台北県に瑞芳という鉄道の駅がある。日本統治時代はゴールドラッシュに沸いた九●(きゅうふん)へのバスや、沿線のひなびたたたずまいが人気の平渓線への乗換駅として、日本人観光客が多い。
駅には日本語通訳をしてくれるボランティアがいる。その1人、王孝敦さん(78)は日本人記者と知るや、台湾ならではの人なつこさに拍車がかかったようで、5人の仲間を呼び集めてくれた。
「この人は駅長さんのお母さん。この人は私の同級生で…」。紹介から始まり、思い出に近況と話はなかなか止まらない。かつて日本人として日本語教育を受けた世代。日本語で話すのがうれしい-と言う。
60歳定年制から65歳定年制に法改正されたばかりの台湾。その年齢をかなり前に超えた人たちに別れ際「お元気で」と声をかけると「あなたもね」。快活な笑顔の後ろの掲示板には、日本から届いた礼状がびっしりと張られていた。 (野崎雅敏)
●●コメント●●
0 件のコメント:
コメントを投稿