少子化や人口減少により、2030年の労働力人口は、現在より約1070万人減少する可能性があることが28日、厚生労働省の推計で分かった。 予想を上回るペースで少子化が進んだため、過去の試算より減少幅が拡大した。労働力人口の減少は、年金などの社会保障制度や経済成長にも影響を与えかねないため、厚労省は「就業支援などの対策が急務」としている
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少子化や人口減少により、2030年の労働力人口は、現在より約1070万人減少する可能性があることが28日、厚生労働省の推計で分かった。 予想を上回るペースで少子化が進んだため、過去の試算より減少幅が拡大した。労働力人口の減少は、年金などの社会保障制度や経済成長にも影響を与えかねないため、厚労省は「就業支援などの対策が急務」としている
中国人による旅券・外国人登録証の偽造事件を捜査していた磐田署と県警外国人犯罪対策課は20日、入管難民法違反(不法残留)の現行犯で、ともに 中国国籍で愛知県刈谷市泉田町、無職●志杰(23)と、袋井市新屋、工員李翠◆(39)の両容疑者を逮捕した、と発表した。偽造拠点の●容疑者宅でパソコ ンなどを押収しており、公文書偽造などの容疑が固まり次第、再逮捕する方針。
調べでは、●容疑者は約1年1カ月、李容疑者は約2年10カ月にわたり不法残留していた。
●容疑者は旅券や外国人登録証を自宅で偽造し、旅券は1通1-3万円、外国人登録証とのセットでは4万円ほどで販売していたとみられる。李容疑者は偽造依頼者だったらしい。
同署などは19日に2人を逮捕し、●容疑者の自宅からパソコンやスキャナー付きプリンター、ゴム印などの偽造道具と、完成品や、作成途中の中国、インドネシア、ベトナムの偽造旅券などを押収した。
旅券や外国人登録証の偽造拠点が磐田市付近にあるとの情報が寄せられ、内偵を進めていた。
自動車用計器(メーター)に組み込むソフトウエアの開発を手掛けるデイシス(静岡県、小又力社長)が沖縄に組み込みソフトウエアの開発拠点を開設する方向 で検討を進めている。早ければ年内に那覇市内に事務所を開設し、求人活動などに取り組む考えだ。28日午後、小又社長らが県庁を訪ね安里カツ子副知事に報 告した。
デイシスは世界39カ国に拠点を置き自動車部品や電線、空調機器などを製造する矢崎総業グループの子会社。自動車用計器のソフトウエア を開発する。小又社長は「組み込み系ソフトウエアの需要は今後も拡大が期待されるが、静岡県近郊で技術者が確保しにくい」と述べ、若い人材が豊富で県も情 報通信関連企業の集積に積極的であるため沖縄を候補に選んだと説明した。北海道にも同様に進出を検討している。
沖縄で採用した人材は一定期間静岡で研修した後、沖縄の拠点でソフトウエアの開発に当たる。5年間で約100人を沖縄で採用したい考えだ。
安里副知事は「県も雇用の創出に取り組んでいるので大変ありがたい」と述べた。
日本に永住帰国した中国残留孤児に対し、国民年金と給付金を合わせ単身世帯で月最大十四万六千円を支給する新たな支援策を盛り込んだ改正帰国者支援法が、二十八日の参院本会議で、全会一致で可決、成立した。一部条項を除き来年一月一日に施行される。
改正法成立を受け、残留孤児約二千二百人が国家賠償を求め、十地裁六高裁で係争中の集団訴訟は、訴えの取り下げや和解により終結に向かう。
改正法は、これまで残留孤児には三分の一しか支給されていなかった国民年金(老齢基礎年金)について、国が約二百五十億円の保険料を負担すること で満額(月額六万六千円)を支給。さらに生活保護に代わる生活支援給付金として単身世帯で月額最大八万円を支給する。一定の条件で住宅費や医療費も支援す る。
対象は残留孤児と、終戦当時十三歳以上の残留邦人を含め計約六千人と見込まれている。
厚生労働省は年金については来年一月から申請を受け付け、四月分から満額支給を開始、生活支援給付金も四月から支給する予定。
残留孤児をめぐっては、老後の備えが十分にできなかった特殊な事情に配慮した支援を安倍晋三前首相が指示。政府、与党が七月にまとめた支援策を孤児側も受け入れた。原告側は、まず十二月十三日に東京高裁で訴えを取り下げ、各地でも順次、訴訟を終結させる。
日本企業がベトナムへの投資を加速する。三菱重工業が航空機部品工場の建設を決めたほか、NTTコミュニケーションズは政府関連機関と組みデータセン ターを整備する。住友商事や丸紅は発電設備建設の検討に入った。ベトナムはBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)諸国に次ぐ経済拡大が期待され、 各社が戦略地域に位置づける動きが鮮明だ。
各社は27日、来日中のベトナムのグエン・ミン・チェット国家主席(大統領)が出席した会合で投資計画を発表し、ベトナム政府機関などと覚書を交わした
楽天は台湾でインターネット通販事業に進出する。台湾の食品・流通大手の統一企業グループと提携、物流体制整備や 現地語への対応を進め、台湾で通販サイトを2008年上期(1―6月)中にも開設する。楽天がネット通販で海外進出するのは初めて。アジアを手始めに、海 外事業を拡大する方針だ。統一企業グループで、宅配便やコンビニエンスストア運営を手掛ける統一超商と連携する。楽天の仮想商店街サイト「楽天市場」で扱う商品を日本などから台湾へ配送できるようにする。現地商品の取り扱いも充実させる。
楽天はネット宿泊予約事業では海外に進出している。主力のネット通販について、三木谷浩史社長は11月の決算説明会で「08年中に(海外)2、3カ国・地域で開始する」としていた。今後は欧州、米国でも事業展開する予定だ。
シマンテックは11月27日、全世界を対象として行った「State of the Data Center Research」(英語版)レポートを発表した。
調査結果によると、データセンター管理者の最大の解題は、厳しい社内のサービスレベル契約(SLA)、データセンター自体の拡張、そして人材確保である ことが明らかになった。予算の増加はデータセンターの成長に追いついておらず、またデータセンターに求められるスピード、機敏さ、そして可用性は増加の一 途をたどっているという。
回答者の65%は自社内に正式な内部用のSLAが存在すると報告するとしており、32%は要求されるサービスレベルが急速に増大していると回答した。また51%は、要求されるサービスレベルを満たすことが過去2年間でより困難になったと回答している。
またGlobal 2000にランクされている企業は、データセンターの複雑さに対応するため年間66億ドル(約7260億円)を費やしていることも判明した。回答者の 52%は自社のデータセンターは現在、人員不足の状態にあると回答しており、回答者の69%は自社のデータセンターが少なくとも年率5%で拡張し、回答者 の11%は20%で拡張していると回答した。
さらに、回答者の90%はサーバの仮想化について少なくとも検討を行っており、50%は仮想化を導入している。また91%はサーバの統 合について少なくとも検討を行い、58%は統合を実施しているなど、特に米国を中心として回答者の過半数は、サーバの仮想化と統合が最大のコスト抑制のた めの戦略と見なしている。
データセンターの課題としては、回答者の86%が適切な人材の発見に困難を覚えていると回答し、68%は人材不足が問題である理由とし てデータセンターの管理が複雑すぎると回答した。また60%はスタッフが持つスキルセットの幅が狭すぎると回答、57%は従業員が持つスキルが現在のニー ズに合っていないと回答するなど、人材不足を課題として挙げている。
調査は、9月に米調査会社Ziff Davis Enterpriseにより行われた「Global 2000」にランクされている企業や大規模な公共事業体のデータセンター管理者に対して実施されたもの。
三井住友海上火災保険は2008年度から、パート社員を正社員に登用する新しい制度を始める。人手不足が深刻になるなか、パート社員の働きがいを高めて優秀な人材を確保する。事務の質向上につなげ、保険金不払いや保険料取りすぎの再発を防ぐ。
三井住友海上には約3600人のパート社員がおり、契約書類のチェック、契約内容のオンライン入力、簡単な事故処理などを担当している。今回の登用対象 は、同社が直接雇用している人と、グループの三井住友海上スタッフサービスが派遣した人で、合計約2500人。他の人材派遣会社からのパート社員は対象外 とした。
10月末、3カ月ぶりに中国大連空港に降り立った。着陸寸前まで揺れがひどくて久々に怖かった。空港ビルを出る と生憎の雪模様である。10月に雪が降るなんてまったく考えてもなく、防寒着を持っていなかった。夜などは突き刺すような痛みの寒さである。それで風邪を 引いてしまい、前回のコラムはお休みさせていただいた。(竹田孝治のインドIT見聞録)今回の大連行きは、IT教育と日本語を教える新しい学校ができたということで訪問させていただいた。実のとこ ろ、私は中国の民間における日本語教育というものには懐疑的であった。従来からもそのような民間の教育機関はあったのだが、二度と行きたくない学校ばかり であった。
なぜなら日本のソフトウエア開発における製造工程の下請け的な会社が多く、日本語教育の目的も日本語で書かれた 仕様書を読むための教育が主だからだ。コミュニケーション能力という面では意味を成さない場合が多い。日本語能力検定1級取得者は多いが、インド人の日本 語能力検定3級合格者とほぼ同等だと考えている。もちろん大学における日本語教育はしっかりとしている。
しかし今回、訪問した学校は日本語教育のレベルが違った。言語教育専門の日本人講師が、発音から徹底した訓練を行っている。プロの講師である。やっと大連にもまともな日本語教育機関ができたのかと、楽しみである。
さて、インドの話題に移ろう。先週のNTTデータのニュースリリースによると、同社はインドのバーテックスソフ トウエアの株式を取得し、連結対象の子会社にするとのことである。バーテックス社はインド西部のプネ市を本拠とし、日本および米国向けのオフショア開発を 事業主体としている会社である。私は同社を訪問したことはないが、インドでもっとも日本語教育が盛んなプネで日本向けのソフトウエア開発を行っている会社 として名前だけは知っていた。
プネ市はインドの中で研究学園都市として発展し、スーパーコンピューターを自前で開発したという実績もある。ま たプネ大学の日本語学科を中心として日本語教育が非常に盛んであり、日本語能力検定試験も実施されている。たぶん、インドにおける日本語教育では最高の都 市であろう。
ただし、残念ながら国際空港がなく、日本から遠いインドの中でも最も遠い都市のひとつである。日本を出発して必 ずインドの他の都市で1泊しないと行くことができない。私が拠点にしているチェンナイからは直行便もなく、バンガロール経由で3時間以上かかるのがネック である。
しかしそんなことは大きな問題ではない。インドに日本企業のソフトウエア子会社ができたというのには驚かされ た。今までNECとか富士通などのコンピューターメーカーがインドにソフトウエア開発の子会社や合弁会社を設立してきたが、私の知る限り日本の大手インテ グレーターとしては今回が初のケースではないだろうか。
私は資本関係のない海外の企業に開発を委託する「オフショア開発」というソフトウエア開発形態は非常に中途半端 だと考えている。どんなに優秀な経営者やマネジャー、先進的な技術者がいてもその企業の経営権を握らない限り、きちんとした自社向けの開発体制を作らせる ことはできない。
もちろん一過性のソフトウエアを開発するだけならそんな必要はない。しかし長期的なソフトウエアの保守まで含めると、あまりに企業文化が違いすぎる「インド企業」では任せられない。経営の意思統一が徹底できる環境が必要になってくる。
日本のインテグレーターの中で最も早くインドにおけるオフショア開発を立ち上げたと自負している私としては、オフショア開発の限界もわかっているつもりである。是非とも今回の子会社化の成功を願う次第である。
話は変わるが、11月9日はヒンズー教最大の祭り、ディワリが行われた。最南端のケララ州ではあまり盛んではな いようだが、インド全国で「光の祭り」が行われた。「富」の神様であるラクシュミー女神を祭り、日本の新年のように新しい服を買い、大掃除もし、身を清め てこの日を迎える。
夜になると街のあちこちがライトアップされ、家の前では油を灯す。しかし「富」の祭りである。そんな静かなことだけではない。新しい服も買うが、それより も前に花火を買う。道路の真ん中であろうが空き地であろうが、とにかくどこでもロケット弾が飛び交い、5000連発1万連発の花火が爆発する。少しだけ オーバーに言うと、隅田川の花火大会をあちこちの路地裏でやっているようなものだ。
私も1回だけ経験があるが、ビルの8階の窓に次々とロケット弾が当たるのには閉口した。企業が休みになることもあり、多くの日本人はこの時ばかりは国外に脱出する。しかしインド人にとっては「富」の祭りである。ここは祝う(=騒ぐ)時である。
サブプライム問題で世界中の株価が暴落している時、ムンバイ証券取引所の株価指数であるSENSEX指数は、乱 高下しながらも史上最高値である2万ポイントを瞬間的に超えた。先週1週間もまた960ポイント高で2万ポイント近くまで上昇した。「富」の神様を祭るの は良いことのようだ。
SEマネジャはビジネスとSE育成のキーである。これは筆者の現役時代からの持論だ。SEマネジャが弱いと,システム開発や基盤構築などのプロジェ クトはなかなかうまく行かないし,SEも育ちにくい。逆にSEマネジャが強いと,ビジネスや顧客との関係もうまく行くしSEも育つ。そのような考えのもとに前回と前々回,SE マネジャの方々にぜひ考えてほしいと思い「仕事は部下に任せよ」,「部下に使われるマネジャになれ」と筆者の考えを述べてきた。だが,SEマネジャの方々 の受け止め方は,各々の立場や仕事環境によってさまざまだろう。「話は分かるが納得いかない。疑問だ」という方もおられると思う。
事実,読者から「最近の定義ではマネジメントのあり方について『指示型―>コーチ型―>援助型―>委任型』への変遷を説いているものが出ています が,意識されていますか?。話す内容はぜひ最先端のものを取り入れてください。委任型でなくてはならない理由はありません」とか「SEマネジャが部下に使 われる,部下の救援要求を待つという受身の姿勢で,結果責任・指導責任を取れるのでしょうか? 疑問です」などのコメントもあった。その他にも読者の方々にはいろいろな意見があると思う。
そこで今回は,読者の方々により理解いただくために,前述の読者のコメントに答えながら,筆者の考えをより詳しく述べてみたい。
知ったかぶり,頭が回らなくなるマネジャ
読者の方が「マネジメントは指示型......委任型。SEマネジャが委任型でなくてはならない理由はありません」とコメントされているが,筆者はそれにはいささか異論がある。例を挙げて具体的に説明したい。
あるSEマネジャがいたとする。そのSEマネジャは20人前後の部下を持ち,顧客が8件。地域も東京,神奈川,千葉と広く大企業,中企業などいろ いろな企業がある。業界は製造と流通業界。システム開発・導入などのプロジェクトが10件あり,使われているシステムや製品はUNIX,Windows, ○○パッケージ,Cisco,Java,HP,UDB,メインフレームなどなど。協力会社も数多くある。このような仕事環境のSEマネジャはどこの企業に もよくいるのではないだろうか。
彼らがシステム開発のくわしいことや技術的な細かいことについて,部下の仕事をいちいちチェックしたり指示することができるだろうか?いろいろな製品や,システムや,アプリケーションを知り,またすべての顧客のマネジャや担当者の性格などを理解できるのだろうか?
