インドネシアとの経済連携協定(EPA)が、5月半ばにはいよいよ発効する。発効すれば、早ければ7月にも日本で看護師・介護福祉士の資格取得・就労を目指すインドネシア人の第一陣が日本にやって来そうだ。
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協定は、4月17日に衆院で承認され、参院に送られた。参院では12日に外交防衛委員会に付託されたが、まだ採決されていない。憲法の規定で衆院に優越権があり、参院が30日以内に議決しない場合には自然承認される。その場合、5月17日が発効日となる。
EPAは、フィリピンとの間で先に承認されており、受け入れのシステムも整えられてきたが、フィリピン国会での承認が遅れて実現には至っていない。今回のインドネシアとのEPAによる看護師・介護福祉士の受け入れは、その際に準備されたシステムに倣う形で実施される。
協定では、看護師400人、介護福祉士600人の合わせて1000人が、2年間で来日することになる。
入国の条件は、看護師の場合、▽インドネシアで看護師資格(看護学校の修了証書Ⅲ取得または大学看護学部卒)を持ち、▽2年以上の看護師実務経験があり、▽日本人と同等報酬の雇用契約を締結している──こと。
また、介護福祉士の場合は、▽大学または高等教育機関の修了証Ⅲ以上を取得し、かつ6か月程度の介護の研修を修了して介護士として政府から認定された者あるいは看護学校修了証書Ⅲ取得か大学の看護学部卒業者、▽日本人と同等報酬の雇用契約を締結──。
入国後は、まず6か月の日本語研修、看護・介護導入研修を受け、その後病院や介護施設で看護助手やヘルパーとして働きながら研修を受ける。その後、看護師や介護福祉士の国家試験を受験し、合格すれば看護師、介護福祉士として就労できる。
資格取得までの在留期間は、看護師が3年、介護福祉士が4年。ただ、介護福祉士の国家試験受験には3年間の実務経験が条件になるため、試験は1度しか受け られない。看護師の場合は、3回まで受験できる。ただし、在留期間内に資格が取得できなければ、帰国しなければならない。
実際の送り出し、受け入れ調整は、インドネシア海外労働者派遣・保護庁(NBPPIW)、社団法人国際厚生事業団(JICWELS)が担う予定。
現時点では、まだ国会での協定承認がされていないため、細かい条件などは決まっていない。承認後、双方で折衝して詰めていくことになるため、実際の第一陣来日時期については流動的だ。
ただ、介護福祉士は受験チャンスが1度しかなく、試験が3月上旬から半ばにかけて行われるため、半年の日本語研修期間を勘案すれば、8月ごろには来日して いる必要がある。また、看護師の場合にも協定で、3回以上の受験チャンスを義務付けているため、7月には来日している必要がある。
そのため、今夏に第一陣が来日できなければ、今年度の来日自体が見送りになる可能性もある。
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