FTTHユーザーの増加やNGN(次世代ネットワーク)の商用化に対応するため,NTT西日本グループがIP 技術者の養成を急いでいる。同社が「高度IP技術者」と呼ぶ人材を,2010年度までに2400人確保する計画。技術系人材のレベルアップによって,既存 のIP系サービスやNGNの安定運用に結びつけたい考えだ。NTT西日本は,高度なスキルを持つIP技術者の養成のために,社内試験を通じた認定制度を運用している。認定レベルは,「SA」,「A」,「B」の3段階。SAレベルかAレベルを取得すると,「高度IP技術者」に位置付けられる。
NTT西日本は,NTTネオメイトなども含むグループ全体で,2010年までに2400人の高度IP技術者を育てる計画を立てている。現在,技術系の人材はグループ内に2万3000人程度いるという。計画通りであれば,技術者の約10%が高度IP技術者となる。
「ネットワーク構築や運用の総合力は,“人数×能力”となる。(グループの社員数が減っていく中で)インフラや技術の変化に対応し,IP系サービスを安定運用するには,能力の底上げが重要だ」(NTT西日本の佐々木貴朗サービスマネジメント部サービス戦略部門長)。
実践的な研修メニューを用意
そのためにNTT西日本は,特別な研修制度を整えた。SAレベルを目指す「プロフェッショナルコース」を春から夏にかけて開始し,AやBレベルを目指す「テクノカレッジ」を夏から順次開校中。バックボーンやアクセスなどの分野ごとに,研修コースを用意した(図1)。SAとAレベルを得るための試験には実技が含まれている。このため研修でも実機を使ったメニューを組むという。
特に力を入れたのが,光プロフェッショナルカレッジだ。期間はほかの研修よりも長い2年間で,光アクセス系の技術全般に加えて,直観力や指導力などの強化までを含めることで,光回線のエキスパート養成を目指す。
ただ,研修コースが実践型とはいえ,実際の運用環境とは別もの。IP技術を扱う以上,未知のトラブルが起こる可能性は常につきまとう。施策が実を結び,ユーザーへのメリットになるのかどうかは,現実の障害に遭遇したときに試されるだろう。
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