筆者の経験では,システムや製品や顧客の数が増えれば増えるほど,それは至難の技である。あえて言えば不可能に近い。事実,読者の近くにも次のようなSEマネジャが結構いるはずだ。
(1)自分がわからないシステムや製品や業界でも,格好をつけて知ったかぶりでSEに指示するSEマネジャ。
(2)担当顧客が1,2件なら顧客に顔を出したりSEに仕事の指示をしたりするが,5件,10件となると頭が回らなくなって多くの顧客やSEを放ったらかすSEマネジャ。これが現実だ。このようなSEマネジャはとてもSEマネジャと言えまい。単に“シャシャリ出て"きて,できる範囲でやっているだけだ。それよりも 「自分はこれでよいのか,職務を全うするにはどうすればよいか」と,知恵と工夫を発揮してマネジメントのあり方を考えるべきだと思う。
ただ,金融や製造,電力などの大手顧客のプロジェクトを担当しているケースでは指示型マネージメントはやりやすい。だが,注意しなければならない のは,それができるのは自分がSE時代に使った製品やシステムを顧客が使っているうちだけだ。何年かたって自分がわからない製品が多くなると,指示型でや るのはそう簡単ではない。おそらく「委任型でなくてはならない理由はありません」とコメントした読者の方は1~2件の顧客しか持たないケースを想定したの だろうが,その世界でも指示型でやるのは難しい。
FTTHユーザーの増加やNGN(次世代ネットワーク)の商用化に対応するため,NTT西日本グループがIP 技術者の養成を急いでいる。同社が「高度IP技術者」と呼ぶ人材を,2010年度までに2400人確保する計画。技術系人材のレベルアップによって,既存 のIP系サービスやNGNの安定運用に結びつけたい考えだ。NTT西日本は,高度なスキルを持つIP技術者の養成のために,社内試験を通じた認定制度を運用している。認定レベルは,「SA」,「A」,「B」の3段階。SAレベルかAレベルを取得すると,「高度IP技術者」に位置付けられる。
NTT西日本は,NTTネオメイトなども含むグループ全体で,2010年までに2400人の高度IP技術者を育てる計画を立てている。現在,技術系の人材はグループ内に2万3000人程度いるという。計画通りであれば,技術者の約10%が高度IP技術者となる。
「ネットワーク構築や運用の総合力は,“人数×能力”となる。(グループの社員数が減っていく中で)インフラや技術の変化に対応し,IP系サービスを安定運用するには,能力の底上げが重要だ」(NTT西日本の佐々木貴朗サービスマネジメント部サービス戦略部門長)。
実践的な研修メニューを用意
そのためにNTT西日本は,特別な研修制度を整えた。SAレベルを目指す「プロフェッショナルコース」を春から夏にかけて開始し,AやBレベルを目指す「テクノカレッジ」を夏から順次開校中。バックボーンやアクセスなどの分野ごとに,研修コースを用意した(図1)。SAとAレベルを得るための試験には実技が含まれている。このため研修でも実機を使ったメニューを組むという。
特に力を入れたのが,光プロフェッショナルカレッジだ。期間はほかの研修よりも長い2年間で,光アクセス系の技術全般に加えて,直観力や指導力などの強化までを含めることで,光回線のエキスパート養成を目指す。
ただ,研修コースが実践型とはいえ,実際の運用環境とは別もの。IP技術を扱う以上,未知のトラブルが起こる可能性は常につきまとう。施策が実を結び,ユーザーへのメリットになるのかどうかは,現実の障害に遭遇したときに試されるだろう。
トヨタ自動車と生産子会社のトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)は28日、宮田工場(同)内に車体の開発拠点を設けると発表した。生産現場との連携で品質を高めながら開発の効率化を図るのが狙い。地元を中心に技術者約200人を採用する予定で、育成にも力を入れる。
【ベトナム】人材サービスのヒューマンリソシア(東京都新宿区)は27日、ベトナムの一流大学であるベトナム国家大学ハノイ校とベトナム国立ハノイ 工科大学の2校と奨学金制度に関する協定を締結した。情報通信技術、電子工学、電気通信、ナノ技術、機械工学、制御システムなどの3・4年生、大学院生、 卒業生に、日本語の学習費や教材費などを支給するほか、ビジネスレベルの日本語の研修を実施する。修了生はヒューマンリソシアの技術者として、日本の企業 で就労する予定。2008年に10人、2009年に20人の受け入れを目指す。
ヒューマンリソシアは、日本国内の技術者不足の深刻化を受け、海外の優秀な人材を日本の企業へ送り出す事業を強化している。今後、ベトナム、中国、インド、フィリピンなどへの就労支援により、2009年3月までに約100人の受け入れを目指す。
政府は16日の閣議で、少子化の現状と対策をまとめた「少子化社会白書」を決定した。日本の人口減少が、従来の予測より1年早い2006年から始まる可能性があるとしている。国立社会保障・人口問題研究所が02年に発表した人口推計では、07年から人口が減少するとしており、政府が06年からの人口減少に公式に言及したのは初めて。
白書では、〈1〉女性が生涯に産む子供の数を表す「合計特殊出生率」が04年に過去最低の1・29となった〈2〉「人口動態統計速報」の05年上 半期(1―6月)速報値は、死亡数が出生数を上回り、速報値ながら1968年の調査開始以来初めて、人口減少になった――ことなどを根拠に、06年に人口 減少が始まる可能性があるとしている。
このため、「『人口減少社会』が予想を上回る速さで迫ってきている」とし、日本が欧米と比較しても「超少子化国」となったと警鐘を鳴らしている。
その上で、子育て支援策の拡充が必要とし、地方自治体や企業の役割が重要だとしている。
内閣府では、急速に少子化が進む背景を、「フリーターやニート(就業、就学、職業訓練のいずれもしていない人)の増加で、経済的に不安定で結婚が できない若者が増えたことや、結婚しても教育費の負担増を考え、子供を産まないケースが増えたことも影響しているのではないか」と分析している。
また、白書では、国や家庭を含めた社会全体が子育てにかける費用を推計している。02年度1年間に18歳未満の子育てにかかった費用は、子ども1 人あたり173万円で、全体で38兆5000億円。このうち国や地方自治体の公費負担額は20兆円で、対国内総生産(GDP)比は約4%だった。
「人口減今年かも」厚労相
少子化白書に関連し、川崎厚生労働相は16日の記者会見で、「今年は人口が減る年になりそうだ」とし、2005年から人口減少に転じる可能性もあ ると指摘した。「まだ2週間あるが、(年間で)約107万人の子どもが生まれる。多分、それ以上の方々がお亡くなりになる年だろう」と述べた。
政府が決定した少子化社会白書は、06年からの日本の人口減少の可能性に初めて言及した。出生率の低下は、将来の働き手や、年金を始めとする社会保障制度の支え手、納税者となる世代が減少し、日本は活力を失うことにつながる。特に影響を受けるのが年金財政だ。
04年の年金制度改革で、政府は少子高齢化の動向に合わせて給付水準を自動的に引き下げる「マクロ経済スライド」を導入した。
年金の水準の前提となっているこれまでの人口推計では、総人口の減少は07年から始まることを前提にしている。04年の年金制度改革法では、妻が 専業主婦のモデル世帯の年金額が、現役世代の平均的手取り額の50%以上を維持するとしているが、前提となる総人口のピークが違えば、年金給付は引き下げ を余儀なくされる。
もともと、04年の年金制度改革の際から、政府の人口推計は、現実的でないとの指摘が出ていた。推計の甘さにより、社会保障制度全般の設計に狂いが生じかねない。政府は、その手当てを早急に進める必要がある。
総務省は27日、住民基本台帳に基づく人口調査結果(3月31日現在)を発表した。男性の人口は6207万6658人で、前年同期に比べて1万 680人(0・02%)減り、1968年の調査開始以来、初めて減少に転じた。総人口の伸びも前年同期比0・04%増と過去最低の伸び率で、日本の経済成 長や社会保障制度などに大きな影響を及ぼす「人口減少社会」の到来が間近に迫っていることを浮き彫りにした。総人口は1億2686万9397人で、前年より4万5231人(0・04%)増加した。増加数と増加率はともに過去最低だった前年を下回り、さらに鈍化した。
2004年度の出生者数は110万4062人。出生者数から死亡者数を引いた同年度の自然増加数は5万2980人で、いずれも79年度以降の比較可能な調査で過去最低だった。
総人口に占める65歳以上の老年人口の割合は、前年比0・48ポイント増の19・72%で、過去最高を更新した。15歳未満の年少人口が0・12ポイント減の13・91%、15~64歳の生産年齢人口が0・36ポイント減の66・37%で、少子高齢化も進行している。
都道府県別では、人口が減少に転じたのが群馬、京都、大阪の3府県。減少自治体は計35道府県にのぼった。総人口のほぼ半数を占める3大都市圏のうち、関西圏(京都、大阪、兵庫、奈良)は0・004%減と初めてマイナスに転じた。
国立社会保障・人口問題研究所は、出生率が標準的な水準で推移した場合、日本の総人口は2006年にピークを迎え、2007年から減少に転じると 予測している。男性人口については、今年10月1日現在で前年比約8000人減に転じると見ていた。今回の調査結果は減少に転じる時期が半年早く、減少幅 も上回っているため、同研究所は「人口の減少スピードは推計よりやや早まっているのではないか」としている。
同研究所の推計では、若手人口(20~34歳)は2000年から2020年までに約31%(約800万人)減少する見通しで、生産力の減退は避け られない。貯蓄を取り崩す世代である高齢者が増加して家計部門の貯蓄率が低下することも、労働力人口の減少とともに経済成長を鈍化させる要因となる。
人口減少や少子高齢化の経済・社会に与える悪影響を回避するため、政府の経済財政諮問会議などは、構造改革に取り組む必要があることを強調している。
少子化や人口減少により、2030年の労働力人口は、現在より約1070万人減少する可能性があることが28日、厚生労働省の推計で分かった。予想を上回るペースで少子化が進んだため、過去の試算より減少幅が拡大した。労働力人口の減少は、年金などの社会保障制度や経済成長にも影響を与えかねないため、厚労省は「就業支援などの対策が急務」としている。
政府は、急速に進む少子化に歯止めをかけるため、今の働き方を見直して、仕事と家庭生活を両立させる社会の実現を目指し、年次有給休暇の取得率を10年後には100%にするという数値目標を盛り込んだ「行動指針」の最終案をまとめました。
安曇野市内などの11事業所でつくる「明科工場団地協同組合」と加盟事業所が、中国人の研修生と技能実習生計72人全員のパスポートと定期積立の通帳を管 理していたことが分かった。市民団体の申し入れを受けて、パスポートは研修生らに返す方針。研修生らからは預かってほしいとの要望もあるといい、組合は、 年内をめどに通帳も含めた管理について個人の意向を調査する。
組合側によると、通帳は研修費や給料の振り込み用と定期積立用の2種類があり、振り込み用通帳と印鑑は研修生、技能実習生が持っている。研修生らは来日 前、中国側の送り出し機関との間で、盗難、紛失防止を目的にパスポートと通帳の管理を組合などに依頼し、月5万円を積み立てる内容の契約書に署名。積立額 は実情に応じて異なるが、パスポートなどの管理は、受け入れ始めた1998年当初から続いている。
組合加盟の事業所で技能実習中の20代の中国女性は「管理は(会社と自分の)どちらでもいい」とするものの、契約書への署名については「書かないと日本に来られない」と話す。
日本側の受け入れ団体、事業所を指導する財団法人「国際研修協力機構」(東京)はパスポート、通帳について「本人による管理が原則。依頼があった場合に限り、書類が整っていれば、組合や事業所が管理することに問題はない」とする。
こうした状況に、市民団体の「外国人研修生問題ネットワーク・長野」(長野市)は21日、組合に改善を申し入れた。高橋徹代表(50)は「研修先による パスポートや通帳の管理は、研修生らの逃亡防止の狙いも考えられる。自由の拘束で基本的人権の侵害につながる」と指摘。盗難、紛失防止のために、研修生ら が個人で安全に保管できる住環境整備も求めていくという。
これに対し、同組合の花村薫理事長(ちくま精機社長)は「断じて逃亡防止ではない」とし、「研修生の立場を一番に考えるのが何より大事だ」と話した。堀 金正行事業部長は「研修生らから返還を求められたことはない。むしろ帰国時に積立金を渡すと喜んでくれる」と説明。来日前の契約書署名については「強制的 な面があるかもしれない」と話した。
同組合は近日中に、研修生らがいる8事業所の代表を集め、期日を決めた上でパスポートを一斉に返すよう伝える。通帳については、希望調査の結果を見て検討する。
シマンテックは11月27日、世界的に行ったIT環境についての調査結果「State of the Data Center Research」を発表した。企業情報システムの現場では世界的にIT人材が不足。その中でも日本は特に深刻だった。調査は米Ziff Davis Enterpriseが実施。世界の情報システムの開発、運用に関わる800人以上が答えた。対象企業の平均従業員数は3万1250人。年間の平均IT予 算は米国企業で78億円、米国以外の企業は59億円。Global 2000に入る大企業が中心。800人超の回答者のうち、日本の回答者は12.2%を占める。
情報システム管理の世界的な課題は人員の不足。回答者の52%が人員が不足していると答えた。さらに「適切な人材が見つからない」が86%を占め るなど、「エンジニアの頭数ではなく、(優秀な)人材が不足している」(シマンテック マーケットインテリジェンスマネージャ 金崎裕己氏)という現状が明らかになった。要求されるサービスレベルを満たせない理由としても「職務を満たすだけの(エンジニアの)スキルがない」 (57%)、「(エンジニアの)スキルの幅が狭い」(60%)などが挙がった。
日本は特に人材不足が深刻だ。世界平均の52%を上回り、日本の回答者の61%が自社のデータセンターについて「人員不足の状態」としている。さ らに73%が「適切な人材が見つからない」、53%が「従業員の維持」を人員関連の最大の課題と答えていて、いずれも世界平均を上回っている。
日本で特に人材不足が深刻に考えられている理由を、金崎氏は「日本の情報システムが人に依存しているから」と推測する。日本の情報システムは、標 準的な運用管理基準や運用管理ツールを全社で導入することなく、現場の担当者の創意と工夫(と犠牲)で成り立っているケースが多い。属人的な運用が中心と なり、サービスレベルが安定しない問題もあるが、経営層にとっては多少の無理を聞いてくれたり、柔軟な運用が取れるというメリットがある。
