「地震を体験したい」 「銅鑼(どら)がほしい」「カプセルホテルに泊まりたい」-。日本を訪れる外国人観光客の数が過去最高のペースとなり、全国の観光案内所にユニークな質問 が相次いでいる。特に初来日の観光客は「サムライの国」といったイメージを膨らませている人も多いという。日本政府観光局(JNTO)では、質問を集めた 事例集を全国の観光案内所に配布し、観光客が増える年末に向けてスムーズな対応を呼び掛けている。
「地震を体験できると聞いたのですが…」。JNTOが運営する観光情報センター(東京都千代田区)の上野裕子アシスタント・マネジャーは数年前、観光客からこう切り出され、驚いたという。
「話を聞くと、防災教育などに活用されている起震車に乗ってみたいと。地震のない国の人にとっては、日本ならではの体験なのかも」と苦笑する。
このほかに「10日で四国八十八カ所巡りをしたい」「東海道五十三次を踏破したい」など日本人が驚く質問は多い。同センターには欧米からの個人旅行客を中 心に、毎日100人前後が訪れるが、このうち約8割は初来日。上野さんは「せっかく長時間かけて日本に来たのだから、珍しい体験をしたいという思いが強い のでは」と話す。
政府は平成15年から外国人観光客を増やすため「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を実施中で、15年に521万人だった客数は19年に835万人にまで増加。JNTOの集計では、今年1~10月は昨年同期を約30万人上回った。
一方、外国人観光客をめぐってはマナーの悪さも問題化。東京・築地市場では、競りにかけたマグロと記念撮影をする外国人などが後を絶たず、年末年始の見学自体を禁止する事態になっている。
同センターでは、特徴的な質問と回答例をまとめた事例集を228カ所の観光案内所に配布。全国からスタッフを集めた研修会も開催するなどして、対応を強化する。
【観光情報センターに寄せられた質問と回答例】
Q.地震を体験したい(多数)
A.防災施設と説明した上で、東京都北区防災センター(通称・地震の科学館)を紹介することも
Q.玄関の飾りにするので銅鑼(どら)を購入したい(カナダ、男女3人、30代)
A.都内の楽器店を紹介。一番小さい直径39センチで1万500円程度という値段も案内
Q.鉛筆削りをおみやげとして買って帰りたい。日本の鉛筆削りはフランスのものに比べて、鉛筆の先が長く削れてとてもきれいだ(フランス、男、60代)
A.都内の文房具店を紹介
Q.海賊船に乗りたい(メキシコ、親子4人、10代と40代)
A.箱根・芦ノ湖の海賊船(海賊の人形が設置された遊覧船)のパンフレットを見せた
Q.テレビのニュースで見たマンガカフェに泊まってみたい(中国、男、20代)
A.秋葉原や上野界隈(かいわい)にいくつかあると案内
Q.自転車で富士山に登りたい(ドイツ、男、30代)
A.5合目までならば富士山スカイラインを登っていけるが、十分気をつけるようにアドバイス
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