キッコーマンの子会社で食品商社の太平洋貿易(東京都中央区)がオーストラリア向けに出荷した中国製の冷凍食品に、日本製と書いたラベルをはっていたこ とが分かった。同社は「担当者の思い込みが原因」と説明。すでに日豪の関係当局に報告し、商品を自主回収しているという。
両社によると、中国製なのに日本製と表示をしていたのは、冷凍のブリやサバなど4品目。ホッケやアジなどの3品目も仕入れ先の卸会社を製造者と表記していた。
冷凍ブリは1パックに三つの照り焼きの切り身が入った商品。太平洋貿易は昨年、日本企業の中国にある工場でつくられた計360パックを神奈川県の 業者から仕入れ、昨年5、8、12月にオーストラリアに出荷。この際、太平洋貿易の担当者が「日本の会社がつくった商品なので、日本製と勘違いした」とい う。
商品には、もともと日本語で中国製と書かれたラベルがはってあったが、その上に、英語で日本製と書かれたラベルをはったという。
太平洋貿易では2月、取り扱っている約1万4千品目のラベルの表示について適切かどうかを調べたところ、冷凍サバなど新たに6品目で問題が見つかったという。
このうち、冷凍サバ80パックについては、船便で出荷する手続きに入っていたため、同社はオーストラリアの子会社に現地到着後に処分するよう指示 した。しかし、子会社側がこの指示を忘れたために小売店に出回り、11月になって店頭で問題のあるラベルに気づいた人もいたという。
太平洋貿易は、オーストラリアの二つの州政府機関と日本の農林水産省に対し、ラベル表示が不適切だったことを報告。日本の農水省は商品が国内で流通していないため、処分の対象外という。 両社は「消費者には大変、申し訳ない。担当者の思いこみなどの単純なミスが重なってしまった。中国製だと売れないから、日本製だと原産国を偽装したわけではない」と説明している。(益満雄一郎)
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