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空港での入国審査時に指名手配犯や強制退去となった外国人のリストと指紋を照合する「生体情報(バイオメトリクス)認証システム(BICS(ビツクス))」をすり抜けて不法入国しようとするケースが相次いでいる。指に傷をつけたり、特殊テープを張り付けるなど手口はさまざまだ。テロリストがこうした手法で入国し、国内に潜伏する可能性もあり、法務省入国管理局も肉眼での確認を徹底するなど、「BICS破り」への監視を強めている。
■指にN字型の切り傷
BICS導入が1週間後と迫っていた平成19年11月13日の成田空港。中国から到着した飛行機から「任(ニン)建光(ケンミツ)」名義のパスポートを持った中国籍の男が降り立った。男の本名は「任(レン)勝(シヨン)」。日本から強制送還された過去があったが、他人名義の偽造パスポートで入国審査をすり抜けていた。
男は今年8月、東京都板橋区のアパートから現金を盗んだとして、警視庁に窃盗などの疑いで逮捕された。警視庁は東京や千葉などで暗躍した窃盗団3グループを束ねるリーダー格とみている。
人さし指には刃物で刻まれたような不自然なN字型の傷があった。「けがをしただけ」と説明したが、警視庁は男がBICS導入の直前に入国していたことに着目。捜査幹部は「すでにBICSが導入されたと勘違いし、過去の退去歴が発覚しないように指紋を改変したのではないか」とみている。■入管も監視強化
入管はこうした事態を重く受け、指紋の読み取りが不鮮明な場合、肉眼で指紋を確認するよう対策を強化した。傷などがある場合は読み取りが不鮮明になるとされており、成田空港では今年1月以降、指紋を削ったり、指の一部を縫い合わせた跡のある中国籍の男女4人が相次いで見つかり、千葉県警が入管難民法違反の疑いで逮捕している。
さらに3月からは読み取った指紋を表示するモニターを新たに設置。入国審査官がモニター上で傷の有無を確認できるようになった。傷や縫合の跡があった場合、どういう経緯でついたのかを質問し、説明に不自然な点があれば入国を拒否する場合もあるという。
鮮明に読み取れる特殊テープの場合でも、水際での監視強化を警戒し、BICSを敬遠するのではないかとの見方が強い。そのため「10~20年前に続発していた船による密入国が再び増加する危険がある。すべての海岸を見張ることは事実上、不可能だ」(警察幹部)とし、捜査現場では、手段を変えて密入国が繰り返されるとの危(き)惧(ぐ)を強めている。
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2009-09-28
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