2009-03-17

言葉の壁なくせ 外国人児童急増で日本語教育強化 

:::引用:::
日本語を理解できない外国人の子供が栃木県内で急増する中、宇都宮市や小山市では平成20年度から、公立小中学校で円滑な学生生活が送れるよう、日本語の集中指導を始めた。「言葉の壁」をなくせば、子供たちの身近な国際交流につながるだけに、教育関係者の期待は大きい。(中村真由子)

 「先生はどこにいますか」「時計はどれですか」。今月13日、宇都宮市教育センターの一室で、初期日本語の集中指導が行われた。あいさつやトイレに行きたい場合など、学校生活で必要不可欠な会話は特に重要。中国やフィリピンなどから来日した子供が、イラストが描かれたカードやホワイトボードなどの教材を使い、熱心に勉強していた。

 フィリピンから昨年4月に来日したという少女(15)は「コンピューターのスペシャリストになるためにも、漢字をしっかり勉強しておきたい」と流暢(りゅうちょう)な日本語で話した。

 宇都宮市教委では2月下旬から今月中旬まで、同センターと清原地区市民センターの2カ所で、5~16歳の子供23人に初期日本語の集中指導教室を開いている。文部科学省から指定を受けた「帰国・外国人児童生徒受入促進事業」の一環で、市としては初の試みだ。

 文科省の20年度の学校基本調査によると、県内の外国人児童生徒数は1503人。17年度の1174人から大きく増加した。同市教委では、在籍する小中学校に日本語指導講師を派遣しているが週2、3時間ほどの指導では十分ではなく、短期間の集中的な指導が能力アップに必要だと判断した。指導教室には予想を上回る希望者が集まっており、同市教委は21年度中に教室を常設化する方針だ。

 外国人登録者数の多い小山市教委は20年度から、小山城東小学校の空き教室を使って最長6カ月、日本語や生活などの初期指導を行う「外国人児童生徒適応指導教室」を設置している。現在、同校の敷地内に専用の教室を建設しており、4月からは指導対象を小学生から中学生まで広げる予定だ。

 県教委では、年度ごとに必要性の高い学校に日本語指導として特別に配置される「加配教員」を割り当て、近隣小中学校の日本語指導の拠点学校としている。4月から日本語指導者の配置が決まった栃木市教委は「財政の問題もあるので一つ一つ条件をクリアしながら、小山市のように教室を立ち上げたいと思っている」とした。
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