2009-09-28

進む漁業就業者の高齢化 半数が60歳以上

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 県内で漁業に従事する人のうち半数が60歳以上の高齢者であることが、県や東海農政局がまとめた「2008年第12次漁業センサス(基本調査)」で分かった。県内漁業は海での漁業生産量が昨年、9年ぶりに10万トンを超えたが、県は「担い手不足が解消されないと将来的な発展が見込めない」と危機感を強めている。

 漁業就業者は、03年の前回調査と比べ340人減の4964人で、5000人を下回った。ピークだった1963年の2万3883人以降、減り続けている。

 うち60代が全体の27・9%に当たる1387人、70歳以上が21・6%に当たる1071人で、60歳以上が5割を占めた。10年前には60歳以上が38・9%だったことから、この10年間で一気に高齢化が進んだ。

 漁業就業者数の95%を占める個人自営漁業者のうち、79・6%が「後継者がいない」と回答。前回調査時は後継者の範囲を自営業者の世帯のみとしたのに対し、今回は世帯以外の人まで対象を広げたが、それでも後継者がいない漁業者の比率は、前回と変わらなかった。

 県内の海での漁業生産量は前回調査時と比べ14%増の11万1758トンで、一昨年の県別生産量で日本一のアサリなどが好調だが、豊漁の影響が大きく、漁業活動の活発化による増加ではない。

 県水産課は「新規就業者が減る一方で高齢者が漁業を支える構造が鮮明になってきた」と分析。昨秋以来の不況で失業した人たちが漁業への転職を図る動きも出ていることから、同課は「漁業体験研修などを積極的に開き、漁業以外の分野からも就業者を増やしていきたい」としている。
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