金崎氏は「欧米は人材不足をツールで補おうとするが、日本は新技術に消極的だ」と話す。運用管理の中心に人がいるため、その人材不足の問題も「人 の補充」で乗り切ろうとしているのだ。同調査によると、「仮想化の利用率が世界中で最も低いのは日本」。新技術に対する消極性は際立っている。
人への依存は同一性が強い日本の文化的な問題との指摘もある。欧米の契約社会とは異なり、日本ではお互いの信頼をベースに口頭でのビジネスが一般 的だ。しかし、人に依存している反面、多くの日本企業は人への教育投資を渋ってきた。金崎氏は「企業の運用管理者のレベルが下がってきたと感じる」と話 す。原因はエンジニアの教育、トレーニング不足だ。教育、トレーニングのコストを負担すべき企業がこれまでの不況で、そのコストを削り続けてきた。ベンダ やシステム・インテグレータに自社の情報システムを丸投げする体質も残っていて、社内のエンジニアが育っていない面もある。
同調査によると、生産性についての調査で「職務を満たすだけの(エンジニアの)スキルがない」「(エンジニアの)スキルの幅が狭い」と答えた日本 の回答の比率は、世界平均と比較して高い。しかし、やはり投資は出し渋るようで、企業情報システムに対する今後2年間の平均予算増加率は、世界平均が 7.1%なのに対して、日本は4.9%だ。
結果として日本企業が考えるのは社内エンジニアに頼らない「アウトソーシング」。サーバメンテナンスやバックアップ、ストレージ管理などでアウト ソーシングを利用する比率は日本が世界を大きく上回るという。金崎氏は、売り上げに占めるIT予算の比率が日本企業は米国企業の半分とのデータを紹介した うえで、「日本企業の問題の根っこにはIT投資の少なさがある」と指摘した。
介 護を支える人材の確保を目指して、NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」(樋口恵子理事長)は12月9日14時から、女たち・多くの賛同団体の討ち入 りシンポ「介護人材確保のための大集合!“介護は待ったなし”」を東京都港区の虎ノ門ニッショーホールで開催する。介護の仕事の本質を伝えるとともに、そ れに見合わない低待遇の改善を現場から訴える。また政治の立場からの発言も求めており、舛添要一厚生労働大臣や各政党代表者にも出演を依頼している。
同会は今年9月、介護を社会の豊かさをはかるもう一つの基準軸として確立するよう、介護従事者の賃金に1人月額3万円を上乗せする「3万円法」(仮称)の制定を柱とする緊急提言を、舛添厚労相や各政党の代表宛てに提出。今回のシンポは、この要望に基づいて開催する。
シンポは樋口恵子理事長の趣旨説明で始まり、医療福祉ジャーナリストの大熊由紀子さんが「介護とはこういう仕事~老いを支えいのちを守る~」を題に講演する。
また、沖藤典子副理事長と柚井孝子副理事長を司会に、「介護最前線から訴える」として、ホームヘルパーや施設職員、家族・利用者といった現場からの声も届ける。
さらに、さわやか福祉財団で理事長を務める堀田力さんと樋口理事長を司会に、「いよいよ政治の出番です」と題するプログラムも予定。舛添厚労相や各党代表者に出演を交渉している。
終了後には、シンポ出演者らとともに、現在募っている介護人材の待遇改善を訴える署名をたずさえ、厚労省や財務省などに“討ち入り”も行う考え。
訪 問看護ステーションの約3割が事業損益で赤字になっていることが11月13日、全国訪問看護事業協会の調べで明らかになった。とくに職員が3人未満のス テーションでは約5割が赤字となるなど小規模な事業所ほど赤字の割合が高くなっていることも判明。同協会は、このような訪問看護事業を取り巻く厳しい実態 について厚生労働省が設置する「介護サービスの把握のためのワーキングチーム(WT)」(座長=慶応大学・田中滋教授)の会合で報告。業界や行政などが積 極的に訪問看護事業の活性化に向けて取り組む必要性を訴えた。
調査は、同協会が今年3月の事業損益について今年7月に会員を対象に実施。それによると、回答を得たステーションの31.6%が赤字だった。
また、職員数別・利用者数別・延べ訪問回数別で調査し、ステーションの規模ごとの赤字割合も集計した。
職員数別では、3人未満のステーションで51.6%、3~5人未満で35.6%、5~10人未満で26.0%、10人以上で14.8%がそれぞれ赤字。さらに、利用者数別と延べ訪問回数別でも、小規模なステーションほど赤字の割合が高くなっていることが分かった。
このほか、同協会は、人材不足によって約4割のステーションが訪問看護の利用を断った経験があることや、半年間に退職者がいたステーションが約4割に上る ことなどの調査結果、また全国的に事業所が偏在・不足していることなど、訪問看護事業を取り巻く厳しい実態についてWTで報告。
訪問看護事業の活性化の必要性を指摘し、それに向けて▽利用者把握の適正化▽事業経営の安定化▽訪問看護ステーションの共通するシステムの確立―について業界や行政などが取り組むことを訴えた。
「技術者の転職市場はさらに活性化へ」、
半導体特化の人材紹介会社に聞く (2007/11/27)
外資系の人材紹介会社の中では大手であるウォールストリートアソシエイツ(WSA)は2007年9月に、半導体業界に特化した同業者であるステップコンサルティングを買収した。目的は、半導体関連技術者の転職市場における取り組みを強化することにある。
これまでWSAは、金融や人事、ITなどの業界を対象に人材紹介業を展開してきた。その同社が半導体業界に事業範囲を広げた理由や狙いは何か。買収前は、ステップコンサルタントの社長で、現在はWSAのステップコンサルタント事業部でディレクターを務めるNeil Bevan氏に話を聞いた。(聞き手:山下勝己)
Neil Bevan(ニール・ベバン)氏。南アフリカ
出身。以前はラグビー選手でプロップを務め
ていた。
EE Times Japan(以下、EETJ) WSAが半導体業界の転職市場に事業範囲を広げた理由は何か。
Bevan 最近になって、欧米などの外資系半導体関連企業が相次いで日本市場に進出しており、転職市場が活況を呈していることが最大の理由だ。しかし、半導体業界の人材紹介業に参入するには、半導体技術に関する専門知識が欠かせない。人材を求めるクライアント企業の要望を理解し、最適な人材を見つけ出す必要があるからだ。そこでWSAはゼロから事業を築き上げるのではなく、7年にわたってノウハウを積み上げていたステップコンサルタントを買収した。
EETJ 技術者を対象とした人材紹介業を展開する企業は、国内にもたくさんある。こうした企業との違いは何か。
Bevan 競合する人材紹介会社が多いのは確かだ。しかし、半導体業界に特化しているのは、ステップコンサルタントだけだった。WSAに統合された後も、当事業部は半導体業界に特化して事業を進めていく。
半導体業界に特化しているため、当社が備える専門知識のレベルは高い。実際に当事業部のコンサルタントはすべて、かつてエンジニアとして活躍していた経験がある。このため、クライアント企業が求める人材のスペックを非常に深く理解できる。さらに、求職者が備える技術力を正しく評価できるため、最適なクライアント企業を紹介することが可能になる。
EETJ 半導体業界と一口に言ってもかなり広い。その中で得意とする分野があるのか。
Bevan EDAやFPGA、ASIC、電源、アナログ、グラフィックス、ワイヤレスといった分野にフォーカスしている。
EETJ 求職者はどのようにして集めるのか。
Bevan 優秀なエンジニアの友人もまた、優秀なエンジニアであることが多い。従って、過去に当事業部を利用したエンジニアの口コミで求職者を集めている。さらに、展示会やセミナーに参加しているエンジニアに声を掛けて、興味を持っていただいたエンジニアの名刺を集めるといった取り組みにも力を入れている。2007 年10月上旬に開催された「CEATEC Japan 2007」に展示ブースを構えたのも、求職者を集める活動の一環である。
EETJ WSAのホームページを見ると、求職情報はほとんど英語で記述されている。日本の技術者にとって親切ではないと感じる
Bevan クライアント企業の約9割が外資系の半導体関連企業である。しかもこの割合は今後高まる傾向にある。従って、ある程度の英語力を身に付けていることが最低限必要だ。このため求職情報は英語で記載している。
もちろん英語力が劣っていても、外資系企業に転職できる。しかし英語力が高ければ、昇給と昇進が早いという大きなメリットを享受できる。
EETJ 欧米諸国と日本の転職事情を比べた場合、最大の違いは何か。
Bevan 日本人の方が欧米人に比べると動きが遅いことだ。転職にかける時間は、欧米人の4倍程度も長い。欧米であれば、人材紹介会社のウェブサイトに名前を登録し、最適な転職先の紹介を受けると、すぐに転職を決めるケースが多い。しかし日本では、1人ではなく、さまざまな人に相談してから決断するため、多くの時間を費やすことになる。
EETJ 技術者向け人材紹介業を展開するに当たって留意していることは何か。
Bevan リレーション(関係)を大事にすることだ。われわれのビジネスにとってに商品は求職者だ。従って、大切に扱わなければならない。嘘をつくなど言語道断だ。求職者にとっても、当社にとっても、良かったと思える転職を実現しなければならない。実際に、過去1年の間で、転職した技術者が転職先を退職したケースは一度もない。その理由は、当事業部が備える専門性の高さにあると考えている。
■勝算ゼロからのスタート
「正直、目算や勝算なんてまったくありませんでした。目指すべき目標ははっきりと見えていましたよ。それはあるけれども、そこに間違いなくたどり着けるなんて自信があったかと問われたら、そんなの全然なかった」。
医師を専門とする人材紹介業は『民間医局』がスタートした時点で、すでに他社が手がけていた。「だから単なる人材紹介ビジネスとして考えれば、我々に先進性があったわけじゃありません。ただし我々は従来型の医師紹介をやるつもりはまったくなかった」。
既存の医師紹介ビジネスとは、どちらかといえば一匹狼的なお医者さんに働く場所を紹介するモデルだった。大学医局の 支配力が強すぎたために生まれたすき間ビジネスと言っていいだろう。医局の支配を嫌ってそこから飛び出す医師は、当然干される。勤務医として働く場所を見 つけることが難しくなるのだ。医師の勤務先について医局が持っていた権力はそれぐらい強大だった。医局の指示に背いた医師に残された選択肢は二つ、開業す るかあえて火中の栗を拾う覚悟で自分を雇ってくれる病院を探すかしかない。
こうした医師を雇う病院にはそれなりの覚悟が求められる。少なくともその医師の出身大学とその系列大学からは今後、一切医師を派遣してもらえなくなる可能性がある。そうしたリスクを犯しても医師の定員不足を補わなければならない病院が、どんな状態かは容易に想像がつくだろう。
医師の転職がそんな状況だったから『民間医局』も当然、同じ目で見られることになる。いくら目指すところが違うとはいえ、最初から相手を説得できる実績などあるわけもない。一つ目の成功事例ができるまでは、どんなに理想を語ってもそれは空理空論に過ぎないのだ。
金融マンならではのシビアな視点を持つが故に中村社長は、勝算アリなどと自信を持つことはできなかった。「ただ信じてはいました、我々がやろうとしていることは、社会にとって絶対に必要なことなんだと。必要なことは必ずいつか実現するはずだと」。
日本の医療をより良くしたいというホットな思いと使命感。そしてマクロな流れを読んで見出したチャンスに狙いを定めてクールに組み立てられたビジネスモデル。『民間医局』は21世紀を目前に控えた1999年、静かにスタートした。
■難攻不落の大学医局をどう落とすか
『民間医局』が対象とする医者は、従来型の医師派遣業のようなアウトロー的ドクターではない。大学医局にたくさんいる優秀な医師に、より良い働き場を提供することがビジネスモデルの根幹である。では、彼らにどうやってアプローチをかけるのか。
「正面から入っていっても門前払いされることは目に見えているわけです。そもそも医局にいる先生はみんな、とても忙しい。製薬会社のMRですら、まともに口をきいてもらえないぐらい時間に追われている。そんな相手にまだ誰も聞いたことのないような『民間医局』という名称で、のこのこ行っても相手にしてくれないのは目に見えているじゃないですか」。
そこで中村社長がひねり出した起死回生の策がオリジナルメディアの無料配布だった。『民間医局』開業と同時に同社は月刊『ドクターズマガジン』の発行に踏み切る。医学界に大きな影響力を持つ人物へのインタビューあり、医学界の抱える問題を掘り下げる特集ありと極めて高い問題意識に裏打ちされたクォリティペーパーである。質を高めるためには当然、それなりのコストをかけなければならない。ビジネスはスタートしたばかり、しかも「勝算ゼロ」状況で巨額の先行投資は相当に大きな賭けとなる。
「それでも、これ以外に大学の先生にリーチする手段はないと覚悟を決めました。我々がどんなに信念をもって理想を語っても、医局にいる先生には絶対に届かない。彼らの心に響かせるためには、彼らに影響力のある人に語ってもらうしかない」。
いわゆるインフリュエンサーマーケティングである。確かに一つのセオリーではあるが、本来は資金力に恵まれた大手の打ち手だ。あえて強者の戦略に賭けたことが後の成功につながった。
およそ医局に在籍する医師なら誰もが知っているような人物を取り上げた表紙は、まずそれだけでインパクト十分である。もちろん彼らが語る内容は示唆に富んでもいる。中村社長自らが編集長もインタビュワーも勤めればこそ実現できた、こだわりの誌面である。その訴求力は並みの雑誌の比ではない。
「独立独歩、大学の医局に頼ることなく、それでも高く評価されている先生は憧れの的なのです。そうしたオピニオンリーダー達が、医局に依存するだけが人生じゃないよ。医学をきちんと学ぶ道はいくらでもあるよと語ってくれる。これは効果絶大でしょう」。
もちろん、このメディアを自主発行することにより同社は創業当初から大赤字に見舞われることになる。クォリティをキープするために編集では一切の妥協を許さなかった。従って広告掲載についても極めて厳格な基準が設けられ、それをパスする掲載依頼はほとんどゼロ。それでいて全国の大学医局に勤める医師に対して、毎月5万部を無料で発行・発送する。膨大なコスト負担である。
「ただ、このメディアを発行することが、実は我々のサクセスロードだったのです」と中村社長は語る。『ドクターズマガジン』が切り拓いた成功への道とは、どのようなものだったのだろうか。
国際交流基金が先ごろ、海外の日本語教育機関調査を発表した。06年11月~07年3月の調査で、海外の日本語学習者は133の国・地域で約298万人。03年の調査時から3年間で26.4%増えた。最初に調べた1979年と比べると、学習者数は23.4倍となった。
