日野自動車子会社の輸送機器メーカー、ソーシン(埼玉県入間市)の入間工場で派遣社員として働き、契約途中で解雇通告された外国人労働者5人が23 日、「派遣切り」に抗議する1時間の時限ストライキをした。今回の不況で派遣社員によるストが行われた例はほとんどなく、5人は「派遣社員を動物扱いする な」などと訴えた。
5人は個人加盟の労働組合「下町ユニオン」の組合員で国籍はイラン、バングラデシュなど。ユニオンによると、ソーシンの外国人派遣社員は、13人 が組合に加入しているという。1月の解雇が決まっている人が多いが、既に解雇された人もいる。日本人女性と結婚し、小学生以下の子供を持つ人も珍しくない という。
この日は工場の操業日で、昼休みが終わった午後0時40分からストを決行。5人は解雇された元従業員や有給休暇中の同僚らとともに、正門前で「クビにされたらホームレスになってしまう」「今すぐ解雇を撤回しろ」とアピールし、雇用継続を求めた。
参加したイラン人男性(41)は、日本人の妻との間に1歳の息子がいる。来年3月には2人目の子供が生まれるという。「貯金はゼロなのに、これからどうやって生活すればいいのか。きつい仕事に耐えてきたのだから、もう少し考えて」と怒りをあらわにした。
ソーシンによると、来月の生産量が今秋に比べ40%以上の減産となり、赤字決算は避けられない見通し。2工場で約320人の非正規社員を約50人 にまで減らす計画だ。もともと外国人が多く、削減対象も大半が日系を含む外国人という。担当者は「派遣契約の中途解除もやむを得ない」と説明した。【木戸 哲】
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