米国イリノイ州オークブルックテラスに拠点を置く業界団体Computing Technology Industry Association(CompTIA)は4月7日、今後5年間でワイヤレス技術に関連するスキルがあらゆるITスキルの中で最も重要になるとの調査結 果を発表した。この調査は、2007年の秋に、世界14カ国3,500人以上のIT管理者を対象に 実施された。具体的には、1国当たり250人以上(14カ国で3,500人以上)のIT管理者を選び出し、Web 2.0などのWebベース技術やセキュリティ技術を含むさまざまなITスキルの中で、今後重要度が最も高くなるのは何かとの質問を行った。その結果、トッ プにランクされたのが、ワイヤレス関連スキルだったという。
調査対象となったのは、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、オランダ、ポーランド、ロシア、南アフリカ、英国、米国の14カ国だった。
このうち、12カ国のIT管理者が、ワイヤレス関連スキルの重要度が最も高くなるだろうと回答した。一方、残りの2カ国であるフランスと南アフリカで1位 にランクされたのは、フランスがWebベース技術にかかわるスキル、南アフリカがセキュリティ技術にかかわるスキルとなっており、ワイヤレス関連スキルは 両国とも2位だった。
ワイヤレス関連スキルがきわめて重要になると考えられるのはどの業界かとの質 問には、医療もしくは教育と答えた人が最も多かった。しかし小売り業、財務サービス業、製造業といった業界のランクも高く、CompTIAの広報担当を務 めるスティーブン・オストロスキー(Steven Ostrowski)氏は、「すべての地域および業界でワイヤレス関連スキルが重要になるという結果が出たことに、驚きを感じている」と語った。
Ostrowski 氏は、教育機関はこの結果を重く受け止め、IT学部の学生にワイヤレス関連の授業を受けさせる準備をするべきだと話した。現在は「ITワイヤレス・スペ シャリスト」といった専門職はないが、いずれ出てくるかもしれないと、CompTIAは予測しているという。現状では、ネットワーキング・スペシャリスト や電気通信スペシャリストが、ワイヤレス関連の業務も引き受けている。
米国の医療機関St. Luke's Health Systemのアプリケーション・インテグレーション担当プロジェクト・マネジャー、ジーン・グレッツァー(Gene Gretzer)氏は、どこの業界のIT部門でも、ワイヤレス技術などの知識を持つ人は「引く手あまた」だと話す。今後、同機関で人材募集を行う際には、 ワイヤレス関連スキルは必須条件になるとのことだ。
Gretzer氏は、近いうちにワイヤレス関連スキルの専門職が確立するとは考えていないが、あらゆる種類のネットワークを扱うことができ、ネットワークにおけるワイヤレス干渉などの問題にも対処できる「IT全般担当者」が求められるようになるだろうと述べた。
同氏は、St. Luke's Health Systemのある米国テキサス州ヒューストンの全域に公営Wi-Fiネットワークを展開しようとしている同州の計画に言及し、「ワイヤレス環境はありとあらゆる場所に進出しようとしている」と話した。
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