2008-12-20

一言「辞めてくれ」 説明なく紙切れ一枚

:::引用:::
液晶ガラス基板製造の倉元製作所(宮城県栗原市)で派遣労働者として働いた登米市の男性(41)が労働契約を打ち切られた。派遣元からは「辞めてくれ」の 一言。つめに火をともして暮らし、職探しを続ける。だが、働き口は見つからず、生活を保つ見通しの立たないまま、年の瀬を迎えようとしている。
 男性によると、通知があったのは10月7日夜。勤め先の同社花泉工場(一関市)で、派遣元の人材派遣会社「東洋ワーク」(仙台市)の担当者に呼び止められた。

 「来月で辞めてもらいます」と告げられ、1枚の紙を渡された。11月7日で契約を解除すると書いてある。

 「なぜですか」と詰め寄ると、担当者は「100人以上解除するので、全員に説明するのは困難だ」と話したという。

 男性の仕事は機械の保守管理だ。2001年から7年間勤めた。契約は09年4月まで残っていた。

 月給は約23万円。以前は6万円の残業代も出たが、06年から基本給に組み込まれた。東洋ワークに問いただすと、「文句を言うなら時間給に変える」と言われたという。

 別の派遣先を紹介してくれるよう頼んだが、時給800円の会社しかなく、今月1日、同社に離職届を出した。

 家賃4万8000円の借家で女性(41)と暮らす。貯金は約10万円。12月下旬に出る11月分の最後の給料を生活費に回し、貯金には手を付けないつもりだ。これまでは昼と夜は弁当を買ったが、自炊に切り替えた。1日3食から2食に減らし、食費を浮かせている。

 失業保険を申請し、職業安定所に通っている。建設会社と人材派遣会社の面接を受けたが、採用されなかった。

 倉元製作所は受注減を理由に19日までに、195人の派遣労働者の契約を打ち切った。「11月の受注は前年同月比で50%の減。雇用が維持できず、やむを得ない」と説明する。

 男性は個人で宮城一般労働組合に加入し、18日に東洋ワークに派遣打ち切りの撤回を申し入れた。担当者は「内容を検討させていだだく」と述べるにとどめたという。河北新報社の取材に対しては「内容を精査中でコメントは控える」と答えている。
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