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急激な景気悪化で増える失業者に、人手不足に悩む介護業界で働いてもらおうと、国や自治体が介護の資格取得支援に力を入れている。
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生活費を貸与する自治体もあり、失業対策と人手不足解消の“一石二鳥”となるかが注目される。
東京都は5日、失業した都民らを対象に、ホームヘルパー2級の取得支援や就職先の紹介などを行う「TOKYOチャレンジ介護」を始めた。資格取得費用を全額助成するほか、生活費や就職一時金として最高95万円を貸与する。
同日、開設された窓口には16人が訪れ、職員から研修内容や貸付金などの説明を受けた。スーパーで実演販売の仕事をしていたが、昨年12月に失業した男性(50)は、「この年齢では仕事が見つからない。介護は大変だと聞くが、やってみたい」と意欲を見せた。
自治体独自の取り組みは各地で広がっている。
富山市が先月、受講料全額無料で、ヘルパー2級資格取得講座の受講生を先着20人で募集したところ、受け付け開始1時間前に定員に達した。横浜市では来年度、1000人の人材養成を目指し、ヘルパー2級講座の受講料の半額(上限4万円)を助成する計画だ。
厚生労働省も、失業者向けに、国家資格である介護福祉士になるための授業を無料で受けられる職業訓練コースを新設。4月開講に向け、各地のハローワークで受講者を募集している。東京都の場合、13日まで募集しており、日本福祉教育専門学校、読売理工医療福祉専門学校など15校が養成校として認定されている。来年度には、全国で約2万6000人が介護福祉士やヘルパーを目指すと見込まれている。立教大学の高橋紘士教授(地域ケア政策論)は、「不況が人材確保の追い風になるだろうが、定着には労働環境の改善が欠かせない」と話している。
(2009年3月6日10時17分 読売新聞)
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