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3~5年で引き上げへ アジアに低価格機
米展開も積極化図る
澁谷工業(金沢市)の澁谷弘利社長は十一日、本紙の取材に、現状で15%程度にとどまっている連結売上高に占める海外比率を、三~五年で25~30%に引き上げる考えを明らかにした。中国やインドなどアジア向けに価格を半分に抑えたボトル充てんシステムを開発・投入し、台湾かタイにサービス拠点を設ける。米国市場の展開も積極化する。(村松権主麿)
主力のボトル充てん機を含むパッケージングプラント事業は国内向けが中心。メカトロシステム事業の半導体製造装置と医療機器は40~50%を輸出しているが、一台当たりの金額が低く二〇〇九年六月期の海外売上高比率は15・6%。澁谷社長は「人口減や高齢化、若者の酒類離れなど国内市場の拡大が期待できず、このままでは企業としての成長が止まる」と指摘した。
強化する市場としてアジアと米国を挙げ、アジア向けの低価格システムは来年中の投入を目指す。「オーバー・シー・プロダクト(海外向け製品)」プロジェクトの担当部署を十六日に発足させ、担当役員、専任技術者四人などを配置する。
開発する低価格機は部品点数を三~五割減らし製造効率も上げることで価格を下げる。アジア以外の地域でも「性能を抑えた低価格機と高性能の通常機種を提案し、顧客の選択肢を増やす」(澁谷社長)考えだ。サービス拠点は営業やアフターサービスを担う。一~二年後に設立する考えで、現地企業との提携や買収なども視野に入れる。
米国では、コンパクト型を含むボトル充てん機や製薬機械などの販売を強化する。現在、東海岸のバージニア州に子会社があることから顧客が東海岸に偏っている。澁谷社長は「米国経済の回復を待って西海岸にサービス拠点を設けたい」と話した。
金沢港の共同出荷活用
タイへの機器輸出で方針
澁谷社長は、来年二月に予定しているペットボトル充てんシステムの出荷について、地元企業が本年度内に実施する金沢港からの共同出荷の社会実験を活用する方針を明らかにした。
共同出荷を準備しているのは北陸三県に拠点を置く輸出企業でつくる「金沢港利用促進会議」。同港に定期便がなく利用が低調な貨物船を増やすため、出荷を予定する企業の貨物やチャーター船の情報をまとめ、仕向け地や日程が合う貨物の合い積みを調整する。澁谷社長が会長を務める石川県鉄工機電協会が事務局。国の補助事業の社会実験を年度内に二~三回実施し、課題を洗い出す。
澁谷工業は六月にタイの大手飲料メーカーからペットボトル用の高速無菌充てんシステムを約十八億円で受注し、貨物船をチャーターして輸送する予定。澁谷社長は「金沢港の利用促進に貢献したい」と話している。
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2009-08-20
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