学習者が最も多いのは韓国の約91万人で、世界の日本語学習者の3割を超す。2位は中国で68万人、3位はオーストラリアで37万人。今回の調査で新た に日本語教育が行われていると確認されたのは、モンテネグロ、オマーン、カタール、ウガンダ、ガボン、中央アフリカの6カ国。
日本語を学ぶ外国人が、世界各地で着実に増えている。課題として、適切な教材の不足や、教師の数の不足などが挙げられている。
中国オフショア開発の最新動向(11)-末富昌幸
一般的に中国ソフトウェア会社における人材の流動性は非常に高いと思われがちです。言い換えれば、人材定着率が非常に低く、取引相手として考えると好ましくないといったマイナスイメージがあるように感じます。このようなイメージが中国オフショア開発を敬遠する主な要因のひとつになっています。
しかし、実際のところ中国現地では人材が安定、定着しており、少なくともリーダークラスの人材はかなり安定している企業も非常に多いのです。それなのになぜ「中国ソフトウェア会社の人材流動性は非常に高い」というイメージがあるのでしょうか。
これには様々な要因があると思いますが、個人的には日本で働く中国人技術者の定着性に対する印象から、中国オフショア開発でも同じように人材定着率が低いのだろう、という誤解があるのではないかと感じます。
確かに日本に住む中国人技術者の定着率は、あまり良いとは言えない状況だと思います。多くの方から「中国人技術者を育て、実務経験を積ませてようやく一人前になってくれたと思ったら、他社に転職してしまった」といった事例をよく耳にします。もちろん人それぞれなので一概には言えませんが、全般的にこのような傾向があることは否定できません。
もちろん生涯日本をベースにして仕事をしたいと考えている技術者も多いですが「日本で業務経験を数年積んで、いつかは中国、故郷で独立したい」「日本での業務経験をキャリアにして、地元の企業に高待遇で入社したい」という考えも少なくないと思います。
向上心、積極性の表れとも言えますが、ではなぜ日本在住の中国人技術者は流動性が高いのでしょうか。ここで逆の立場、仮説で考えてみましょう。
仮に、日本のソフトウェア産業が現在も発展段階で、かつ高所得者と低所得者の差が非常に大きい国だとします。一方で、日本の給与の4倍の所得が得られるA国(但し物価も高い)があるとします。さらにA国は昨今、深刻な人材不足であり、海外からの技術者を受け入れたいという企業が多くあります。加えてA国でキャリアを数年積み、日本に戻ると日本企業から歓迎され、高待遇(新卒初任給の3倍以上の給与)で迎えられるとします。もし日本にこのような経済、産業の環境があったとしたら、皆さんはどのように考えるでしょう。
もちろん、人それぞれ価値観や考え方が異なるため、一概には言えませんが、A国に行って仕事をしてみたいと考える方も少なくないのではないでしょうか。その場合、A国の単一の会社で仕事をすることに固執するでしょうか。
このように考えると、中国現地の技術者に比べ外国である日本で仕事をしている技術者の流動性が高い傾向にあることにも素直に頷けるのではないでしょうか。
中国オフショア開発の実施に先立ち、中国人技術者を招聘、採用して受入れ、まずは試行してみようという日本企業が多くありますが、技術者は転職しがちだというマイナスイメージによって中国オフショア開発を敬遠するケースも少なくありません。
私としては、こういったことで、中国オフショア開発のマイナスイメージが先行してしまい、誤解が生じていることがとても残念です。中国現地では、人材定着率が高い企業も多く存在するという実態を、より多くの日本企業の方々に知って頂きたいと考えます。
国内に住む外国人犯罪者数が毎年増加していることが分かった。特に不法滞在中の外国人犯罪者数が相対的に大きく増加し、対策が急がれている。
ハンナラ党イ・ジュヨン議員は法務部国政監査で、外国人犯罪者数は2004年1万2千8百人から2005年には1万3千5百人、昨年には1万7千3百人に 毎年増加していると述べた。特に不法滞留外国人の犯罪者数は2005年の1900人から昨年は3400人に急増した。/外国人犯罪中一番頻度が高い罪目は 共同傷害と無兔許運転、詐欺などで示された。
イ・ジュヨン議員は不法滞留者は身辺関連資料が把握できず取り締りが難しい実情であると明らかにし、法務部に対策を促した。
関東や東海には一足遅れたが、関西のアルバイト時給が上昇カーブを描いている。景気拡大を背景に工場建設などが増え、全体に人材の不足感が強まっている。 阪神工業地帯など大型工場が稼働した地域では、業種を問わずアルバイトの確保に難航する企業も出始めた。ただ、人件費の増大が利幅を薄くし始めており、今 後も一本調子の時給上昇が続くかは微妙な情勢だ。
人材総合サービスのインテリジェンスが164の職種を対象に毎月集計しているアルバイト時給調査を基に年間の平均値を算出すると、今年の関西の平均時給(9月まで)は全職種で990円。前年比16円上昇し、直近でもっとも水準が低かった2003年比では67円高い。
首都圏を中心とする関東は1041円、好景気に沸く名古屋が引っ張る東海は1007円で、景気拡大がようやく関西の労働市場に波及し、アルバイト時給の上昇という形で表れたといえそうだ。
関西の時給を職種分類で見ると、製造業の軽作業や清掃などの「技能・労務」が昨年から横ばいだが、「飲食業」やカラオケ店、ガソリンスタンドなどの「サービス業」は着実に伸びている。
高校生から20歳代の若者に人気の飲食業の場合、大手外食チェーン各社がアルバイトの確保でしのぎを削っている。牛丼チェーンの吉野家ホールディングスは「東京都心部ほど深刻ではないが、大阪市内でもどうにか必要な人数を確保できている状態」という。
アルバイト時給が上昇した最大の要因は景気拡大に伴う労働需給の逼迫(ひっぱく)だ。アルバイトやパートのほか正社員を含む近畿の9月の有効求人倍率(公共職業安定所で扱った求人数を求職者数で割った値)は1.12倍。5年前の02年の平均は0.45倍に低迷していた。
製造業も人手不足は深刻だ。兵庫県尼崎市の臨海部には05年に松下電器産業のプラズマディスプレー工場が進出。現在は2つの工場でフルタイムの契約社員 など約1400人が働き、09年5月には約2200人に膨らむ予定だ。同年6月には隣接地にもう1つの工場が完成する。尼崎市内には中小企業の工場進出も 相次いでおり、アルバイトを含め人材の奪い合いが続いている。
尼崎市や周辺地区のサービス業を中心にアルバイト需給にもその余波が広がっており、最近は「求人の折り込みチラシを入れても、応募が1件もなかった」 (ガソリンスタンド)といった声が聞かれる。コンビニエンスストアのフランチャイズ店の経営者は、20歳代の男性2人を知人から紹介してもらい採用した が、「求人誌に掲載した数字より100円高い時給を払うことにして来てもらった」と打ち明ける。工場の軽作業などのアルバイトも不足気味という。
今後はシャープの液晶工場が建設される堺市臨海部などでも人手不足感が深まることも予想される。
商品を準備するアルバイト(大阪市北区のほっかほっか亭茶屋町店)
アルバイトに業務の大半を依存する業種では、時給を上げざるを得ない事情がある。弁当店チェーン「ほっかほっか亭」を運営するハークスレイは関西で過去3 年、毎年20円ずつ基本時給を上げている。人手不足が徐々に深刻になる中で、店を任せられる有能な人材を確保するには「時給を上げるしかない」(近畿第一 統括部採用担当チームの道端浩明係長)のが実情という。
人材の争奪戦は当面、続きそうだが、今後も一本調子で時給が上がる可能性は低い。原材料費が高騰する中、「これ以上の人件費増は経営を圧迫する懸念がある」(道端氏)ためだ。時給上昇が続いた関西のアルバイト市場も転換点を迎えているのかもしれない。
ガソリンや灯油の店頭価格が上昇している。石油情報センターのまとめでは、レギュラーガソリンが1リットル150.2円(全国平均、11月19日時点)と1987年の調査開始以来の最高値だ。スタンド経営者は「消費者の買い控えを招く」と需要の減少に気をもむ。だが、それ以上に深刻な問題になっているのは年末年始の帰省ラッシュを前にしたアルバイト店員の不足だ。
バイト不足はこの夏から続いている。「夏休み期間の学生バイト募集を情報誌に出したが、応募が全くなかった」。大手元売り系列の特約店経 営者は嘆く。募集広告に反応がなかったのは2度目。繁忙期には普段以上の人手が必要だが、社員や既存のバイトに過剰な負担をかけるわけにはいかない。結 局、苦肉の策として24時間営業の店舗の1つで、月遅れ盆のうち2日間の深夜営業をやめた。
人材大手のインテリジェンスがまとめた9月のガソリンスタンド店員の平均時給(全国)は919円だった。夏も冬も屋外で働くなど大変な仕事だが、全職種平均(975円)に比べ高いわけではない。
あるスタンド経営者は「人手を確保するために時給を上げるのは難しい」という。ガソリンや軽油などでの利益確保が厳しい中、人件費負担を増やしにくい事情があるからだ。
ではセルフ式スタンドへの業態変更は対策にならないか。資源エネルギー庁の調べでは、全国のスタンド総数が約4万5000カ所(2007年3月末)と12年連続で減少する一方、セルフ式の比率は年々上昇し現在は全体の15%程度を占めるに至っている。
店員が給油するフルサービス店はセルフ式よりも運営コストがかかる。人件費を浮かせた分を回せば、1リットル当たり数円とはいえ安いガソリンを消費者に提供できる計算だ。だが、フルサービス店のセルフ化はそう単純な話ではない。
フルサービス店は給油するためだけに人を置いているのではない。深夜・早朝に営業し、タクシーやパトカーなど業務用車両の洗車・整備を手 掛ける店は意外に多い。「女性や年配の人を中心にセルフ式を嫌がるケースがある」(あるスタンド店員)との声もある。こうした店舗がセルフ化すればこれま での収益源を放棄することになる。
地域に密着していた酒屋や家電販売店が消えていったように、バイト代も捻出(ねんしゅつ)できないようなガソリンスタンドはなくなって いく運命かもしれない。だが、スタンドには社会インフラとしての側面もある。石油業界は全国のスタンド網を維持しながら、多すぎるスタンドを減らすという 矛盾する課題に取り組まなければならない。
2007年11月20日から入国審査で指紋採取・顔写真撮影が義務化された。名目上は「テロ対策」ということである。これが私たち在留資格が「永住」であるものも例外なく適用されるということについては、その必要性に「疑問」を感じる。
日本ではかつて1999年まで外国人登録の際に指紋(左手人差し指)の押捺・提出が義務付けられており、これを人権侵害として在日韓国・朝鮮人を中心と した強い反対運動があった。その運動の高まりと同時に1980年代から1990年代にかけて指紋押捺の義務は徐徐に緩和されて行き、やがて1999年には 永住外国人だけでなくすべての外国人に対して撤廃された。
しかしアメリカの「9・11」同時多発テロ事件発生以降、アメリカを初めとした世界各国で、テロ対策として入国する外国人に対しての指紋採取、顔写真撮影などの義務化が進められている。これに対する反発も少なくなく、外交問題に発展するなどもした。
日本でも2007年11月20日から入国審査で指紋採取・顔写真撮影が義務化した。これは日本に在住する「永住者」資格を有する者にも例外なく適用され る。ただ、かつての日本の植民地「台湾」「朝鮮」に居住していた人たちだった「特別永住者」だけは除かれている。こうしたことに在日外国人の一部団体では 「人権侵害」であるとして反対の声を上げている。11月20日、法務省前で新入管法の施行に抗議する人々(撮影:荒木祥)
私が「指紋押捺」を最初に経験したのは今から45年も前、16歳になって外国人登録をする義務年齢に達した時である。
当時は現在のように光学的に指紋を採取したりする方法ではなく、油性のべっとりした粘性のある黒いインクをガラス板に伸ばしたところへ左手人差し指を側 面からぐるりと回して指全体にインクを付けて台帳数枚と証明書に直接押捺するのである。まさに自分が犯罪者にされた気分で「屈辱的な不快感」を覚えた。
その時以降3年(のちに5年)に一度、外国人登録証の切り替えの度にこの「屈辱的な不快感」を経験することとなった。一方、このことはそのつど私に「中国人」を意識させ、より一層私の「民族心」を強くさせるという側面もあった。
その後「指紋押捺」の方法も「感熱式のシールに押す」という簡便な方法となったが、基本的に犯罪者扱いされているような「屈辱的な不快感」を感じることには変わりない。
やがて、この「指紋押捺」の義務が廃止されることとなったが、この2007年11月20日から再び入国審査の際に義務付けられ、更に写真撮影もされると いうこととなった。このことは私にとって「不愉快」なことではあるが、日本政府の決定であり「外国人」として暮らしていく以上「反対」することはできな い。
在日華僑4世として、100年以上も日本在留を続けている我が家の「家訓」の一つに「いかなる悪法といえども、法は法。長期にこの国で安定的に暮らしてゆくためには遵守しなくてはならない」というのがある。
しかし「不愉快」であることを表明することは自由である。ただその「表明」する方法に「工夫」は必要である。私は親しい日本人に自分の「心情」を「折に触れて話す」ことにしている。
エン・ジャパン株式会社(証券コード4849)は、11月26日に日本最大級の人材派遣会社集合サイト[en]派遣のお仕事情報をリニューアル致しました。
『[en]派遣のお仕事情報』URL : リンク
昨今の堅調な景気動向を背景に、企業の人材需要は増しており、非正社員分野においても、積極的な人員増強が行われています。中でも派遣社員の需要はますま す高まりを見せており、これまであまり派遣社員を活用してこなかった専門職分野や、販売系職種の分野においても、活用が進んでいます。
派遣社員の活躍の場が広がる一方で、労働力人口の減少や非正社員の正社員化などの影響により、人材派遣会社においては人材の確保がますます困難になってい ます。このような状況のなか、人材派遣会社が充分な人材確保を行い、企業の人材需要に応えていくためには、主婦層など、これまで派遣社員として就業経験の ない人材の積極的な活用や、資格は保有しているが、その分野において実務経験を持っていない実務未経験者の活用などが求められます。
今回のリニューアルでは、こういった派遣会社をとりまく環境の変化に配慮し、より広い層の人材と求人情報とのマッチングが可能となるよう、多数の機能を追 加しました。[en]派遣のお仕事情報は、誰でも自分に合った仕事探しができる派遣情報サイトとして生まれ変わります。
■リニューアルのポイント
・お仕事情報が増える!
お仕事情報が更に充実。専門職分野の求人も、今まで以上に充実します。
・検索機能が更に充実します!
“使いやすい”と好評のお仕事検索が更に充実します。
□所要時間検索…自宅最寄駅から職場までの所要時間でお仕事検索ができる!
□対話型検索…一問一答形式で質問に回答していくと、自分に合った仕事を見つけてもらえる!
□資格検索…保有資格が活かせる仕事を検索できる!
・誰でも安心して応募できる!
