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来春卒業する高校生の就職難が深刻だ。10月末の内定率は約4割で、求人数は前年の6割弱。自治体の間では採用する企業に奨励金を支給する動きが広がり、県や宮城労働局などは面接特訓セミナーを開いたり、高校に就職相談員を配置したりと懸命だ。(高成田享、乗京真知)
14日午前、石巻市の北村悦朗副市長や市立女子商業高の岡部正利校長らが石巻商工会議所を訪ね、商議所の浅野亨会頭と県経営者協会石巻支部の松本賢支部長に高卒者の雇用を増やすよう要望した。
浅野会頭は「会員企業に働きかけ、安心して正月をすごせるように努力する」と約束。松本支部長は景気の悪化だけでなく「定年を延長する社会的な要請が、新規採用を手控える要因になっている」と企業側の事情を説明した。
岡部校長によると、同校の就職希望者89人のうち内定を得たのは40人。「昨秋のリーマン・ショック以来、ぱたっと求人が減った」という。進路を変更して進学を目指す生徒もいるが、家庭事情などで就職しなければならない生徒も多いという。
宮城労働局によると、10月末時点の高卒者の就職内定率は41・8%と前年同期比で約15ポイント減。沖縄、北海道に次ぎワースト3位だった9月末のペースを引きずっているという。10月末の県内の求人数は3091人で、前年同期より4割以上落ち込んでいる。
このため県などは、企業が高卒者を採用するごとに奨励金を払う制度を創設=表。「一人でも多く求人を掘り起こしたい」(村井嘉浩知事)と予算を捻出(ねん・しゅつ)している。
県や労働局などは年明け後も、内定に至っていない生徒向けの面接会や自己アピールの方法を学ぶセミナーを続ける予定。1月下旬~2月上旬には仙台、石巻、大崎で合同面接会を計画している。
県教委もこの冬、県内の全県立高校に週3回、元校長や民間出身者らでつくる就職相談員の派遣を開始。生徒が気軽に相談できる環境づくりを目指している。
■3年生「いまは何でもいい」
内定がもらえない生徒たちはどんな思いでいるのか。匿名を条件に石巻市立女子商業高3年の3人に話を聞いた。
3人とも事務や接客の職種を希望、これまで数社の面接試験を受けたという。
Aさん(17)は「内定が決まらず落ち込みそうになるが、気持ちを切り替えて採用試験のため一般常識の勉強をしたり、先生から面接のための実地指導を受けたりしている。企業に求人の余裕がないことは理解できるが、少しでもいいから仕事を私たちに分けてほしい」と語る。
Bさん(18)は「初めは職種を選ぼうと思っていたが、いまは何でもいいからという気持ち。年内に決まらなければ、年明けからはハローワークで一般の求人にも応募しようと思う」。Cさん(18)は「姉が3月ぎりぎりに内定が決まったので、何とかなるという期待もあるが、私だけでなく親も内心は、あせってきていると思う」と話した。
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