2008-12-02

新車販売台数:国内27%減 広がる買い控え 減産や人員減、消費者心理に冷水

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11月の新車販売台数(軽自動車を除く)は前年同月比27・3%減と大幅な落ち込みとなり、国内新車 市場の急速な冷え込みを示した。燃費の良さから比較的好調だった軽自動車も、2カ月ぶりの前年割れ。9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(は たん)を契機にした需要減退で、自動車各社は減産や人員削減を急いでいるが、それが消費者心理を冷え込ませてさらなる需要減少を招く悪循環が広がってき た。【宮島寛】

 「金融危機が実体経済に波及し、販売は持ち直すどころか落ち込む一方だ」。首都圏の国産車ディーラー幹部は嘆いた。来店客は減り、商談に持ち込んでも、「ふんぎりのつかない顧客が多く、値引き幅を拡大してようやく契約に持ち込める」状況という。

 燃費の悪い大型車や高級車は、特に不振だ。日本自動車販売協会連合会(自販連)によると、11月の輸入車の販売台数は同37・7%減。東京都内のドイツ車ディーラーは「会社経営者などは、取引先の企業や金融機関に気がねして買い替えを渋っている」という。

 国内の新車市場はここ数年、若者の車離れにガソリン高が追い打ちをかけ、縮小傾向が続いていた。ガソリン価格は下落傾向に転じたものの、景気悪化が効果を打ち消している。また「消費者は『いつガソリンが値上がりするか』と警戒している」と関係者。

 国内自動車メーカー主要12社は輸出減などから、08年度中に国内外で計189万台を減産し、国内の非正規従業員(期間従業員と派遣社員)を計1 万4000人規模で削減する見通しだ。鉄鋼や機械、電子部品など裾野の広い自動車産業に対して注目度は高く、「自動車メーカーの業績悪化や人員削減の報道 が出るたび、勤め先や自分への影響を心配して契約を先送りする顧客が出てくる」(国産車ディーラー)という。

 ◇値引き効果も限定的

 ディーラーは販売てこ入れのため、人気の高い低燃費車の値引きや、自動車ローン金利の優遇キャンペーンを実施しているが、期待通りの効果は発揮していない。業界では「政府が思い切った対策を実施しないと、販売環境は好転しない」(自販連)との声も強い。

毎日新聞 2008年12月2日 東京朝刊


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