2009-09-28

経済の守り神】東京海上日動130年の軌跡 「暮らし」と「事業」

:::引用:::
 ■広がる守備範囲

 保険業界に起きた大きな変化は、自動車保険の急成長だ。モータリゼーションの進展を背景に、損害保険種目でもトップに躍り出た。

 ◆「財物」から「責任」へ拡大

 1960年代には、賠償責任保険の営業が始まり、保険の対象は「財物」から「責任」へ拡大したといえそうだ。やがて海外旅行保険、原子力保険、住宅総合保険、ゴルファー保険、興業中止保険-など、社会の複雑化とともに保険がカバーする分野も増えた。「時代とともにリスクが変化した表れ」と、東京海上日動の広報担当者は指摘する。

 こうして築かれてきた現代の保険商品をみてみると個人の「暮らし」に関する保険と企業の「事業活動」に関する保険に大別される。暮らしの保険では、対人賠償保険や車両保険など「自動車関連」▽地震保険や火災保険など「すまい」▽介護保険やがん保険など「体と老後の生活」▽旅行保険やスキー・スケート保険など「くらし・レジャー」がある。

 事業活動の保険は店舗休業保険や生産物改修費用保険など「売り上げ利益」▽運送保険や航空保険、船舶保険が含まれる「輸送」▽個人情報漏洩(ろうえい)保険や会社役員賠償責任保険といった「損害賠償」-など広範囲に渡る。

 これからの損害保険商品は、どう変化していくのか。売上高の半分以上を占めるようになった自動車保険は、少子高齢化および自動車離れの時代を迎え縮小している。一方で、訴訟社会の到来や高齢社会の進展で、損害賠償や介護といった分野で拡大のチャンスはありそうだ。

 ◆オーダーメード型 開発

 東京海上日動は2002年に「超保険」というオーダーメード型の保険を発売。加入者の生活形態や事業内容などをもとに、自動車や火災、傷害など複数保険をもっとも適した形態に組み合わせる。保険金の支払いで損害を補償するだけでなく「生活のリスクコンサルタント」というサービスそのものに、損保商品が変わる時代が来ているのかもしれない。
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