2009-09-28

日本語教室に『託児』欲しい 増える定住外国人 母親切実

:::引用:::
金沢の団体、県に要望も… 予算や人員、場所の壁

 定住外国人が増える中、託児付き日本語教室のニーズが高まっている。全国的には教室を開講している所も出てきたが、県内では予算や人員の問題などから実現には至っていない。金沢市の国際交流団体などが昨年冬、県に要望を伝えたが、今のところ具体的な動きはない。母親たちからは「生活するにも、仕事するにも、日本語ができないと次に進めない」と切実な声が上がる。(奥野斐)

 「子どもを預けることができれば、もっと勉強ができる。漢字を習いたい」。タイ出身で来日して六年の合田アッジャワニーさん(32)は、一歳になる長女を抱きかかえながら話した。出産前までは金沢市広坂の日本語教室で学んだが、育児で学習は中断したまま。「今のままでは子どもの入学書類も書けない。ベビーシッターも申し込み自体が難しい」と顔を曇らせる。

 県内に住む外国人は年々増え、二〇〇八年末で一万二千百二十六人に上る。県が在住外国人に求める施策などを聞いたアンケートでは、日本語学習への支援を要望する人が全体の四割を占めトップ。しかし県国際交流協会によると、託児付き教室は予算やボランティア、場所の確保の問題から難しいという。

 「子どもを預かってくれる所はないか、聞かれることもある」と日本語教室で働く県国際交流協会の職員。託児付き教室の実現が困難な理由について「外国人の日本語レベルもさまざまで、実際の利用がどれくらいあるかも分からず、経費もかかりそう」と話す。
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 その一方で、全国では、大阪府吹田市や佐賀市など各地で託児付きの日本語教室が開かれている。

 外国人が約四千二百人で人口の1・19%を占める吹田市では、三年前から週二日、託児付き教室を開講。市民ボランティアが託児にあたり、利用者は一回百円を負担する。

 佐賀県国際交流協会でも、三年前から週一回の託児付き教室を開く。佐賀県内の外国人は約四千二百人で人口の0・5%と他県より少ないが、毎回三組ほどが利用している。
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 母親を対象にした託児付きの講座やイベントは、日本語教室に限らず広がっている。金沢市も四年前、子育て中の女性も落ち着いて学べる環境を整えようと、無料託児付きの「金沢ママさんカレッジ」を始めた。不定期だが毎回好評で、託児を利用する人も多い。

 託児付き教室が外国人に届かぬ現状に、台湾出身で三歳の男の子がいるヤン・ペティーさん(35)は「金沢にもできればいいな」とつぶやく。県に要望した団体「子育てサークルにいはお」のメンバーは「日本で暮らしていくにはまず、日本語の習得が必要。母親も学べる環境を」と訴えている。

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