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鳩山由紀夫首相が日中首脳会談で「東アジア共同体」構想を提案したのは、米国や欧州連合(EU)と並ぶ世界経済の「第3の極」をアジアに作り、新たな成長のけん引車に育てていくためだ。
世界不況の余波で日米欧の先進国は09年、軒並みマイナス成長に転落する見通し。一方、アジアの新興国の実質経済成長率は09年が3・9%、10年も6・4%と高い水準を維持しそうで、景気回復の原動力としての期待は大きい。共同体により人、モノ、カネの行き来が自由になれば、市場経済化や技術進歩が加速されるとみられる。
アジア諸国の政治経済レベルでのつながりは、97年のアジア通貨危機をきっかけに拡大。東南アジア諸国連合(ASEAN)に日本、中国、韓国を加えた「ASEANプラス3」(13カ国)がスタートし、さらに、インドや豪州などを加えた「東アジアサミット」も05年に発足。地ならしは少しずつ進んできた。
とはいえ、実現までの道のりは険しい。急速な成長を背景にASEANへの経済協力を進めてきた中国は、主導権を握りやすいASEANプラス3の枠組みを主張。中国けん制のため、インド、豪州も加えたい日本は東アジアサミットの枠組みを提唱しており、共同体の具体的な姿は見えてこない。
さらに、共同体創設の際に日本が、農業分野を中心にした貿易自由化や外国人労働者の受け入れ拡大を迫られるのは必至だ。共同体実現の道筋をどうつけるのか。「アジア重視」を掲げる鳩山外交が試されることになる。【柳原美砂子】
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2009-09-25
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