2008-12-22

観光庁、アウトバウンドに本腰、VWCとの連携など振興策骨子を決定

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観光庁は、海外旅行の振興への取り組みに本腰を入れる。観光庁長官の本保芳明氏は12月19日、日本旅行業協会(JATA)の理事会で、日本人海外旅行者 数2000万人に向けた振興策の骨子について説明。本保氏は、アウトバウンド政策について、国際相互理解の増進や観光立国実現に求められる多様な価値観へ の寛容性と創造力の醸成、そして国際観光交流の持続的な拡大のために必要であると説明。その上で、行政として国民の海外旅行の容易化や、若年層の国際相互 理解の増進につながる施策に取り組む方針を明示。さらに、ビジネスに直結するような事業は民間において取り組むことを基本とし、観光庁はJATAのビジッ ト・ワールド・キャンペーンの活動を支援するとした。振興策は、今後観光庁のアクションプランに盛り込んでいく。

 振興策は、これまでに 取り組んできた施策も含めて、「ビジネス環境の整備」、「国民の海外旅行容易化」、「若年層向け対策」の3本柱にまとめた。ビジネス環境の整備は、商習慣 のグローバル化に向けた課題整理や、すでに実現したITCチャータールールの規制緩和を含む。海外旅行の容易化は、諸外国のビザ制度の見直しやパスポート 取得の容易化、休暇所得の促進を進める。ビザ制度は、アメリカのESTA(電子渡航認証システム)の運用改善や、特にロシアとインドに対して日本人の観光 ビザ取得義務の緩和を要請する。また、ユニバーサル・ツーリズムの観点から、外国の政府観光局や旅行業界と連携し、高齢者や障害者、乳幼児連れ家族などが 海外旅行に行きやすい環境の整備も実施する。

 若年層向けの対策では、政府の留学生30万人計画と連携し、外国人留学生のネットワークを 活用するほか、教育関係者との連携による若年層の国際相互理解増進に向けた取り組み、ワーキング・ホリデー制度の活用、海外修学旅行の拡大に向けた環境整 備、外国政府観光局の日本市場向け観光親善大使の活用などを進める考え。若者向け割引航空券の設定も要請する。

 なお、JATA常務理事 でワールド航空サービス代表取締役社長の菊間潤吾氏は、これらの方針に対して「アウトバウンドに行政がここまで踏み込んでくれるとは感無量。歴史的な日 だ」とコメント。JATA副会長でジェイティービー代表取締役会長の佐々木隆氏も、こうした動きが観光庁の設立によるものと分析し、歓迎した。
▽VWCと連携し観光交流年やクルーズ振興など推進-2010年交流年はトルコ

  VWCとの連携では、(1)観光交流年、(2)クルーズ振興、(3)ODA予算やビジット・ジャパン・キャンペーン事業を通じた連携、(4)VWCの重点 デスティネーション協議会への参加、(5)在日外国観光局協議会(ANTOR-JAPAN)との意見交換会の実施、(6)VJCの重点市場国と新興市場国 で両国の政府と観光局が一体的に連携し、2国間の交流拡大をはかる仕組みの構築、(7)JATA国際観光会議と世界旅行博への協力の7項目を列挙。

 観光交流年は、すでに2009年を香港に決定し、オープニングイベントやサマーキャンペーン、両国の若者の文化交流を目的とした大規模博覧会の開催を予定している。2010年はトルコと観光交流年を実施することが決定したという。

 また、クルーズ振興では、クルーズ利用者を対象にした市場調査や入国審査の円滑化、JATAクルーズ部会や全国クルーズ客船誘致連絡会などとの連携、VJC事業での客船誘致を進める方針だ。

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