安心してエントリーしていただけるよう、エン・ジャパンが1件1件の求人情報に派遣会社と4つの約束を交わします。
【派遣会社との約束】
・[en]派遣のお仕事情報に掲載する情報には、虚偽の情報は掲載しない。
・エントリーには、採否に関わらず1週間以内に返信を行う。
・応募情報は派遣業務以外の目的では使用しない。
・不要となった個人情報は、一定期間保管後、本人へ返却または責任を持って破棄処分する。
・モバイルサイトを刷新!
従来のPCサイトとモバイルサイトを併用するユーザー向けページと別に、PCを持たないモバイル限定ユーザー向けに最適化したページを用意し、幅広いユーザーを獲得します。
配信時間を選べる「新着お仕事メール」を設置!
順調に成長する中国ソフトウエア産業の課題(4)-葛島知佳(NRI上海)
中国のソフトウエア開発企業は、それぞれどのような成長を目指しているのだろうか。本稿の1回目でも触れたソフトウエア売上高上位100社の企業リスト(過去2年分、中国信息産業部が毎年発表しているもの)を利用して、主な企業を分析してみたい。
対象は上位100社のうち、組込ソフトの開発を主たる業務にしているものを除いた企業の上位30社とした。下の図は、その30社を規模(2006年のソフトウエア売上高)と成長性(2005年から2007年の売上高成長率)でプロットしたものである。
これを見ると、多くの企業が数十パーセントという高い成長を遂げていることがわかる。特に規模の面では神州数碼(デジタルチャイナ)が特徴的に高く、成長率も41.3%と高い非常に特徴的な位置にプロットされている。同社はもともとIT製品の代理販売を得意とする企業であり、ハードウエアを販売する強いチャネルを持っている。近年はそのチャネルを活かして開発したソフトウエアの販売が好調なことから、高い成長を実現しているといえよう。
一方、用友軟件・金蝶軟件などパッケージ型の企業は伸び悩んでおり(用友は6.2%、金蝶は9.9%)、規模の拡大はそれほど進んでいない。両社はともに、中国におけるERPパッケージでシェアの1位と2位を争う大手企業だが、成長という意味では苦戦しているようである。両社は近年、成長を実現するために買収を盛んに進めている。用友は税務ソフトの会社を、金蝶は中小企業向けSIerを買収しており、同業他社の買収によって事業分野の拡大や顧客基盤と事業規模の拡大をめざしているようだ。
また東軟集団(Neusoft)は、自ら私営のソフトウエア学院を設け、自社で人材を育成することによって規模の拡大を目指している。現在、大連、成都、南海にソフトウエア学院を設立しており、在校生の数は2万人以上に達している。そこではソフトウエア開発のための教育の他、オフショア人材育成のための日本語などの外国語教育なども行われている。東軟はこうして育成した人材を採用することで、自社が成長するための優秀な人材の囲い込みに成功している。同社はオフショアを含むソフトウエアの受託開発主体のSIerであり、上記各社のような販路や事業分野の拡大ではなく、優秀な人材を安定的に確保することが成長のポイントだと考えているように思われる。
このように各社の特徴をみると、成長には以下の3つのパターンがあることがわかる。
(1)販売チャネルを強みとした商材の拡大(神州数碼など)
(2)M&Aによる規模の拡大(用友軟件・金蝶軟件・中軟など)
(3)自社リソースで人員育成・確保(東軟集団など)
中国のソフトウエア産業は、前回も述べたように、中小規模企業の集合体のようなところがある。しかし各社はそれぞれインドのタタやインフォシスのような巨大企業になることを目指しており、それぞれなりの方法で成長を実現し、競争状況から一歩抜け出そうと模索していることは確かだ。はたしてどの企業がこうした生存競争に勝ち残るのだろうか。中国のソフトウエア産業はいま、市場の拡大とともに成長する段階から、生き残りをかけて成長を目指す次の段階に入りかけているといえよう。(執筆者:野村総研(上海)諮詢有限公司・葛島知佳)
中国とインドはともに急速に経済成長を遂げている発展途上国で、ソフトウェア分野で
はそれぞれの優勢を備えており、両国のソフトウェア業界の協力と競争は世界のソフトウ
ェア業の発展に対して無視することのできない影響を与えるものである。
現在、中国のソフトウェア企業でインドへ参入したものは少なく、インドのソフトウェ
ア企業による中国への参入が中心となっている。中国市場でインド企業が獲得している中
国大陸部の顧客は比較的少なく、勢力は大きくないため、中国のソフトウェア企業との競
争は多くはない。国際市場では、ターゲット市場があまり重複しておらず、中国の全体的
な実力と規模が比較的弱いことから、激しい競争には至っていない。しかし日本市場や中
国へ進出した欧米企業の市場では、既に競争が始まっていると言えるだろう。
1.中国とインドソフトウェア業界の交流と協力の由来
(1)歴史、文化、政治的な背景
中国とインドの両国の間には従来摩擦があり、また1990 年代の「中国脅威論」などが、
両国の相互不信をもたらしていた。この他に、文化的伝統の違いから一部のインド企業は
中国側との協力で閉塞的な状況を生み出し、中国の同業者を将来的な最大のライバルとみ
なし、また中国人がインドのソフトウェア技術を利用して自らと競争するようになると考
えてきた。総じて、歴史的、文化的、政治的要素によって双方の貿易協力(特にハイテク
分野での協力)が大きく牽制されてきた。例えば、中国のソフトウェア技術交流が自身の
ソフトウェア産業に対する脅威となることを懸念し、インドの議会は両国のソフトウェア
企業の交流に障害を設置する方案を制定してきた。インドのソフトウェア大企業である
Infosys Technologies は2002 年に、同法案のために中国に研究開発センターを設立する
計画を放棄して、代表事務所を置くだけに留まった。
しかし、ここ数年の両国指導者の相互訪問にともなって、ソフトウェア業の交流と協力
も徐々に増加してきた。中国の朱鎔基総理(2002 年)、温家宝総理(2005 年4 月)が相次
いでインドを訪問し、インドのバジバイ首相も2003 年6 月に中国を訪問し、両国の経済貿
易の発展やソフトウェア業界の交流と協力のための条件を生み出した。2005 年4 月、中国
とインドの両国総理は、「平和と繁栄へ向かう戦略協力パートナーシップ」を打ち立て、2006
年を「中国・インド友好年」とすると発表した。
(2)インドソフトウェア業の直面する困難
以下の3 つの大きな問題が、インドのソフトウェア業のさらなる発展におけるボトルネ
ックとなっている。
第一は、発展スピードと産業の品質の向上によって、ヒューマンリソース、特に高級人
材の需給バランスが崩れており、賃金水準も年平均15%以上のスピードで上昇、人的コス
トが急速に増加している点である。社会的問題は長期的に解決されておらず、発注側は安
全感を感じていない。世界クラスのソフトウェアウトソーシング大国としてはアジア市場、
特に日本や韓国、中国市場で大きなシェアを占めることができない。
第二は、欧米市場に対する過剰な依頼や、米国、一部のヨーロッパ国家でソフトウェア
ウトソーシング反対の気風が日ごとに強まっていることから、インド人は市場多元化の重
要性を意識し始めている点である。
第三は、アイルランドやロシア、中国などの国のソフトウェア業の大きな発展により、
米国からインド向けのアウトソーシングが減る可能性があること。
(3)インドソフトウェア業界から見た中国市場の戦略的地位
第一は、グローバル化傾向にともない、ますます多くの米国や日本のグローバル企業が
自社の製造能力や研究開発能力、ひいては運営センターを中国へ移転しており、インドは
中国にグローバルな顧客サービスセンターを設立することで、中国市場を日本や韓国のソ
フトウェアウトソーシング業務への参入のステップボードとすることができる。
第二は、質が高く廉価な中国の人的資源によって、急速な成長によるインドソフトウェ
ア企業の人材面での圧力を大きく緩和することができる。
第三に、中国のソフトウェア企業は比較的弱小であるため、インドソフトウェア企業に
対する脅威とはなり得ない。
第四に、中国には巨大なソフトウェア内需市場がある。中国の情報化発展の勢いは急激
で、ソフトウェア市場は日増しに成熟しており、新興市場の開拓を急ぐインドにとっては
大きな魅力である。
(4)中国とインドのソフトウェア業界双方の優勢
インドソフトウェア業界は次のような優勢を備えている。(1)インド企業は当初から国
際サービスのアウトソーシング移転のチャンスを掴み、国際市場における販売を重視して
きた。(2)産業構造において製品業務を重視するだけでなく、サービス業務も重視してき
た。(3)プロセス管理を重視し、成熟した人材トレーニング計画を有している、等。
中国ソフトウェア業界にも優勢がある。(1)潜在的な市場規模が大きい。(2)インフラ
設備がよい。(3)人的資源が豊富でコストが安い。(4)Linux 技術に強い。(5)グローバル
企業が集まっている。(6)日本や韓国市場に対する理解がある、など。
(5)中国とインドのソフトウェア企業の協力による影響
中国とインドのソフトウェア企業の協力によって、日本や韓国市場へのインド企業の進
出を助け、より優れ、より大きな規模でグローバル市場にサービスすることができる。同
時に中国企業は協力によってインドのフロー管理と品質管理の経験を理解し、低コストで
世界に立脚したソリューションを学び、高級専門人材を得ることができ、中国企業が米国
やヨーロッパ市場へ参入する役にも立つ。
しかし専門家の中には「(中国におけるインドのソフトウェア企業が雇用した)中国のプ
ログラマは、流れ作業の中の作業員に過ぎず、フローの全体ひいては一部分でさえ理解す
ることができない。またインド企業は欧米企業に比べて保守的で、決して中国人を管理層
に起用することはない。技術と管理を共に理解し、英語も上手な中国のソフトウェア人材
が本当の意味で育成されることは難しい。逆に、技術と管理を共に理解し、英語の上手な
人材は、中国におけるインド企業に勤めたがらないだろう」と心配する向きもある。上海
の有名な国際コンサルティング企業のIT 高級顧問であるマーク(Mark)氏は、長期的に見
るとプラスの影響よりもマイナスの影響が大きく、中国企業は独自の知的財産権を具える
技術を持ってのみ、初めて強大になることができると考えている。
(6)中国とインドのソフトウェア業界の協力可能な分野
ソフトウェア技術や顧客経験、企業管理、品質管理、人的資源といった多くの面で相互
のニーズがあり、双方の企業の協力の基盤となっている。
(1)アウトソーシング市場の分野における協力。
(2)IT サービス標準制定の分野における協力。
(3)人材トレーニング分野における協力。
(4)プロジェクト管理分野における協力。
2.中国とインドのソフトウェア業の協力と競争の現状
(1)協力と競争の現状に対する全体的判断
長期的に見てインドのソフトウェア業界が中国企業とグローバルな場で競争するように
なることは必然的だが、現状では、中国とインドのソフトウェア面での協力は競争よりも
重要である。国家発展・改革委員会ハイテク産業司の許勤副司長は、現在中国のソフトウ
ェアウトソーシング市場は主にアジアに集中し、インドのソフトウェアウトソーシング市
場は主に欧米に集中しているため、両国のアウトソーシング分野は大きな相互補完性を備
えており、インド企業がより有効的に東アジア市場への参入を実現するためには、中国と
の協力の強化とと、中国の資源と市場は不可欠である、と指摘した。
北京ソフトウェア産業促進センターの曲玲年副主任も次のように述べている。中国のソ
フトウェア企業がインドに追いつくには、依然として長い時間が必要だろう。また中国の
ソフトウェア企業のソフト市場の90%は中国大陸部と東北アジア地域によるもので、イン
ドの主な市場は欧米であり、両国のソフトウェア企業は完全に異なる2 つの市場を持って
いるため、短期的に競争することはありえない。
しかし業界内では中国とインドのソフトウェア企業、特にアウトソーシング市場の競争
は既に始まったと見る向きもある。こうした見方によると、中国のソフトウェア企業は日
本や韓国のソフトウェアウトソーシング市場の力を借りて、インドのソフト企業の手強い
競争相手となりつつある。地理的な優勢から、日本や韓国のソフトアウトソーシング業務
は大部分が中国企業によって請け負われており、また中国の北京や大連、上海、西安など
では比較的大きな産業クラスタ効果が形成されている。統計データによると、現在60%以
上の日本や韓国のソフトアウトソーシング業務が中国企業によって請け負われている。ま
た、世界のその他の地域ではノキアやモトローラ、シーメンスといったグローバル企業の
アウトソーシング業務はおおむねインド企業が請け負っているが、中国ではこうした業務
の多くは中国企業が請け負っている。そのため、インドのソフトウェア企業は競争を強化
している。2005 年6 月14 日から16 日に北京で行われた第9 回中国国際ソフトウェア博覧
会と、23 日から26 日に大連で行われた第3 回中国国際ソフトウェア・情報サービス交易会
で、インドのソフト企業は次々と受注を獲得し、中国企業に大きな競争の圧力を感じさせ
た。
(2)インドにおける双方の協力
A 協力の概況
インドに進出した中国のIT 企業は現在まだ少なく、代表的なものには華為や波導、中興
などがある。華為は研究開発に重点を置き、波導と中興はインド市場でのハードウェア製
品の販売により重点を置いている。
波導はインドで低価格路線を展開し、2005 年の携帯電話の市場シェアは既に3%-4%に
達し、毎月約4 万―5 万台を出荷、またAgrani という現地のチャネルパートナーを持って
いる。
B 華為インド研究所
華為(2004 年の中国ソフトウェア業界トップ100 リストのトップ、生産したソフトウェ
アは企業の内部で主に使用され、大部分はエンベディドソフトであり、厳密な意味でのソ
フトウェア企業ではない)―は早くも1998 年からインドのソフト企業との往来を開始した。
当時の華為はまさに急速に成長している時期で、顧客ニーズが急激に増加、次々と発注が
入っていたが、華為自身のソフト開発能力は明らかに遅れていた。そのため華為はInfosys、
Wipro といった有名なソフトウェア企業と協力していくつかのソフトウェア開発プロジェ
クトを行うと同時に、インドに研究開発センターを設立した。インド研究所は1999 年に設
立された。インドの「シリコンバレー」であるバンガローに研究開発センターを設立した
目的は、インドの十分なソフトウェア人的資源を利用し、インドの優れたソフト開発技術
と開発水準を学び、華為自身のソフトウェア開発能力を向上させるためだった。2005 年時
点でインドは華為の海外最大の研究開発センターとなっており、700 人近くの従業員がいる。
中国から来た従業員30 数人を除いては他の従業員は全てインド人従業員である。この研究
所は華為の主要なソフトウェアプラットフォーム製品の開発を行っており、中心は次世代
