2007-07-11

中小企業の「内定辞退」防止策 について

:::引用:::

SNSも登場…中小企業の「内定辞退」防止策
■家庭訪問などで連帯感、愛着はぐくむ

 中小・新興企業が新卒採用内定者のフォローに工夫を凝らしている。会社幹部が内定者の家庭を訪問したり、いち早くアルバイトとして雇って帰属意識を高めたり。売り手市場で学生の大手企業志向は強まる。知名度の低さをカバーするポイントとは…。(海老沢類)

■親をファンに

 マーケティングPR会社、ビルコム(東京)の太田滋社長(30)は毎年、希望に応じて内定者の実家へ足を運ぶ。会社の沿革や取引先企業名、社員の出身大学などの資料を持参し、内定者の親に自らの言葉で会社の魅力を伝えるためだ。
 「創業間もないベンチャー企業。本人の入社意志は固くても、親御さんが難色を示すケースがあった。将来性への不安を払拭(ふっしょく)してもらうのが目的」と太田社長は説明する。
 平成15年設立で社員は35人(4月現在)。毎年数人の採用枠に500人前後の志望者が集う人気だが、学生の親世代には社名や事業内容が浸透していないという。
 大手を含め複数の内定を手にする学生も多いが、「親御さんにお会いした内定者の辞退率は0%」(太田社長)と“家庭訪問”の実績は上々。実際に母親が訪問を受けた女性社員(23)も「直接会って話すことで社長の人柄が伝わる。親も会社のファンになってくれた」と話す。
  組織のモチベーションコンサルティングを手がけるリンクアンドモチベーション(東京)は毎年6月ごろ、内定者の父母を対象に会社見学会を開く。旅費や宿泊 費は会社の負担。今年も内定者33人のほぼ全員の親が出席した。計4時間の見学会は、事業内容の説明や財務状況の報告から若手社員によるオフィス案内まで 多岐にわたる。
 人材開発担当の麻野耕司さんもかつて親に入社を反対された経験を持つ。「『モチベーション』『コンサルティング』と言ってもイメージは沸きにくい。実際にオフィスを見て説明を聞くことで、会社の姿を正しく理解してもらいたい」

■バイトで“雇用”

 採用日程の前倒しで、内定から入社までの期間が長期化するなか、内定者をいち早く戦力化する動きも広がっている。
 ネット広告代 理店のオプト(東京)は9月から内定者のほぼ全員をアルバイトとして雇い、データの集計作業などを手伝ってもらう。「週2日以上・2カ月間」が原則だ。 「囲い込みと育成の両立が狙い。内定者と社員のつながりが深まり、定着率が高まった」と人事部の曽根金大郎・副部長は話す。
 インターネットの交流ツール、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などを提供するガイアックス(東京)は6月、内定者フォロー用SNSに 採用人数20人以下の低料金コースを設定し、中小企業向けに販売を始めた。導入ずみの企業では「(ネット上での)交流が盛り上がり、学生自ら懇親会を企画 し、人事担当者を呼ぶケースもあった」(同社)。日常的な交流が会社への愛着をはぐくみ、内定辞退防止につながるという。
 リクルートワークス研 究所が2~3月、全国の民間企業と来年3月卒業予定の大学生(大学院生含む)を対象に行った調査によると、従業員1000人以上の企業の求人倍率は0・ 77倍だったのに対し、従業員1000人未満の企業は昨年の3・42倍から4・22倍へと大幅に上昇した。学生の大手志向が強まっており、中小やベン チャー企業にとって採用環境は厳しさを増している。
 新卒採用事情に詳しい人事コンサルタントの田代英治さんは「中小・新興企業は大手のブランドに負けてしまう傾向が強い。早期離職を防ぐためにも、いたずらに人材を囲い込むのではなく、情報を積極的に出して、会社と内定者が互いに理解し合うことが必要」と指摘している。イザ


●●コメント●●
人材集めと定着に苦労する中小企業の取り込み。

0 件のコメント: