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不況の影響で、学費や生活費に不安を感じる高校生が増えている。
派遣切りに遭う定時制生徒、昼食を節約する全日制生徒。首都圏の高校生たちが同世代を対象に実施したアンケートでは、回答者約2090人の75%が「学校生活を続けるのに不安がある」と答えた。危機感を持つ高校生らが26日、「お金がないと学校に行けないの?」と題するシンポジウムを埼玉県三郷市で開いた。
埼玉県内の定時制高校に通う女子生徒(17)は昨年秋、授業料が払えなくなった。親が病気で、自分のアルバイトで学費や住居費を賄っていた。しかし、不況でガソリンスタンドの仕事を雇い止めになり、新しい仕事先も見つからない。授業料減免は受けたが、給食費や参考書代などの工面は無理で、退学を考えた。「先が見えず、本当につらかった」
今春、ようやく工場の仕事を得た。週6日働き、奨学金も受けられるように。滞納していた授業料を少しずつ払っている。「高校に進んだ途端に多くの費用がかかる。補助制度がもっと充実していれば」と漏らす。
同県立小川高定時制の鈴木敏則教諭によると、定時制では、昨年から雇い止めや派遣切りに遭う生徒が相次いでいる。「生徒の収入に頼る家庭が多く、その職を失えば学費が払えなくなり、退学に直面する生徒は多い」と話す。
不況の影響を受けているのは定時制の生徒だけではない。日本高等学校教職員組合によると、昨年から、全国各地の高校で授業料減免の適用を受ける生徒が増えている。私立高校では、経済的な理由で授業料を滞納している生徒が昨年12月末現在、全国で2万4490人に上り、9か月間で約3倍に増えていたことも日本私立中学高等学校連合会の調査でわかっている。
地方では学校統廃合による学区拡大が通学代の負担増を招く例も。北海道のある全日制の公立高校では昨年夏、長く休んでいる生徒宅を担任が訪ねたところ、生徒から「通学定期が買えない」と明かされた。親は派遣社員で収入は不安定。学校統廃合で、通学に電車で1時間かかるようになっていた。
26日のシンポジウムを開いたのは首都圏の高校生たちによる実行委員会。開催前の5~7月、首都圏や関西の生徒にアンケート調査を行い、2092人(定時制1161人、全日制744人、通信制187人)から回答を得た。学費などに何らかの不安や心配があると答えたのは75・2%。定時制では77・3%、全日制では69・8%だった。
シンポジウムには高校生や教師、保護者など約70人が参加。生徒や保護者から「定時制生徒が学費を賄うために仕事をしすぎて体調を崩すケースがある」「全日制でも家庭の事情で昼食代を削る生徒がいる」といった実態が報告された。定時制3年生の女子生徒(17)は「多くの人が高校に進む時代に、経済状況が原因で学校に行けなくなる生徒が出るのは理不尽。自分も頑張って働くので、お金の心配をせずに通学を続けられる制度にしてほしい」と話していた。
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2009-07-27
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