ネットワークソリューションやデータ通信業務、ネットワーク管理、インテリジェントネ
ットワーク、ビジネスインテグレーションソフトの5 大分野である。同社は2003 年8 月に
CMM5 級の認証を取得、毎年30%以上のスピードで成長している。
2006 年に華為はバンガローにもう一つ新しい研究開発センターを設立した。光ケーブル
ネットワーク製品と無線LAN 技術の研究開発を中心に行う。新研究開発センターには約180
人の光ケーブルネットワーク技術者がいる。華為は同研究センターに1 億ドルを投入して
おり、08 年末までに再度1 億ドルを投入する計画で、主に華為のバンガロー総合科学技術
園の建設に用いられる。華為はまた6000 万ドルを投資して製造工場を建設する計画だが、
インド政府の許可がまだ下りていない。
2006 年9 月の最新データによると、インドにいる華為の社員は1400 人で、その中の95%
はインド人である。インドでの業務は2 つの部分からなる。1 つ目は、華為通訊インド有限
公司で、ニューデリー附近に設立され、さまざまな通信設備やサービス、架設を提供して
いる。もう1 つの部分は華為技術インド有限公司のインド研究所で、バンガローに設立さ
れている。
華為のスポークスマン・傅軍氏によると、インドのバンガローに設立した研究センター
はここ3 年で規模を倍以上に拡大し、また国際的に最高のCMM-I 認証を獲得、研究開発ス
タッフも1000 人未満から1200 人以上へと増加、売上総額も3 億ドルに達し、2~300 件の
特許を獲得している。華為はまたインドのBSNL 社向けにブロードバンドネットワークを設
置、MTNL 社向けに80 万ラインのCDMA ネットワーク設備を提供、インドの電信サービス企
業2 社向けに固定無線端末を提供する契約を結び、またこれら製品の全てがインド電信部
のテストと認証を通過している。BSNL のブロードバンドプロジェクトはインドの「国家基
礎中核」プロジェクトの一部だ。この他に華為はまた、制限を避けて、現地企業と協力し
てインド国有電信企業の入札公募に参加している。傅軍氏によると、華為は現地のパート
ナーと、昨年BSNL 社が行ったGSM6000 万ラインの入札公募に参加したが、結果はまだ出て
いない。過去3 年の間に華為通訊インド有限公司はインド企業から3 億ドル前後を受注、
350 人以上の専門のセールススタッフと技術サポート技術者を具えている。
もっともインド国内の「中国脅威論」の影響を受けて、2000 年から華為は9 回にわたり
インド政府のFIRD(外国投資促進委員会)に貿易資格許可申請を提出してきたが、昨年7
月にインド国家安全委員会と軍部門は「国家安全に影響する」という理由でこの請求に対
して9 度目の拒絶を行った。06 年4 月にインド国家安全委員会が再度会議を開き、華為の
インドにおける工場拡張計画が無制限に延期された。華為だけではなく、中国のその他の
企業の正常な経営活動もインド側による排斥を受けている。典型的な例の一つは、中国企
業の従業員がインドのビザを取得するのは大変難しく、またインドの発給するビジネスビ
ザはわずか3 カ月の期間に限られ、3 ヶ月後には中国企業の従業員は必ず帰国しなければビ
ザが延長できない。華為と中国企業はいずれも、意見交流を増やして障害を除去すること
を期待している。
C 中興通訊がインド電信の主なサプライヤとなる
中興通訊は1999 年にインド市場に進出し、ニューデリーやボンベイといった多くの都市
に相次いで代表処を設立、またインドの「シリコンバレー」と言われるバンガローに顧客
サービス部門を設立した。現在、中興通訊のインドでの従業員のうち、現地の従業員が80%
以上を占めている。2002 年末に中興通訊とインド最大の国有運営キャリアの一つである
BSNL がCDMA 全国ネットワークソリューション協定を結び、その後他の現地国有運営キャリ
アと協力関係を確立した。現在、中興通訊がこの国有運営キャリア2 社向けに発売したCDMA
設備は200 万ラインに達し、この2 社の関連設備総量の70%前後を占めている。2005 年3
月に同社のインドにおける独資通信設備工場が正式に生産開始し、同工場はインドの
Haryana に位置し、敷地面積は約4000 平方メートルとなっている。現在既に竣工し生産開
始した一期工程では、毎年300 万ラインのCDMA システム設備を生産可能で、同時にGSM、
DSL、NGN、携帯電話、無線固定局といった設備の生産能力を備えている。これは国内の通
信企業が初めてインドに設立した製造センターで、インド及び周辺国家向けに移動、ブロ
ードバンドといった通信設備を提供する。
2006 年7 月末に、インド工商連合会、深圳市世界貿易中心倶楽部、深圳国際論壇有限公
司と共同で主催した「2006 年中国・インド電信連合フォーラム――インドで勝つ」が深圳
で開催された。会議期間中、中興通訊はインドのTATA 電信とCDMA システムの独占サプラ
イ契約を結び、契約総額は3000 万から4000 万ドル、インド電信の主なサプライヤへと躍
進した。
中興通訊のインド市場における売上は増加を続けている。2002 年から2004 年までの平均
の年成長率は200%に達している。2004 年の契約売上高は1 億ドル近く、2005 年にはこの
数字が2.2 億ドルに拡大し、また現状から見ると2006 年の中興通訊の契約売上高は4 億ド
ル以上になる見込みだ。中興通訊アジア・太平洋地区総裁の張任軍氏は「現在、中興通訊
のCDMA 製品のインドのBSNL 市場でのシェアは80%以上、DWDM 製品のインドのBSNL 市場
でのシェアは60%以上となっている。2004 年から中興通訊はインドの電信運営キャリアの
SPICE とSHYAM と戦略パートナーシップ関係を築いており、SPICE の全てのGSM および関連
製品は全部中興通訊から調達したものだ。また今後7 年のSHYAM の全てのCDMA システムお
よび端末も全て中興通訊の製品を採用する」と表明している。
(3)双方の中国における協力とその方向
A 協力の概況
インドのソフトウェア企業は1990 年代末から中国市場を注目し始め、2002 年からインド
の4 大ソフトウェア企業と中小企業の一部が相次いで中国へ参入し、上海浦東ソフトウェ
ア園と山東斉魯ソフトウェア園では中国におけるインド企業の集積地が形成されている。
またインドのソフト企業は山東や深圳、北京、香港などで事務所を開いている。2005 年に
は北京での合弁、独資企業設立の傾向が強まっている。
B インドのソフト企業(上位4 社)の中国投資の発展状況
(北京ソフトウェア・情報サービス促進センターのデータによる)
●TCS(Tata Consultancy Services)
TCS 社は1968 年に設立したインドIT 業界の先駆者である。TCS とその子会社は30 カ国
以上の国籍の43,000 人以上の従業員を持つ。2003 年に収入10 億ドルを超えた初のインド
のグローバルソフトウェア企業となった。現在TCS は世界のIT 企業において年収順で第14
位、純利益の順で第6 位、従業員数では第9 位にある。
TCS は2002 年に上海で全資子会社であるTata 情報技術(上海)有限公司(TITSCL)を設
立した。TCS が杭州で設立した世界レベルのグローバル開発センター(GDC)は、CMMI とPCMMI5
級認証を共に取得した初めてかつ唯一の企業となっている。TCS は中国で約200 人の従業員
を持ち、大部分は現地のIT エンジニアである。
現在TCS は中国の国家発展・改革委員会やマイクロソフトと初歩的な意向を交わし、世
界級のソフトウェアウトソーシング企業を共同で設立することを検討している。設立され
る合弁企業は今後5 年以内に5,000 人、7 年以内に1 万人の規模に達する計画で、中国のソ
フトウェア産業、特にアウトソーシング業界のモデルとなる見込み。
●Infosys(インフォシス・テクノロジーズ)
Infosys はインド最大のソフトウェア企業の一つで、2005 年の従業員総数は約4 万人。
主にAirbus SAS やアップル社、シスコ、Monsanto、Nortel、東芝といった国際的な有名
企業のためにソフトウェア開発を行っている。先の財政年度におけるInfosys 社の営業収
入は16 億ドルで、2005 年財政年度では20 億ドルに達すると同社では予測している。
Infosys は中国・上海と杭州にオフショア・アウトソーシング開発センターをそれぞれ設
立し、合計6,000 人のエンジニアとプログラマを収容可能。新たに設立される開発センタ
ーは主にInfosys の世界の顧客に向けてソフトウェア開発と事務などのサービスを提供す
る。2006 年時点で同社は中国で750 人の従業員を持ち、2007 年には1750 人のプログラマ
を増員する見込みだ。Infosys 科学技術社は、今後5 年で6500 万ドルを投入して6000 人の
エンジニアを募集し、中国でのアウトソーシング業務を拡大すると発表している。Infosys
の中国業務担当のスリナス・バトニー取締役は「2009 年には中国で1 万人の従業員を持つ
ようになる。弊社は中国の発展した地域を中枢として、中国現地市場に着目するだけでな
く、北東アジアすなわち日本と韓国の市場を目指す」と述べている。同社は今後北京にも
独資企業を設立する意向だ。
教育部はインドのInfosys 社と協定を結び、国家留学基金管理委員会が中国の関連大学
から100 人の優秀な学生を選抜してインドのInfosys 社に1 学年(7 ヶ月)の実習に派遣す
ることになった。同社は学生の対して実習期間の住居や食事、所在都市の市内交通や医療
保険などを提供し、また実習期間には学生一人当たり生活補助として500 ドルを一括支給
する。今年同社は実習に参加した学生96 人に資金援助を行った。
●Wipro(ウィプロ・テクノロジーズ)
Wipro 社の2004 年9 月までの従業員総数は約37,000 人で、世界にニアショア開発センタ
ー8 カ所と販売機構33 カ所、ディザスターリカバリーセンター(災害復旧)1 カ所がある。
同社はニューヨーク証券市場に上場しており、2004 年の市場価格は85 億ドルを超えている。
世界に362 社の顧客を持つが、そのうち144 社は世界トップ500 企業あるいはフォーチュ
ーンのトップ1000 社である。
Wipro 社は2004 年8 月に上海・浦東ソフトウェア園でWipro の第1 社目の中国組織であ
るWipro(上海)公司を設立した。同社はWipro の全資子会社で、2005 年末には150-200
人に達する見込みであり、その80%が中国現地の従業員、残りがインドの従業員となる。
Wipro 社は北京・中関村ソフトウェア園への入園協定も結んでおり、北京に中国第二の下部
組織を設立、同社は北京に進出する初めてのインドのソフトウェア大型企業となる。
●Satyam(サティヤム コンピュータサービス)
サティヤム(ニューヨーク証券市場コード:SAY)はインド第4 位の大型ソフトウェア企
業で、世界の5 大州、46 の国家で22,000 人の従業員を持つ。同社の20 以上ある開発セン
ターはアメリカやイギリス、カナダ、ハンガリー、シンガポール、マレーシア、中国、日
本、オーストラリアに分布し、390 社以上の世界の顧客に向けてサービスを提供しているが、
そのうち144 社は世界トップ500 企業である。
Satyam 社が2003 年2 月に上海・張江高科技園区浦東ソフトウェア園に設立したSatyam
ソフトウェア技術(上海)有限公司(外商独資企業)は、中国で最初にインドIT 企業が設
立した研究開発センターとなった。同社は敷地面積1,500 平方メートル以上、200 人以上の
従業員を収容可能で、高速なネットワークやテレビ会議、IP 電話、指紋識別システムとい
った設備を配備している。
Satyam 社は2004 年に大連で開発センターを設立した他に、グレーターチャイナ地区での
営業拠点は北京や香港、台湾にもある。Satyam ソフトウェア技術(上海)有限公司は250
人以上の有能な従業員(98%が現地の従業員)を有している。同社では2007 年には3,000
人の規模に拡大する予定。この他にSatyam 社は中国で自社パークを設立する計画で、その
規模は3 年以内に5,000 人に達する予定。同社のトップ層は成都、西安、天津、南京、北
京を考察に訪れ、それら市の政府と一連の話し合いを行っている。
2006 年8 月にSatyam ソフトウェア技術(上海)有限公司・市場部の姜穎氏によると「マ
イクロソフトと中国市場を共同で開発する備忘録を結んだばかりだ。現在は西安、成都、
南京、天津の4 都市からソフトウェア研究開発基地を選んでいる段階で、基地の選定が終
わり次第1000 人規模の人材募集計画を開始する」と述べている。
(4)実質的な協力が速やかに開始される必要がある
現段階では、インドのソフトウェア企業が大規模に中国へ進出しているのは利益の大き
い電信業や銀行、製造業といったソフトウェア市場を狙ってのことで、双方の実質的な協
力は多くはない。インドのソフトウェア企業は中国投資に対して明らかに慎重である。統
計によると、2004 年の第3 四半期までに21 社のインド企業が中国へ直接投資を行っている
が、投資総額はわずか1,700 万ドルで同じ時期の外国のIT 企業による対中直接投資に占め
る割合は大変小さい。
中国ソフトウェア・技術サービス株式有限公司(中軟)の唐敏・董事長が「IT 時代週間」
に語ったところによると、中国とインド両国のソフトウェア企業の協力は現在始まったば
かりで、認識の面でもまだ統一されていないという。中国側は協力の余地はあるとみなし
ているが、双方がどのように相互補完してどのように協力し、どこから手をつけるべきか
は共に検討する必要がある。中軟の副総裁とソフトウェアウトソーシング経理が既にイン
ドを考察で訪れている。双方は中国とインドのソフトウェア面での協力について話し合っ
ている。もし協力できるなら、まずアウトソーシング分野から協力するだろう。
唐董事長の観点はインド第2 のソフトウェア企業であるInfosys Technologies のグロ
ーバルCEO である林徳茂氏にも認められている。氏は「インドの企業は比較的保守的で、
中国企業も独自の考え方がある。このため人材面での協力を除くと短期的にはその他の協
力の可能性はないだろう。もしあるとしても、協力の意向の芽生えでしかないだろう」と
見ている。
3.中国ソフトウェア業界の対応
(1)中国政府による協力促進
A 中国・インドのソフトウェアサミットと円卓会議
国家発展・改革委員会の委託を受け、北京市発展・改革委員会と北京市科学技術委員会
が主催し、北京ソフトウェア産業促進センターと中関村ソフトウェア園が請け負った第一
回中国・インドソフトウェア企業協力サミットが2005 年2 月27 日開催された。同サミッ
