2009-06-02

中国特許法が8年ぶりに改正、日本に与える影響は?

:::引用:::
 2009年10月、中国は改正専利(特許)法を施行する。中国がWTOに加盟して以来8年ぶりの大きな法改正となる。中国の改正専利法は、世界的に問題となっていた「絶対的新規性基準」や「公知技術の抗弁」などが導入され、他国との制度調和を図りつつある。しかしながら、日本企業が中国でビジネスを進めるには実務上注意すべき点が依然として残されている。JETRO北京センターの所長を務めるなど中国の知的財産に詳しい日高東亜国際特許事務所所長の日高賢治氏に聞いた。

審査をクリアしなければ海外出願できない

 近年、中国に研究開発拠点を設置し、中国人研究者を雇用する日本企業が増えている。従来、中国企業(外資との合弁企業を含む)や中国人が中国で完成した発明は、まず中国に出願してからでなければ外国に特許出願できなかった。
 改正専利法20条では、中国への第一国出願に関する義務は撤廃されたが、中国で完成した発明は、日本の特許庁に相当する「国務院専利行政部門(国家知識産権局(SIPO))」の「機密審査」を経てからでなければ海外に出願できなくなった。現時点で、運用の詳細は明らかではないが、本条は発明者や企業の国籍は関係なく適用されるものと推測される。可能性としては、例えば中国からの情報流出を恐れる「軍事転用可能な発明である」と当局が判断した場合、海外への出願を認めないことも想定される。本審査を経ないで海外に勝手に出願した場合、中国では特許権を与えられない。
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