盛岡広域圏の行政と教育機関などで組織する盛岡広域地域産業活性化協議会(会長・谷藤裕明盛岡市長)は 2008年度、組み込みソフトの開発者ら延べ1200人以上の情報技術(IT)開発者を育成する。組み込みソフト開発者の不足は全国的に深刻で、1000 人を超える育成は国内最大規模。同協議会は豊富な人材を武器にIT関連企業の誘致を促進し、県南部の自動車関連産業と両輪となる本県の基幹産業に育てる方 針だ。
育成は、県立大、岩手大と盛岡情報ビジネス専門学校、岩手ソフトウエアセンター、県立産業技術短期大学校、いわて産業振興センターの6機関が担う。
盛岡情報ビジネス専門学校などは比較的初歩的な技術者、両大学は企業の即戦力となる高度な技術者を育成するなど役割分担し、高校生から大学生、専門学校生、一般までを対象に延べ1245人の育成を目指す。費用は約3600万円を見込み、国からの補助を活用する。
盛岡広域圏は広大な工業用地が少ない半面、研究、教育機関が集中。ソフトウエア系のIT事業所も150社以上あり、東北では仙台市に次ぐIT拠点となっている。
同協議会は育成した高スキルの人材を全国にアピールし、11年度までに50件の新規事業所立地と2250人の雇用創出、176億円の出荷額増(07年度出荷額1678億円)を目指す。
県盛岡地方振興局の伊藤昇太郎企画総務部長は「盛岡広域圏の人材育成能力を生かし、県南の自動車産業と両輪をなす本県の産業に育てたい」と語る。
県立大地域連携研究センターの岸本輝昭教授は「優秀な技術者を育て、企業がこぞって盛岡に開発拠点を置く状況を目指す。全国や世界を相手にしたビジネスの展開が可能になる」と期待する。
組み込みソフト 自動車や携帯電話から自動販売機、炊飯器まで幅広い製品に組み込まれているソフトウエア。ハードウエアと一体で動 作し、それぞれの機能を実現する。パソコンなどで動作する汎用ソフトよりもリアルタイムな制御が求められることなどから製作時の制約が厳しく、国内の技術 者は約10万人不足しているとされる。
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