トには有名なIT コンサルティング企業のGartner やインドの有名なソフトウェア業界機構
のNASSCOM とESC、またTCS、Infosys、Satyam、Wipro などインドのソフト企業などの代表
と、中国政府の関連部門やソフトウェア企業、業界組織の高層が参加して、「協力と発展―
―中国・インドソフトウェア企業の新たなチャンス」というテーマで対話を行った。今回
のサミットは中国とインドのソフトウェア産業の全面的な交流と協力を促進することに力
を入れると同時に、北京とインドの協力を実質的なものとし、中国とインド、特に中関村
ソフトウェア園とインドのバンガローソフトウェア園との協力の機運を形成し、双方の協
力を適切に推進し、そこから中国とインドのソフトウェア産業の協力のために望ましいき
っかけを生み出そうとするものだ。
国家発展・改革委員会や情報産業部、科学技術部、商務部の4 つの部と委員会が主催し、
北京市発展・改革委員会が請け負った中国・インドソフトウェア産業企業家円卓会議が2005
年9 月22 日北京で開かれた。インドの国家ソフトウェア・サービス企業協会(NASSCOM)
とインドで最も影響力を持つソフトウェア企業26 社のCEO からなるインドのソフトウェア
産業の企業家代表団が会議に参加し、中国の北京や上海といった6 カ所のソフトウェア輸
出基地と40 社以上の中国のソフトウェア企業の指導者が交流を行った。
2006 年2 月14 日、北京市の范伯元副市長が率いる考察団がインドを訪れ、バンガローで
開催された第2 回「中国―インドソフトウェア産業サミット」に参加した。この考察団メ
ンバーは40 人以上、国家発展・改革委員会、北京市発展・改革委員会、科学技術委員会、
北京中関村ソフトウェア園、ソフトウェア促進センターといった部門のスタッフと用友、
北京博彦、信必尤、文思などのソフトウェアウトソーシング企業15 社の高級管理職からな
る。この考察団はまたNASSCOM(インド国家ソフトウェア・サービス業会協会)の「指導者
年次総会」にも参加した。この考察団はインド企業が欧米の顧客を獲得している成功した
経験を学習し、発展・改革委員会が2006 年4 月に国内のソフトウェアウトソーシング企業
を組織して米国へ誘致のために訪問するための準備を行うものだった。
2006 年グローバル企業家サミットフォーラムが2006 年9 月17 日に北京の中国大飯店で
開催された。今回のテーマは「グローバル化の次の一歩:世界の知恵を開き、卓越の道を
照らす」である。その中で、中国・インドフォーラムが17 日午前に開催され、中国とイン
ドの企業家と学者が中国・インド間の競争関係と協力のチャンスについて討論を行った。
2006 年8 月10 日、「上海ソフトウェアウトソーシング国際サミット」が終了し、中国と
インドの両国のソフトウェア業界からの企業代表が上海西郊賓館に勢ぞろいした。インド
側企業の代表には有名なTata 社、Satyam 社、中国側には東軟を代表とする数百社のソフト
ウェアウトソーシング企業が参加した。会に参加した各方面は、ソフトウェア人材がソフ
トウェアウトソーシング市場の争奪戦における中心的要素だと見なしている。
B 中国・インド・米国の合弁によるアウトソーシング企業の設立に努める中
国政府
国家発展・改革委員会と米国・マイクロソフト社の協力枠組みを基盤として、北京市発
展・改革委員会は今年6 月に中国・インドソフトウェアプロジェクト協力弁公室(事務室)
を設立、マイクロソフト社と共にそれぞれ4 社のインドのトップクラス企業と何度も折衝
し、最終的にインド最大のソフトウェア企業であるTCS を協力パートナーに選んで、協力
して中国最大のソフトウェアウトソーシング企業を生み出す「合弁意向書」を結んだ。
北京ソフトウェア・情報サービス促進センターの副主任であり、中国・インドプロジェ
クト協力事務室の主席代表である曲玲年氏によると、現在三者(中国・インドソフトウェ
アプロジェクト協力事務室(北京・天津地域の国家ソフトウェア輸出基地運営企業を代表)、
米国・マイクロソフト社、インド最大のソフトウェア企業であるTCS)は合弁企業設立につ
いて大まかな枠組みを取り決めた。インド側は持株を、中国側は董事長を派遣、マイクロ
ソフト側はプラットフォーム業務を提供して合弁企業を支援することとなった。企業の
75%の業務は国際市場により、年2,000 人のトレーニング能力を備え、企業の従業員は1
万人前後となる計画だ。
また新浪が9 月に報道したところによると、現在合弁を行う3 社は1 ヶ月以内に、中関
村ソフトウェア園が提供する初期の用地や合弁企業が将来建築するソフトウェア園の土地
の許可問題、また合弁企業が将来的に重点企業として関連の優遇政策を享受するか否かと
いった運営後に直面する中心的な問題について、具体的な詳細について話し合いを行うと
いう。関係者によると、企業憲章や契約、5-7 年のビジネス計画書、事業可能性調査研究
報告といった文書を完成させるのに少なくとも2 ヶ月かかる見込みで、交渉は年末までに
完了する見通しだ。協定の内容によると、中国とインドの双方は共同で大型ソフトウェア
企業を設立し、当初の規模は5,000-8,000 人に達する予定。「国際水準の大型ソフトウェ
アウトソーシング企業」と位置付けられたこの合弁企業は、国内のソフトウェアウトソー
シング企業に対する実際のモデルとなるのと同時に、国内アウトソーシング企業の人材ト
レーニングや技術蓄積の問題を解決し、最終的に国内のソフトウェア企業が欧米市場へと
発展するためのステップボードとなるだろう。
(2)中国ソフトウェア業界の発展に対する政府主管部門の見方
国家発展・改革委員会ハイテク司の許勤・副司長と綦成元・副司長は、米国やインド、
アイルランドといったソフトウェアの先進国と比較すると中国のソフトウェア産業は依然
として大きな距離があると相次いで表明している。まず産業の規模が小さく、大型の主幹
ソフト企業とソフトの主力産業が不足し、国際競争力が弱いこと。第二は革新能力が弱く、
資源の共有レベルが低く、人材が不足し構造が非合理的であること。第三はソフトウェア
産業の付加価値が低く、産業化能力が弱いこと。第四はソフトウェア輸出能力が弱く、国
際市場の開拓能力が十分でないこと。第五はソフトウェア開発の標準化とプロセス化のレ
ベルが低いこと。
綦成元・副司長は、こうした問題に直面して中国政府はマクロ指導を強化し、産業政策
をさらに改善、ソフトウェア産業の発展に役立つ良好な環境の創出に努め、中国をグロー
バルなソフトウェア発展に最も適した地域の一つにすることに力を入れていると述べた。
具体的には、インドのソフト産業発展の成功経験に学び、一方では巨大な国内市場の潜在
力の優勢を十分に発揮し、他方ではソフトウェア産業の国際協力と競争を推進する平行的
な全体的戦略を実施する。人材戦略の実施を徹底し、ソフトウェア人材のトレーニング能
力をさらに強化、情報技術の急速な改善と発展の要求に応えられるような適切な教育シス
テムを確立、投融資政策をさらに改善し、ソフトウェア産業の投資管理とコントロール体
制の改革の方法を探り、ソフト開発とプロセス管理システムを積極的に推進、あらゆる機
会を捕らえてソフト企業の発展のスピードアップを支援する。
この他に発展・改革委員会、ソフトウェア産業促進センターなどの関連部門では2006 年
の米国のアウトソーシング市場開拓目標を制定した。
(3)中国ソフトウェア業界関係者の見方
北京中関村ソフトウェア園発展有限責任公司の郭再斌・総経理は2005 年3 月23 日に新
浪科技で自らの考え方を表明した。郭総経理の発言は主に次のとおり。中国のソフトウェ
ア産業は機械的にインドのモデルを真似することはできず、最終的には独自開発の道を歩
まなければならない。政府の支援の下で独自の革新能力を向上させ、自主的なソフト産業
システムを確立する必要がある。中国はインドの成功経験を学んで手本とする必要がある
のと同時に、ソフトウェアウトソーシングを大きく発展させることは、中国のソフトウェ
ア企業がプロジェクト管理水準を速やかに向上させ、国際市場のチャネルを開拓し、ソフ
トウェア開発の高級人材を育成、国際ソフトウェア産業発展の傾向を速やかに理解し、国
際ソフトウェア市場の需要を把握する上でも重要な役割を持つものであり、中国のソフト
ウェア企業は国際ソフトウェア産業との距離を縮め、国際市場の競争に参与できるように
なるだろう。現在の状況では、インドのソフトウェア企業との協力を選びアウトソーシン
グ業務での協力を大きく展開、特にオフショアアウトソーシング業務(オフショアアウト
ソーシング業務は言語に対する要求がそう厳しくはないため)の協力を強化することは、
優勢を相互補完して「ウィンウィン」を実現し、中国ソフトウェア産業の発展を推進する
ための早道だと言える。
倪光南院士(中国国産ソフトウェアの推進を提唱する有名人)も、中国は簡単にインド
モデルをコピーすることはできないとみなしている。氏は「ここ数年、国内のソフト企業
には金山や永中、紅旗といった多くのブランドが出現し、当初は主にアプリケーション分
野に集中していたものの、ここ数年は基礎ソフト分野でもブレイクスルーを実現している。
現在中国は既に独自のLinuxOS を持ち、またデータベースやミドルウェアも一定の発展を
遂げているが、これらはみなインドのソフト業界に欠けるものだ。今後ソフトウェア産業
チェーンで中心的な地位を占めるのは、知的財産権を中心とし、ブランドや製品、ソリュ
ーションによって成長する企業である。現在国内のソフト企業の一部は確かにこうした方
向に向かって発展している」と述べている。
4.日本企業への提案
現在、中国とインドのソフトウェア協力はアウトソーシング市場のみに限られており、
合弁企業のターゲット顧客も欧米市場を対象としているが、日本のアウトソーシング市場
も目標の一つとなることが予測される。この他に、中国とインドの協力によるソフトウェ
ア企業が、チャンスがあれば中国のソフトウェア市場へと転換する可能性もないとは言い
切れない。また、インドのソフトウェア企業による中国市場開拓の現状を見ると、インド
のソフトウェア企業は中国で既にある程度のブランドイメージを確立しており、中国の政
府レベルとの積極的な交流や意見交換を通じて政策的な支援を獲得し、インドのソフト企
業の中国での地位の基礎を固めている。日本のソフト企業にとっては、一面では中国とイ
ンドのソフトウェア合弁企業における規模や技術管理の優勢と価格性能比の優勢を利用し
て、日本のアウトソーシング市場にサービスしてもらうことが可能であると同時に、また
一面では潜在的な脅威も認識すべきところであろう。中国のソフトウェア市場が徐々に成
熟して拡大を続け、政府の知的財産権保護業務の推進やグローバルなソフト企業が中国市
場をより深く理解するのにともなって、外資のソフト企業による中国への投資が急速に増
加する傾向にある。今後数年で、中国のソフトウェア企業の数は減少し、実力を備えたあ
る程度の規模の合弁ソフト企業が登場すると予測される。こうした国際的なソフト企業と
国内の比較的大きな企業が協力してますます強大になることで、多くの中小ソフト企業に
とってはより大きな脅威と試練となることが考えられる。日本企業は、一方では中国市場
への投入を拡大して、ハイエンド応用市場でブランドや製品の優勢を確立し、政府との交
流と協力を強化して、中国市場で一定の地位を占めるよう努めるべきだろう。またもう一
方では、中国のソフト企業の調整、再編のチャンスを捉えて、買収や持ち株といった方法
によって、速やかに中国市場での競争力を高めることを検討すべきである。
主な参考情報
新浪(www.sina.com.cn )
人民網(www.people.com.cn)
中国新聞網(www.chinanews.com.cn)
計算機世界網(www.ccw.com.cn)
百納網(www.ic98.com )
北京ソフトウェア・情報サービス促進センター資料
情報産業部資料
「ITマネージャ世界」(雑誌)
「グローバル企業家」(雑誌)
「IT時代週刊」(雑誌)
「中国経済時報」」
「北京現代商報」
「南方都市報」
「第一財経日報」
「国際先駆導報」
「毎日経済新聞」
「21世紀経済報道」
「国際金融報」
「経済観察報」
「揚子夕刊紙」
「深セン商報」
「香港商報」
●●コメント●●
民間企業(56人以上)の今年6月1日時点の障害者雇用率(社員に占める障害者数の割合)が1・55%となり、過去最高となったと厚生労働省が20日発表 しました。雇用率上昇の背景には、企業側がCSR(企業の社会的責任)やコンプライアンス(法令順守)に対する姿勢を強化していることや、厚労省の指導強 化があります。しかし、法で定められた1・8%には依然としてほど遠く、一層の努力が求められています。(井田通人)
≪ユニクロは7・43%≫
「初めは1日6時間労働だったが、今は一般社員と同じ8時間。仕事内容にも制約はない」
東京都台東区にある「ユニクロ浅草ROX店」。働いて5年目になる鈴木郷さん(29)の表情には、働くことへの充実感が漂う。
鈴木さんは、20歳のときにスノーボードに当て逃げされ、「高次脳機能障害」という障害を負った。療養・リハビリ後、職業訓練施設に通い、5年 前に入社。正社員や契約社員とアルバイトの中間的存在で、月100時間以上働き、健康保険に加入できる「準社員」として働いてきた。
「初めは(記憶障害で)メモを取ったこと自体を忘れたり、バスに乗って降りる際に切符をなくしていたりしていたが、仕事が刺激になり、脳が正常化した。今は右側の視野が狭いくらい」。鈴木さんはこう喜ぶ。
ユニクロの店舗数は、約770店。6月1日時点で633人の障害者が働き、雇用率は7・43%に達する。
店員の採用は、基本的に各店舗が決めている。「店舗の実行力に加え、本部が2001年から、各店1人の障害者採用をめざしてきた。成功・失敗事例はノウハウとして蓄積している」と、ユニクロ広報。
ユニクロに限らず、障害者を雇う企業は増えている。企業がCSRを重視し、社会貢献に熱心になったり、対外イメージ悪化を恐れ始めたりしたためだ。
≪「売り手市場」≫
昨年4月には、雇用促進法が改正され、精神障害者や在宅勤務障害者への支援が強化されたほか、障害者の経済的自立を促し、就労を福祉側から支援 する障害者自立支援法が施行された。厚労省はこの間、雇用率が改善されない企業の公表や、雇用率を上回った企業への報奨金支給といった“アメとムチ”の政 策を通じ、企業への“締め付け”を強めてきた。
それでも、現状の雇用率は法定雇用率には遠く及ばない。未達成企業は納付金を徴収されるにもかかわらず、達成企業は全体の43・8%にとどまる。
「『納付金を支払った方が安い』と考えているのではない。採用したくてもノウハウがなく、どのような仕事ができるか分からないからだ」。人材 サービス会社、テンプスタッフの子会社で、障害者の人材紹介を手がけるテンプスタッフフロンティアの中村淳社長は理由を説明する。経験の少なさから、「障 害者に『万が一』のことがあった場合を考え、慎重になっている面もある」という。
