総務省は27日、住民基本台帳に基づく人口調査結果(3月31日現在)を発表した。男性の人口は6207万6658人で、前年同期に比べて1万 680人(0・02%)減り、1968年の調査開始以来、初めて減少に転じた。総人口の伸びも前年同期比0・04%増と過去最低の伸び率で、日本の経済成 長や社会保障制度などに大きな影響を及ぼす「人口減少社会」の到来が間近に迫っていることを浮き彫りにした。総人口は1億2686万9397人で、前年より4万5231人(0・04%)増加した。増加数と増加率はともに過去最低だった前年を下回り、さらに鈍化した。
2004年度の出生者数は110万4062人。出生者数から死亡者数を引いた同年度の自然増加数は5万2980人で、いずれも79年度以降の比較可能な調査で過去最低だった。
総人口に占める65歳以上の老年人口の割合は、前年比0・48ポイント増の19・72%で、過去最高を更新した。15歳未満の年少人口が0・12ポイント減の13・91%、15~64歳の生産年齢人口が0・36ポイント減の66・37%で、少子高齢化も進行している。
都道府県別では、人口が減少に転じたのが群馬、京都、大阪の3府県。減少自治体は計35道府県にのぼった。総人口のほぼ半数を占める3大都市圏のうち、関西圏(京都、大阪、兵庫、奈良)は0・004%減と初めてマイナスに転じた。
国立社会保障・人口問題研究所は、出生率が標準的な水準で推移した場合、日本の総人口は2006年にピークを迎え、2007年から減少に転じると 予測している。男性人口については、今年10月1日現在で前年比約8000人減に転じると見ていた。今回の調査結果は減少に転じる時期が半年早く、減少幅 も上回っているため、同研究所は「人口の減少スピードは推計よりやや早まっているのではないか」としている。
同研究所の推計では、若手人口(20~34歳)は2000年から2020年までに約31%(約800万人)減少する見通しで、生産力の減退は避け られない。貯蓄を取り崩す世代である高齢者が増加して家計部門の貯蓄率が低下することも、労働力人口の減少とともに経済成長を鈍化させる要因となる。
人口減少や少子高齢化の経済・社会に与える悪影響を回避するため、政府の経済財政諮問会議などは、構造改革に取り組む必要があることを強調している。
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