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日本外務、法務両省は一日、日本語を話せる外国人の入国・滞在を優遇する方針を固めた。かねてから検討事項に挙げられていた、日本語能力を在留資格・入国審査の対象に組み入れるというもので、高村正彦外相が記者会見の中で明らかにした。
法務省は現在、在留資格の最長三年を五年に延長することを検討中。来年一月の通常国会で、出入国管理・難民認定法改正案を提出する予定で、日本語能力優遇方針についても同時に打ち出す可能性を示唆した。
高村外相は、「日本語能力を考慮するというのは、規制緩和であって強化ではない」と説明し、「日本語が出来ないからといって、今までの三年が駄目になったり、五年の審査に通らないというわけでもない」と付け加えた。
対象は在日外国人一般で、当面は通訳や国際線の客室乗務員など「人文知識・国際業務」の在留資格に限定し、徐々に業種を広げていく。制度化すれば、「定住者・日本人の配偶者等」として在留している約三十万人のブラジル人にも影響が予想される。
両省では今後、日本語能力の判定方法の検討や、各関連省庁との調整を進める。一方、政府内には、日本語以外に特別な技能を持たない技能レベルの低い外国人労働者の受け入れ拡大につながりかねないとの慎重論もある。
役割担う『速成塾』 日本語センター谷理事長が語る
在留資格に日本語能力を重視する方針が、外務・総務省から打ち出された。先進諸国は近年、同様の政策で外国人単純労働者の入国をコントロールする傾向にある。先ごろ外務省を訪問したブラジル日本語センターの谷広海理事長に事情を聞いた。
「実施段階ではないが、いずれはそうなるだろう」とは、高村外相発表前の職員の弁。すぐに実施といかなくとも、今後、滞日条件に日本語能力が加味されることは間違いなさそう。
日語センターでは〇七年度から、日本就労者向け短期日本語講座『速成塾』事業を展開している。認定教師が訪日予定者に必要最少限の日本語を教えるという個人塾の開設で、日本側のニーズに応えるものといえる。
在日ブラジル人の犯罪や社会不適応の増加は、「言葉の壁に起因」とし、そこを緩和して当人と受け入れ社会の双方にメリットをもたらすというのが事業の基本概念だ。
日本側はこの理念に賛同してくれている、と谷理事長。三月末には人材派遣会社から一千万円など、これまでに約三千四百万円の寄付金が寄せられた。外務省訪問時にも、事業への理解を得られたという。
センターはこれまでに教師研修を六回実施し、九十七人の『速成塾』講師を認定。残り二回の研修で、ほぼ全州都に認定教師が配置される。昨年度は学習者が二十人と伸び悩んだが、今年に入って既に四十一人から申し込みがあるなど、「塾」は全伯規模で普及しつつある。
「『速成塾』をビザ発給の条件に」と訴える谷理事長は、外務・総務省の新方針について、「非常に良いこと」とコメント。「日本での生活を円滑にするためにある程度の日本語能力は必要」という基本姿勢を繰り返した。
(写真=「日本側は『速成塾』の理念に賛同」と谷理事長)
2008年5月13日付
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2008-05-14
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