2009-03-13

定住外国人 日本語教育の支援も課題だ

:::引用:::
雇用状況が悪化する中で、日系ブラジル人などの外国人労働者の解雇が相次いでいる。授業料が払えないために南米系外国人学校に通えなくなった子供たちも増えている。

 政府は内閣府に定住外国人施策推進室を設置し、当面可能な教育施策や雇用対策をとりまとめ、総合的な支援に着手した。

 与党のプロジェクトチーム(PT)が近くとりまとめる追加の緊急雇用対策にも、外国人支援策が盛り込まれる予定だ。

 関係省庁や自治体が連携して、迅速に対応すべきだ。

 日本で生活するブラジル人は31万人、ペルー人は6万人いる。1990年の入管法改正で日系3世までは就労可能な法的地位が与えられるようになり、急増した。

 最長3年の滞在に限られる外国人研修・技能実習生の中国人などとは異なり、家族と共に来日して永住資格を取得した人も多い。

 静岡県浜松市など日系人の多い全国8地区の公共職業安定所の外国人求職者は昨年10月~12月の3か月間で5530人に上り、前年同期の6倍に増えた。

 派遣社員として工場に勤めていて解雇された事例が多いが、日本語がほとんど話せないためサービス業への転職は難しい。

 政府は外国人失業者を対象とした、日本語教育を含む就労研修事業を予定している。多くの外国人が日本語を体系的に学べる制度を早急に整備する必要がある。

 文部科学省の1年前の調査によると全国91の南米系外国人学校に約7400人が在籍していたが、昨年末以降、多くの学校で生徒が半減している。閉校の危機に追い込まれている学校もある。

 日本の公立校への転校は、言葉の問題が壁となっている。

 政府は通訳の出来る支援員をモデル地域の学校に派遣する事業を昨年から始めた。子供たちが日本の学校になじめるよう、こうした事業の拡充も急ぐべきだ。

 ほとんどの南米系外国人学校は各種学校として認可されていないため、行政による学校への直接助成は行われていない。

 しかし、浜松市では、1人1万円を上限に南米系外国人学校の児童生徒に教科書代を補助することとし、予算案に盛り込んだ。

 日系ブラジル人は過去20年、自動車産業の下請け工場などで勤勉に働き日本経済を支えてきた。

 ブラジル政府などとも連絡を密にしながら、定住外国人に対して長期的視野に立って支援を進めていかなければならない。
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