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【北京=矢板明夫】毎年6月に行われる中国の大学統一入試が7日から全国で一斉に始まった。受験者は約1020万人で、昨年と比べ約40万人減少した。中国教育省の統計によると、今年の高校卒業生の中で、約84万人が受験しなかったという。金融危機に伴う大卒者の就職難がメディアで大きく報道されたことが、高卒者の心理に影響を与えたとみられる。
中国では近年、大学受験者数は急増し続けてきた。2002年には約520万人だったが、その6年後の2008年には約1060万人と倍増。今年は初めて1100万人を突破するとみられていたが、10年ぶりに減少に転じた。
昨年秋以降、沿海部などで工場の倒産が相次ぎ、失業した農民工(出稼ぎ労働者)の子弟が大学の授業料を払えなくなったという経済的な事情が指摘されているが、このほか、苦労して大学を卒業しても希望する職業に就けないのではないか、という不安が強まったことが受験者減少の背景にあるようだ。
中国社会科学院が昨年末に発表した予測では、2009年の大学新卒者の失業率は12%に達するという。就職できたとしてもその初任給の平均は1000元(約1万4000円)から2000元の間で、一般の労働者とあまり変わらない。これでは、大学進学に魅力を感じなくなるのは当然で、今年、受験しなかった高卒者の多くは、農村部の貧しい家庭の出身だと中国メディアが伝えている。
中国紙、中国青年報がこのほど、現役の大学生を対象に行った調査では、34・7%が大学進学を「後悔している」と答えている。改革開放以後、中国で30年間も続いてきた「大学神話」は、今回の金融危機をきっかけに崩れ始めたのかもしれない。
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2009-06-25
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