2008-05-27

大手電機メーカー、成長分野へ人材再配置

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大手電機メーカーで成長分野に人材を再配置する動きが広がってきた。松下電器産業は2010年1月に稼働する液晶パネル新工場に、社内から生産技術 を中心に約200人を投入する。ソニーはNTTドコモ向け携帯電話端末の開発休止に伴い、開発要員を海外向け端末に振り向けた。三菱電機は撤退した携帯電 話端末の技術者をカーナビゲーションの開発強化につなげる。大手電機ではこの半年間で事業再編が進んだ。今後は限られた国内の人的資源を効率よく活用でき るかで成長力の格差が広がりそうだ。

 松下は日立製作所傘下だったIPSアルファテクノロジ(千葉県茂原市)を子会社化、兵庫県姫路市に最新鋭工場を今年夏に着工する。半導体や生産革新本部などを中心に段階的に人材を集め、スムーズな生産立ち上げを狙う。IPSアルファの現工場(同)から異動も見込む。

 同社は液晶とプラズマを薄型テレビ事業の両輪と位置づけ、09年度には大画面(37型以上)の世界シェア首位を狙う。プラズマ・ディスプレー・パネル(PDP)ではパイオニアから数百人程度の技術者が転籍する予定。

 ソニーはグローバルで携帯電話事業を手掛けるソニー・エリクソンの販売が伸びているが、人材不足と開発費の肥大化が深刻。新興国で販売競争が激しくなっており、「普及モデルの開発投資を加速する」(大根田伸行最高財務責任者)ため人材をシフトした。

 三菱電機は携帯電話端末事業から撤退。通信技術にノウハウがある約700人を各事業分野に再配置した。特にカーナビは成長領域だが「これまで技術者不足で受注が制限されていた」(下村節宏社長)。

 三洋電機は赤字の半導体から成長分野の太陽電池へ人員を異動させるため労働組合と交渉に入った。分社した半導体は引き続き「コーポレートでも事業を監視していく」(佐野精一郎社長)という。

 電機業界は08年3月期に価格下落の速いデジタル家電・IT機器で事業の見直しを迫られた。松下のように薄型パネル再編の主役として国内で基幹部 品を増強する動きがある一方、不採算事業の撤退・縮小で損失計上を余儀なくされたメーカーもある。今後は設備投資や研究開発費を収益源に集中投資する傾向 が強まる中、それに連動した人材の適正配置が課題になる。


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