2008-02-06

外国人労働者厳しい環境 多文化共生推進会議で県内企業の実態報告

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外国人と共生する地域づくりを考える第三者委員会「県多文化共生推進会議」が4日、県庁で開いた2007年度 第2回会合で、県内在住外国人を対象に昨秋行われた労働実態調査の結果が報告された。正規雇用はわずかで、社会保険加入率も低いなど、直面する厳しい雇用 状況が浮き彫りとなっている。(須藤恵里)

 調査によると、県内の外国人労働者の労働形態は、62%が派遣や請負の非正規雇用。正規雇用への移行は、日本人に対しては10%の事業所が実施し ているが、外国人への実施は3%だった。調査に携わった静岡大の竹ノ下弘久准教授は「日本語が話せずコミュニケーションがとれないため、レベルアップが図 れないという一因がある」と指摘した。

 また外国人を雇用している事業所単位の健康保険加入率を調べたところ「日本人労働者の加入率は80%以上」と答えた事業所は55%あったのに対 し、「外国人労働者の加入率80%以上」と答えた事業所は、わずか14%にとどまった。「雇用保険加入率80%以上」の事業所も、日本人なら64%に対 し、外国人は19%の低率。外国人の社会保険加入に対する企業の法令順守意識が、極めて希薄なことも分かった。

 こうした結果を受け、この日の会議では「他県では産業界で外国人労働者を支援する基金をつくっている。静岡県ではつくらないのか?」といった意見も、委員から出されていた。

 調査は県が静岡文化芸術大学に委託し、ブラジル人の住民登録者数が1000人以上の12市(浜松市、磐田市、富士市など)で、07年9-10月に 実施。16歳以上の外国人労働者5438人と、外国人を雇用している事業所3000社を対象とした。回収率は労働者35・3%、事業所37・2%だった。


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