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JTB商事は9日、訪日中国人旅行客への具体定な対応手法を学ぶ、旅館ホテル向けセミナー「ますます増加する中国人観光客への対応を学ぶ・宿泊施設向けサービス初級講座」を東京・文京区の同社本社8階セミナールームで開いた。首都圏の旅館・ホテルを中心に約20人が参加した。
同社上海事務所の周俊氏=写真=が中国人観光客の実態、日本と中国の文化の違いなどについて講義。また「シーンで学ぶロールプレイング」と称し、実践的な中国語会話教室を実施した。チェックイン対応、館内説明、食事提供、周辺観光の案内などの各種場面を想定。セミナー参加の各人が周講師と向き合っておもてなしの中国語会話をロールプレイで学んだ。
周講師は中国人富裕層の実態について「1978年に始まった改革開放政策で自由主義経済に移行した結果、1億人の中国人が豊かになったが、国全体で見ると、08年の農村部平均年収は6万1千円、都市部は約38万円と格差が大きい。北京、上海などの都市部では先進国と同レベルの年収を得ている人も多く、上海の百貨店で1年間に化粧品を2千万円購入する女性も出現している」と話した。都市居住者を中心とした1億人程度が、訪日中国人旅行のターゲットとなることを示した。
また、中国人接遇の具体的なテクニックとして「中国人が一番好きな刺身はサーモン。サーモンが入っていないとがっかりする」「中国人は温かい食事を好む。大宴会場での冷めた天ぷら、汁物はクレームのもと」「中国人は富裕層、貧困層にかかわらずプライドが高い。例えば『ゴミを捨てないで下さい』と外国語で張り紙をするときは、中国語のほかに英語、韓国語も併記しないと怒る」などと話した。
さらに、日本語と中国語では同じ漢字が違った意味を表すことがあるので、筆談をするときには注意したほうがよいと指摘。具体的には「『海豚』はイルカを意味するため、『豚肉』はイルカの肉と勘違いされる。中国語では豚肉は『猪肉』と書く」、また「『湯』はスープという意味。中国人はこの字を見ると、おいしそうだなあと感じる」と解説した。
「旅館」という漢字については、「中国語では近代的なホテルを『酒店』、10室程度の狭くて汚い宿を『招待所』と呼ぶ。『旅館』はその中間のイメージ。招待所よりは広いが、近代的な施設ではない中途半端な感じ」と説明。対処法について「『温泉旅館』と表記してはどうか。中国の宿泊施設にはほとんど温泉はないので、ネガティブなイメージのある旅館の文字に温泉を足すことで、中国人の頭の中に全く別のイメージを想起させることができる」と提案した。(情報提供:観光経済新聞社)
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2009-12-17
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