2009-11-20

カタール、アジアに積極進出 中国やベトナムに大規模石化プラント

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 カタール国営石油傘下のカタール・ペトロリアム・インターナショナル(QPI)は2015年をめどに中国の海南島とベトナムのホーチミン市近郊で石油化学製品を製造するプラントの建設を検討している。建設費は計98億ドル(約8737億円)に達する見通し。今後も成長が見込まれるアジア市場で積極策に出る。
 QPIのナセル・ジャイダ最高経営責任者(CEO)が18日、東京都内でブルームバーグ・ニュースとのインタビューで明らかにした。カタールは、年間約600万トンの液化石油ガス(LPG)生産量を来年末には同1200万トンまで増やすことを計画しており「増加分のほとんどをアジア向けに供給したい」考えだ。
 積極的な投資は、原料にLPGを利用するプラントを建設することでLPG需要の拡大を狙ったもの。ジャイダ氏はアジア市場、とりわけ中国市場が膨大な需要を秘めていると期待感を示した。石化製品の市場獲得のほか、LPGの重要な販売先にもなることから、プラントの建設は「一石二鳥だ」と語った。
 海南島ではQPIと中国国内の石化メーカーのほか、中国海洋石油が参加する可能性もあるという。プラントに約58億ドルを投入。年380万トンのLPGを分解するとともに、260万トンのオレフィンなど300万トンの石化製品を生産する能力を備える。ジャイダ氏は「10年の第2四半期までに中国政府に事業計画の承認を申請したい」と語った。
 QPIは「より消費地に近い地域に生産拠点を構える」という戦略のもと、ベトナムでも石化プラントの建設を計画。ジャイダ氏によると、ベトナム国営のペトロベトナムや伊藤忠商事のほか、タイ企業が同計画への参加を検討しているという。最大40億ドルを投じて15年ごろまでに、ホーチミン市近郊に海南島と同規模のプラントを建設する考えだ。
 伊藤忠は07年11月、QPIと海外の石油ガス上流開発、新エネルギー事業、石油化学の分野で協力することで合意している。伊藤忠広報部によると、同社はベトナムでの石化プラント事業について検討しているという。
 カタール国外でのエネルギー関連事業に投資を行っているQPIは、オマーンでも日本企業と共同で発電事業に取り組むことをもくろむ。ジャイダ氏は、オマーン政府が12月に実施する入札に、丸紅、中部電力、カタール電力水利公社と共同で応札する計画があることを明らかにした。
 オマーンに天然ガスを燃料とする発電所を建設して電力を販売する事業を計画しており、ジャイダ氏は「半数近くの株式をQPIが保有する予定」で、その他の出資比率については現在交渉中だという。

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