「定額給付金」について、総務省は算定の基準日を2009年2月1日にすることを08年12月20日に決めたが、ネット上では、就労目的で在留する 外国人や留学生が支給対象に含まれていることに、大きな反発が起こっている。つまり、日本は不況が深刻化し、派遣切りで家まで失う日本人が大量に出ている 中、外国人留学生らに支給するのは「血税の使い道が違うのではないか」、という理屈だ。
日本人で困っている人がたくさんいるのになぜ?
総務省の発表によれば給付金がもらえるのは、09年2月1日時点で住民基本台帳に記録されている人と、外国人登録原票に登録されている人。外 国人の場合、永住者、日本人の配偶者、就労目的で在留する外国人、留学や研修など非就労目的で在留する人に支給される、となっている。例えば、09年1月 末に来日し外国人登録した人でも給付金がもらえるわけだ。ネット上では、なぜ日本人で困っている人がたくさんいるのに、留学生や日本に来て間もない外国人 就労者に「血税」を払うのかと、疑問や怒りが渦巻いている。
ブログや掲示板を検索すると、
「給付金たって、結局『日本人』の血税と国債借金だろ?」
「景気浮揚というが、この円高のご時世に 母国の通貨に変えられるのがオチ」
などという批判の声が上がり、巨大掲示板「2ちゃんねる」でも「祭り」になっている。
「定額減税は留学生や外国人労働者も対象にしていたので」
今回の給付金は約220万人の外国人に支払われる。留学生や登録間もない外国人に支給することについて総務省はJ-CASTニュースにこう説明した。
「定額給付金はもともと定額減税の流れから決まったもの。定額減税は留学生や外国人労働者も対象にしていましたので、給付金になったからといって、こうした方々を給付の対象から外すのは自然ではありません」
政府は当初、景気の浮揚策として、所得税から一定額を差し引く定額減税方式を検討していた。しかし、所得税を納税していない低所得者層に配慮し、定額給付金になったわけだが、もともと定額減税の対象者に留学生や外国人労働者が含まれていた、という説明だ。
ネット上の議論を他の政党はどう見ているのだろうか。日本共産党はJ-CASTニュースの取材に対し、定額給付金は愚策中の愚策なだけに、この廃止が前提だとしたうえで、
「派遣で切られ、住む場所を失った労働者に給付されるかどうかわからないわけで、外国人に給付云々よりも、真っ先にこうした問題を救済しなければならないのに」
と話す。民主党に取材すると、
「発表されたばかりのため、民主党内ではまだ議論されていません」
ということだった。
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