2008-12-02

点字絵本づくり最後の共同作業 日本語学ぶ中国の視覚障害者へ

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 学科再編により本年度末で閉校する都立忠生高校(町田市)の三年生たちが、中国・天津市にある視覚障害者対象の日本語訓練学校で学ぶ若者らの学習 に役立ててもらおうと、点字の絵本や歌詞カードなどを作っている。同校設立者で、さいたま市見沼区出身の青木陽子さん(46)との交流がきっかけとなった 取り組みで、近く贈る作品は「忠生文庫」の名で同校に保管される。 (堂畑圭吾)

 取り組んでいるのは、忠生高の生徒らでつくるボランティアグループ「クリーンバード」のメンバー。相葉玲校長の呼び掛けで、地域清掃奉仕に自主的に加わった生徒らで昨年七月に発足。市立小学校の特別支援学級の子どもたちのための福祉ボランティアなどを続けてきた。

 点訳は、昨年度都立高に導入された「奉仕」の授業の一環で、増田雅子教諭が現在の三年生百二十八人に指導。童話やカラオケの歌詞などを基にパソコンで点訳し、市内の支援団体の協力で、点訳本や点字の歌詞カードに仕上げている。

 生徒たちは今年九月、青木さんが開校した中国初の「天津市視覚障害者日本語訓練学校」のことを知り、「作品を役立ててもらいたい」と、点字絵本など寄贈した。これに感激した青木さんが一時帰国中の十月下旬同校に講演に訪れ、さらに交流が深まった。

 六歳で全盲となった青木さんは南山大卒業後の一九九三年、天津市に留学。九五年に「同じ境遇の若者らに夢を実現してほしい」と訓練学校を開校した。十三年で二百人以上の視覚障害者が日本語を習得し、各界で活躍している。

 忠生文庫は「生徒の善意を中国の若者たちの胸に刻みつけたい」と、青木さんから提案があった。最後の卒業生となる三年生たちは思い出づくりにと、 制作に熱を入れている。新たに日本語、英語の同時点訳本や点字料理本、人気アニメ映画「崖(がけ)の上のポニョ」の点訳絵本なども贈る計画だ。

 点訳文作りを担う彦根里菜さん(18)や吉田達海君(18)は「一人でも多くの人に役立ててもらいたい」といい、グループ世話人の平野真穂さん(18)は「卒業しても、活動を続けていきたい」と話している。


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