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高級車レクサスなどを製造するトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)は22日、工場で働く派遣社員約700人の大半を9月末までに直接雇用の期間従業員に雇い直す方針を固めた。4月から先行して約250人の派遣社員を期間従業員にしており、これと合わせて工場の派遣社員をゼロにする。期間従業員は正社員と違って雇用期間を設けて契約するため人員削減の対象になりやすいが、製造業の「派遣切り」批判や生産回復を受け、原則として直接雇用に切り替える。
700人のうち直接雇用を希望し、面接試験などに合格した人を期間従業員にする方針で、650人程度を予想している。トヨタ九州は「直接雇用にして、雇用に責任を持つ」と説明している。
親会社のトヨタ自動車本体は約1700人の期間従業員がいるが、トヨタ九州は4月に92年の操業開始以来初めて採用した。契約期間は原則6カ月更新にする。大幅な減産がなければ、契約を更新し、長期雇用する方向だ。期間従業員の日給は派遣社員の時よりも増やし、福利厚生の向上も検討しているという。
トヨタ九州は現在、正社員を含めて直接雇用の従業員が6600人、事務系を含む派遣社員が1千人いるが、10月以降、事務系以外の派遣社員はゼロになる。
人材派遣会社が雇って企業に派遣する派遣社員に対し、期間従業員は企業が直接雇い、給与を支払う。契約期間中は解雇しにくく、更新を続ければ長期雇用につながる。ただ、厳しい解雇要件がある正社員と違い、契約期間満了時に工場の稼働率が低ければ解雇される可能性もある。
トヨタ九州は昨夏、工場の派遣社員約800人の契約を打ち切った。残りの派遣社員は派遣切り批判や再就職が困難な状況を受け、希望者を雇い続けてきた。ただ、労働者派遣法は派遣社員の契約期間を最長3年間と定め、それを超える場合は直接雇用を義務づけている。トヨタ九州は多くの派遣社員が9月末までに3年間の期限を迎えるため、対応を迫られていた。
一方、工場の稼働率は今年初めには3割まで落ち込んだが、現在は7割まで回復。将来はハイブリッド車などの生産増も見込まれ、熟練労働者を確保する必要もあるため、直接雇用に踏み切った。
製造業への派遣は04年の法改正で認められ、07年からは最長3年に延びた。昨秋以降の景気悪化により、製造業では削減しやすい派遣社員の契約打ち切りが相次いだ。日産自動車は昨年10月に約2千人だった派遣社員を今年3月末までにすべて解約した。
しかし、派遣切り批判が高まり、直接雇用や正社員での雇用を求める声が強まっている。衆院解散で廃案になったが、民主、社民、国民新党は製造業派遣の原則禁止などを盛り込んだ派遣法改正案を提出した。総選挙の結果によっては製造業派遣の見直しが進む可能性がある。(福山崇
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2009-07-23
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