2009-06-24

「人手不足だが、無理に採用しない」

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 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)・携帯電話向けゲームサイト「GREE」を運営するグリーが元気だ。2009年6月期の売上高は前期比約4.4倍の128億円、営業利益は前期比約7倍の73億円を見込む。「リーマンショック」直後の2008年12月に東証マザーズに株式を上場したが、株価は堅調に推移。同業のミクシィ(mixi)の2倍近い時価総額になっている(2009年6月中旬時点)。

 会員数は2009年4月に1000万人を突破したばかりだ。ミクシィの約1700万人に比べて小規模ながら、利益率は高い。一般的にネットビジネスでは広告収入に依存することが多いが、グリーの広告収入は全体の4分の1ほどに過ぎず、4分の3をゲームのアイテム購入などによる有料課金から得ているのが特徴だ。

 CIO(最高情報責任者)としてグリーのシステムを支える取締役執行役員CTOプラットフォーム開発部長の藤本真樹氏は「サービスを次々と投入できるように、十分なサーバー容量を低コストで確保するのが私の役割」と話す。新サービスを投入するとある時期を境に利用者が急増する。「過去のデータから一定の傾向があり、ノウハウとして蓄積している」。むやみにサーバーを増強せず、適切な時期に必要十分なサーバー台数を確保することで、高収益体質を築いている。「アクセス履歴機能(いわゆる足跡機能)」では、サーバー負荷を抑える新技術「キー・バリュー型データストア」(関連記事)をいち早く採用するなど、低コスト体質維持に腐心している。

 グリーの創業者である田中良和・代表取締役社長が、楽天への勤務の傍らほぼ1人でサービスを開発・運営していた時期に、藤本氏はコンサルタントとして楽天に出入りしていた。その後、藤本氏は2004年末から本格的にグリーの事業を手伝うようになった。「当時は“個人事業”だったので、サーバー運用やシステム開発などの体制が何も無かった」と振り返る。

 藤本氏は事業として継続できるようにサーバー運用体制を徐々に整備。数人だった開発メンバーも少しずつ採用し、今は約40人体制になった。それでも人手不足だが、急速な採用拡大には慎重だ。「社長の田中がそうだったように、グリーでの仕事以外に個人のプロジェクトをこなしている人が多い。人手が欲しいのはやまやまだが、自分で考えて自分で動ける技術者をじっくり選んで採用することを徹底している」と話す。
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