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【ワシントン=尾形聡彦】27日始まった米中戦略・経済対話(SED)で、米国に財政再建を迫る中国側の攻勢が目立っている。従来のSEDは、米国が中国に人民元相場の切り上げを迫る場だったが、今回は中国への配慮が目立ち、「攻守」が逆転した形だ。米国側は、オバマ大統領をはじめ主要閣僚が勢ぞろいし、2大国対話(G2)の様相もみせている。
「米国側とマクロ経済の問題について深い議論をした。米国の財政赤字が今後年々縮小していくことを希望している」
27日の経済対話の内容を、中国政府の幹部はこう説明した。具体的なやりとりは明かさないものの、米国に財政の改善を求めたことを示唆するものだ。米国の内政問題に中国が口を出すのは、米国が財政赤字を埋めるために発行している米国債の保有で、中国が昨年秋に日本を抜いて世界一になったためだ。米国の09会計年度(08年10月~09年9月)の財政赤字は過去最大に上る見込みだ。米財政の悪化が続けば、米国債の価値が下がって中国に損が出かねない。
中国側の27日午後の記者会見でも、中国メディアの記者から「米国債を大量保有して大丈夫なのか」という質問が続出。中国政府幹部は「オバマ大統領は経済が安定すれば、財政赤字減らしに注力する意向だ」と強調した。
一方で、06年に始まったSEDで定番だった米国側からの中国への人民元の切り上げ要求は影をひそめている。別の中国政府幹部は27日夜の会見で「今回は、米国は人民元相場については強調していない」と満足げに話した。
米国側からは、オバマ大統領が冒頭の演説で「米中の2国間関係が21世紀を形作る」と発言するなど、中国への配慮がにじむ。オバマ氏は「山の小道は、使えばすぐに道になるが、使わなければ、やはりすぐに雑草に覆われてしまう」と孟子の言葉まで引用してみせ、2国間の対話の継続を訴えた。今回の対話にはガイトナー財務長官、バーナンキ連邦準備制度理事会議長、サマーズ国家経済会議議長、カーク通商代表ら主要閣僚が顔をそろえ、力の入れようが目立っている。
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