[北京 12日 ロイター] 中国国家統計局が12日発表した4月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.5%上昇と、3月の同8.3%上昇から加速、12年ぶりの高水準近辺に迫った。ロイターのエコノミスト調査では8.3%の上昇が予想されていた。
世界経済成長の軟化にもかかわらず、中国政府に対して引き締め政策の維持を求める圧力が続くとみられる。
一方で楽観的観測の兆しもある。マッコーリー・セキュリティーズ(香港)のエコノミスト、Paul Cavey氏は「食品価格が下落の兆候をみせており、政府が必ずしもパニックに陥るような数字ではない」と指摘した。
4月の前年同月比8.5%上昇は、2月の同8.7%上昇を除くと、1996年5月の同8.9%上昇以来の高水準。
CPIの3分の1を構成する食品価格が押し上げ要因となった。4月の食品価格は前年同月比22.1%急伸した。ただ政府の週間統計によると、5月の生鮮食品の価格はやや下落している。
食品を除くと同1.8%の上昇となり、3月の同1.8%上昇と同水準だった。
国家統計局はこの統計と共に発表した声明で「インフレおよび物価上昇の抑制に向け、一段の努力が求められる」とした。
4月の中国の生産者物価指数(PPI)は前年同月比8.1%上昇と、3年半ぶりの高水準となり、圧力は高まっている。
ゴールドマン・サックス(香港)のエコノミストは顧客向けノートで「基調インフレ圧力は依然として低下しておらず、政府がインフレ期待の抑制に向けて引き締め政策を維持することが不可欠だ」とした。
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