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【北京=野口東秀】中国が30年前に導入した「一人っ子制度」を見直し、「二人制」にすべきとの主張が注目を集めている。人口の先細りが生む社会の高齢化や労働力減少など予想される将来の課題は、事前に摘み取るべきとの問題提起だ。指導部にも人口減による国力衰退を防ぎたいという考えがあるとみられ、中国の人口政策は一つの転換点を迎えようとしている。
中国の人口は現在13億人超だが、一人っ子政策で4億人分の人口抑制に成功してきたというのが、これまでの政府見解だ。
しかし中国共産党機関紙「人民日報」は今月4日、国家人口計画出産委員会の専門家、田雪原氏の論文を掲載。この中で田氏は▽夫婦双方が一人っ子の場合は一律に第2子を容認▽夫婦一方が一人っ子の場合、農村では第2子を認め、都市では2011年から認めるーなど具体的な選択肢を示す「一人っ子政策」の見直し案を示した。
胡錦濤指導部のブレーンとして知られる胡鞍鋼・清華大学国情研究センター主任も11月下旬、中国紙「経済参考報」に「一人っ子時代の終焉」と題した論文を掲載した。
胡主任は、2020年には60歳以上の割合が16・7%、50年には31・1%となり、中国の少子高齢化は「その時の世界平均を大幅に上回る」と警告。また「15歳から59歳の労働人口は20年から減少に転じ、25年にはインドより少なくなる」と危機感を示し、二人制の必要性を説いている。
いずれの意見も指導部の考えに沿った発言とみられ、消息筋は、「人口政策見直しを摸索する指導部がまず観測気球を上げ、反対層の動きを把握する意味合いもあるだろう」と指摘している。中国で現在、60歳以上の高齢者は毎年1000万人のペースで増加しており、総数は約1億7000万人という。このうち約40%が、面倒をみる子供や若い同居人がおらず、「孤立世帯」と呼ばれる。
しかも、「半数の高齢者が生活をする基本的な社会保障が受けられていない」(民政省幹部)とされ、保障制度の整備などで一人っ子同士の夫婦への負担軽減も必要だ。世論調査によれば、都市部では負担増を嫌って2人目を望まない家庭も増えており、復旦大学の王豊教授は「このままでは、2100年の中国の人口は6億7700万人にまで半減する」と警告する。
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2009-12-09
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