四日市市富士町の人材派遣会社「ニッケン エンジニアリングサービス」が運営するブラジル人学校が、県から学 校法人の認可を受けた。県内にブラジル人学校は計5校あるが、認可は初。三重県同様、多くの南米系外国人が住む愛知、岐阜、静岡3県では先行例があり、南 米系の外国人学校の認可は全国で4例目。 (山田浩平)同社は二〇〇〇年二月、日系ブラジル人従業員の子どもを対象にした無認可託児所を開設。従業員以外の子どもの受け入れも増え、〇四年三月からブラ ジル人学校として運営を始め、同国教育省に学校の認可を申請、今年六月に認められた。これを受け、同月に県にも認可申請し、十月に正式に認可された。
名称は「ニッケン オブジェチーボ学校」。幼稚園と、各四年制の小学部、中学部、三年制の高等部があり、ブラジル国内の学校法人組織のカリキュラムに従い、児童・生徒を教育する。現在、北勢地域や愛知県などから約三百人が、マイクロバスで通学している。
教育はポルトガル語で行い、週一回は日本語の授業も実施。校舎は同社の三階建ての社員寮を改装し、一クラスは十-二十人。全天候型の運動場やパソコン室もある。
同校の青木マルシオ校長(40)は「子どもたちの九割以上は出稼ぎに来た親と一緒に帰国する。帰国後に大学に進学できるよう、高校までの教育をしっかりとやりたい」。伊藤日出雄理事長は「より良い環境で学べるよう、新校舎の建設なども検討している」と話した。
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ニッケン オブジェチーボ学校が日本、ブラジル両国で学校法人の認可を申請した背景には、児童・生徒の親である日系ブラジル人労働者たちの教育へのニーズがある。
県では日系ブラジル人ら外国人の教育環境を整備するため、五月に外国人学校などの各種学校の認可審査基準を緩和。従来は校地・校舎の自己所有が条 件だったが、十年間の長期契約を結べば、民間からの借用でも認めることにした。開設時に必要な経費の保有額も、従来の「年間運営経費の三分の一」から「六 分の一」に低減した。同校や県青少年・私学室によると、日本に出稼ぎに来て短期間で帰国する場合、子どもの教育の継続性を考え、公立の学校で日本の教育を受けさせるよ り、ブラジル人学校で母国と同じ教育を望むケースが多いという。同国が認可していない学校は“私塾”扱いで、生徒は「無学歴」と同じに。帰国後に編入学す るには、編入試験などを通らなければならない。
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