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情報通信技術の発展により人材が必要になる一方で、ハードな職場イメージによる若手技術者の敬遠もあり、国内IT業界は慢性的な人材不足に陥っている。人材難の解消とコスト優位性を両立させるためにも、中国やインドなど海外での人材活用が大きな課題になっている。
そうしたなか、中国で優れた理工系学生を多数獲得し、日系企業向け委託業務を推進、IT業界における“日中の懸け橋”を目指す。
中山克成社長は1987年に中国から来日し日本語を学びながらソフト開発に従事し、97年に会社を設立した。金融機関向けのシステム構築など実績を重 ね、2002年に上海に子会社を設立、06年に無錫に開発センターを開設した。大連にはITの人材を獲得する「リクルートセンター」を設置している。
IT業界における海外業務委託(オフショア)は、マイクロソフトを始めとする米国企業はインド企業と提携するなど、導入する企業が後を絶たない。しかし、日本企業は「言語の壁」やセキュリティー、知的財産の侵害といった懸念がぬぐえないことから、導入が遅れていた。
同社は中国で日本語教育、プログラミング教育、読解訓練を実施。社内にチェック機関を設けるなど、高いセキュリティー対策を講じている。約280人の社 員のうち6割が中国出身者で占めるなど、社内のボーダーレス化が進展、「(日中の)互いの強みを出し合っている」(中山社長)と胸を張る。中国人は「上昇 志向が強くハングリー精神がある」と語り、日本人は「製品へのこだわりが非常に高い」という。両国の人材が刺激し合って成長してきた結果、売上高は毎年 40%以上の高い伸びを示してきた。
成長軌道に乗った同社が次に掲げるのが中国市場の開拓だ。
日本企業は生産管理やリスク管理など高いソリューション能力を誇るものの、汎用性が乏しく、対象業種が限定されることから、海外展開には制約があった。 ソフトをそのまま中国に導入することはできないが、同社を経由して中国市場向けにカスタマイズすることで、日本企業の高いソリューション技術が中国で再度 発揮されることになる。
中国ではITインフラが急速に発展しつつあるが、「ソリューションのニーズはこれから本格化する」(中山社長)と見込む。日本のソリューション技術を導入し、中国でのシェア獲得を目指す。
中国事業の中核を担うのが1日、富士通子会社の富士通ビジネスサービス(FJB)と無錫に共同設立の新会社、ベース情報システム(BCH)だ。FJBの 持つ高い技術力を武器に市場開拓を急ぎ、「3~5年後には中国ビジネスを軌道に乗せたい」(中山社長)と将来像を描いている。(川上朝栄)
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【プロフィル】中山克成
なかやま・かつなり 1982年、上海市儀表電子工業局職工大学コンピュータサイエンス専攻卒。87年来日、日本語学校で学ぶ。95年に日本国籍取得、97年にベース設立。上海市出身。51歳。
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【会社概要】ベース
▽本社=東京都千代田区東神田2-10-14 日本センヂミアビル
▽設立=1997年1月▽資本金=2億6900万円
▽従業員数=282人▽社長=中山克成▽売上高=26億円(2007年12月期)
▽事業内容=ソフト開発、販売。情報システムに関するコンサルタント業務
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2008-12-01
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