2007-09-14

帰化扱いの中国残留邦人 全国で実態調査へ

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帰化扱いの中国残留邦人 全国で実態調査へ 
政府・与党が今臨時国会で打ち出す予定の中国残留邦人への新たな生活支援策で、全国の残留孤児訴訟弁護団は、「帰化」して日本国籍を取得したため年金受 給で不利益を被り続ける人が出ている問題の緊急実態調査を始めた。大まかな人数や帰化扱いに至った経緯などを把握し、新支援策導入の際に是正を求める。

 新支援策で課題になりそうな項目を各弁護団が全国連絡会に報告した際、長野や東京の弁護団が帰化した人の年金受給額が少ない問題の解消を提案、調査が決まった。

 各弁護団が12日までに全国連絡会に提供した情報を取りまとめた東京弁護団によると、帰化した中国残留邦人は、大阪原告団で3人、岡山1人、鹿児島2人など。原告1092人の東京弁護団では、800人余の資料を調べた段階で6人いることが判明した。

 長野市松代出身で東京都で暮らす紅谷寅夫さん(69)もその1人。1944(昭和19)年に中国東北部に渡り、80年に帰国したが、国籍回復手続きの際に帰化とされた。「ずっとおかしいと思ってきた。今回、何とかしてほしい」と話す。

 長野原告団の孤児の場合、実態はまだ不明だ。「原告の大半が日本語があまり話せず、内容も複雑なため本人もよく分からない。短時間で調べるのは困難」と山内道生事務局長。ただ、県内では、訴訟に加わっていない飯田市内の残留孤児、婦人が該当することが分かっている。

 東京弁護団の米倉洋子弁護士によると、帰化かどうかは、電算化以前の戸籍謄本にしか記載されないため「実際よりずっと少ない人数しか把握できない可能性 がある」。中国籍取得の証拠となる中国当局発行の入籍証書を持っていて、法務局から帰化を強く指導された例の一方、似た状況で帰化を勧められなかった例 も。「現場で個々に判断した結果のように見える」という。

 帰化して日本国籍を取得すると、年金保険料は外国人が帰化した場合と同じ扱い。中国にいた期間を保険料「免除期間」とし、国が保険料の3分の1を納める などの特例措置の対象外だ。厚生労働省は「戸籍・国籍は管轄外で新支援策でも対応しにくい」としており、新支援策でも事態は変わらない可能性もある。

 安倍首相の突然の退陣表明もあり、長野弁護団の山内事務局長は「法案提出がいつになるかは分からない」としながらも「新たな支援策自体がなくなることは ありえないと思う」。全国連絡会は16日に都内で開く会合で帰化問題も取り上げ、政府・与党や厚労省に現状を伝え、関連法の改正や運用による対応を求める 方針だ。

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