障害者にも努力の余地はある。
働くことを希望する障害者は、職業訓練施設で訓練した後、ハローワークで働き口を探すのが普通だ。ハローワークは最近、福祉施設などとチームを 組んで支援するなど、就労支援に本腰を入れ始めている。また、一部人材サービス会社も、健常者の紹介事業を通じて培った企業とのコネを生かし、個々の障害 者に、より適した仕事を紹介できる態勢を整えつつある。ところが、障害者の認知度は追いついていない。
中村社長は「障害者は『自分にできる仕事はもっとある』と自信を持つべきだし、今が売り手市場であり、企業が勤務形態に関して聞く耳を持つようになっていると知るべきだ」と指摘する。
≪環境整備は着々≫
一方、障害者の中でも、精神障害者の就労支援は「特に重要な課題」(厚労省職業安定局障害者雇用対策課)と位置づけられている。昨年の雇用促進 法改正では、ようやく「精神障害者保健福祉手帳」を持つ精神障害者が雇用率に算定できるようになったが、企業に雇用義務はない。厚労省は08年度から、週 20時間未満の短時間で働く障害者の雇用企業に奨励金を支給するなど、支援策を講じている。が、社会的偏見をもたれ、理解不足で働けないと思われがちな精 神障害者の雇用は、簡単には進みそうにない。
障害者が働くための環境整備は着実に進んでいる。ユニクロ浅草ROX店の鈴木さんは、「私と同じ脳機能障害を持つ人でも、軽作業ならできる人はいっぱいいる。ユニクロ以外の企業も雇ってみれば状況が変わる」と期待する。障害者、企業側双方の意識改革が重要だ。
渡海紀三朗文部科学相が全国各地を訪問し、生徒や地域住民らと懇談する「教育・科学技術談議」が25日、全国高等専門学校ロボットコンテストに合わせて東京・両国国技館で初めて開かれた。“未来のエンジニア”からは学校予算や設備の充実などを求める注文が相次いだ。懇談会には、コンテストに出場した25校のうち24校の生徒代表が参加。優勝した北九州高専の秦寛樹君は「高専の予算が毎年削減され、学校運営が苦しい。 若い技術者を育てるのに削減が続けば国の将来がない」と予算の増額を要望。文科相は「全くその通りだ。財務省は手ごわいが、予算を増やすよう精いっぱい頑 張りたい」と答えた。
一関高専(岩手)の斎藤拓也君は「部室の老朽化が激しいので予算面で配慮してほしい」と訴え、富山高専の山中法文君は「農業の発展には農作機械の発展も必要。農業系学校と工学系学校との連携も考えてほしい」などと要請した。
石川県中小企業団体中央会がまとめた今年度中小企業労働事情実態調査報告書によると 、経営状況が「悪い」と答えた企業が38・1%に対し、「良い」が15・4%となった 。昨年の調査より経営が悪化している状況がうかがえる。七月一日に調査し、二百七十六社から回答を得た。
経営上の障害は「販売不振・受注減少」が最も多く、「原材料・仕入れ品の高騰」「人 材不足(質の不足)」と続く。
従業員の過不足状況をみると、「過剰」は12・8%で「不足」は45・1%。その理 由は「求める人材が来ない」が64・2%で、「人材育成が十分にできない」が30・8 %となっている。従業員不足の対応については「経験者の中途採用」が61・2%で、「 継続雇用者の活用」「新卒者の採用」の順となっている。
技術、技能などの承継状況では、「部分的には承継されているがまだ不十分」が半数を 超えた。承継対策を講じている企業も三分の二を占めた。
英会話学校最大手「NOVA」(大阪市)の倒産から26日で1カ月。この間、事業譲渡先が決定したり、30万人の受講生受け入れの動きが広がったり するなど事態は表向き収束に向かいつつある。一方で、職を失った外国人講師の再雇用は道半ばで、570億円の「前払い受講料」の返還も宙に浮く。説明責任 を果たさず、拡大路線のツケだけを残して去った猿橋(さはし)望前社長(56)は姿を消したままだ。米アイダホ州出身のデリック・アーチャーさん(22)は、茨城県取手市で1カ月間働いたが、一度も給料をもらえないまま教室が閉鎖され た。今は元生徒の自宅に居候させてもらい、なんとか暮らしている。インターネットで職を探すが、「まだ決まったところはなく、お金もない」。
米出身のニコラス・ファルチャーさん(27)は昨年9月に来日し、名古屋市と東京で教えていた。NOVAが借りていたアパートを出て、 都内の外国人専用ゲストハウスに移り、生活費を切りつめている。日本で働き続けたいが、職がなければ韓国の英会話学校への就職も考えるという。
NOVAの事業を一部引き継いだ学習塾「ジー・エデュケーション」(名古屋市)は再雇用を希望する元講師と元社員を全員受け入れる方針を打ち出したが、再雇用を希望した約1760人のうち同社が雇ったとしているのはまだ約半数で、多くは自宅待機中だ。
未払い賃金を立て替え払いする国の制度もあるが、請求手続きには時間がかかりそうだ。厚生労働省によると、東京や大阪、福岡など8労働局の特別窓口に寄せられた雇用保険や未払い賃金、再就職の相談件数は、4000件近くになっている。
帰国した元講師もいる。オーストラリア人のジュリー・ピジョンさん(26)は東京で教えていたが、「金銭的に限界」として20日に日本を たった。「生徒と別れるのは本当にさみしいけど仕方がない」。日本で働きたいという友人がいたら、「学校選びは慎重に」と助言するつもりだ。
ジー社は08年5月までに「200教室体制」に広げると表明しているが、NOVA倒産時の約670教室と比べて3分の1以下だ。これまでに再開された教室も15にとどまっている。
一方、受講生受け入れの動きは広がっている。業界団体「全国外国語教育振興協会」(66社)は、経済産業省に計1万人を受け入れると報 告。「民間語学教育事業者協議会」(24社)は5000人程度で検討している。ただ、570億円に上るNOVAの前払い受講料の返還については、保全管理 人は「受講生の手元に戻る確率は非常に低い」と話す。
猿橋氏は、代表取締役を解任された10月25日夜、広報担当者に電話をかけ、マスコミに解任の事実を否定するよう指示したとされる。この後、猿橋氏は姿を消した。
猿橋氏をめぐっては、英会話用機材取引をめぐってNOVAに数十億円の損害を与えた疑惑が浮上し、保全管理人が会社法の特別背任容疑での告発を検討。講師らの給与遅配についても、大阪労働局が労働基準法違反容疑で立件する方向で調べを進めている。
人材派遣大手のパソナグループのパソナユース(東京都渋谷区)は、就職活動中の大学生ら若者向けに、敬語やマナーなどを学べる携帯電話ゲーム「ビジネス常識力検定」の無料配信サービス(http://mobile.20works.jp/biz-ken/)を26日から開始する。同種の試みは人材サービス業界では初という。携帯電話でネットに接続すると情報料金はかからず、無料でゲームを行える(通話料は別)。就職活動で企業訪問する際に、学生が移動意中や待ち時間などを利用して、手軽に苦手な言葉遣いなどを確認できる。
ゲームは「社内コミュニケーション」「社外コミュニケーション」「電話・メール」「就職・転職シーン」「雑学」の5ジャンルを用意している。全問題にワンポイント解説がつく。
例を挙げると、「弔電(お悔やみ電報)で、使ってはいけない言葉はどれ? (1)ご立派(2)重ね重ね(3)わずかに(4)山々」と出題され、正解は「(2)重ね重ね(不幸が重なることを連想させるような『忌み言葉』だから)」と示される。
一昔前は、就職マナーのテキストを移動中に広げているリクルートスタイルの若者を見かけたが、現代は何事も“ケータイ”の時代のようだ。
大森英夫パソナユース代表取締役CEO(最高経営責任者)は「当初の1カ月で1万件超、年間で10万件のアクセスを目標とする」という。
パソナユースは、新卒や第二新卒といった20代の若者を主なターゲットに職業紹介などの事業を展開していることから、会社に対する若年層の認知度を、高めることを狙いに携帯ゲームサービスを開始する。
韓国料理の人気チェーン店「チェゴヤ」が12日、入管難民法違反で警視庁に摘発された。不法滞在の韓国人を働かせていたもので、チェゴヤの社長は「日本人を募集しても集まらず、不法滞在と分かっていたが、雇ってしまった」などと話しているという。
人気有名店でも、アルバイトがまったく来ないというのだ。これは同店に限った話じゃない。
「飲食店の人手不足は、深刻。不法滞在でも何でも、雇わざるを得ない状況まで追い込まれています」(大手飲食チェーン採用担当者)
実際、厚労省の労働経済動向調査では、飲食店のパート労働者は不足超過状態がずっと続いている。人材派遣会社インテリジェンスの調べでも、9月のアルバイト平均時給は前年同月比15円プラスの975円と、49カ月連続で前年同月実績を上回っている。
要は、完全に売り手市場というわけ。前出の採用担当者が続ける。
「面接でものっけから時給の話ですよ。『1200円以下では働きたくない』なんて要求もザラ。だからといって、時給を上積みするだけでもダメです。関連のリゾート施設が無料で使えるなど、福利厚生をアピールしないと、募集をかけても反応が鈍い」
特に都市部の外食産業とかコンビニでは、人手不足の解消が急務になっている。もはや外国人の雇用に頼らざるを得ない状況で、マクドナルドとかローソンでは外国語のマニュアルを作るなど、対応に追われている。
経済ジャーナリストの岩波拓哉氏が言う。
「人件費カットで演出された“好景気”のツケです。景気回復が都市部の出店ラッシュを生み、それで今度は人手が足りずに人件費アップもやむなしに なっている。フリーターより高給の派遣社員を雇うところも出てきた。大手はまだしも、人件費増は中小には死活問題です。経営を圧迫し始めている。だった ら、不法滞在でも安く使える外国人の方がいい。そう考える飲食店が増えても不思議はありません」
人件費を抑えて業績を上げる「小泉路線」は、もう限界に来ている。
人材サービス各社が国内金融機関に紹介する人材を求めて、米国の企業や大学院に在籍する日本人への働きかけを積極化する。現地窓口の設置や、就職・ 転職説明会の新規開催を相次いで始めた。日本の金融機関は採用意欲が依然旺盛な一方で、米国では信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題 で金融機関を中心に雇用環境が悪化すると判断。紹介人材の確保で先手を打つ。 国内では9月末に投資家保護の徹底を目指す金融商品取引法が全面施行されたほか、12月には銀行窓口での保険販売が全面解禁される。人 材紹介最大手のリクルートエージェント(東京・千代田)には銀行など金融機関からの10月の求人数が6000人規模に及んでいる。人材関連業界は金融機関 の潜在求人数は少なくとも1万人に達するとみている。
07年11月、第3四半期の中国サーチエンジン市場でのシェアが発表されました。それによるとナンバーワンは「百度」、シェアは実に60.5%です。2位グーグルの23.7%を大幅に引き離し、ダントツのトップに君臨しています。
今年4月、中国のネット検索最大手の百度(バイドゥ・ドット・コム)は出井伸之ソニー前会長を社外取締役に迎えたと発表し、業界に衝撃が走りました。中国企業が海外の著名経営者を取締役に迎えるのは珍しいことで、「日本での検索事業の発展につなげたい」と「百度」の李彦宏最高経営責任者は話しています。「百度」は米ナスダックに上場していますが、今年3月に日本語での検索サービスに参入して4月には出井氏を社外取締役に迎え、本格的な日本市場での検索サービス事業の展開を開始しました。
日本の検索市場は独特で、インターネットの発展の初期にはヤフー1社が市場を独占、その後グーグルが参入し、2社の寡占が続いています。しかしこの2社の中国でのシェアは2位と3位、「百度」は中国市場で打ち負かした2社に、日本市場での戦いを果敢に挑んだというわけです。
◆他を圧倒する「百度」の中国シェア
2000年1月に北京の中関村で誕生した「百度」は7年後の2006年における中国シェアを62.1%と伸ばし、中国検索業界の最大手に君臨、グーグルの25.3%をはるかに凌いでいます。百度の中国語サイトインデックスは30億件と現在世界一、そしてAlexaの調査でも中国で最も多く、世界でも4番目に多く使われているサイトに成長しています。世界の流れと同じく現在の中国ネット業界も検索を中心に回り始めており、競争が激化しています。
虎視眈々と中国市場を狙う世界の巨人グーグル、中国市場で辛酸を舐めてきたヤフーの巻き返し、中国ネット企業の先駆けであるポータルサイトの「新浪」「捜狐」「網易」の新規参入――。中国検索市場でシノギを削るプレイヤーたちの中で、「百度」はまさにただ一人、快進撃を続けています。
◆「百度」が圧倒的に強い理由
なぜ「百度」が中国市場で圧倒的な強さを誇れるのか。その理由としては、以下の4点が挙げられます。
1.検索サービスに特化しつつも、コミュニティ機能を搭載してユーザーのサービス乗り換えを防いでいること。
ユーザーが質問、回答しあえるQ&Aサービスの「知道」やトピックごとにユーザーが掲示板をつくれる「PostBar」、ユーザーが辞書を自分たちで作っていく「百科」、また音楽や映像の検索、ブログサービスなど次々と新サービスを提供し、ユーザーがさまざまなサービスを一カ所で利用できるようにしていることです。
2.広告主への販売ネットワークの強さ。
直販営業部隊と代理店の両方を持ち、中国全土に顧客を持っています。代理店の数は200社以上ありますが、これによって同社は、大企業だけでなく中小企業の顧客も数多く抱えることに成功、広告主は10万2千社以上にのぼっています。
3.中国語に強く、中国文化や中国のユーザーの好みを把握していること。
4.経営陣をはじめ、優れた人材がそろっていること。
◆なぜ「百度」は、日本進出を選んだか
2006年12月4日、「百度」は同社の国際化戦略のターゲットとして、日本の検索エンジン市場に進出すると発表。翌日、これに反応した同社の株価は3.31%上昇しました。
「百度」が世界進出の手始めに日本を選んだ理由は、日本は世界第二位の経済大国であり、市場が非常に大きいこと。日本のネット広告市場は前年に比べ50%以上も成長しているのに、市場競争はそれほど激しくなく、ヤフーとグーグルの二社だけが争っているという、異常な市場構造が続いています。これが「百度」に狙われた要因で、中国で2社との競争に打ち勝った「百度」ならではの選択ではないでしょうか。
◆創業者李彦宏氏の「百度」
「百度」は創立7年のベンチャー企業、中国の検索市場においてどうしてこんなに強いのかを知るには、その歴史をさかのぼる必要があります。
百度の創業者、李彦宏氏は90年代初期の中国からアメリカへの留学組で、検索大手の米インフォシークに勤めた後、1999年末にアメリカのベンチャーキャピタルの融資を引っさげて中国に帰国、「百度」を創立しています。つまり、当初から中国語検索に絞ってナンバーワンになろうと地道に開発を行い、今日の確固たる地位を確立したというわけです。
そんな李彦宏氏率いる「百度」、その果敢なチャレンジ精神は次なるターゲットを日本と捉え、日本の市場を塗り変えようとしているようにみえます。(執筆者:内田俊彦)