
(2)ビザ発行許可通知書の取得(所要時間:1日以上)
外国人就業許可証明書が発行された後、ビザ発行許可通知書を取得する。
申請先:各行政単位の対外経済貿易部門
提出書類:申請書、ビザ発行許可通知書、履歴書(中文)、資格証明書(写し)、パスポート(写し)、受入先の設立認可証書(写し)・営業許可証(写し)・組織コード証書(写し)・説明書(社印要)
(3)入国ビザの取得
就業許可証明書とビザ発行許可通知書を取得した後、中国大使(領事)館で労働ビザの申請を行う。
申請先:中国大使(領事)館
提出書類:申請書、外国人就業許可証明書(原本と写し)、ビザ発行許可通知書(原本)、パスポート、証明写真(3×4cm)1枚、外国人体格検査記録表(原本と写し)
(詳細はPDFファイル参照)
現地人の雇用義務
合弁企業の所在地区の労働人事部門の協力を得て、独自に従業員を採用することができる。
1.現地人の雇用
(1)現地人の雇用義務
一般論として、中国人の雇用が法律上明確に義務付けられているわけではない(ただし、外国人の雇用には認可が必要であり、一定の制限下におかれている)。
2007 年8月30日に採択された「就業促進法」(2008年1月1日から施行)により、使用者が人員を募集採用する際には、労働者に平等な就業機会と公平な就業 条件を与えなければならず、就業差別を行ってはならない。女性は男性と平等な労働権利を有する。障害者を差別してはならず、伝染病病原キャリアを理由に雇 用を拒絶してはならない。2007年11月5日、労働・社会保障部が「就業サービス及び就業管理規定」を公布し、「就業促進法」における就業サービスと管 理、就業支援の関連制度を更に整備し、公平な就業に関する規定を細かく定め、公共就業サービス制度を整備し、就業支援制度等を強化した。
(2)採用の方法
外資企業の現地人採用は新聞広告を通じて募集するなど、独自で行うことができるが、労働管理部門への登録が必要である。一般には公認の職業紹介中心(センター)を通して採用を行っている。ほかの省から採用する場合は、労働部門の仲介で行う。
(3)書面契約
外資企業は、雇用する労働者と書面で労働契約を締結しなければならない。2007年6月29日、全国人民代表大会常務委員会は「労働契約法」を公布し、労 働契約の締結、履行及び変更、解除及び終了、集団契約、労務派遣、非全日制雇用、監督検査及び法律責任等の内容について詳細に規定した。2008年1月1 日から、外資企業は当該法律が規定する条件及び要求に厳格に従い、労働者と労働契約を締結しなければならない。
(4)労働組合の組織化
中国では労働組合の組織化を「労働組合法」で企業に義務付けており(従業員大会から組合設立を要求された場合、企業側はこれを認めなければならない)、企業と労働組合もしくは労働者代表との団体契約の締結と労働部門への登録が必要。
2.雇用者数(比率)に対する規制
中国には、雇用比率について明確な法律規定はない。実務では、原則として特殊技能を要しない単純労働については現地人を雇用しなければならない(外国人の就業は認められない)。
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