2007-11-01

外国人労働者の受入れは日本の若者を一体化して低賃金層を形成させる

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外国人労働者の受入れは日本の若者を一体化して低賃金層を形成させる
CPEとは、二六歳未満の若者を、理由を明示せずに解雇できるようにすることで、採用に関する企 業の負担感を引き下げ、企業が気軽に若者を採用できるようにする制度だ。その制度の導入に反対するフランスのストライキやデモが、〇六年三月二八日と四月 四日にそれぞれ三〇〇万人を超えるフランス国民が参加して行われた。
 このデモは、もともと〇五年一〇月から一一月に起きた移民系の若者の暴動に端を発している。フランスでは、北アフリカを中心とした地域からの移民の 二世が厳しい雇用状態に置かれてきた。フランスの若者の失業率は二割だが、移民系の若者の失業率は四割にも達している。いくら努力しても、まともな仕事に ありつけない彼らの不満が最初の暴動を引き起こしたのだ。しかし、三月以降の国民行動は、そうした移民系の若者だけでなく、老若男女のフランス国民を巻き 込む形で広がった。
 それはCPEを含む「機会均等法」が、若者向け雇用政策の変更にとどまらず、一度正社員として雇用すると、ほとんど解雇することができないフランスの雇用制度に風穴を開け、米英型の雇用制度に転換していく「改革」の第一歩だったからだ。
  経済が低成長に陥り、雇用が過剰になったとき、それを調整する方法は大きく分けて二つある。ひとつは労働時間を削り、賃金を減らすことで雇用を分かち合う 「ワークシェアリング」の方法で、もう一つは過剰になった労働者を解雇する方法だ。前者は大陸ヨーロッパで、後者はアメリカで採用されてきた方法だ。
  もちろん大陸ヨーロッパでも、解雇型の雇用調整は事実上行われてきた。その対象が、移民系の労働者だった。正社員として就職することが困難な彼らは、景気 が悪くなると真っ先に解雇され、景気変動のクッションの役割を果たしてきたのだ。しかし、欧州経済の不振に伴う労働需要の減少は、移民系労働者だけの調整 では足りなくなり、新たにフランスの若者を同じ立場に置くことが目的にされたのだ。
 実は、そうしたことには手本がある。アメリカ企業で広く採用 されているシニョリティ・システム(先任権制度)だ。アメリカの企業には、景気が悪くなって雇用調整が必要になった時に、勤続年数の少ない従業員からレイ オフ(一時解雇)をする雇用ルールがある。一見、アメリカの雇用システムは公正な自由競争にみえるが、そうではない。既得権を握る者が安定をつかみ、「自 由競争」の敗者と宿命づけられているのは、立場の弱い若者なのだ。
 結局、フランスでは国民の猛反対で、CPEの導入は廃案となった。しかし、ア メリカ型の雇用制度への転換は日本でも着実に起こっており、若者を中心とした急速な非正社員化・低賃金化が進んでいる。しかし、日本ではフランスのように ストもデモも起こっていない。だから、雇用面のアメリカ化は、日本のほうが確実にかつ急速に進展しているのだ

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