2009-10-13

今後の中国経済に関する10の予想

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  チャイナネットが伝えたところによると、今後10年の間、中国のエネルギー消費量は世界一となり、中国国内のエネルギー生産量と需要の差が拡大、エネルギー輸入量が総消費量に占める割合は上昇する。

  今後10年で中国は米国を超える世界一のエネルギー消費国となるとみられているが、一人当たり消費量は日本やヨーロッパ諸国の半分程度、米国の3分の1 にも及ない。中国のエネルギー生産量と需要の差は広がり、エネルギー輸入量が総消費量に占める割合は現在の3%から2020年には20%に達する見通しだ。

  世界では中国に一層の排出削減義務を引き受けることを要求する声が高まっているため、中国のエネルギー政策は巨大な圧力に直面することになる。民衆の環境保全に対する意識も大きく向上するだろう。中国はエネルギー構造をクリーンエネルギーに転換し、経済構造を低炭素経済に転換する方向で進めていく方針である。

  近年、中国の省エネ・排出削減政策が強化され、エネルギー消費弾性係数は2004年の1.6から徐々に低下し、2008年には0.44まで低下した。これは発展途上国と新経済体では非常に珍しい。発展途上国にとっては非常に低いといえるこのエネルギー消費弾性係数を維持し、今後10年の中国のGDP成長率が平均8%となれば、エネルギー消費量は年平均で4%増加し、2020年の中国のエネルギー消費量は標準石炭ベースで45億トンを上回ることになる。これは原油32億バレルに相当し、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリアの合計に近い。

  中国国内のエネルギー増産では需要の増加に対応できないため、中国のエネルギーの対外依存度はより上昇し、2020年には中国のエネルギー需要の20%弱が輸入に頼ることになる。2020年、中国のエネルギー輸入量は標準石炭ベースで8億トンに達する見込み。これは原油5.6億バレルに相当し、世界のエネルギー輸出量の5分の1を占める。

  中国など発展途上国の経済の急成長によりエネルギー需要が増加し、エネルギー価格を押し上げている。石油を例に挙げると、10年後に原油価格は1バレル200ドルまで上昇し、少なくとも150ドル以上に維持される見通し。石炭、天然ガス、液化ガス、ウランの実質価格が現在の倍となることはほぼ間違いない。

  エネルギー消費量の増加による二酸化炭素排出問題が世界で注目されるようになり、今後10年、気候問題と環境問題はテロ問題を超える最も重要な国際課題となる。『BP世界エネルギー統計』によると、2000年から08年まで、世界のエネルギー消費量は年間約20億バレル増加し、うち中国が半分以上を占めている。

  水力発電、原子力発電、風力発電、太陽光発電などの非炭素エネルギーの発展、硫黄回収、炭素回収貯留(CCS)などのクリーンエネルギー技術の発展と普及に力を入れることは、中国がエネルギー難を脱する唯一の道である。石炭が中国のエネルギー消費量に占める割合は現在の70%から2020年には約60%に低下する。クリーンで高効率な天然ガスが占める割合は23%から約27%に上昇、非炭素エネルギーは7%から15%もしくはそれ以上となる見通し。(編集担当:米原裕子)

  チャイナネットが伝えたところによると、自動車市場の急成長がエネルギーと環境保全に圧力をもたらしたことにより、中国の新エネルギー自動車の発展は促進され、中国自動車産業と世界自動車強国のギャップが縮まるきっかけとなる可能性が高い。

  過去10年、中国の自動車生産と自動車市場はGDP成長率の2倍近くの速度で成長しており、個人消費は中国自動車市場の急成長の最大の原動力となっている。10年後、都市部では自動車が現在のカラーテレビと同じように普及し、都市部住民の日常生活に欠かせないものとなるだろう。

  大都市の家庭は一般的に2台以上の自動車を保有するようになり、農村地区にも普及し始め、軽トラックやピックアップトラック、オフロード車など交通手段としてだけでなく生産手段としても使用できる車種が農村部市場で活躍することになる。

  中国の新車販売の市場規模が米国を上回る日は予想より早く、2015年となる見通し。2020年には中国の年間自動車生産台数は2000万台を超え、09年の2倍となる。また、自動車保有台数は1億8500万台に達し、米国に次ぐ自動車市場となる。

  急成長する中国の自動車市場がもたらすエネルギーと環境保全への大きな圧力により、新エネルギー自動車の発展速度は加速し、同時に自動車の省エネ・排ガス削減技術も引き続き向上する。技術進歩は中国自動車産業と世界自動車強国のギャップを縮めることになる。

  新エネルギー自動車の発展において「以我為主(自国の状況を主とする)」という発展構想を貫けば、中国は新エネルギー自動車分野で飛躍し、中国の自動車産業を強くすることができる。2020年には中国は各種の新エネルギー自動車を最も多く保有する国の1つとなる。

  中国の自動車輸出台数が国内の生産台数に占める割合は昨年の7.3%から2020年には約20%まで上昇する。自動車の大量輸出に伴い、中国は中低級自動車市場で世界の有名ブランドを築き上げることができる。

  10年前、中国には110社の完成車メーカーがあり、一汽、二汽、上汽の3大グループの生産台数は国内全体の44%を占めていた。2008年、中国の完成車メーカーは82社まで減少したが、3大グループが国内の生産台数に占める割合は48.7%で、わずか5ポイント上昇しただけである。今後10年、3大グループの国内における地位が他者に追い越されるという試練に直面する可能性もある。(編集担当:米原裕子) 新中国成立から60周年の節目を迎えるにあたり、今後の中国経済の動向を予想するため、新華社の経済アナリストは調査と研究を進め、人民元の国際化、新エネルギーの中国自動車業への影響、今後の中国のエネルギー消費構造、中国銀行業の発展動向、中国紡績業の見通し、文化・クリエイティブ産業の繁栄、インターネット生活の新段階、食糧需給のバランス、資本市場の深化、都市化発展レベルについて予測を出した。チャイナネットが伝えた。

  動向その1:人民元国際化が加速するが、自由兌換の実現は道遠し、人民元の上昇傾向は強まる。

  今後10年、人民元の国際化は加速する。国際貿易の決済で人民元が占める割合は2020年には10%を超え、国際準備通貨と外貨取引においては15%に達する見込み。米ドルが崩壊しなければ、2020年までに人民元対ドルレートは4.2対1となり、年平均で約4.5%上昇する。

  今後10年、人民元の国際化は中国経済と貿易の持続的かつ急速な発展に一層けん引され、人民元国際化の加速は中国の金利改革、資本市場の拡大、通貨監督管理水準を向上させる。

  中国の経済規模と貿易が世界に占める割合とは対象的に、中国経済の成長方式と金融監督管理水準の制約を受けているため、人民元の国際的地位がまだ低い。しかし、今回の金融危機で世界経済と主要国際通貨、特に米ドルは打撃を受けており、人民元国際化には貴重なチャンスがもたらされた。

  今後10年、中国のGDP年平均成長率は8%に達し、2020年までに、中国の経済総量は約75兆7000億元となる見通し。現在の為替レートで計算すると約11兆ドルとなる。人民元の上昇を考慮すると、中国の経済規模は米国に迫り、日本の2倍以上となり、世界のGDP総量の20%に達する予想。

  貿易については、中国の輸出入も年平均で8%増加しており、世界の平均伸び率5%を上回っている。中国の貿易総額は2020年までに6兆4000億ドルに達し、世界の貿易総額の13%を占め、米国を超え世界トップに躍り出る。その上、中国の貿易は輸出超過から輸入超過に転換する見通し。2020年、人民元が国際貿易決済に占める割合は、中国が世界貿易に占める割合とほぼ一致し、人民元が準備資産に占める割合もこれを上回る可能性がある。

  人民元国際化にはまだ障害が存在する。まず、中国の経済成長は輸出と投資に過度に依存しており、輸出超過と投資超過が人民元の国外への流出を妨げている。しかし、これは人民元国際化の最も重要な条件である。貿易と投資がすべて人民元で決済されても、輸出超過と投資超過は輸入支払と対外投資により流出した人民元を完全に吸収し、国外における人民元流動性不足につながる。したがって、人民元の流動性需要を満たすためには、外貨準備を大幅に増やすことでドルなどの外貨の流入を人民元の流出につなげる以外方法はないかもしれない。

  人民元の国際化プロセスには、中国資本市場のさらなる対外開放と規模の拡大により、国外の人民元保有者に投資可能な「資産プール」を提供することが伴われる。人民元の利率と為替レート形成メカニズムの一層の市場化により、人民元保有リスクが低下する。資本項目下の資金流動の管理も緩和され、人民元資産投資家の投資の安全性と収益性に対する要求は満たされる。

  これらの動きはすべて中国の通貨・金融監督管理手段の健全化を促すものである。

  10年以内に人民元が自由兌換通貨となることは難しいが、人民元は安定した上昇を続けるだろう。2020年までに対ドルレートは60%以上上昇し、年平均伸び率は4.5%となる予想。(編集担当:米原裕子)

■今後の中国経済に関する10の予想 その1「人民元」|その2「自動車」|その3「エネルギー分野」|
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